二次創作小説(紙ほか)
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- 東方機海伝 [ダライアス]
- 日時: 2023/02/18 08:20
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
今回の話は魔理沙の撃った八卦路に反応して、THIMAが幻想郷を襲撃する話です。Gダライアスの要素が濃いです。
分からない戦艦が出てきた場合はちゃんと調べてから見た方がいいです。(原作に合った設定が強いから)
この話では以上の要素を含み、前提として進みます。
・Gダライアスを熟知している
・グロテスクな描写(戦艦と少女が戦ってるもんね。仕方ないね。)
・月の都に関する歴史の改変(第一次月面戦争前)
・度々ダライアスの歴史と関わります。
各ボスに対応したbgmを聴きながら見るとより一層楽しめます。 以上! 楽しんで!
- Re: 東方海洋伝 7話 永劫鼎立・霧の湖大戦争 ( No.7 )
- 日時: 2022/11/14 20:54
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
-霧の湖-
紅魔館近くの湖、何やら妖精達が集まっている。
チルノ「よし!これほどの数ならあの化け魚を探せるはずよ!あいつらを倒せばアタイが最強だって事を知らしめる事ができるかもしれないわ!」
昨日、紅魔館へ向かうアジュールナイトメア、ファイヤーフォスル、ディメンションダイバーを目撃していたチルノは闘争心が高まっていた。無論、3体共とっくに撃沈しているが。
大妖精「あんな巨大な魚と戦うのは危険だしやめようよ…」
大妖精の制止を無視し、チルノは集まった妖精達と湖の上へ飛び立った。ため息をつきながら大妖精も後を追う。そんな中、1人の妖怪が寄って来た。
ルーミア「こんなに集まって何してんだー?」
チルノ「アタイはこれから巨大な化け魚を倒しに行くのよ!」
ルーミア「そーなのかー。私もついて行っていい?」
チルノ「いいよ!」
話ながら飛ぶ妖精達の上から突如 3体? のTHIMA艦がやってくる。それぞれ変わった弾で妖精達を躊躇無く撃ち落とす。
大妖精「何あいつらは…きゃあああああ!!」
大妖精の腹部を数本のレーザーが貫通する。他の妖精達と共に湖へ沈んで行った…一瞬にして湖の上はチルノとルーミアの2人だけになる。すると、3つのTHIMA艦は連結し、やがて魚の形へと戻った。
チルノ「ば…化け魚!?きっと昨日見たあいつらの仲間に違いないわ!」
ルーミア「はぇ〜、目の前のは食べられる魚かなぁ?」
湖がフィールドに変わる。
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
ETERNAL TRIANGLE
IS APPROACHING FAST.
チルノ「い…いくら合体して大きくなったからって…最強のアタイに勝てるはずないわ!《凍符・マイナスK》!」
放たれた楕円弾はエターナルトライアングルの近くで炸裂し、小さな氷のような弾幕が飛んでくる。しかし、装甲には傷一つついていない。
チルノ「…!?アタイの弾幕が効かない…?」
ルーミア「苦戦してるねー。《夜符・ナイトバード》!」
ルーミアの両手から乱れ撃つように弾幕が張られる。しかし、この攻撃もエターナルトライアングルにはびくともしない。さっさと排除してしまおうと、エターナルトライアングルはβビームのチャージを始める。
ルーミア「うわぁ、結構タフだな〜。負けるかも。」
チルノ「こ…今度こそぉ… 《氷符・アイシクルフォール》!」
氷柱のような弾幕がエターナルトライアングルへ向かっていく。しかし、βビームが弾幕を打ち消しながら放たれる。
チルノ「わ〜!なんだあのビーム!?」
ルーミア「私もできるよ!《月符・ムーンライトレイ》!!」
両手から二つの青い光線が放たれるが、βビームはそのレーザーを吸収し、大きくなりながらルーミアへ飛んで行った。」
ルーミア「げっ!こりゃ逃げるが勝ちだわ。チルノ!後は頑張ってね⭐︎」
影に身を包み、ルーミアはフィールドの奥へ逃げてしまった。しかし、エターナルトライアングルは3つのパーツに分離し、様々な方向から追跡していく。距離を詰めた所で、腹部の追尾レーザー砲から追尾レーザーが5本放たれる。
ルーミア「うわぁぁぁぁぁ!!」
ルーミアの体をレーザーが切り裂いていく。たちまち動けなくなったルーミアは意識を失い、倒れた。
チルノ「最強のアタイを囮にして逃げるからそうなるのよバーカ!!」
エターナルトライアングル「…ガガッ…愚か者はお前だっ!!忌々しい小娘が…」
合体し終えた後、発声装置を通してエターナルトライアングルが喋る。
チルノ「さ…魚がしゃべったぁ!」
エターナルトライアングル「やはりこの妙な世界でも人類というのは争いを起こしてばかりのようだな…」
チルノ「じ…じんるい?アタイは最強の妖精よ!!」
