二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 東方機海伝 [ダライアス]
- 日時: 2023/02/18 08:20
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
今回の話は魔理沙の撃った八卦路に反応して、THIMAが幻想郷を襲撃する話です。Gダライアスの要素が濃いです。
分からない戦艦が出てきた場合はちゃんと調べてから見た方がいいです。(原作に合った設定が強いから)
この話では以上の要素を含み、前提として進みます。
・Gダライアスを熟知している
・グロテスクな描写(戦艦と少女が戦ってるもんね。仕方ないね。)
・月の都に関する歴史の改変(第一次月面戦争前)
・度々ダライアスの歴史と関わります。
各ボスに対応したbgmを聴きながら見るとより一層楽しめます。 以上! 楽しんで!
- Re: 東方海洋伝 2話 女王との戦い ( No.2 )
- 日時: 2023/03/10 14:48
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
-妖怪の山-
昔から妖怪が多く住み着いている山、その山に向かって上空から何かが接近してきている。
そんな中、1人の新聞記者が空へと飛び立った。
射命丸文「これはこれは!何やらスクープになりそうですね‼︎さっきから雲の中で、高速で動く影がありましたからね!」
カメラを両手に珍しくついてきた天狗仲間と雲の中に入って行った…
はたて「文!あの影の主は私の新聞のネタに使うんだわ‼︎」
射命丸「いいや、私の方ですよ‼︎」
新聞ネタを取り合う2人を見てため息をつくもう1人の天狗。
椛「あんたら喧嘩ばっかするんじゃ…‼︎何か見える!」
雲から影の主が飛び出した。
椛「文!」
危険を察知し、文を押した椛、はたては目の前から来る主に絶句した。
はたて「何よあ…」
言い切る前にその主は2人を突進で薙ぎ倒した。
文「椛、はたて‼︎」
2人は山の中腹に落ちていった。死にはしないと思うが、と考えている文にその主は睨みつける。
文「あなたがあの2人を倒した主…本気でやらないと勝てないようですね…」
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
QUEEN FOSSIL
IS APPROACHING FAST.
かつてあの雲の上、アムネリア星軍の艦隊を薙ぎ倒すようにして出て来たのは、THIMAの誇る超大型戦闘母艦 クイーンフォスル。
文「いつもならカメラでも使って撮ってますが…それは破壊してからですね!《風神・風神木の葉隠れ‼︎》」
どこからか飛んできた大量の葉っぱは文を完全に隠す。クイーンフォスルの周りを飛びながら攻撃のチャンスを伺っていた。
文「よし、あの魚の視界から消えたはず…ってええ⁉︎」
クイーンフォスルの腹部ハッチから無数の大型ミサイルが飛び出す。そしてミサイルは全て明らかに文を狙って飛んできた。
文「バ…バレてるの? なら、《突符・天狗のマクロバースト!》」
文は四方八方に弾幕を飛ばす。なんとかミサイルを打ち落とせたようだ。
文「ふう、危なかっ…」
機械生命体であるクイーンフォスルはその巨体に似合わないスピードで突如、文の周りを動き回り、背鰭の全砲台を乱射していた。
文「あやや!また攻撃が来る!」
無数の弾幕に囲まれ、避けられないと覚悟したその時、後ろから戦闘機が現れた。そこから放たれたレーザーは弾幕を相殺する形で消した。
文「この戦闘機は…? にとりさん?」
にとり「そのとうり!あの機械魚を倒すために即興で作ったんだ!」 文(即興って…河童の技術力高いな〜)
キュイイイイイイ…
その戦闘機を脅威と見做したクイーンフォスルは胸鰭からβビームを放とうとしている。
文「あやや!何か溜めてますよ。」
にとり「なんでも良い!最近開発した兵器、アルファビームの検証にしよう‼︎」
その戦闘機の前頭部から青い稲妻を帯びたビームが放たれた。クイーンフォスルはヒレの間から3本のβビームを戦闘機に向けて放つ。
