社会問題小説・評論板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

☆中学生 黒羽亜歌音☆
日時: 2013/06/06 21:36
名前: 如月うさ ◆qvf.IClkDc (ID: NuyUCoME)

まえがき

中学生になった黒羽亜歌音。
家族や友だちは沢山だけど、逆に敵も作りやすいちょっぴり男勝りなタイプ。
入学早々大きな試練を迎えた亜歌音。
さあ、どうしましょう!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この作品は、実話を元に構成しています。

しかし、登場する人物はフィクションにしています。

笑いありの作品ですよ!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

Re: ☆中学生 黒羽亜歌音☆ ( No.16 )
日時: 2013/06/11 22:14
名前: 如月うさ ◆qvf.IClkDc (ID: NuyUCoME)

第十四章 ぶりっ子本番


「ねぇねぇ、何に乗るぅ?」

「ジェットコースターなんかどうだ?」

祐樹は、空が怖がるのを知ってそういった。

亜歌音は、2人を見失わないように視線を送りながら、チケットを買いに行った。

「やぁだぁ、怖いぃ」

「そういうとこがかわいいんだよな。さ、チケット買って乗るぞ!!」

「もぉ祐樹の意地悪ぅ♪」

傍から見ればじゃれあっているようだが、これは祐樹の演技力がかなり大事になってくる。

亜歌音も、ここは妥協できないため、すぐ後ろに乗った。

亜歌音はあくびなんかしている。

だいたいが怖がらない性質なので、かわいげがないと自分でも思っているくらいだ。

「ドキドキしてきたぁ」

「俺がいるから大丈夫だ」

祐樹のうんざりした視線は、たまに亜歌音に向けられた。

ベルが鳴り、いよいよ出発する。

亜歌音は、微笑んでいた。

「もうすぐ落ちちゃうぅ!!」

「大丈夫だって」

お前を落としてやろうか、という視線が向けられて、思わず亜歌音は首を振った。

「きゃあああっ!怖いよぉぉ!!」

「もう一回あるんだぞ?」

「もぉ、やぁだぁ☆」

亜歌音は、笑い出したい気分になった。

お前といるほうが「やぁだぁ」だ、という視線を、祐樹と交わした。

意思の疎通は完璧だ。

ジェットコースターを降りた空は、祐樹にしがみつく。

「怖かったぁ」

「空はかわいいな…。あ、何か食べるか?」

「そぉするぅ♪空が買ってくるぅ☆」

「悪いな」

ここで、亜歌音にチャンスが現れた。

Re: ☆中学生 黒羽亜歌音☆ ( No.17 )
日時: 2013/06/11 22:22
名前: 如月うさ ◆qvf.IClkDc (ID: NuyUCoME)

第十五章 カモフラージュもお手の物


「あのさ…視線であんなに意思の疎通ができるなんてね。面白かった」

亜歌音は、祐樹と言葉を交わした。

手にはマップを持っており、道をきいた風にもごまかせる。

「俺も面白かったぜ。あと20日ばかし、楽しませてもらうぜ」

「うん。じゃあ…」

「お待たせぇ、ってその子だぁれ…?」

心配そうな目で、空は祐樹を見つめた。

祐樹が口ごもると怪しい。

第一隠すということができないたちなので、亜歌音が代わりに答えた。

「ちょっと道を聞いてただけです。ありがとうございました…あっちですね」

「…はい」

祐樹も、カモフラージュに乗ってきた。

「ありがとうございました」

亜歌音は、さわやかに言って立ち去るふりをした。

「びっくりしちゃったぁ」

「え?空がいるのに、か?俺を信じてくれよ」

信じて落ちろ、と亜歌音は念じた。

だいたい、尾行も疲れるものだ。

最初で最後のデートになれよ、と祈っていた。

その視線を祐樹と交わそうとしたが、さすがに伝わらなかったらしく「疲れたか」という視線を向けられてがっかりだ。

やはり鈍感か、と思わざるをえなかった。

「空よりかわいい子なんて、いないよねぇ☆」

「もちろんだ!さ、座って食べよう」

「はぁ〜い♪」

空よりかわいい人間など五万といるぞ、と亜歌音と祐樹は互いに思った。

中程度の女とトップの男。

少し、不釣合いかね。

Re: ☆中学生 黒羽亜歌音☆ ( No.18 )
日時: 2013/06/11 22:30
名前: 如月うさ ◆qvf.IClkDc (ID: NuyUCoME)

