社会問題小説・評論板
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- Repeat —リピート— 【完結】
- 日時: 2010/07/11 12:16
- 名前: 紅翠 (ID: yjS9W/Zh)
- プロフ: 名前の読みはコウスイです。
はじめまして。
別館では書くのは初めての紅翠です。
いじめ系を書いていきたいと思います。
挫折するかもしれませんが、よろしくお願いします。
*〜Attention〜*
・荒らしは戻るをクリック。
・暴言、中傷目的の方は電源クリック。
・駄文を読みたくないという方は逃げましょう。
*〜守れる方はお進みください〜*
*〜Guest〜*
・世迷さん
・莉亜羅さん
・彪覇さん
・蒼嵐さん
*〜の4名の方、ありがとうございます〜*
*〜Menu〜*
・Prologue >>1
・Cast >>2
・Story.1 >>3
・Story.2 >>4
・Story.3 >>5
・Story.4 >>6
・Story.5 >>12
・Story.6 >>14
・Story.7 >>17
・Story.8 >>18
・Story.9 >>21
・Story.10 >>25
・Story.11 >>28
・Story.12 >>32
・Story.13 >>33
・Story.14 >>34
・Story.15 >>35
・Epilogue >>36
・あとがき >>37
*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
それでははじまります。
- Re: Repeat—リピート— ( No.1 )
- 日時: 2010/07/07 19:40
- 名前: 紅翠 (ID: yjS9W/Zh)
- プロフ: 名前の読みはコウスイです。
*〜Prologue〜*
助けて。
助ケテ。
私は何回、この言葉を繰り返した?
彼女らは何回、この行為を繰り返した?
私は何回、助けを求めるこの言葉を繰り返せばいいの?
いつになったら、この永遠に続くリピートが、途切れてくれるの————?
タスケテ。
- Re: Repeat—リピート— ( No.2 )
- 日時: 2010/07/07 19:49
- 名前: 紅翠 (ID: yjS9W/Zh)
- プロフ: 名前の読みはコウスイです。
*〜Cast〜*
双音 彩羽/フタネ アヤハ
性別:女
年齢:17
【いじめられっこ:主人公】
宝洞 冷華/ホウドウ レイカ
性別:女
年齢:17
【いじめっこ:リーダー】
甘宮 美菜/アマミヤ ミナ
性別:女
年齢:16
【いじめっこ】
久野 凜/クノ リン
性別:女
年齢:17
【いじめっこ】
冴島 杏那/サエジマ アンナ
性別:女
年齢:16
【???】
宮崎 静人/ミヤザキ セイト
性別:男
年齢:17
【???】
田泉 ゆかり/タイズミ −
性別:女
年齢:16
【???】
- Re: Repeat —リピート— ( No.3 )
- 日時: 2010/07/11 08:46
- 名前: 紅翠 (ID: yjS9W/Zh)
- プロフ: 名前の読みはコウスイです。
*〜Story.1〜*
「あぁーっ、ウザいウザいウザい!!」
「ホントだよねぇ。美菜、もうこの人にこの学校来てほしくなぁ〜い」
「いつになったら消えてくれるわけ?ゴミ虫以下の存在のくせに」
飛び交う罵声。
飛び交う暴力。
それは、槍となって、彩羽の心と身体に突き刺さる。
いや、彼女に、心など残っているのか?
もうすでにボロボロで、乱暴に引き裂かれたのではないか?
なぜなら、彼女は、9歳——、小4の時から、
“いじめ”を受けているのだから。
ずっとずっと、どれだけ叫んでも、泣いても、願っても、祈っても、いじめに終わりがくることはなかった。
一旦終わったとしても、本当は違った。
少し時がたてば、また簡単にいじめは起きるのだ。
まるで、壊れたオルゴールのように、いじめ——、その“曲”は、歯止めというものをしらずに、リピートを繰り返す。
いつまでたっても終わりがこない。
オワラナイ、不自然な曲————。
それが“いじめ”なのだと、彩羽は、辛く苦しい8年間の中で、悟っていた。
**
宝洞冷華。
大企業の社長のひとり娘——、すなわち、お嬢様。
小さいころから、否、生まれた時から周りに丁重に扱われてきた彼女は、
「自分がトップ」
その信念を忘れることはなかった。
それはそのはず。
確かに、彼女はどこにおいてもトップなのだから。
高い学習能力。
素晴らしい運動神経。
そしてあふれるほどの財産と地位。
親の力をもってすれば、一つ会社を潰すことは可能なほどだった。
もちろん学校の生徒会長など、選挙がいかなる結果であったとしても、親の圧力で絶対に彼女がなるのだ。
そして——。
冷たい華。
その名前通り、冷華は心は氷のように冷たかった。
自分の嫌いなものがいたら徹底的に排除する。
どんな手を使ってでも。
その性格は、ずっと自分が否定されることはなかったという、“自信”からきているのだろう。
それに、彼女をおそれ、わざわざ冷華の敵になるものなど誰もいないのだから。
そう————。
冷華は、自分がもっている圧倒的な力で、
彩羽を、いじめていた。
- Re: Repeat —リピート— ( No.4 )
- 日時: 2010/07/08 15:29
- 名前: 紅翠 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
- プロフ: 名前の読みはコウスイです。
*〜Story.2〜* —彩羽side—
カサッ……
「!!」
机からハラリ、と落ちた紙切れを慌てて拾う。
絶対に周りに見られたくないから——。
くしゃくしゃの、ちぎられたのがわかる紙切れ。
そこには汚い字で、
『放課後、体育館裏に来なさい。』
と、たったそれだけ書いてある。
——これは、私が宝洞達からの最初のいじめの時に渡された紙。
今までのことで、「どうせいじめだ」とわかっていたから、素直に体育館裏に行った。
だって、例え従わなくても結果は同じだということも、わかっていたから。
そして予想通り、私は蹴られた。殴られた。真冬の水を浴びせられた。踏みつけられた。
暴言を吐かれた。生きることを否定された。——存在を、否定された。
ずっと、ずっとやられてきたこと。
だから、特に悲しくなんてなかった。
身体が悲鳴をあげていても、心はなにも動かなかった。
だって。
もう私の心はとっくのとうに、深い闇の中に沈んだまま。
這いあがれないでいるんだもの。
そんなことを思い出し——。
頭をぶんぶんと振って、嫌な思い出を脳から消すと、
私は紙を机の奥底にしまった。
……捨てるわけにもいかない。
別に今さら誰かに見られたところで、私がいじめの標的のことなどすでに知れ渡っているのだから、かまわないかもしれないけれど。
けど、どうしても————。
紙から、宝洞の視線が突き刺さるような気がし、捨てられないのだ。
……急に悪寒が私の身体を襲い、ブルブルっと震えた。
今思えば、これが、この平凡な——。
そう、平凡ないじめ生活を変える、前兆だったのかもしれない。