エターナルトライアングル「黙れ、愚か者。さっきから妙な攻撃ばかりしているが、我の複合装甲を破壊できると思っているのか…?」
チルノ「ば…馬鹿にしないでよ!《凍符・パーフェクトフリーズ》!!」
チルノの周りに凍りついた弾幕が張られる。大量の弾幕は氷が割れると共に物凄い速さでエターナルトライアングルへ向かって行く。
エターナルトライアングル「少しはまともな攻撃になったな…しかし、我を超えるにはそれ以上の火力を出す必要がある!」
弾幕をパーツを分離して軽々と避け、チルノの周りを三角形の形で周り、電流網で囲む。
合体分離攻撃艦種エターナルトライアングル。群体を3つに分離させ、それぞれが攻撃ユニットとして機能する特殊な構造を持つ。
3つのユニットは電磁アンカーによって連動し、連携攻撃や分離合体を行える。
チルノを囲むユニットのそれぞれが様々な弾幕を張る。
しかし、弾幕は全て一瞬にして凍り、動かなくなる。
エターナルトライアングル「な…なんだ!」
チルノ「アタイを舐めると痛いめに合うわよ!《氷塊・グレートクラッシャー》!!」
巨大な氷で出来たハンマーがエターナルトライアングルの胴体部に振り落とされる。強い衝撃で故障した内部のβ機関が暴走する。
エターナルトライアングル「…ガガッ…爆発する!やめろ!!」
慌てるうちに胴体をつなぐ電磁アンカーの一本が消える。チルノは素早く抜け出ると続け様にスペルカードを発動する。
チルノ「《氷符・ソードフリーザー》!!」
チルノは巨大な氷の剣を召喚し、合体しようとするユニットの間へ投げ込む。たちまちユニット内部は爆発し、煙を上げながらエターナルトライアングルが落ちて行く。
チルノ「化け魚に勝ったぞ!やっぱりアタイって最強ね!」
エターナルトライアングル「まさかお前のような奴に破壊されるとは…約2000年振りだな、撃沈するのは…」
遠い昔、アムネリア星との戦いで初めて負けた相手、赤い鷹のような戦闘機。その風景を脳裏によぎらせながらエターナルトライアングルは爆発して行った。フィールドが消え、湖に戻る。
チルノ「あ、大ちゃんだ!」
再生が終わって生き返った妖精達の元へとチルノは向かう。
大妖精「チルノちゃん!どうしたの?その怪我は…」
チルノ「そんな事より!アタイあの化け魚を倒したのよ!」
大妖精「えぇ!?すごい!」
妖精達はだんだん自分の棲家へと帰って行った。その後、1人の妖怪が目を覚ます。
ルーミア「はぁ…大変な目にあった…….帰ろ。」
意識を取り戻したルーミアは湖から一目散に飛んでいく。
-亜空間中心部-
そんな中、THIMAの大艦隊が亜空間から出てこようとしていた…
続く…
- Re: 東方海洋伝 8話 悪魔の力と絶対守護者 ( No.8 )
- 日時: 2022/11/14 20:57
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
-亜空間最深部-
これまで、幻想郷の破壊のために数々のTHIMA艦が送り込まれたが、少女達に全て破壊された。ジ・エンブリオンはアムネリア侵攻のような戦法では勝てないと悟り、かつてのベルサーのように強襲による短時間での侵攻、制圧作戦に踏み込む。そして、幻想郷へ初めて戦闘艦を送り出してから3日目。亜空間内で大量のTHIMA艦を生成し、複数の旗艦に指揮を取らせ、全面的な攻撃を行おうとしていた…
-幻想郷の上空-
八雲紫「ん?なんであんたが来たのよ」
月の都の使い、リーダーでもある綿月豊姫が幻想郷へいきなり入って来た。何か焦っているようだ…
豊姫「今回は戦いに来た訳じゃない…だから話を…」
紫「あんたが私の頭を下げさせた事、別に恨んでなんかないわよ。」
紫は`スキマ`へと入ろうとする。
豊姫「幻想郷が滅んでも良いのか!!」
その発言で紫の動きが止まる。
紫「幻想郷が滅ぶ?何を言っているのよ。別に異変も何も起きていないわ。早く月にかえりなさい。」
豊姫「今回の敵は外部の者達よ!月の技術でも歯が立たない奴らがくるのよ!」
紫「…詳しく聞かせて…」
豊姫は語る。
———————————————
約1000年前に起きた幻想郷との壮絶な戦い、第一次月面戦争前。約2000年前の事だった。月の都が発達し、更に優れた技術が開発された頃。
奴らが現れた…
機械生命体THIMA。 同時期に襲撃されたアムネリア星で言う`死を司る者`が月の都を襲撃した。月の民達による攻撃は全く効かず、部隊はなす術なく壊滅させられた…
甚大な被害を被せてきたにも関わらず、その攻撃はTHIMAの偵察部隊による物だった。
月の都を上回る圧倒的な科学力によって、結界をものともせず、都の大半を滅ぼされ、月の民達はもう駄目かと諦めていた。
その時、奇跡が起きた。
突如敵達の動きが止まり、THIMA達の月への侵攻が無くなったのだ。
それから少しして、月面にデータを詰め込む一つの筐体が落ちてきた。
