社会問題小説・評論板
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- 生きてる理由。
- 日時: 2012/04/15 18:00
- 名前: 心咲# (ID: .Brpe.C.)
ある人はこう言った。「貴方は何故、生きているの?」
私はこう言った。「…死なないから?」
ある人はこう言った。「何故、生きたいと願わないの?」
私はこう言った。「…なんとなく?嫌だから。」
…そう。私の生きてる理由なんて、所詮こんなもの。
__________
別館では初めまして。
更新遅いですが、
頑張ります。
この話は、4〜6割は
実話入ってたりします。
心咲=蛍、みたいな。
もちろん、話を作ってる
部分もありますが。
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
- Re: 生きてる理由。 ( No.2 )
- 日時: 2012/03/29 22:04
- 名前: 心咲# (ID: 2pdfM3h0)
それは、私の中2の夏休みのことだった。
「初めまして、元テニス部の橘実都です。
よろしくお願いします!」
夏の暑い日。私、久遠蛍が部活をしに美術部部室へ行くと、集合がかかった。そして先生が「新入部員」と言うと、その子が挨拶をした。
「夏休み前までテニス部をしていましたが、辞めてこっちに来ました」
テニス部…、運動部…………。
橘さんがぺこり、と頭を下げると先生は「んじゃ、適当に活動始めて」と言った。
美術部に、運動部……。
嫌なことを思い出した私は、橘さんの存在を必死に忘れ、絵を描いていた。
- Re: 生きてる理由。 ( No.3 )
- 日時: 2012/03/27 23:44
- 名前: 心咲# (ID: hH3N1CbI)
その日部活を終えて家に帰ると、リビングのテーブルの上に、見慣れぬモノがあった。恐らく、俗世間では“パソコン”と呼ばれるソレが。そしてそれは、私が前々から欲しい、と思っていたモノで。
「お母さん、コレ…パソコン買ったの?」
「んーとね、お父さんがパソコン変えるっていうから、お古もらったの。」
「そうなんだ!私も使っていいの!?」
「うん。お父さんは使わないから、お母さんと貴方の共用よ。」
「やった!」
今まで我慢していたけど、これからはパソコンが使える!!
早速起動させ、あるサイトのトップページを開いた。前から興味のあった“SNS”。
「これ、やっていい?」
「ん?無料ならいいんじゃない?」
そんなやりとりを経て、私はそこに会員登録した。
そのサイトを始めて約2ヶ月。私は毎日そこへ行くようになっていた。1日でもやらないと落ち着かない。気がすまない。
帰ってすぐパソコンをつける。そのままずっとやり続ける。帰ってすぐにやらないと夕飯後になるが、そうすると、深夜までやり続ける。
寝る時間も、夏休み以降グッと遅くなった。だが母は、何も言わなかった。
「やめなさい」とも、「早く寝なさい」とも。
- Re: 生きてる理由。 ( No.4 )
- 日時: 2012/03/29 22:42
- 名前: 心咲# (ID: 2pdfM3h0)
毎日深夜までパソコンをしているせいで、寝不足だった。
そんな生活を続けたまま、どれくらいが経ったか、私は中学3年生に進級した。
もう…半年はこんな生活してるかな。
学校へと足を進めながら、自然とため息が出る。何より寝不足で…頭が痛い。パソコンをやらなければいい話なのだが…依存症、とでも言うべきか、自然に、息をするように、パソコンをつけてしまう。
するとそのままズルズルと…。シャットダウンしてすぐ寝るせいか、寝つきも前より悪くなった。こんなに眠いのに。
はぁ…。あのサイト、なくなればいいのに…
そしたらパソコンやらずに済むのに。寝不足にならないのに…。いや、私のことだ。あのサイトがなくなったとしても、すぐ別のサイト始めて…結局離れられないんだ。それに、なくなればいい…なんて、そんなのただの責任転嫁だ。もともとは、ネットに夢中になりすぎた私が悪いんだから。
考え事をしながら歩いていたら、学校に着いていた。
今日…始業式なんだっけ。
始業式…学年は変わるのに、クラス替えはない。ならメンバーは変わらず、美乃利と奈海が同じクラスで、実都は違うクラスか。
奈海の代わりに、実都と同じクラスが良かったな…。
去年の夏休みには嫌悪…いや、恐怖していた実都と仲良くなったのは、今年の春休み、彼女の“過去”を聞いたからだ。
- Re: 生きてる理由。 ( No.5 )
- 日時: 2012/04/01 19:48
- 名前: 心咲# (ID: 2pdfM3h0)
あー…グラグラする…
新学期恒例行事であり新学期の嫌悪行事でもある朝会。それを私たち生徒は立ったまま黙って聞かなきゃいけなくて…。疲れる。ダルい。ついでに、頭痛い。
嫌すぎる朝会を終わらせるとクラス発表だが、クラス替えがないため去年2組だった私はまた2組。うん。普通の光景だ。
体育館から教室へ戻る最中、違うクラスの実都が手を振ってきたので軽く振り返す。
教室へ行っても先生はまだ来ていないらしく、みんな好き勝手なことをしている。例えば、おしゃべり、リフティングの練習、箒と雑巾を使ったバッティングに、トランプ…。いくつかおかしいものもあるが、気にしない。私は自分の席に着くと本を読み始めた。これは話しかけられないための防御策なのだが、
「おはよー、蛍」
彼女、佐々木奈海には効かないらしい。
「はよ、奈海」
短く返す。音にして4つ。
「何読んでるの?」
「本」
「何の本?」
「小説」
私は徹底して短い返しをする。何故なら、彼女とはウマが合わないというか…、とにかく私は彼女を嫌いなのだ。嫌いな人と仲良くしゃべるなんて性格悪い、と思うかも知れないが、違うのだ。奈海が“勝手に”私に懐いているのだ。私は奈海を嫌い。でもそれを奈海は“知っている”。
- Re: 生きてる理由。 ( No.6 )
- 日時: 2012/04/01 20:19
- 名前: 心咲# (ID: 2pdfM3h0)
先生が入ってきて、連絡を始める。担任も去年と同じ人だ。奈海と話していたせいでロクに本が読めておらずまだ読みたいのだが、さすがに先生がしゃべっている間は自重した。目とかつけられると面倒くさいし。
そういや私、もう受験生なんだ。
話を聞きながら軽く思う。だが先生の話なんて長々聞いていられるものじゃない。頭はすぐに違う方向へと思考を開始した。
というよりか、数週間前、実都から聞いた話を思い出した。
そこまでのいきさつはよく覚えてないけど、春休み中に私と実都は1度だけ、2人きりで遊んだ。
そのとき実都はこう言った。
「あたしがテニス部辞めた理由、教えてあげようか?」
特に聞きたいとは思わなかったけど、ちょうどそのとき話題がネタ切れだったから聞くことにした。
「うん。知りたい。」
「簡単だよ。いじめ。」
「へぇ。なんでまた?」
「あたしが、テニス部で1番下手だから。練習してんのに上手くなんなくてダブルスの相手にも迷惑かけたし。同じ学年の子にはみんなに“邪魔”って言われたし。嫌になって部活やめたの。」
「へぇ。やっぱり運動部って、いじめ起きやすいんだ。」
「本当だよ。もう最悪。…ん?“やっぱり”って?」
「…なんでもない。」
1日遊んで仲良くなった私たちは、お互いを名前呼びに変えた。それだけではなく、私は彼女に“親近感”を覚えたというのもあるけれど。
一通り春休みの回想を終えると、先生の話も終わっていた。