社会問題小説・評論板
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- 宇宙の中で —HANABI—
- 日時: 2009/11/15 21:20
- 名前: 秋桜 ◆AxS5kEGmew (ID: 4TjuuFmy)
初めまして、秋桜といいます。
前、この小説を書いている時、突然スレが消えてしまいました。
燃え尽きました。。。
でも、こんな駄文を読んでくださっている数少ない読者の方に対して、申し訳ないと思い、書き始めました。
前回の最終投稿の十八話から始めたいと思います。前書いていた文は、違うスレを立て、ひっそりと書いて生いきたいと思います。
一話から書いて行って、ここにURLを乗せます(スレ主は能天気なので、十七話までに一ヶ月ほど要するかと・・・)。
一話〜十七話までのURL「http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.php?mode=view&no=12926」
気が向いたら読んで見てください^^
—プロローグ—
——生まれてきた意味とは何か? 真実の生き方とは何なのか。
その問いは、大切であり、どうでもいいくだらないもの。
自分ひとりの力で大地を踏みしめ、人を振り回しても自分はブレない。
私の、唯一の友達——
- Re: 宇宙の中で —HANABI— ( No.3 )
- 日時: 2009/10/28 20:37
- 名前: 秋桜 ◆AxS5kEGmew (ID: 4TjuuFmy)
第十八話
「あーあ・・・・・・」
私は、わざと声を出してため息をついた。
ガランとした保健室には、人の気配はなかった。
でも、私の体は確実にベッドの方へ向かっている。私は本能のままにさせた。
「ちょっとだけなら、いいよね」
私はベッドに倒れこんだ。
私が陽子たちに嘔吐をぶちまけると、3人の顔がグニャリと歪んだ。
「最悪!」
陽子が私の肩を押し、私はよろめいて慌てて手すりを掴んだ。
「ひど・・・・・・」
ミヤちゃんは半泣きだ。
「クリーニング代、今持ってる額全部出して。」
優子は感情のこもらない声でそう言った。抑揚が無い声なのに、相当の怒りが感じられた。
私は震える手つきで優子に財布を差し出した。優子は全て抜き取った。その中には、私の昼ご飯代も入っていた。
「明日、残り全部持ってこないと許さないから!」
陽子は私を鋭い眼光で睨みつけ、3人は足早に去っていった。
心配は——してくれなかった。
思いだすと、意味もなく笑えてきた。頬の筋肉がだらしなく緩む。
涙腺も緩んだ。頬に、熱い涙が伝う。
「しかたないよ、私が悪いんだからさ・・・・・・」
私はつぶやいた。まぶたがゆっくりと降りた。
夢を見ているのは分かっている。
木枯らしのふきつける校庭の隅で、5人の子供達が「かごめかごめ」をしていた。その中に、私もいた。
「かーごめかごめ、かーごのなぁかのとーりぃはぁ、いーつぅいーつぅ、でーあぁう・・・・・・」
中の子の周りをぐるぐると回る。寒さで、頬は真っ赤だ。
「・・・・・・後ろの正面だあれ」
「・・・・・・陽子ちゃん?」
「当たりー。」
小学生の陽子は、嬉しそうに飛び跳ねた。
入れ替わる時、私以外の皆はニヤリとした。
「・・・・・・後ろの正面だあれ」
「友里ちゃんっ。」
陽子は自信満々に言った。後ろは最初から決まっていた。
この頃、「かごめかごめ」の5回目に後ろになると、呪われるという噂があった。そのため、私はいつも強引に後ろへ回されていた。
「・・・・・・後ろの正面だあれ」
皆、そう言ってすぐに、私から離れていく。声に出さずに笑っていた。
私は全員の名前を言っても当たらないので、立ち上がった。
周りを見回し、寂しそうにうつむいた。
場面が変わる。
桜の咲き乱れる校庭で、鬼ごっこをしていた。
でも、皆走らない。私が鬼の子に追いかけられている様子を見て笑っていた。その中に、陽子もいた。
鈍足の私はすぐに捕まった。
皆、私が足の遅い事を知っていて、わざと私に近づく。
必死に追いかけ、私はこけた。それを見て、皆はまた笑った。
- Re: 宇宙の中で —HANABI— ( No.4 )
- 日時: 2009/10/29 18:47
- 名前: 秋桜 ◆AxS5kEGmew (ID: 4TjuuFmy)
第十九話
目を開けると、天井が霞んで見えた。ユラユラとゆれていた。