中を解読すると、それは同時期にTHIMAの攻撃を受けたはるか遠い星、アムネリア星の戦闘機の一部が漂流してきた物であり、二機の戦闘機によってTHIMAの中枢が撃墜された途端、THIMAが撤退したと言う情報が入っていた事だった…
———————————————
豊姫「あの時、はるか遠い場所にある惑星…-アムネリア星-の反撃が失敗していたら、とっくの昔に月の都は滅んでいたわ…」
紫「そのTHIMAって奴らが幻想郷を滅ぼしに来たとでも言うの?」
豊姫「そう。警告しに来たのよ。何も知らずに幻想郷を滅ぼされたくはないでしょ?私たちが幻想郷を守ろうとしている訳じゃない…」
紫「…ありがとね…」
豊姫は何も言わずパネル式の電子機器を紫に渡し、月の都へとワープしていった。
紫「さて…幻想郷を救わないとね…」
-博麗神社-
紫「みんな、良く集まってくれたわ。」
紫はTHIMA艦を目撃、撃退したと言う者達を博麗神社に集め、作戦を練っていた。
霊夢、魔理沙、射命丸、にとり、美鈴、レミリア、妹紅、チルノ...THIMA艦を撃破した者達だ。
紫「これが豊姫から渡された物に入っていたTHIMA艦のデータよ。どれも海洋生物の形をしてるわね…」
最初に記録されているデータを見る。そこにはフシギウオの形をした戦艦が載っていた。
魔理沙「これだぜ、私と霊夢が戦った奴は。」
霊夢「早期警戒戦闘艦種エクリプスアイ……うわぁ、運が悪ければ最悪死んでたのね…」
にとり「ふむふむ、あの時戦ったあいつ…超々級大型戦闘母艦種クイーンフォスルって言うんだ!カッコイイ!!」
チルノ「こんな恐ろしい奴を倒したアタイはやっぱり最強って事ね!」
美鈴「私が対峙した敵は載ってませんね…結構新しい部類に入る物だったのかな?」
みんながそれぞれ戦った敵。THIMAの情報を読み取る。
紫「さっき幻想郷の周りを偵察していたら、郊外の上空に奴らの前哨基地らしき物を見つけたわ。次攻めて来るときは、あそこから幻想郷を攻めて来るかもしれない。」
レミリアが一つのデータを指差す。
レミリア「このエイトフィートアンブレラって言うタコみたいな奴。拠点防衛用戦闘艦種って言ってるし、その基地にいるかもね。」
紫「そうね…何がともあれ、厄介なのはTHIMAの持つこの兵器。-βビーム-よ。」
βビーム。敵を瞬時に焼き払い、時には惑星一つ破壊できる威力を持つTHIMA特有の破壊兵器だ。
にとり「そういえば、私が最近戦闘機に取り付けたαビームって言う兵器、そのβビームを吸収してたんだけど…」
文「私も見ましたよ!あの巨大戦艦がαビームで軽々と撃沈したんですよ!」
妹紅「なるほどね…あ、これがそのアムネリア星とかの戦闘機か?」
紫「 ARCF-RO7APLUS…通称 SILVER HAWKね。」
にとり「これ知ってる!玄武の沢に何故か大破した状態で墜落してたんだ!」
魔理沙「墜落?説明してくれ。」
にとり「一週間ぐらい前、魔法の森に行こうと歩いてた時に見つけたの。装甲は使えないけど、内部にとてつもないエネルギー機関が
入ってた。魔理沙に改造して渡した八卦路もその機関を用いて作ったんだ。」
魔理沙「だからあのTHIMA艦を撃退できたのか…」
紫「搭載機関はA.N.ドライブ(All Nothing System)…アムネリア星で開発された兵器。宇宙そのものを滅ぼしかねない悪魔の力があるようね。今回THIMAが幻想郷へ襲来した元凶。しかし、あいつらへの唯一の対抗策でもある…」
魔理沙「取り敢えず、あいつらが放つβビームにこっちのαビームをぶつければ良いんだろ?早く戦いに行こうぜ!」
八卦路を手に持ち、箒に乗って空を飛ぶ。
霊夢「待ちなさいよあんた!もうちょっと作戦を練ってからでも…」
その時、一つのTHIMA艦が神社へ接近してくる。
魔理沙「早速THIMA艦が攻めてきたか!《恋符・アルファスパーク》!」
八卦路から青いビームが勢い良く放たれる。しかし、THIMA艦は直撃したにも関わらず、傷一つ付いていなかった。
魔理沙「き…効いてない!? あ!アイツ、バリアみたいなの張ってやがる!」
紫「えっと…データがあったわ!そいつは`特殊光学膜装備艦種・アブソリュートディフェンダー`!顎のジェネレーターを破壊しないと攻撃が通らないわ!」
アブソリュートディフェンダー。高出力のエネルギーシールドを有しており、大口径レーザーの直撃すら弾き返す防御力を持つ。なお、顎のジェネレーターを破壊されるとシールドは消える。
アブソリュートディフェンダーの周りからフィールドができる。魔理沙と霊夢は神社から隔離された。
霊夢「アイツを倒さないとフィールドは消えないわね…魔理沙!私が顎の装置を破壊したら攻撃するのよ!」
魔理沙「分かってるぜ!」
-博麗神社-
妹紅「おい!あの2人が消えたぞ、紫。スキマを使ってフィールドに入らないと…」
紫「残念ながらTHIMAの作るフィールドは特殊な別次元。スキマを使っても移動できないのよ…2人を信じて私達は前哨基地へ向かうわよ。」
紫達はTHIMAの前哨基地へと飛び立つ。
今ここに、幻想郷の未来を賭けたTHIMAとの戦いが始まる!