両方のビームが押し合い、勝ったのはにとり。βビームを取り込み、さらに威力の増えた青い閃光がクイーンフォスルを覆う。
そして、大量の煙を放ち、跡形も無く爆散した。
メデテエシ
文「あんなに大きかったのにチリ一つ残さず消えましたね…」
-山の中腹-
はたて「ああ‼︎影の主が爆発した!せっかくのスクープが…」
今にも泣きそうなボロボロのはたて。
椛「爆発して良かった。あの尾鰭に叩かれた時は死を覚悟したね。」
2人は自分達の棲家へと帰った。
文「それにしても、その戦闘機の出したビーム、なんだったんでしょうね?」
にとり「さぁね、外の世界から来た技術らしいけど…」
文は新たなスクープを探しに、にとりは戦闘機の改良にアジトへ戻った。
こうして、妖怪の山上空の戦いは終わった…
しかし、THIMAは母艦撃沈と同時に、戦艦を別の場所に送り出していた。
-紅魔館-
レミリア「…….ん?」
咲夜「どうしました?お嬢様。」
レミリア「いや、何やら巨大な生命体がここに向かって来ている気が…」
大きさを自由に操る奇妙な戦艦が紅魔館を侵略しようと動き出す…
続く…
- Re: 東方海洋伝 3話 紺砦の悪夢 ( No.3 )
- 日時: 2022/11/14 21:02
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
-紅魔館-
霧の湖のある島の湖畔に佇む巨大な館、紅魔館。館の主は500年生きている夜の支配者吸血鬼。館周辺の紅い雲がその威厳を表している。この立派な館の門番、紅美鈴は突如、おぞましい気を感じ取った。
紅美鈴「…何かが来る…!!」
気を操る程度の能力を持つ美鈴は生物の放つ気、オーラのような物を多少感じ取れたりもする。
いつもから昼寝…ではなく、館の警備をしている時は妖精や普通の魔法使いなど、それほど強い気を放つ者が来る事はない。
…異変を解決しに来る鬼巫女でもこんなに強い気は放たない。
今回は何かが違った。
伝わってくるのは明確な殺意だった。
そして、美鈴の感は間違っていなかった。青い閃光と共に館の門の前の空中に現れた襲撃者は、緑色の細いレーザーを連射する。
飛んでくるレーザーを軽々と避け、美鈴は技を放つ。
美鈴「《気符・地龍天龍脚!》」
襲撃者の間合いに入り、その強烈な飛び蹴りを放った。直撃した襲撃者は跳ね飛んだ。
そして、不可解な事にその襲撃者が回転し始めたと思いきや、美鈴の10倍はある大きさへと変化した。
美鈴「あなたが何の用で襲ってきたか分かりませんが、どうやら単なる妖怪などではないようですね。館には入れさせない‼︎」
完全に美鈴が敵対した所で結界のようなフィールドに包まれた。
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
AZURE NIGHTMARE
IS APPROACHING FAST.
強襲型戦闘艦種 アジュールナイトメア。ジ・エンブリオンから生み出された中で1番新しい最新鋭艦種であり、自身の体積を変化させる事ができる。
躊躇なくアジュールナイトメアは自分の触腕部から緑色のレーザーを照射する。美鈴は頭に当たる寸前、なんとか避けた。
美鈴「危ない!あのレーザーは当たらないようにしないと…」
姿勢を整えた美鈴は技を放つ。
美鈴「《気符・星脈弾》!」
手から波動のような物を飛ばす。しかし、アジュールナイトメアは敵弾を吸収し跳ね返す未知の兵器、バーストイーターを使う。そして美鈴の放った星脈弾が取り込まれると、その2倍の大きさのある跳ね返し弾がバーストイーターから射出された。
美鈴「弾が跳ね返って来た!?」
防御しようとしたがいきなりの事で動揺し、跳ね返し弾を腹部にモロに食らってしまった。相当な威力だったのか、吐血していた。
美鈴「うぐっ…!こんな攻撃で止まれるか…背水の陣だ!」
美玲の周りにオーラが漂う…
美鈴「この攻撃で一気に決着を着ける‼︎《華符・彩光蓮華掌》!!」
アジュールナイトメアは体積を縮めようとしたが間に合わず、弾幕を大量に浴びた。触腕部から煙が出ている。アジュールナイトメアは焦るように亜空間へ逃げ込もうとしたが、弾幕は止まらない。
美鈴「どうやら限界に近いようですね。《虹符・彩虹の風鈴》!!」
