社会問題小説・評論板
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- それでも君が好き
- 日時: 2012/03/04 13:50
- 名前: あーさん (ID: QBvEkUjp)
はじめまして。
小説家志望のあーさんなるものです。
駄文ですが、自分なりに一生懸命書いていきたいとおもっております。
御感想等いただけると更新の励みになります!
ルール
*荒らし・中傷禁止
*パクリ禁止
ル〜ルではないですが・・・
一部残虐な内容含みます。苦手なかたはuターン願います...
基本虐めの話ですが、恋愛含みます。
最後に・・・
ノロノロ更新になると思うので気長に読んでください。
では(´∀`*)
- Re: それでも君が好き ( No.20 )
- 日時: 2012/03/04 14:00
- 名前: あーさん (ID: QBvEkUjp)
え?ルナだったの!?
名前変わってるからきずかなかった(m´・ω・`)mごめん・・・
あ、今度からどっちの名前で呼べばいい?
- Re: それでも君が好き ( No.21 )
- 日時: 2012/03/13 13:33
- 名前: あーさん (ID: QBvEkUjp)
初夏を思わせる風と、眩い日差しを真に受けて今朝も登校した。
いつものように、生徒でごったがえしている廊下を通り去り自然と自分の教室の前に立つ。中から、聞こえてきたのは新川君達の声。
「なぁなぁ、今日はあいつに何して遊ぶ?」
あいつ・・・紛れも無く自分のことだ。
「・・・さぁ。なんでも。」
「何だよ翔つれないなぁ・・・あ!こういうのは・・・・・」
何?何をされるの・・・
酷く恐れを感じて足がすくむ。
しばらくして、意を決して戸を開けた。
教室に一歩足を踏み入れると、急に「シーン」として、しばらくして
ヒソヒソ声で何か喋っている。
時々こちらを見て、嘲笑しながら。
喉元で息が詰まり、視線をそらした。
と、そこへ新川君達が現れた。
「やっと、見つけたよ。校内中探しちゃったよ。」
「さぁ。見つかったことだし、”遊戯”をはじめよー!」
遊戯てなに?
「みんな、押さえろ!」
「・・っ!きゃっ・・なにすっ・」
突然視界が、反転してクラスメイトの何人かが押さえつけてきた。
「おい!瀬那。」
「はいはい。これでしょ?」
ふっと、目線を変え新川君の手元を見ると握られていたのは・・・
鋭利な、カッターナイフ。
- Re: それでも君が好き ( No.22 )
- 日時: 2012/03/17 14:17
- 名前: あーさん (ID: QBvEkUjp)
鉛色をしたそれと、新川君の顔を交互に見比べる。
重く漂う異様な空気と、静寂を破ったのはカッターナイフの刃を出す音
その音は静かな教室に良く響き、私の耳にも聞こえた。
ふと、右手首に感じた違和感。
鈍い痛みを放ち、刻まれた傷跡から赤黒い血が滴り落ちる。
何これ・・・
血独特の鉄臭い臭いは現実味を帯びていなくて目の前が霞む。
「あんまり血で無いな。痛めつけた気がしねぇ。」
「もっと、深くやんなきゃぁー」
耳を疑う会話。
2度目の痛み。先ほどより深く切りつけられた痛みは想像していたよりもおおきかった。
生暖かい雫が、赤黒い血が、静かに右手首から流れる。
「それくらいにしとけ。」
誰かの声が響く。
「えーつまんないの。」
そういい残して立ち去ろうとする集団に、
「・・・ねぇ、私って生きてる価値ある?」
乾いた空間に聞き飽きた自分の声。
「は?そんなのあるわけないじゃん。」
「そうよ。何当たり前のこと聞いてるのぉーww」
「お前みたいな奴生きてる価値あるわけねぇだろ。」
笑えてくる。
当然じゃないか。自分に生きてる価値が無いことくらい。
知ってる。
分かってた。
なのに、どうしてこんなにも辛いのだろう?痛いのだろう?悲しいのだろう?
誰がこんな未来を想像した?
純粋無垢で笑っていた幼き自分は少なくとも想像しなかったろう。
私だってみんなと同じ人間だよね?
幸せになることくらい、明日に希望を持つことくらい、笑いあうことくらい、夢をもつことくらい、
許してくれませんか?