-THIMAフィールド内-
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
ABSOLUTE DEFENDER
IS APPROACHING FAST.
アブソリュートディフェンダーがイリュージョンレーザーを頭部から挟み込むように撃つ。
霊夢「《夢符・二重結界》!」
結界によってレーザーを防ぎ後ろに回り込む。しかし、立て続けに誘導レーザーが放たれた。霊夢はレーザーを引きつけるように避けていく。
霊夢「危ない攻撃ね…《霊符・夢想封印》!!」
霊夢から虹色の光弾が大量に放たれる。光弾はほとんどバリアで弾き返されるが、なんとか装置を破壊することに成功した。
アブソリュートディフェンダーはパンツァーグレネイドを吐き出しながら高速で動き回る。
魔理沙「今更慌てても遅いぜ!《星符・ドラゴンメテオ》!」
アブソリュートディフェンダーの真上から極太レーザーが降りかかる。しかし、レーザーが当たる寸前、ジェネレーターが再生した。
バリアによって攻撃はまたもや防がれる。
アブソリュートディフェンダーは雄叫びを上げながら魔理沙に突進を始める。
魔理沙「ま…また防がれた!」
急いで突進を避けるがアブソリュートディフェンダーは急旋回し、魔理沙の後ろから8way弾を乱射する。
霊夢「魔理沙、危ない!《夢符・封魔陣》!」
霊夢の放つ弾幕がアブソリュートディフェンダーの弾を相殺して破壊する。しかし、魔理沙を庇う霊夢の背後では、アブソリュートディフェンダーがまだ攻撃を続けていた。
霊夢の背中に激痛が走る。幾つかの弾を喰らったようだ。
霊夢「…かはっ…」
手足の傷から血が垂れる。魔理沙の見る霊夢の背中は、いつもの紅い服がさらに染まって見えた。
魔理沙「霊夢!しっかりしろ!」
バランスを崩した霊夢を両手に抱える。激しく咳き込む口からは紅い血が出ていた。
魔理沙「よくも…よくも霊夢を傷つけたな!」
霊夢を抱き抱えながら、片手の八卦路を制止しているアブソリュートディフェンダーに向ける。βビームのチャージをしていた。
アブソリュートディフェンダーから2本のβビームが放たれる。
魔理沙「《恋符・アルファスパーク》!!」
八卦路から青いビームが繰り出された。βビームを吸収してさらに強化されたアルファスパークはジェネレーターを破壊しながら、アブソリュートディフェンダーの装甲を裂いていく。そして、真っ赤に染まり、煙を出しながら、アブソリュートディフェンダーは大爆発を起こした。
-博麗神社-
フィールドが消え、誰もいない博麗神社へと戻った。
魔理沙「…霊夢…大丈夫か?私のせいで…」
魔理沙の目から涙が溢れる。
そんな中、霊夢がゆっくりと咳き込みながら立ち上がった。
霊夢「はー痛かった。全く…無茶しないでよね。」
まるで何事もなかったように喋る霊夢に魔理沙は唖然とする。
魔理沙「は…?お前…怪我は…」
霊夢「怪我?ああ、ちょっと大袈裟だったわよね。ごめんごめん…」
大量の弾が当たる直前、霊夢は結界を張り、ほとんどの弾の直撃を防いでいたのだ。
魔理沙「…なんで痛がってたんだよ!心配したじゃんか〜!」
わめきながら霊夢に抱きつく。
霊夢「はいはい、迷惑かけたわね〜。ほら、紫達の所に行くわよ。」
魔理沙「わ…分かってるぜ!」
涙を拭った魔理沙と霊夢はTHIMAの前哨基地へと向かう。
果たして、少女達は幻想郷を守れるのか…
続く…
- Re: 東方海洋伝 9話 THIMAの罠 ( No.9 )
- 日時: 2022/11/14 21:07
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
THIMA前哨基地。