幻想郷1と言われる程美しい虹色の弾幕が張られる。
しかし、アジュールナイトメアの行動はハッタリであった。THIMA艦であるアジュールナイトメアは、破損部位を高速で修復した。
そして、隙を見せた美鈴に狙いを定め、バースト砲のチャージに入る。
美鈴「!! まだ弱った訳じゃなかった!?」
ポン…ポン…ポン…
3回の電子音と共に赤い稲妻のような一際大きいレーザーが2本、触腕部から放たれた。
1本目は避ける事ができたが、2本目のバーストビームは避ける事ができず、腰のあたりに直撃した。
美鈴「……かはっ!」
美鈴の全身に稲妻が走る。その激痛と衝撃で失神してしまう。
美鈴が意識を失うと同時にフィールドが消え、紅魔館の門の前へ戻った。
アジュールナイトメアは倒れた美鈴に近づき、胴体部分の搭乗部へ取り込む。
搭乗部と機械が融合しているTHIMAは他の有機物や無機物を取り込む事ができるのだ。
ナイトメア艦種も過去に敵機を取り込んだ個体がいた。
美鈴を取り込んだアジュールナイトメアに気の力が吸収されると共に一部の武装が変化し、赤い装甲へと色が変わる。
しかし、バースト砲のエネルギーが充電され、館へ侵入しようとしたその時!
アジュールナイトメアの装甲にヒビが入る。
美鈴「こんな化け物の中に入っていられるか‼︎」
アジュールナイトメアの搭乗部で美鈴が目を覚まし、内側から突き破って出ようとしていた。焦ってフィールドを展開し直したアジュールナイトメアは美鈴を搭乗部から強制射出する。
美鈴「よし出れた!…ん?なんか色が変わってる?」
美鈴の気を吸収したアジュールナイトメアの元の青い全身が紅く完全に変化する。
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
CRIMSON NIGHTMARE
IS APPROACHING FAST.
クリムゾンナイトメアへ生まれ変わったアジュールナイトメアは、気を混ぜた誘導弾を大量に放つ。
美鈴「さっきのようには当たらないわ! 明鏡止水!」
精神を統一し、一気にクリムゾンナイトメアへと駆ける。軽々と誘導弾を避け、近づいて行く。
クリムゾンナイトメアは十四連粒子圧縮砲を使った広範囲攻撃をするも当たらず、間合いに入られる。
美鈴「これで終わりだ!《華符・芳華絢爛》!!」
大量の弾幕がクリムゾンナイトメアの破損部分に命中する。
そして、内側から火花や煙を出しながら爆発した。フィールドが消え、今度こそ戦いが終わる。
美鈴「まだまだね! 四千年の歴史から見ればあんたもちっぽけな存在よ!」
襲撃者を撃退した美鈴は門の側で居眠りを始めたのだった。
THIMAはおよそ3700年前から存在しているので、決してちっぽけな存在では無いと皮肉に思いながら、クリムゾンナイトメアは湖の中へと沈み、跡形もなく爆発した。
しかし、館の中へ既に他のTHIMA艦が侵入していたのだ。亜空間を潜航する能力を持つ、高速機動艦に…
続く…
- Re: 東方海洋伝 4話 次元の潜航者 ( No.4 )
- 日時: 2022/11/14 21:03
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
-紅魔館内部、大図書館-
館の中にある巨大な図書館で1人、本を読み続ける魔法使いがいた。
パチュリー・ノーレッジ「はぁ〜、暇だわ。レミィとお茶でも飲もうかしら。小悪魔、あなたも来る?」
小悪魔「え?良いんですか?ではお言葉に甘えて…」
小悪魔が、図書館を出る。パチュリーも扉に向かうが、扉はいきなり閉まり、そこから宇宙空間を模したようなフィールドが張られる。
小悪魔「何が起きたんですか!?」
パチュリー「私は無事よ!これは結界かしら…?……!何か来るわ‼︎」
パチュリーの先にはまるで空中を潜り、透明感のある虹色の波を出しながら接近する-背ビレ-のような物があった。そして、襲撃してきた者の全貌が明らかになる。
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
DIMENSION DIVER
IS APPROACHING FAST.