みんなと対等に扱われることくらい、
いいでしょ?痛めつけられるために、罵られるために生まれてきたわけじゃないよ。
生きている価値が無いことくらい知ってたよ。
だからあえて、聞いた。
「そうじゃない。生きている価値はあなたにもある。」
私が望んだ答え。
ささやかながら、淡い期待をしてた。
この前まで。
私は”大馬鹿者”そう罵られたって否定することを許されないだろう。
でも、もう何も期待しない。
刻まれた傷よりも、浴びせられた罵声のほうが、
何倍も痛かった。
- Re: それでも君が好き ( No.23 )
- 日時: 2012/03/18 10:22
- 名前: あーさん (ID: QBvEkUjp)
きずいたら私はその場を走り出していた。
走って、走って、走って
向かう先も分からないまま無我夢中で走った。
息が詰まって、「はぁはぁ」と肩で息をつく。
ふと、視線を頭上へと見上げるとそこは屋上だった。
運よく鍵は開いており、中へ入ることが出来た。
案の定中には、誰もいなかった。始業ベルが鳴っているにもかかわらず
私は腰を下ろした。
雲間から覗く太陽の光が優しく体を包む。
ふと、右手首に視線を移すといびつな形をした傷。
血は止まりつつあるもののまだ、止血はしていなかった。
血を止めるものも無く途方にくれていると、誰かが階段を上る足音。
その足音はだんだんとこちらに近ずいてくる。
それは、扉の前でぴたりと止む。
まさか、新川君達?いや、でも・・・
緊張して、手に変な汗をかく。
お願い来ないで!
しかし、願い空しく
きぃと、音を立て扉が開いた。
嘘!?嫌だ。こっちにこないで!
ぎゅっと目をつぶる。
「あれ?なんでここに・・・」
びくっと、肩を震わせ静かに目を開ける。
そこには、予想もしない人物がいた。
「なっんで、桐谷君が!?」
「それはこっちのセリフ。なんで、あんたがここに?」
「・・・っえ・・」
私が返答に困っていると、
「まぁいいや。それより・・・」
桐谷君に突然手首をつかまれる。きつくでは無く、優しく。
「血とまってないじゃん。」
「っ・・・へ?」
私の声は聞き入れず、バックから取り出したハンカチでそっとくるむ。
真っ白なそれには、血がしみをつくってしまった。
「あ・・こんな良いよ。汚れちゃう・・・」
「別に良いよ。気にしないで。」
そういって、微笑む彼。
瞬間微かに胸が締め付けられる。
「ありがとう。」
「うん。」
しばし沈黙・・・
耐え切れなくなった私は口を開いた。
「あの・・・なんでここに?」
「へ?」
「あ、いや・・あの・・」
「サボリ。そしたら、高橋さんがここに。」
「そっか。桐谷君でもサボる時あるんだね。」
「うん。まぁ・・・それより、手痛くねぇの?」
「ッ・・うん。平気」
微かに声が震える。
「どうして、そんなこと聞くの。
虐めてる相手の心配なんかしなくていいのに。」
心配してくれてるなんてあるわけないのに。同情に過ぎないのに・・・
少しだけ期待してる自分がいる。
「なんとなく。高橋さんのことほっとけないつーか・・・はっ、おかしいよね。俺虐めてるほうなのに。」
「・・・っぅふっ・・・うぅ・・」
「え!?何で泣くの?」
桐谷君の動揺した声。
「だって・・嬉しい。ほっとけないてことは、桐谷君に嫌われて無くて」
ずっと、ずっと嫌われていると思っていた。
あの日から、桐谷君の冷たい瞳しか、言葉しか私は知らない。
いつだったかな。
土砂降りの雨の日傘を忘れて困っている子に、傘を貸しているのをみたことがある。
自分は、雨に濡れるのをかまわないというふうに。
偶然その光景を見た日から、いやそのずっと前から
密かに彼に好意を寄せていた。
だけど、そんな思いを打ち消すかのようにいじめは始まった。
毎日が辛かった。
けど、今彼は助けてくれた。この行為がどれだけ私の心を救ったか分からない。
けれど、私はどこまでも単純だった。
ことがそううまく進むわけも無いのに。
この時の私はまだ知らない。
残酷な恋に堕ちるということに・・・
- Re: それでも君が好き ( No.24 )
- 日時: 2012/03/18 11:09
- 名前: あーさん (ID: QBvEkUjp)
第2話 「心壊」
生きていくのが怖くて、
生きるのが怖くて、
湧き上がる感情は、憎悪や、怒り、孤独、悲しみ、寂しさばかりだった
きずいたらいつも「消えたい」そう考えていた。
だけど、虐めに立ち向かう勇気も無い人間が、自ら死を選ぶ事が出来るはずも無く、そんな自分が嫌で嫌で仕方の無かった。
死にたがりという欲にまみれた自分は酷く愚かで汚れているように思えた。
そんな自分が嫌いで大嫌いで、
壊れてしまえばいいと思った。
そうすれば、壊れてしまえば、余計なことを考えなくてすむのだから。
いつか壊れる運命なら、その時はあなたの手で壊して・・・