幻想郷の端の上空に築かれたTHIMA達の根城だ。中には、幻想郷侵略のために開かれた亜空間がある。その亜空間を閉じ、THIMA艦を孤立させる事が今回の作戦であった。
-THIMA前哨基地前-
妹紅「あそこが奴らの根城か。」
紫「いや、THIMAの統率を指揮するものは亜空間の内部。この基地は幻想郷侵略の仮拠点に過ぎないわ。」
基地の周りには大量の小型戦闘機が飛んでいる。倒す事はできるが、亜空間からの増援が来る可能性があるため、気づかれないように基地内部に入る必要があった。
チルノ「まだ霊夢と魔理沙が来てないし、待った方がいいんじゃないの?」
レミリア「今やらないといつ攻めてくるかわからないでしょ?」
全員、基地から一定の距離を保ちながら上空で待機していた。
レミリア「もう我慢できないわ…《神槍 スピア・ザ・グングニル》!」
基地へ巨大な槍を勢い良く投げ飛ばす。槍は基地の中央に刺さり、爆発を起こした。全ての小型機がレミリア達を検知し、一斉に攻撃を始める。
妹紅「チッ、バレたじゃないか!」
レミリア「だったら反撃すればいいじゃない。どっち道あの基地は破壊するんでしょ?」
紫「しょうがないわね…」
紫はスキマを開け、チルノ、美鈴、文、にとりを別の場所へ送り出す。
妹紅「何してるんだ!?」
紫「あの4人が戦いに加わるのは危険よ。だから帰したの。」
妹紅「いや、文とか美鈴は幻想郷でも最強格なんだろ?」
紫「できるだけ犠牲は出したくないの、あなた達2人は何言ってもやめないだろうしね…」
レミリア「私も紫に賛成よ。美鈴は紅魔館にTHIMAが襲撃してきた時、THIMA艦の攻撃をモロに喰らったらしいし…無理はさせたくないわ。」
妹紅「…なら文句無いな。死ぬなよ! 《滅罪・正直者の死》!!」
妹紅の放つ弾幕は周りのソルジャー達を一つも残さず消し去った。
妹紅「この小さい奴らはそんなに強く無いな。」
レミリア「気をつけなきゃいけないのはTHIMAの`コマンダー`ね。」
コマンダー。THIMAの中で地域事に侵略作戦を行う時の要である。THIMAは上から順に、
・コマンダー(巨大戦艦)
・キャプテン(中ボス)
・ソルジャー(雑魚敵)
と分類分けされており、これまで彼女達が主に相手となったのはコマンダー。基地にこれだけのソルジャーがいるのは、今まで以上に強いコマンダーが基地を警備しているという事だ。
早速、3人は基地内部へと入る。
レミリア「そういえば、紫のスキマなら一気に基地の奥まで行けるんじゃないの?」
紫「試してみたけど無理ね。この基地も特殊なバリアで妨害されてるし、破壊するまでスキマは使えないわ。」
レミリア「残念…」
上下から複数の砲台、走って来るベンサー達のミサイルが発射される。
レミリア「面倒臭いわね…早く巨大戦艦を出しなさいよ。《夜符・デーモンキングクレイドル》!」
高速で動きながら、ミサイルを切断し、ソルジャー達を切り裂いて行く。
レミリア「あったわ!この球体が基地の核ね!」
基地の中央部に巨大な球体が浮かんでいる。これが基地を成す核らしい。
紫「さっさと破壊しましょう…《結界・夢と現の呪》!」
紫の弾幕が核を粉々に破壊した。しかし、基地が倒壊する兆しが見えない。
妹紅「あれ…?あの球体を壊せばいいんじゃ無いのか?」
3人が戸惑う中、後ろからゆったりと巨大な戦艦が接近する。
?「…ガガッ…こちらダミー拠点監視部隊…対象三名の陽動に成功。排除が終わったら亜空間へ帰還する…」
次の瞬間、基地はフィールドへと変わっていった。
紫「2人共!コマンダーが来たようだわ!」
3人が上に視線を向ける。そこにはメンダコの形をしたTHIMAの巨大戦艦がいた。
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
EIGHT FEET UMBRELLA
IS APPROACHING FAST.