巨大なギンザメを模したような攻撃艦種ディメンションダイバーが姿を表す。その白光りする装甲から見える赤い目が一際目立つ。
パチュリー「これは強そうな奴ね…こちらを襲撃しに来たみたいだし、戦うしか無いわね。小悪魔はこの結界を壊す方法を探してきて!」
小悪魔「はい!待っていてくださいね!!」
小悪魔がきっと誰かに伝えてくれるだろう。
パチュリー「今は調子も良いし、戦えるわね。ええーと、目の前の鮫みたいな奴を消極的にやっつけるには…」
考え事をするパチュリーに問答無用でディメンションダイバーは広域散弾砲を撃つ。無数のレーザーがパチュリーに飛んで行く。
パチュリーは魔法壁を瞬時に建て、声高らかにスペルカードを宣言する。
パチュリー「あなたみたいな機械か魚かわからないのに関わってる暇はないのよ。《日符・ロイヤルフレア》!!」
小さな火炎弾が集まり、太陽のような形になると、ディメンションダイバーの周りを囲むようにいくつもの火炎弾が飛ぶ。
フィールドの中央で爆発が起きる。ディメンションダイバーの姿が無い。
パチュリー「消えた?まぁいいわ。さっさと結界を破壊して…」
次の瞬間。パチュリーの後ろから巨大な戦艦が飛び出した。そして、腹部からいくつかレーザーを乱射する。辛くも回避したパチュリーはディメンションダイバーが亜空間へ入る姿を横目で見る。
パチュリー「なるほど、別次元から別次元へ泳ぐように移動できる能力を持つのね。」
ディメンションダイバー。次元跳躍型攻撃艦種と呼ばれるTHIMAの変わった戦艦。亜空間に潜航し、様々な角度からの変則的な攻撃を得意とする戦艦だ。
ベルサー軍も一度盗用した技術である。
しかし、欠点として亜空間へ潜航した後、敵の正確な位置は分からず、潜る前に大体の位置を把握する必要がある。パチュリーはそれを理解し、次元から出てきた所を狙うつもりだ。案の定、さっきまで自分のいた所に亜空間からディメンションダイバーが出てきた。
パチュリー「あなたの弱点はお見通しよ!《火水木金土符・賢者の石》!!」
パチュリーの周りに出現した5冊の本からいろんな属性攻撃が繰り出される。弾幕はディメンションダイバーの装甲、亜空間航行ユニットを破壊する。しばらく亜空間へ退避できなくなったディメンションダイバーはフィールドを消し、図書館から出ていく。
パチュリー「全く…逃げるなら襲ってこないでよ。」
衝撃で散らばった本を片付けながら嘆く。
一方、小悪魔は襲撃者の話を十六夜咲夜へ伝え、2人で図書館へと向かって行く。
咲夜「館の中に現れるなんて…一体どんな奴よ…」
小悪魔「結界みたいなので図書館が閉じられたんですよ〜!!」
話しながら走る2人とディメンションダイバーがバッタリ会う。
咲夜&小悪魔「きゃああああああ!何⁉︎この魚はぁぁぁ!!」
ディメンションダイバー「キシャアアアアアアアアア!!」
叫ぶ2人と機械で出来た魚。何やら騒がしいと広間へ降りてきた館の主。レミリア・スカーレットはそれを見て絶句した。
レミリア「なんであんなのがいるの…?」
咲夜「《幻世・ザ・ワールド》!!」
時を止めて、広間へと小悪魔を引き摺る形で逃げる。
咲夜「あ〜ビックリしたぁ…」
小悪魔「あ!レミリア嬢様!あれはなんですか!?」
レミリア「わ…私に分かる訳ないでしょ!?」
完全に混乱したディメンションダイバーは広間へと突進する。
レミリア「わー‼︎こっちに来るな〜!《神槍・スピア・ザ・グングニル》!!
