社会問題小説・評論板

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世界中に幸福を −完結−
日時: 2013/04/04 18:56
名前: rara (ID: gIDLNLr/)

■挨拶
初めまして、raraです。
いじめ系は初めて書くのでよろしくお願いします。
もしよければ、コメください^^

■注意書き
*荒らし・暴言・悪口・中傷・文句は絶対にやめてください!
*駄作が許せない人は帰る事をお勧めします。
*いじめ系が嫌いな人も帰る事をお勧めします。


■登場人物
○天宮 マリア(Maria Amamiya)
 アメリカ人と日本人のハーフ。ハーフということで虐められる。 暗い過去がある。

○吉澤 椎菜 (Siina Yosizawa)
 マリアが大嫌い。自己中なお嬢様。

○阿部 由里 (Yuri Abe)
 椎菜の大親友。マリアが嫌い。

○星野 エミリ (Emiri Hosino)
 マリアが来る前、いじめを受けていた。のちに椎菜の仲間に。


■目次
プロローグ…>>1
1話…>>2
2話…>>3
3話…>>4
4話…>>7
5話…>>10
6話…>>11
7話…>>12
8話…>>17
9話…>>18
10話…>>21
11話…>>22
12話…>>23

Re: 差別 〜消えない傷〜 ( No.17 )
日時: 2011/01/02 17:51
名前: rara (ID: ThpyAL8R)

*差別 〜消えない傷〜 8 「裏切り」




また地獄が始まった___。


「お・・おはようございます」

「あら、生贄さんは口の利き方もなってないのね・・・」

「ご・・きげん・・よう」

「そうよそれ。まったくイライラするわね」

椎菜の理不尽な都合でまた学年室に呼び出された。
そして蹴ったり殴ったりの繰り返し・・・

ドカッ

「うっ・・・」

女子たちはいつものように笑っていた。
しかし、その女子たちの間からエミリの姿が見えた。

「エッ・・・エミリ!!助けて・・!」

私の声で椎菜と女子たちは一斉に振り向いた。

「あ・・・あ・・」

しかしエミリは泣きそうな顔で逃げていった・・・

「そんな・・・・・」

「あーはっは!馬鹿ねぇ・・誰も助けるわけないじゃない!」

椎菜は言った。

「でも私は自分のやったことに後悔していない・・・!!!」

パシッ

部屋の中に乾いた音が響いた。
私は何をされたのか理解できなかった。

「これだからムカつくって言ってんだよ!!!」

椎菜の言葉で目が覚めた。
そうか・・私は引っ叩かれたのか・・・・・

そして最後に由里が私の頬を殴った。

「・・・・・」

「あらあら、こんなに弱っちゃって。今日はここまでにしてあげるわ」

椎菜は言い残して女子たちと教室を出て行った。


・・私はエミリに裏切られた・・・

私はあの頃のことを思い出した_____。


『いや!はなしてぇー!!!マリア・・助けて!!』

よみがえるジュリの声・・・
今頃後悔してももう遅い。
ジュリはもういないのだから・・・


そう、私はジュリを見捨てた______。

Re: 差別 〜消えない傷〜 ( No.18 )
日時: 2011/01/02 22:47
名前: rara (ID: 9QYDPo7T)

*差別 〜消えない傷〜 9 「残酷ないじめ」




もう6時限目だ。
この時間は科学の時間・・・薬品について学ぶ。

「えー、この薬品は“硫酸”といってさわると自分の手が溶けてしまいます」

今日は危険な薬品について先生が話している。
私が特に危険だなと思った薬品がある。

それは“硫酸”だ。

触ったりすると触れたものが解けてしまうという危険な薬品だ。

「じゃあ、手袋をしてそのプラスチックを溶かしてみてください」

私は運悪く椎菜と同じ班・・・
椎菜が あなたがやりなさいという目で見てくる・・・・・
私は手袋をはめ、プラスチックに硫酸をかけた。

プラスチックはすぐに溶けてしまった。
すると突然椎菜が

「この薬品・・使えるわね・・」

と不気味に微笑んだ。



放課後、椎菜にいつもの場所に呼び出された。

「ふふ・・おまたせ・・・今日は生贄さんに残念なお知らせよ」

椎菜が言った。

「何でしょうか・・・?」

「ちょっと待ってなさい・・・星野さん、入りなさい」

ガラッと音がして私は振り向く。
そこには、2人に両腕をつかまれたエミリがいた。

「聞いて、生贄さん。星野さんの誓いの言葉」

するとエミリは床に座り込み椎菜に土下座した___。

「わっ・・私は、椎菜様の元でマリアをいじめることを・・・・・・」

(や・・やだ・・エミリ、お願い!裏切らないで・・・!)