レミリア「アイツがこの拠点を守っているみたいね…《神術・吸血鬼幻想》!!」
大量の弾幕を戦艦へと放つ。しかし、攻撃はあまり効いていないようだった。
エイトフィートアンブレラ「我は他のコマンダーより防御力が高い、お前のような小娘の出す弾が効くと思うか?」
発声機関を使ってエイトフィートアンブレラが話しかける。
拠点防衛用戦闘艦種エイトフィートアンブレラ。全身が弾力のある特殊合金で作られており、船体を膨張、縮小させながら攻撃出来る戦闘艦種。脚に当たる部分には高出力のレーザーが仕込まれており、全方位に攻撃可能だ。
回転する脚の火炎放射砲から炎が放たれる。炎はレミリアの片腕を焼き尽くす。
レミリア「ぐ…やってくれたわね!《紅符・スカーレットマイスタ》!」
レミリアが放った弾幕は脚の火炎放射砲に直撃した。すると、根本が煙を上げて爆発した。
レミリア「フン…防御力が高いとか言ってたけど、大した事ないじゃない。」
妹紅「さっさと片付けてやるよ!《不滅・フェニックスの尾》!」
妹紅の放つ弾幕が立て続けに、先端付近の砲台を破壊していく。しかし、エイトフィートアンブレラは少しも動こうとしない。
紫「おかしい…拠点を守るはずのコマンダーが反撃しないなんて…」
そんな中、攻撃を受け続けているエイトフィートアンブレラが嘲笑うように、衝撃の真実を伝える。
エイトフィートアンブレラ「残念だったな、この基地はダミー。本部隊の存在を隠すための陽動作戦だったのだ。」
レミリア「何?…陽動作戦?」
エイトフィートアンブレラ「そうだ。この基地の核は我そのものだ。亜空間の入り口だってここにはない。そろそろ、地下にそびえる本当の拠点。THIMA侵攻最終防衛基地から本部隊が侵略を開始するだろう……ザザッ…基地及び本艦自爆プロトコル作動。」
フィールドが消えると共にエイトフィートアンブレラが自爆する。どうやら、基地もろとも3人を爆破しようとしているらしい。基地の至る所が爆発し始める。
レミリア「まずいわね…このままじゃ私達も巻き込まれるわ!」
紫「大丈夫よ。基地のフィールドも壊れたみたいだからスキマも使えるわ!」
妹紅「話してないで脱出するぞ!」
3人がスキマへと入り込む。博麗神社へと戻ってきたようだ…遠い空に、崩壊する基地が見える。
レミリア「そういえば、霊夢と魔理沙はどうしたの?」
紫「残念だけど、どこにいるか全く分からないわ…」
妹紅「さっき自爆した奴、最後に地下にそびえる拠点とか言ってたよな。その本拠地を探した方がいいんじゃないか?」
レミリア「確かにそうね。あの2人が簡単にやられるはずないし…」
2人の無事を祈り、3人は本当のTHIMAの拠点を探しに飛び立つ…
-魔法の森-
アリス・マーガトロイド「…何か爆発音が聞こえた気がするわね。」
ダミー拠点が破壊される中、本部隊の攻撃が始まっていた。コマンダー4体が成すTHIMA大艦隊が魔法の森を荒らして行く…
続く…
- Re: 東方海洋伝 10話 THIMAの逆襲 ( No.10 )
- 日時: 2022/11/16 07:38
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
これまで散々少女達に戦艦を破壊されて来たTHIMA。しかし、今までの襲撃は偵察の一部に過ぎなかった。
かつて、様々な星を滅ぼし、アムネリア星を壊滅寸前まで追い込んだ`宇宙の守護者`が真の力を持ってして、幻想郷を強襲する。
とうとう幻想郷の完全破壊に動き出した。
幻想郷内の制約を無視した亜空間からの攻撃が始まる。
今までは一つの巨大戦艦が単艦で偵察して来ただけで、目立った被害は無かったが、THIMAのダミー拠点が崩壊した直後。
THIMA侵攻最終防衛基地から出撃した大艦隊により、ほぼ全ての地域が壊滅状態となっていた。
全盛期、幾つもの星を侵略し、滅ぼして来た本気のTHIMAから見れば、幻想郷侵攻は簡単な物だった。
THIMA大艦隊の強襲は、幻想郷にかつて起こった異変以上の損害を叩き出した。
—————————
まず初めに輝針城が襲撃された。艦隊の放つ複数のβビームにより、難なく破壊された。
旧地獄は、止まる事無く放たれる無数のナパーム弾により崩壊した。
ほとんどの異界は、多数のTHIMAのソルジャーやキャプテンが占拠していた。
人間の里の者達は夢の世界へと避難した。
妖怪の山が燃えている。神社では激しい弾幕によるTHIMA艦キャプテンとの戦闘が繰り広げられていた。
そして今、THIMA大艦隊は魔法の森へと攻め込んでいた…
—————————
-魔法の森-
化け物茸の胞子が舞い、普通の人間が入れば、息をするだけで体調を崩してしまう瘴気が漂う場所。「魔法の森」
しかし、今の森はTHIMAの攻撃によって、あちこちで炎が燃え上がる地獄絵図と化していた。
エタニティラルバ「うう…誰か助けて…」
その森の中、1人の妖精が倒れていた。羽根は焦げ落ち、片足がもげている。THIMA艦の攻撃を受けたようだ。
すると、そこに一つの扉が現れた。
摩多羅隠岐奈「今はここが奴らの攻撃区域か…他の賢者は誰1人見当たらない…まさか死んだのか?
…!! ラルバ! 大丈夫か!!」
扉を開けて出て来たのは後戸の国から幻想郷を監視する賢者の1人、隠岐奈だった。隠岐奈が幻想郷に介入するという事は相当な事態を示す。
ラルバ「お…隠岐奈様?…た…助けて!…私を助けてくれた…あの魔法使いが死んじゃう!」
隠岐奈「分かった! 田舞、里乃!この妖精を連れて扉を閉めなさい!」
里乃「え!隠岐奈様はどうするんですか!!」
隠岐奈「構わん!早くしろ!」
田舞「は…はい!ほら、 里乃!妖精を連れて来て!」
2人とラルバは後戸の国へ戻り、扉を閉める。しばらくして、扉は消滅した。
隠岐奈「さて…久々に本気を出すか…」
隠岐奈の前には、THIMA大艦隊のコマンダー。一機が浮遊していた。あたりはフィールドに包まれる。
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
DUAL HORN
IS APPROACHING FAST.