レミリアの手から巨大な槍が出現する。それを躊躇無くディメンションダイバーへ投げつけた。
高速で飛んで来る槍は、修復が不完全の装甲を貫通し、搭乗部を完全に破壊する。ディメンションダイバーは最後の悪あがきでβビームを放とうとするが、内部の損傷でβビーム砲が暴走し、内側から弾ける形で跡形も無く、爆散した。
レミリア「うー。なんだったのよぉ…」
広間で起きた事態について行けないレミリアは、頭を抱えてうずくまったのであった…
しかし、新たな脅威が紅魔館にまたもや近づいていた。
紅美鈴「あんなにも大きい物がどうしてここへ…?」
美鈴の真正面、湖のはるか上空を通る超巨大戦艦があった。
続く…
- Re: 東方海洋伝 5話 燃え立つ化石と吸血鬼 ( No.5 )
- 日時: 2022/11/14 21:51
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
-紅魔館地下-
館の地下、部屋の奥で1人の吸血鬼。フランドール・スカーレットは時計を見ていた。
フラン「もうそろそろ日が沈むし、外に出よっと!」
部屋を勢い良く飛び出し、虹色に光る翼を広げながら広間へと向かう。そこには、項垂れるレミリアや咲夜、小悪魔の姿があった。
フラン「どうしたの?みんな疲れた顔して。」
レミリア「あ、起きてたのね。部屋に戻りなさい。」
フラン「えー!でも、もう日が暮れるし外に出たいよ!」
レミリア「しょうがないわね…まぁ、今日は曇ってるし大丈夫かな…」
フラン「わーい!」
外に出ようとしたその時、美鈴が慌てて走ってきた。
咲夜「美鈴!?門の警備はどうしたの?」
美鈴「そ…そんな事より大変です!上空から物凄く大きい魚のような物が…」
フラン「何それ!見てみたい!」
レミリア「またさっきの奴みたいなのが出たの!?」
美鈴「え?お嬢様も侵入者を見たんですか?」
紅魔館の広間へ咲夜、小悪魔、パチュリー、美鈴、フラン、レミリアが集まる。
レミリア「なるほどね。さっきからこの館に海洋生物を模した襲撃者が来ているのね。」
早速、全員で外に出て、3体目の侵入者を確認する。雲で隠れて見にくいが、確かに巨大な魚の尾鰭のような物が湖の上空から館へ向かって来ている。さらに周りには大量の小さい戦闘機のような物も飛んでいる。
フラン「みんなはあいつの仲間みたいなのと戦ったんでしょ?あいつは私が倒したい!!」
レミリア「こら、勝手に行っちゃダメよ!みんな!館は待たせたわ!」
フランとレミリアが上空へと飛び立つ。
美鈴「ああ、どうしよう…」
咲夜「まずはあいつらから片付けましょ。」
館の周りにはいつの間にかR-ネシウムやRソイド達が飛んでいた。
雲の上に到達したレミリアとフランは日の光を浴びる。日没が近い事もあり、焦げる事はないが、少し皮膚がヒリヒリしている。だが、今は目の前の敵を倒す事だけをレミリアは考える。
雲の上、夕焼けで光る真っ赤な装甲を帯びる巨大魚との戦いが始まる。
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
FIRE FOSSIL
IS APPROACHING FAST.
