二次創作小説(紙ほか)
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- 〜 徒然Diary 〜
- 日時: 2025/02/21 12:51
- 名前: ねずみかちょー。 ◆qvdBsJ.aJU (ID: noCtoyMf)
閲覧ありがとうございますm(_ _)m
この小説は、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」に出てくる“謎の少年”目線の二次創作小説です。
作中のキャラクター、設定なども掲載するつもりですので、作品を未鑑賞などでネタバレが嫌な方はご注意ください。
語彙に乏しいところもありますが、暖かい目で見守っていただけたら幸いです。
プロローグ >>1
第1話 >>2
第2話 >>3
- Re: 〜 徒然Diary 〜 ( No.1 )
- 日時: 2025/02/13 12:40
- 名前: ねずみかちょー。 ◆qvdBsJ.aJU (ID: DYDcOtQz)
ー 𝑷𝒓𝒐𝒍𝒐𝒈
僕はただ、ひたすらに走っていた。
あの村の忌まわしい記憶を消し去るように。
息が切れ、履いている草履の鼻緒が切れても気にすることなく、ただがむしゃらに走り続けた。
夕方近くになろうとしている空の上で、烏の鳴く声がしたが、今の僕にはその声が「逃げろ、逃げろ……」としか聞こえなかった……
- Re: 〜 徒然Diary 〜 ( No.2 )
- 日時: 2025/02/14 12:44
- 名前: ねずみかちょー。 ◆qvdBsJ.aJU (ID: xPB60wBu)
第1話
ある晴れた朝のことだった。
僕は、行く当てもないままフラフラと知りもしない道を彷徨っていた。
故郷に残してきた父さんと母さんの顔は、覚えていないほど昔に飛び出してきてしまった。
少しでも腹の足しになればと思い、懐に入れていた僅かな食料もとっくに潰えて、ここ1、2週間は何も口にしていない。
暦はもうすぐ1月の半ばに入ろうとしている。
吹き付ける風がやけに身に染みるのは、風の冷たさのせいだけではないだろう。
しばらく歩き続けたところで、薄暗いトンネルがあることに気がついた。
よほど古いものなのだろう。あちこち見ると汚れが付着していたり、錆び付いてはいたが、入り口付近に掛けてある看板の字はどうにか読み取ることができた。
「哭……倉村……?」
- Re: 〜 徒然Diary 〜 ( No.3 )
- 日時: 2025/02/21 12:51
- 名前: ねずみかちょー。 ◆qvdBsJ.aJU (ID: noCtoyMf)
第2話
看板からの情報だとそこまでしか読み取ることは出来なかったが、このトンネルはどうやらその場所へと通じているらしい。
僕はつい、引き寄せられるように足を踏み入れていた。
トンネルの中は外よりも寒く、そして薄暗い。
軽はずみな気持ちで入ってきてしまったことに若干の後悔をおぼえつつも、今更引き返すのもなんだと思い直し、先へと慎重に歩を進める。
しばらくして周りの暗さにも目が慣れてきた頃、ようやく周りの景色も把握する事ができるようになった。
…まあ、といっても見えるのは、寂れた灰色の壁と所々に這っている枯れた蔦だけだが。
そのうち何だか禍々しい雰囲気を感じ、僕は歩くスピードを少しだけ早めた。
- Re: 〜 徒然Diary 〜 ( No.4 )
- 日時: 2025/03/05 12:45
- 名前: ねずみかちょー。 ◆qvdBsJ.aJU (ID: 3EnE6O2j)
第3話
そのまま10分ほど歩き続けただろうか。
遠くに出口らしき光を見つけ、僕はつい、そちらの方へ小走りで向かっていた。
一刻も早く、この暗闇から抜け出したかった。
トンネルを抜けると、眩しさのあまり、太陽の光が目に刺さるような思いがした。
暗いところから急に明るいところへ出たものだから、眩しくて目が思うように開かない。
しばらく目を閉じて、片方だけ開けてみる。
すると、そこには目を疑うような光景が広がっていた。
一面の田んぼ。一面の緑。
所々に建っている家屋も、昔ながらの家、という趣を残している。
何より驚いたのは、トンネルに入る前は冬のような寒さだったのに、今こうして出てみると、まるで初夏のような暖かさだった、ということだ。
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