社会問題小説・評論板
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- 耐えて耐えて・・・
- 日時: 2012/02/05 09:32
- 名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: f4Q8EoDG)
いじめってどうしてあるんだろう?
どうして人を平気で傷つけられるんだろう?
どうして人の気持ちになれないんだろう?
どうして気付かれないんだろう?
これは、いじめを耐えていた女の子の、悲しい哀しい物語
藍那
プロローグ >>01
憂鬱 >>02
視線 >>03
友達 >>04
他学年フロア >>05
先輩 >>06
悪魔 >>07
震え >>13
出会い >>14
教室 >>15
あだ名 >>16
お姉さん >>17
同じクラス >>24
おはよう >>25
見たものは・・ >>30
強張る >>33
伝言 >>34
私たち・・・ >>37
??
人形遊び >>18
??
意見 >>35
??
リストカット >>19
所詮・・・ >>36
有影藍那 プロフィール >>08
館野宮奈々 プロフィール >>09
雛耶要 プロフィール >>10
初季百夜 プロフィール >>11
日野矢燐 プロフィール >>12
- Re: 耐えて耐えて・・・ ( No.13 )
- 日時: 2011/11/26 14:27
- 名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: 4z3SNsbs)
震え
「?どーかしたの?藍那?」
少しも動かないあたしを不思議そうに覗き込む百夜
すると、クスッと燐が笑った
「寒いの?有影チャン」
「あ、震えてるー・・・」
震えてる?
あぁ・・
だって・・・
それは・・
貴方が居るからよ・・・
燐
「でも、今日はそんなに寒くないよ?むしろ暖かいよ!」
「そうだよね〜。あ、風邪じゃない?」
「なるほど!」
風邪なんかじゃないもの
「じゃあ、あたし有影チャン保健室に連れて行くから♪先生に言っといてね」
嫌だ・・
あたしの脳が危険信号をおくる
「うん、分かった」
「じゃ、行こっか」
あたしの腕に燐の手が触れた
「ぃ・・・だ・・大丈夫だよ!」
嫌だと言いかけ、慌てて首を振る
嫌だ・・
保健室へ言ったら・・・何をされるか分からない!
あたしは覚えている
初めて燐とあったときのことを
そして________
初めていじめられたときのことを
- Re: 耐えて耐えて・・・ ( No.14 )
- 日時: 2011/11/28 19:52
- 名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: 4z3SNsbs)
出会い
燐と初めて会ったのは小学校の入学式だった
お母さんに手を引かれ、恐る恐る門をくぐった
周りに居るのは知らない子ばかり
でも、みんなあたしと同じ目をしていた
期待と歓喜と不安の目をしていた
「お母さん」
「なぁに?」
あたしが不安気お母さんを見上げると、お母さんは優しく微笑んで手を強く持ってくれた
それだけで、あたしは安心した
「母さん、母さん!うち何組?」
あたし達がクラス発表の紙を見ていると、後ろの方で明るい声が聞こえた
振り返ったら、ひらひらのスカートに赤いリボンで髪を束ねている子がいた
その子は母親から離れ、紙のほうへ近寄ってきた
あたしの隣に来て、じっと紙を見つめる
あたしはその子を見ていたからか、その子と目が合った
焦って、お母さんの手を離してしまい、泣きそうな気持ちになった
顔にも出ていたのだろう
その子がニコッと笑った
「うちは日野矢燐。貴方は?」
「あ・・あたしは有影藍那・・・よろしく・・」
声をかけられて嬉しかったけど、少し怖かった
「うん、よろしく!うち2組なんだ。藍那ちゃんは?」
「あたしも2組!」
「本当!?一緒だねー♪」
「うん!」
その後、手をつないで一緒に教室へ行った
燐ちゃんのお母さんと、あたしのお母さんは仲良くなって、お母さんは「友達が出来てよかったね」って喜んでた
あたしも嬉しかった
- Re: 耐えて耐えて・・・ ( No.15 )
- 日時: 2011/12/01 19:05
- 名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: 4z3SNsbs)
教室
燐ちゃんと一緒に教室へ、手をつないでいった
後ろからお母さん達が、世間話をしている
「燐ちゃんは、どこの幼稚園だったの?」
「うちはね、保育園なんだ。スミレ院っていう所。藍那ちゃんは?」
「あたしはね、若葉幼稚園だよ」
「若葉幼稚園!?あたしのいとこ行ってたよ」
「本当!?」
そんな他愛もない話で盛り上がって、教室についた
教室の中は、お母さんと手をつないでいる子が沢山居た
一人で席に座っている子や、友達と手をつないでいる子もいた
「リンリン!」
そんな明るい声が聞こえてきた
隣に居た燐ちゃんは、顔をパアァァッと花が咲いたみたいに笑った
「のんのん!!」
そのまま、あたしの手を離していった
その子は髪を二つにくくっていた
すごく笑顔が可愛かった
昔からの知り合いなのだろうけど、少し寂しさを覚えた
- Re: 耐えて耐えて・・・ ( No.16 )
- 日時: 2011/12/01 19:54
- 名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: 4z3SNsbs)
あだ名
「藍那ちゃん!」
燐ちゃんがあたしの名前を呼ぶ
そして、手招きをしている
こちらへ来て、ということかな?