超々級大型戦闘母艦種ファイヤーフォスル。クイーンフォスルの姉妹艦であり、全身に巨大火炎放射砲が搭載されており、大気圏内での戦闘では絶大な威力を誇るTHIMAの戦艦。
尾ビレの砲台から大量の火炎弾が発射される。ファイヤーフォスルの主武装はどれも火炎を放つ砲台が多いため、1発でも当たれば吸血鬼には致命傷になりうる。
レミリア「《神槍 スピア・ザ・グングニル》!!」
レミリアの手から放たれた巨大な槍は火炎弾を弾きながら尾ビレの砲台を破壊していく。ファイヤーフォスルはレミリア達を探知、本格的に攻撃を始める。腹部パッチから中型戦艦 オールドワイフが放たれる。上下のヒレからウェーブ状のレーザーをフランへ連射する。
しかし、レーザーは簡単に避けられる。
フラン「きゅっとしてドカーン⭐︎」
フランは手を握ったが何も起こらなかった。
フラン「あれ?あいつ壊れないな〜って、あいつのどこにも目がない!!」
フランの能力はありとあらゆるものを破壊する能力。全ての物には「目」という最も壊れやすい部分があり、そこに力を加えるとあっけなく破壊することができるのだが、オールドワイフに「目」は見当たらなかった。そう、中型艦が主に装備するソリドナイト装甲が「目」を防御していたのだ。THIMAは複合装甲で「目」は完全に内部にあるため、巨大戦艦にはまず効かない。特殊な金属兵器であるソリドナイトも同じような耐性を持っていたのだ。
フラン「それなら… 《禁忌・レーヴァテイン》!」
フランの手に紅い杖が握られる。突進してくるオールドワイフのソリドナイト装甲を叩き斬った。装甲の割れ目から「目」が見える。
「今度こそは…きゅっとしてドカーン⭐︎」
ソリドナイト装甲ごと、オールドワイフの頭が潰れる。コントロールを失い、ファイヤーフォスルの装甲に衝突して爆散してしまった。
すると2人の下を通るように移動するファイヤーフォスルの第一背ビレの複数の砲台が一斉射撃を始める。
フラン「アハハ!そんな弾幕じゃ私を倒すなんて無理よ!!」
フランは手に持っているレーヴァテインを勢い良く砲台に投げつける。第一背ビレの砲台が全壊した。しかしファイヤーフォスルの行動は早かった。第二背ビレをすぐさまフランへ向け、巨大カッターを射出する。フランの後ろから放たれたカッターが首を切り裂く寸前。
レミリア「《天罰・スターオブダビデ》!」
レミリアの放った弾幕がカッターを弾き落とす。
レミリア「気を付けなさいよフラン!本気でやらないと死ぬわよ!!」
フラン「分かってるよ!」
姉妹喧嘩をする2人から離れたファイヤーフォスルは開閉式の鱗から無数の大型ミサイルを発射する。
レミリア「危ない!喧嘩は後ね…」
フランを睨みながらミサイルをグングニルで叩き落とす。
-博麗神社-
魔理沙「思ったより長居しすぎたな…そろそろ帰るぜ、霊夢。」
霊夢「ああ、分かったわ…ってあれ何!?」
魔理沙「あれ?」
2人はその光景に驚く。紅魔館の上空で巨大な魚が泳いでいたからだ。
霊夢「午前中戦った奴の仲間かもしれない!行くわよ!魔理沙!」
魔理沙「おう!」
八卦路を片手に霊夢と共に紅魔館へ向かう…
-紅魔館-
美鈴「これで全員ですね…」
パチュリー、小悪魔、咲夜、美鈴達はTHIMAの小型機を全て破壊した。
パチュリー「後は上空の魚だけだけど…レミィは大丈夫かしら…」
小悪魔「レ…レミリア嬢様が負ける訳ないですよ!」
館で主の幸運を願う4人の姿があった。
-紅魔館上空-
レミリア「こいつ…まだピンピンしてるわ…」
フランとレミリアは弾幕をさっきからずっと撃っているがファイヤーフォスルの強化複合装甲は未だに傷一つ付いていない。
紅魔館へと照準を合わし、βビーム砲の準備を始める。
レミリア「このままじゃ館が…」