攻殻型局地制圧艦種デュアルホーン。全身を堅い殻で覆い、強固な防御力を持ちながら、戦艦とは思えない俊敏な機動性を誇る。全身に備えられたレーザー砲の攻撃に加え、突進による打突攻撃も得意とする。
デュアルホーン「…ガガッ…生存者を確認…排除に移る。」
前方へ弾幕を放ちながら、目の部分から追尾レーザーを一本発射する。
隠岐奈「お、弾幕は飛ばせるのか…《秘儀・リバースインヴォーカー》」
両者の弾幕がぶつかり合う中、デュアルホーンの追尾レーザーが隠岐奈へ向かう。
隠岐奈「そんなに遅かったら当たる訳ないだろう?」
隠岐奈の隣を追尾レーザーが通る。しかし、追尾レーザーは三つに分裂し、背後からまた飛んできていたのだ。
隠岐奈「おっと、危ない危ない。当たっていたらただじゃ済まなそうだね…負ける気はしないけど。《秘儀・七星の剣》!」
巨大な剣がデュアルホーンの背面を叩く。しかし、装甲は無傷だった。デュアルホーンは体を丸め、突進攻撃をしながら弾をばら撒くが、いずれの攻撃も隠岐奈に当たる事は無かった。
隠岐奈「さて、そろそろ死んでもらおうか。《裏・エクストリームウィンター》」
隠岐奈の弾幕がデュアルホーンの全身に降りかかる。装甲が砕かれていくが、βビームのチャージの方が早かった。隠岐奈へとβビームが発射される。
隠岐奈「…ぐっ…!!さすがに無理があったか…」
隠岐奈の左手が肩から焼き切れていた。切れた肩からは紅い血が流れ落ちる。
βビームは最大出力で放った時の威力が星一つ跡形も無く消せるTHIMA特有の兵器。アムネリア侵攻時も惑星の一つを実際に破壊した。
隠岐奈「一歩間違えていたら死んでいたな…だがさっきも言ったはずだ。負ける気はしないと!《裏秋・異常枯死の餓鬼》!!」
さっきの何倍にもなる弾幕が放たれる。破壊された装甲が煙を吐く。内部まで攻撃が届いているようだった。弾幕の勢いは止まらず、
自爆覚悟でデュアルホーンは突進攻撃を繰り出す。
その瞬間!
後少しで隠岐奈にぶつかる瞬間、内側から閃光を出しながら、大爆発を起こして跡形も無くデュアルホーンは撃沈した。
フィールドが消え、森に戻る。
隠岐奈「片腕持ってかれたか…さて、ラルバの言っていた魔法使いを探さないと。」
隠岐奈は1人森の中へと歩いて行った。そんな中、森の奥でTHIMA艦のコマンダーと戦う魔法使いがいた。
矢田寺成美「はぁ…はぁ…このまま死ぬ訳にはいかない…」
ラルバを庇った魔法使い。成美、今は全身が傷つき、血だらけになっていた。
意識が朦朧とする… その時、THIMA艦が大きく飛び跳ねた。
成美「避けられない…!!」
満身創痍の体に重い金属がのし掛かる。激しい痛みと共に、成美の意識は消えた。そこへ森の異変を感じ取り、家から出た
アリスが走って来た。
アリス「なんなの…この化け物は…!誰かが押し潰されてる!?」
アリスが見たのは、血溜まりの上に立つ一体のTHIMA艦…
その鋭い目で———陸戦用戦闘艦種トライポッドサーディーンはアリスを睨んでいた。
続く…
- Re: 東方海洋伝 11話 反撃の狼煙 ( No.11 )
- 日時: 2022/11/16 23:02
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
-魔法の森-
森の異変を察知したアリス・マーガトロイドは、自分の家から博麗神社へ向かおうとしていた。しかし、森の中を走るアリスに一体のTHIMA艦がアリスの目の前に立ちはだかった。森の中、魔法使いとTHIMA艦の死闘が始まる…
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
TRIPOD SARDINE
IS APPROACHING FAST.