第十六章 無事に1ヶ月が過ぎる


教室に、本格的な夏の風が吹き込む。

亜歌音と祐樹は、朝早くから教室にいた。

「今日、約束の日だよ」

「わかってるさ。お前、いたらまずいだろう」

「分かってるよ?だから、この話を終えたら、さようなら」

「頼んだぜ」

「盗み聞きはするよ?」

亜歌音は、イタズラっぽく笑った。

「そろそろだぜ」

「じゃあね。健闘を祈るから」

亜歌音が立ち去った直後、空が来た。

空は、一人ぼっちの祐樹を見つけたとたん、笑顔になった。

「祐樹ぃおはよぉ♪」

「…おはよ」

「元気ないよぉ、どぉしたの?」

「何でもない」

少し冷たくあしらった。

そのうち、生徒達がわんさかやってくる時間帯になった。

悪い連中が廊下を溜まり場にして、通行の妨げになっている。

静寂を作るには、手を叩くしかなかった。

亜歌音は、こっそり教室に入った。

パンという音に、周りが反応する。

やっと今日だ、という緊張感が教室を満たす。

「空、来い」

「なぁにぃ?」

「実は…俺がお前を好きだといったのは嘘だ!!あのデートも偽物だぜ?俺は彼氏でもなんでもないんだよ!!」

「う…嘘。祐樹、冗談はやめてぇ?一瞬びっくりしちゃうからぁ」

「冗談じゃない。本当だ!2回も騙されるなんて、馬鹿みたいだ」

祐樹の笑顔に釣られて、教室が笑いでいっぱいになる。

軽蔑に満ちた笑い。

「あのね、あの時道を聞いた女の人、あの白いワンピースの人。それ、私だよ?」

「さすが尾行の達人に頼んだだけあるぞ、ありがとう黒羽」

空は、今にも泣き出しそうだ。

「やぁっぱりぃ、信じちゃだめなんだぁ!!」

空は、また廊下を駆け出した。

後には、馬鹿にした笑いだけがあった。

Re: ☆中学生 黒羽亜歌音☆ ( No.19 )
日時: 2013/06/12 21:39
名前: 如月うさ ◆qvf.IClkDc (ID: NuyUCoME)

第十七章 珍しい


「黒羽」

「何?」

「今日、一緒に帰ろうぜ」

「…何さ、急に。ま、いいよ?普段ぼっち生活満喫中だからさ」

そんな生活をしているのでは、満喫とは言わない。

「何だそれ。じゃあ、一緒にな」

祐樹が去っていった。

何か深刻な話でも?

まさかね、と亜歌音は思った。

どうせ世間話で終わるさ、と軽く考えた。

実際、そんなものだ。

何か話そうといわれてついていったがくだらない話。

そういうことが続いているので、あまり受け止めないようにしている。

ついに、放課後がやってきてしまった。

いくら望まなくてもやってくるものだから仕方はないが。

「帰ろうぜ」

「うん…」

校門を出るまでは、いつもの調子でくだらない話だ。

しかし、校門をくぐって落ち着いたころ、「実はな…」と深刻な話を切り出した————————————わけではなかった。

落ち着いた頃、どころか、別れる場所までくだらない話と来た。

亜歌音は、こっそりため息をついてしまう。

「じゃあな、黒羽!」

「うん、またね」

だいたいからして「男子は友だち」という信念の元うごく亜歌音は、大して気にもしなかった。

何の目的だ、と一瞬思ったが、くだらない話のはけ口にされたと知り、少々どころかかなりがっかりだ。

「ま、あんな奴だ」

つぶやいて、亜歌音は自宅に入った。

Re: ☆中学生 黒羽亜歌音☆ ( No.20 )
日時: 2013/06/12 21:50
名前: 如月うさ ◆qvf.IClkDc (ID: NuyUCoME)

第十八章 立ち聞き、いや座り聞き


「ねえ、どう思う?」

「まさか。ねぇ」

「でも、ありえるよ?でなきゃ、説明できないでしょ」

「わかんないさ。友だちかも知れないんだ」

「でもさ、あの人…」

「紺野祐樹ね」

「そう、その紺野。ぶりっ子と付き合ってたんじゃない?」

「それは作戦よ。ひどく傷つけてやったんじゃないの。きっと本命は亜歌音ちゃんなのよ」

「ま、黒羽さんと紺野なら、アイドル同士でお似合いかも。ま、続きは帰り道で話そう」

その声に、ワイワイガヤガヤと、一行は去っていった。

——ああ、疲れた!

相田爽は、ため息をついた。

噂話の隙間に、まさかノコノコと出て行けるまい。

こうして、靴箱で息を潜めているしか方法がなくなっていた。

黒羽亜歌音と紺野祐樹。

誰だ?

まあ、俺の知らない奴だってことは確かだな、と爽は苦笑した。

アイドル同士だというから、まあ高級(!)なんだろうと想像をした。

一体何人の女子が喋っていたのかも分からないほど込み合っていた。

きちんと、意味を持った言葉を発したのは4人だが、笑い声や物音を加算して考えると、もっといた気がした。

「もう、やめようか」

ふいに声が聞こえて、爽は飛び上がりそうになった。

「こんな傷つけてばかりじゃ、始まらないよ」

「じゃあ、実力行使に出るか」

「そのほうがずいぶんましだよ!明日から、始めようか」

その声は自分に届いたものではないと知って一安心。

「あのさ、黒羽…俺…」

男子のほうが口ごもる。

それを聞いて、爽は女子のほうが黒羽亜歌音だと気づいた。

「何?紺野らしくない」

男子のほうが紺野祐樹だとも分かった。

確かに、美少女と美少年だな、と感心してしまう。

祐樹にはらしくない行動というものは存在しない。

なぜなら、「らしい」ということもないのだから…。

「俺…帰ろう」

「部活は?」

「サボる!一緒に帰ろうぜ」

「またか…」

あきれたような亜歌音のため息が、最後になった。


Page:1 2 3 4 5 6



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。