私は手の甲で目を擦る。手の甲は、濡れていた。
昔の夢を見た。鈍臭かったよなぁ、と笑う。また、なきそうになった。
——助けて——
また、聞こえた。私は聞かないふりをする。
その時、体がふわりと持ち上がった。
「え・・・・・・?」
——私は、叫んだ。喚いた。あんたに助けを求めた。何度も、何度も!——
頭の中に大きく響いた。
いつもと違うのは、まるで、私に向かって語りかけているような気がすることだ。
——なのに・・・・・・あんたは私の声を聞こうとしなかった。私の叫びに、蓋をした。振り返ろうとしなかった!——
体が勝手に立ち上がる。抵抗しようとしたが、能はまるで、声に支配されたようで、いう事を聞かない。
足が上靴の中に入る。
足は、保健の先生の机に向かっていく。そして、椅子に腰をかけた。
手が痺れる。私の腕が向かっていく先を目にした時、私は恐怖で顔が引きつった。
——カッターナイフ。
「ひぃっ・・・・・・」
——だったら・・・・・・あんたが消えればいい。死んでしまえ!——
最早、私の体は私の物ではなくなっているようだ。指が、カッターの歯を出していく。
「やめて! お願い、助けて・・・・・・」
声がかすれた。心臓の鼓動が早くなる。
——あんたがいるから、私は抜け出せない。だから、消えろ——
声は、消えろ、と何度も何度も言う。
カッターの歯が、手首に当たる。声が出ない。
——死ね!——
声は、低く叫んだ。その声は憎悪に満ちた声であり、どこか哀れんでいた。
私の右手が思いきり手前に引かれた。
溢れんばかりの血が手首から流れた。
「何やってるの!」
保健の先生がドアを開ける音や、叫び声がとても遠く聞こえた。
- Re: 宇宙の中で —HANABI— ( No.5 )
- 日時: 2009/10/30 18:51
- 名前: 秋桜 ◆AxS5kEGmew (ID: 4TjuuFmy)
第二十話
「・・・・・・はい、これでいいわよ」
保健の先生の白く綺麗な手が、私の手のひらを包み込む。
「何があったのかは聞かないけど、この事は担任の先生に報告しないといけないわ。分かってくれるわよね」
私はうなだれた。でも、そうしないといけない事は、私も分かっていた。
先生がガーゼの上から、私の手首にリストバンドをはめた。
「それ、あげるわ。見られたくないでしょ?」
先生の声は、優しかった。優しすぎる声だった。
私は、先生の顔をまともに見ることはできなかった。
「失礼しました・・・・・・」
私は保健室を出た。
恐らく、もう授業は終わっているだろう。私は、そのまま回れ右をして、校門を出た。
今は、誰の顔も見たくなかった。
傷が、疼くように痛んだ。
まるで、誰かがそこで叫んでいるようだ。
家にも帰りたくなかった。
頭に、何故か三好さんの顔が浮かぶ。頭の中でも、三好さんは不機嫌な顔をしていた。
私は、総合病院の前に立っていた。
三好さんが入院している病院だ。
何もする事がなかったし、さっさとお見舞いを終わらせたかった。それに、会いたかった。
私は自動ドアを通り、受付の女性に三好さんの病室を尋ねた。
「4階の、突き当りの部屋です」
私は礼を言い、エレベーターに乗り込む。
4階の憩い広場では、2,3人の老人がテレビを眺めていた。
「三好凛様」
そう書かれた名札の前で、深呼吸をした。極力喋らないようにしたい。
大部屋だが、入っているのは三好さんだけだった。
私は扉を開けた。
三好さんは、またイヤホンをしていた。
「あの・・・・・・三好さん」
私は小さな声で言った。でも、三好さんは気づいてくれて、耳からイヤホンを外した。
「佐々木さん? どないしたん」
三好さんは首をかしげた。長い黒髪が、流れるように揺れた。
「お見舞い・・・・・・クラスの代表で」
「ふぅん」
三好さんは椅子を出し、私にここに座るように勧めた。
私は椅子に腰掛ける。太ももがひんやりとした。
長い沈黙が続いた。
- Re: 宇宙の中で —HANABI— ( No.6 )
- 日時: 2009/10/30 20:45
- 名前: 杳 ◆8WWubVa7iM (ID: ZTqYxzs4)
気になりますね〜
- Re: 宇宙の中で —HANABI— ( No.7 )
- 日時: 2009/10/31 21:00
- 名前: 秋桜 ◆AxS5kEGmew (ID: 4TjuuFmy)
>>6
今から書きますね^^