レミリアが戦意喪失しかけたその時、赤い巫女と黒白の魔法使いが飛んで来る。
霊夢「あんな図体だけの奴に何怯えてんのよ。」
フラン「霊夢!魔理沙!来てくれたの?」
魔理沙「お前らの館で何か起きてたからな。さて、決着をつけてやるぜ!」
魔理沙が八卦路を取り出す。
ファイヤーフォスルが腹部の四連β砲の一つから一本のβビームが放たれる。
魔理沙「《恋符・アルファスパーク》!!」
お互いのビームがぶつかり合う、勝ったのは魔理沙。八卦路から更に威力のあるビームが放たれる。続け様に2本目、3本目のβビームを
吸収する。ファイヤーフォスルは最後の4本目で自分と同サイズのβビームを撃つ。
魔理沙「ぐ…あっちの方が強いな…」
魔理沙は両手で八卦路を握り占めているが手に限界が溜まる。しかし、八卦路が魔理沙の手から落ちそうになる所で霊夢も一緒に八卦路を掴んで魔理沙を支えた。
霊夢「もう、ここまでいったんだから負けるんじゃないわよ?」
2人が握る八卦路から今まで以上のアルファスパークが放たれる。最後のβビームに勝ったのだ。極太レーザーとなったアルファスパークはファイヤーフォスルの装甲を絶えず破壊していく。そして、ファイヤーフォスルは叫びながら空の上で大爆発を起こして消えた…
フラン「すごい!あんな奴を倒せるなんて!」
魔理沙「すげー!こんなに強いビームが撃てたなんて!!やっぱ弾幕は火力だな。」
完全に周りは暗くなり、吸血鬼2人は心配する従者の元へ、巫女と魔法使いはそれぞれの家へ帰っていった。
-亜空間最深部-
館への侵攻失敗、3つの戦艦が撃沈してしまったため、ジ・エンブリオンは幻想郷侵攻、いや、文明破壊ミッションの要。
`旗艦`の生成を始めた。
旗艦を中心としたTHIMAの大艦隊が幻想郷へ向おうとしていた…
続く…
- Re: 東方海洋伝 6話 死の翼・竹林の死闘 ( No.6 )
- 日時: 2022/11/14 20:52
- 名前: black fly (ID: 7ZyC4zhZ)
-迷いの竹林-
迷宮のように生い茂る竹林。夜になり、暗くなった竹林の中、一つの明かりが灯される。手の中で燃える炎を光源に藤原妹紅は永遠亭へ向かおうとしていた。
妹紅「久々に輝夜と弾幕ごっこでもしようかな。」
真夜中の竹林を歩く中、人影が見える。焦ったように逃げ惑う里の人間だった。
妹紅「お前!こんな所で何してんだ!」
里の人「い…いや、永遠亭で薬をもらった後、道に迷ってしまって…って妹紅さんですか?助けてください!!」
泣き喚きながら妹紅の所へ走ってきた。
妹紅「落ち着けよ。まぁ…とりあえず里まで送ってやるよ…」
里の人「は…早く助けてくれぇ!ば…化け物が襲ってきたんだ!」
妹紅「化け物?妖怪か?」
里の人「違う!あいつが妖怪な訳ない!あんな巨体で浮遊する鉄の塊が…!!」
錯乱する里の人はすぐ竹林の中へ走って行った。
妹紅「待て!竹林から出られなくなるぞ!!」
里の人を追うが見失ってしまった。
-翌日-
光が差し込む竹林、昨日見失った人を妹紅は探す。
妹紅「全く…あの人が化け物って言う奴は誰なんだ?」
歩き続けると震えながら竹林の真ん中に座る人が見える。
妹紅「あ!見つけた!大丈夫か?」
里の人へ近づく妹紅。その瞬間、空から里の人の元に丸い金属のような物が落ちる。
里の人「お…追いつかれた…」
丸い金属、-ナパーム弾-は勢い良く爆発し周りの竹事、その人の体を瞬時に焼き切る。その場には黒く焦げた竹と灰しか残らなかった。
妹紅「何だ今の爆発は!?」
その右手は爆発によって吹き飛ばされていた。その時、妹紅の前から竹林を覆うほどの影が這ってくる。上空にはエイの形をした化け物がいた。
WARNING
A HUGE BATTLE SHIP
DEATH WINGS
IS APPROACHING FAST.