陸戦用機動戦艦種トライポッドサーディーン。三つの脚部により、重力圏下の地表を自在に移動できる機動戦艦種。前面部に備えられた榴弾砲と、有線制御により角度を問わずに攻撃できるオールレンジ砲を搭載している。新たな標的を見つけたトライポッドサーディーンは、アリスの周りから有線を使ったオールレンジ砲を向ける。
アリス「友好的では無いようね…《魔操・リターンイナニメトネス》!」
幾つかの人形がトライポッドサーディーンへ投げられる。ぶつかった瞬間、人形は大爆発を起こした。オールレンジ砲が破壊される。
しかし、トライポッドサーディーンは、機体の両方に備え付けられたアームでアリスを殴るように攻撃する。ジャンプで軽々と避けながら、アリスは次の弾幕を用意した。
アリス「そんなデタラメに地面を叩いても当たらないわよ。《操符・乙女文楽》!」
アリスの周りに出てきた人形達が一斉に弾幕を放つ。トライポッドサーディーンは大量の弾幕に当たり、よろけた。
アリス「あなたは何故この森で暴れていたの?」
砲台が破壊され、無防備になったトライポッドサーディーンにアリスが歩み寄る。
トライポッドサーディーン「…ガガッ…お前のような小娘に話す事は無い…」
その瞬間、トライポッドサーディーンのオールレンジ砲が再生する。砲台からの弾幕に合わせ、後頭部のハッチからナパーム弾を撒き散らす。
弾幕を放ち終えると、アリスの後ろへ大ジャンプする。間一髪でアリスはトライポッドサーディーンの攻撃をかわす。
アリス「全く…あなたの目的が知りたいだけなのに…《戦操・ドールズウォー》!」
周りの人形達が剣や槍を持って、トライポッドサーディーンに向かって行く。
装甲を叩いてくる人形をアームで払いながらトライポッドサーディーンはアリスに話す。
トライポッドサーディーン「この空間で宇宙の脅威になりうる科学技術を感知した。それを破壊するために来たんだ!」
アリス「科学技術ねぇ…月の都とかに攻めた方がいいんじゃない?」
トライポッドサーディーン「あの衛星の侵攻はここを滅ぼしてからだ!分かったら、さっさと死ね‼︎」
アリス「物騒な事言うわね。《ゴリアテ人形》!!」
アリスの後方から、二つの大剣を持つ一体の巨大な人形が現れた。ゴリアテ人形はその大剣でトライポッドサーディーンの頭部を破壊した。しかし、破壊された首の部分から奇妙なエネルギーが溢れ出ていた。
そう、トライポッドサーディーンはβビームのチャージを行なっていたのだ。首からβビームが放たれる。
βビームは周りの人形は全て塵へと葬った。さらに、ゴリアテ人形の胴体から上を跡形も無く消し去って行く。
ゴリアテ人形は数歩、後ずさりして仰向けに倒れてしまった。
アリス「…嘘…なんなのあのビームは…」
アリスは目の前で無惨に散っていった人形達を目の当たりにし、恐怖でその場から動けなくなった。
当然だ。惑星侵攻を目的とするTHIMAの兵器に人形が敵うはずが無かった。
トライポッドサーディーン「今ので終わりか?…なら死ね。」
2本目のβビームがアリスへと至近距離で放たれた。当たれば、いくら魔法使いだろうと死ぬだろう。
アリス「よ…避けられない!」
アリスは飛んで来るβビームをただただ眺める事しかできなかった。
———殺される…———
アリスは目を瞑った。死を覚悟したのだ。βビームがアリスの体を包み込む寸前…
魔理沙「アリス!!《恋符・アルファスパーク》!!!」
アリスを押し退け、魔理沙が八卦路でβビームを打ち返す。βビームを吸収し、放たれたアルファスパークはトライポッドサーディーンの全身を包み込む。トライポッドサーディーンは爆発を起こしながら、跡形も無く消し飛んだ。
アリス「…ま…魔理沙?…なんでここに?」
霊夢「危なかったわね。私達が見つけてなかったら死んでたのよ?」
魔理沙「あれは間一髪だったな。」
アブソリュートディフェンダーを倒し、博麗神社を出た2人は、空中のTHIMA拠点が爆発するのを見た。紫達が先に行って破壊したのだろうと、THIMA艦の捜索をしていたのだった。
そんな中、炎が立ち上る魔法の森へ向かったら、トライポッドサーディーンと戦っているアリスをたまたま発見し、助けに来たらしい。
アリス「そ…そうなのね…って、さっき私が戦ってた奴って一体何なの!?」
混乱するアリスに魔理沙が説明する。
宇宙の脅威となる科学技術を持つ惑星を襲撃するTHIMAの事を話した。
アリス「なるほどね…どんだけヤバい奴らかは分かったわ。でも、何で幻想郷にTHIMAは襲撃して来たの?」
魔理沙「…いや…それが…実は、最近河童に改造してもらった八卦路でビームを撃ったら…その…本当に星を破壊しちゃって…」
アリス「星を破壊した!?それ、魔理沙と八卦路改造した河童が元凶じゃないの!!」
魔理沙「痛い痛い痛い!首掴むなって!…試しに撃っただけなんだぜ?」
アリス「全く…で、そのTHIMAって奴らはどうすれば撃退できるの?」
霊夢「THIMAの拠点がこの幻想郷のどこかにあるのよ。そこにいる旗艦を倒せばいいはず…」
アリス「な…なら私も行くわ!」
魔理沙「駄目だ。あいつらと戦うには危険すぎる…だからアリスは森に残ってくれないか?」
アリス「…そう、分かったわ。さっきも殺されかけたしね…でも無理はしないで。」
魔理沙「分かってるぜ。」
2人が空へ飛び立って行くのをアリスは見届けた。
-THIMA侵攻最終防衛基地前-
霊夢「…あそこが奴らの本当の基地ね。」
魔理沙「ああ、あんな空中に目立つ様に基地がある訳ないよな。」
そう、2人は気づいていた。空中のTHIMA拠点は偽物だと…
地下深くまで続く、THIMA侵攻最終防衛基地へと、2人は内部へと侵入するのであった…
続く…