燐ちゃんの隣に居る二つくくりの女の子を見ながら、あたしは二人に近付いていった
「のんのん、この子は藍那ちゃん。うちの新しい友達だよ」
燐ちゃんがあたしのことをその子に紹介する
『新しい友達だよ』
あたしのことを・・・
ついさっき会ったばかりのあたしのことを・・・?
嬉しかった
「藍那ちゃん、この子はのんのんだよ♪」
「リンリンあだ名で紹介しないでよー」
頬をプクッと膨らませて、その子はいった
その様子も可愛かった
「あ、ゴメンゴメン」
「ムゥー・・・・」
「ゴメンってばー!」
両手を合わせる燐ちゃんは、困ったような笑みを浮かべていた
「・・・初めまして!華内野乃未(かない ののみ)です♪よろしくね!」
「え、あ・・有影藍那・・・です。よろしく」
「あいな・・藍那ちゃんだね!あいピって呼ぶね!」
何で?
と思ったが、口には出さなかった
「のんのんはあだ名をつけるのが好きなの。決して悪気があるわけじゃないから」
「うん。・・じゃあ、のんのんって呼んでいいかな?」
「もちろん!」
のんのん・・か・・
新しい友達が2人も出来ちゃった!
すごく嬉しい!
- Re: 耐えて耐えて・・・ ( No.17 )
- 日時: 2011/12/03 10:54
- 名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: 4z3SNsbs)
お姉さん
仲良くなったあたし達は、ある日のんのんの家に招待された
燐ちゃんはかなり上機嫌だった
なんか、のんのんのお姉さんが好きだかららしい
・・少し・・見てみたいな
「お邪魔します」
「待ってたー♪さぁ、早く早くぅ!今日はケーキとクッキーを焼いてくれたんだよ!」
玄関で靴を脱いでいると、甘いにおいと少し焦げたようなにおいがしてきた
「お姉ちゃん、リンリンとあいピだよ♪」
のんのんが話しかける相手がお姉さんらしい
「そう。初めまして、藍那ちゃん。久しぶりね、燐ちゃん」
そういって、優しく微笑んだ
隣の燐ちゃんは、満面の笑みをしていた
たしかに・・
好きになりそうな、お姉さんだね
「今日は母さんと父さんが出張だから、晩御飯手伝ってね」
「もちろんだよぉ!」
のんのんとお姉さんのお母さんとお父さんは、カメラマンなんだって
世界中のあちこちを飛び回って、いろんな写真を撮るのがお仕事なんだってさ
だから、よく出張?っていうのをするから、お姉さんはお料理とかがすごく上手だって言ってた
おやつのシフォンケーキってやつと、ミルククッキーはすっごくおいしかった!
チョコレートを溶かしたジュースも、甘くておかわりしちゃった
その後、お姉さんと一緒に遊んで、バイバイしたんだ
「あ、お姉さん、お名前教えて下さい!」
帰り際に、やっと聞いた名前
「私?私は野乃」
「野乃お姉さんですね!」
「野乃ねぇ、ってうちは呼んでるけどねー♪」
今日は沢山遊んだ・・
疲れちゃった
明日は頑張ってお勉強もしないとね
あー・・
また野乃お姉さんと、のんのんと燐ちゃんと遊びたいな