その戦艦から鳴らされる警告音と共にフィールドが張られる。
妹紅「お前があいつの命を奪った奴だな!容赦はしない!!」
?「…ガガッ….」
妹紅「何だ?」
デスウイング「…そこの小娘…容赦はしないと言ったな?」
発声装置を使ってデスウイングは話しかけた。
妹紅「そうだ!命を躊躇無く踏みにじるような化け物め!」
デスウイング「命?お前ら人類はその命を大量に…そして、一瞬にして奪う悪魔のような兵器を持っているくせにな。」
妹紅「…どう言う事だ」
デスウイング「我らは宇宙を破壊しかねない技術を保有する文明の監視者であり、死を司る者。`THIMA`だ。この妙な空間から星一つを破壊する強大なエネルギーを検知した。だから、そのテクノロジーごとここを滅ぼすために我らはここに来た。」
妹紅「ふざけるな!ここに…幻想郷にそんなものあるはずがない!」
デスウイング「確かに確認した!2500年程前に検知したあの時のようなエネルギーを…」
妹紅「もういい、今宵の弾はお前のトラウマになるよ。《時効・月のいはかさの呪い》!」
火炎弾とナイフのような弾幕が張られる。デスウイングは大きく旋回し、その攻撃を避ける。
デスウイング「もうお前と話す事はない….ガガッ…」
発声装置を自ら破壊すると、下部の砲台から圧縮粒子弾を連射する。竹林の竹をそれぞれの弾幕が切り裂いて行く。
広翼型局地制圧艦種デスウイング。全身に重火器が搭載されており、敵対者を瞬時に地獄へと送る「死の翼」。尾部に装備された4門の
空対空レーザーは絶大な攻撃力を持つ。
妹紅「当たるかよ!《蓬莱・凱風快晴-フジヤマヴォルケイノ》!!」
妹紅から放たれた弾幕はデスウイングの装甲に当たると大爆発を起こす。デスウイングの右翼が破壊された。
妹紅「そのまま地面に落ちてな!」
勝ち誇ったように妹紅は叫ぶ。しかし、デスウイングは即座に右翼を再生し、再び上空へ飛び立つ。
妹紅「くっ…まだか。それなら《不死・火の鳥-鳳翼天翔》!」
火の鳥の形をした弾がデスウイングへ放たれる。その弾幕はデスウイングに懐かしい記憶を思い出させた。
デスウイング(ああ…そういえばあの時も、こんなのを見たな…)
デスウイングの脳裏に赤い鷹のような形をした戦闘機がよぎる。尾部のアフターバーナーを起動させ、妹紅へ一直線に突進する。
上部砲台から複数のナパーム弾を飛ばす。妹紅は高く飛んで突進を避けたが、時間差で接近してくるナパーム弾をモロに喰らってしまう。
妹紅「ぐぁっ…」
妹紅に容赦無く降りかかるナパーム弾はその肉体を削っていった。
妹紅「こんな奴に負けられるか…! …!?」
通り過ぎて行くデスウイングのアフターバーナーの勢いが突如上がる。炎によって妹紅は完全に塵となってしまった。
デスウイング(終わったか?)
妹紅の死亡を確認するデスウイング。しかし、彼女の「老いる事も死ぬ事も無い程度の能力」が発動。妹紅の肉体がデスウイングの目の前で再構築される。
妹紅「よくもやってくれたな化け物め…」
危険を感じたデスウイングはβビームを準備する。そして、頭部の砲台から2本のβビームが放たれる。
妹紅「そんなの当たらなきゃいいんだろ?ラストスペル!《インペリシャブルシューティング》!!」
βビームを避けた妹紅はラストスペルを発動する。大量の弾幕がデスウイングに直撃した。翼は次々ともげていき、本体が大爆発を起こす。フィールドは消え、元の竹林に戻った。
妹紅「なかなかの強さだったぜ。化け物。」
デスウイングが爆発するのを見届けた妹紅は永遠亭へと向かって行くのであった…
-霧の湖-
大妖精「昨日見た赤い魚凄く大きかったね!チルノちゃん!」
チルノ「でも最強のアタイからしたらあんな図体だけの奴、アタイの弾幕でイチコロよ!」
2人の妖精が霧の湖の上を飛びながら話す。上空からTHIMA艦が接近しているとも知らずに...
続く…