「誓います・・・」

え・・・・そんな・・・・・
ひどいよ_____。

「聞いた?誓うって!アンタをいじめること・・・・」

由里が笑顔で言う。

「嘘よ!エミリはそんな事言わない!あなた達が言わせたんでしょ!」

「あら?生贄さん、私に逆らう気?べつにいいけど、そのかわり・・・・・」

そういって椎菜は“硫酸”と書かれたビンを取り出した。

「それは・・硫酸!?い・・いや!やめてー!!」

「ふふふ・・・これを浴びて醜い顔にでもなってなさい!!!」


椎菜はそのビンを私の目の前に出す。
そして、ゆっくりふたを開け・・・・・・

「いやだー!!!やめて!!!!!」













バシャッ・・・・















私の顔にかけた_____。





Re: 差別 〜消えない傷〜 ( No.19 )
日時: 2011/01/02 22:53
名前: なな ◆p5CHNX570g (ID: x6z9HA8r)

硫酸!?あれ・・本当にやば溶けるやつだよね・・・・・・
マリア・・・どうなる!?

Re: 差別 〜消えない傷〜 ( No.21 )
日時: 2011/01/02 23:30
名前: rara (ID: 9QYDPo7T)

*差別 〜消えない傷〜 10 「弱い心」 *エミリ視点*





6時限めだ・・・・
もうすぐ“あのこと”を言わなければならない時間が来る・・・・

私はマリアが学校に来る前に吉澤さんに“あのこと”を頼まれた。


_____

「ごきげんよう、星野さん。今日はあなたに頼みたいことがあるの」

「・・頼みたいことですか・・?何でしょうか・・・」

「生贄さんの前で私に土下座して“マリアをいじめる”って誓ってほしいの」

「え・・誓う・・・?」

私はとても吉澤さんに勝てない・・・
なので はい、と答えた。

「そう、嬉しいわ。これからあなたは私達の仲間ね!」

吉澤さんが珍しく笑ってる・・・・・・
私は機嫌を悪くしないように微笑んだ。

「はい。これからよろしくお願いします・・・」

_____


こういうことで私はマリアをいじめることになった。

私は逆らえなかった・・・・・・・
この弱い心がなければ・・・
マリアみたいな強い心を持っていれば・・・・・

こんなことにはならなかったかもしれない___。


マリア・・
ごめんね・・・・
マリアは私を助けてくれたのに・・

私はマリアを助けることが出来なかった・・・・・!









・・本当にごめんね・・・













私、強くなるから____。

Re: 差別 〜消えない傷〜 ( No.22 )
日時: 2011/01/03 10:48
名前: rara (ID: 9QYDPo7T)

*差別 〜消えない傷〜 11 「辛さ」




私は恐る恐る目を開けた。
みんなが笑っている・・・・・

私の顔はどうなってるの!?
顔に手を当ててみる。




・・・・あれ?なんともない・・・?





すると椎菜が言った。

「あなたは本当に馬鹿ね・・そんなものかけるわけないじゃない・・」

私は訳が分からず椎菜に聞いてみた。

「え・・どういうこと・・ですか・・・?」

「これは、ただの“水”硫酸の文字は私が書いたのよ」

私は恐怖でいっぱいのはずなのに、心の中でほっとした気持ちも混ざっていた
しかし、由里の言葉で現実にもどされた。

「何ほっとしてんだよ!まだいじめは終わってねぇんだよ!!!」

パァンッ・・・

由里に頬を引っ叩かれた。
叩かれた場所が熱くなる。

「あー楽しかったわ。あなたって凄く馬鹿すぎる・・・」

椎菜の笑い声が部屋中に響いている。
エミリも笑っていた。

「ねえ・・エミリ・・友達じゃなかったの・・・・・?」

するとエミリが口を開いた。

「あ、あなたなんて・・・・・・友達じゃない・・・」

その言葉に私は凍りついた。
そして私の心に突き刺さった・・・。

「ふふっ・・聞いたわよね?“友達じゃない”って・・」

「そんな・・・・・」

「だから、これからは星野さんに触らないで!」

「・・・」

「さあ、皆さん行きますわよ。楽しい遊びを考えなくっちゃ!!」

椎菜たちは部屋を出て行った。
一瞬エミリと目が合ったが、すぐにそらされた。





思い出したくないあの過去が頭を支配する。

ジュリも悲しかったよね・・・私よりずっと・・
私、今頃気づいた・・ジュリの辛さ・・・・






もう遅いって分かってるのに・・・・・・・・






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