社会問題小説・評論板
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- 教師と生徒
- 日時: 2013/07/19 00:44
- 名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw (ID: tgcfolY3)
初めまして、牟川です。シリアス・ダークでイギリスからの使者を書いているものですが、今回新しく新規の小説を書いてみたいと思います。
よろしくお願いします。
早速ですが人物紹介です。
人物紹介
森本 愛羅 (もりもと あいら) 13歳 中学1年 主人公A
森本 直喜 (もりもと なおき)故人 小学校4年の時に自殺を図る
牟方 平筑 (むかた ひらつく)43歳 2年前、直喜の担任、現在愛羅お通う中学校の英語教師
道臣 春香 (みちおみ はるか)13歳 中学1年 愛羅の友人
坂村 学 (さかむら がく) 25歳 社会科教師 主人公B
坂村 陽神 (さかむら ようしん)故人 学の曾祖父
- Re: 教師と生徒 ( No.9 )
- 日時: 2013/07/22 22:53
- 名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw (ID: tgcfolY3)
第6話 全ての始まり
英語の授業が終わって休み時間になった。私は、とり合えず春香と適当に雑談をしていると橋川が教卓の前で何やら話し始めた。
「ねえ皆、牟方ってウザイじゃん。だから皆でいじめない? もし参加してくれるなら報酬をあげるよ。毎月3000円でどう? 」
「えっ、牟方って英語の教師だよね」
「そうよ」
先程の件の私怨だろうか? 橋川は牟方をいじめないかクラスメイトに聞き始めた。私もそれに乗りたいところだが、もしある程度のクラスメイトが参加するなら私も参加するつもりだ。
「その話、乗った」
「俺も」
「うちも! 」
クラスメイトたちは続々と橋川の計画に乗り始めた。おそらく、ただのノリではないだろう。何故なら牟方は、私の弟に対するほどではないにしろ他の生徒に対しても傷つくような言葉をかけるからだ。現に、あの橋川でさえ最初は「ボンボン」とか「お前の代で倒産だ」とか明らかに人を馬鹿にした発言をしたのだから。
「ねえ、愛羅はどうするの? 」
不意に春香が私に聞いてきた。
「春香はどうしたの? 」
「私はとり合えず計画に参加することにしたよ」
さて、春香も橋川の計画に参加したわけだが現在クラスメイトの半数が参加している。これなら私も参加したいところだが、考えて見ればこれは橋川の計画であって私は独自に復讐したいという思いもあった。ただ、橋川を盾にするという事も得策かもしれない。
「そうね、じゃあ私は直接は参加しないけれどあくまで同盟と言う形で橋川さんの計画を支援してもいいかな? 」
「ちょっと待って、橋川さんに聞いてくる」
春香はそう言って橋川のところへ向かった。少しして、橋川本人が私のところへやって来た。
「森本さんだっけ、貴方のこと良く知ってるよ。直喜君の件でしょ。わかったよ森本さんだけは無理しなくては良いよ、だけど貴方の復讐も止めないよ」
橋川三波、彼女は何故か私に対しては柔らかい対応した。その後、私は協力と言う形で橋川の計画に関与することになったのである。
- Re: 教師と生徒 ( No.10 )
- 日時: 2013/07/24 23:46
- 名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw (ID: tgcfolY3)
第7話 動き出す計画 (森本愛羅 目線)2020年 5月10日
牟方いじめ。最初の3日ほどは、授業前に黒板消しをドアの上に仕掛けると言った悪戯程度だった。しかし日が過ぎるていくうちに、エスカレートしていった。昨日に関しては牟方の顔面にチョークを投げたり、バケツ一杯の水を掛けたり。もし、橋川がいなければ何らかの処罰を受けていることだと思うが、理事長の孫だから迂闊に処罰を与えられないのだ。そして今日の授業は終わり、橋川の下に半数ほどのクラスメイトたちが集まっている。
「で、皆は明日どうしたい? 」
「トイレに連れて行って便器の中にでも顔を突っ込ませればいいじゃん」
今日もえげつないことを言い出すクラスメイトたち。もはや普通ではないが、私はこれを望んでいる。
「ねえ」
不意に、このクラスの優等生の会川成実(あいかわ なるみ)が大きな声を出した。
「ねえ、もう皆で先生をいじめるのやめなよ! 先生に向かってどうしてそんなことするの? 」
これが典型的な優等生=先生信者だ。先生は絶対に善人で正義の味方と信じて疑わない愚か者で、もし私の弟のような目に遭ったらどうなるのか。
「ウザイから、嫌いだから、犯罪者だから」
橋川が合川にそんなことを言った。
同じ頃、学校のとある部屋。(ここよりナレーション)
学校のとある一室に二人の教師がいた。1人は50代後半くらいで、もう1人は20歳前半の教師である。
「そろそろ見香川一家に労働者の本領を見せる時が来たな」
「そうですね、現に牟方教諭は教師であるというのに橋川三波を中心とするメンバーにいじめられてますからね。しかし他の教師たちも悪の資本主義者である理事長が怖くて何にも言えない状態です」
何だか、謀反でも起こすかのような話し合いだった。
「木下君、君もまだ若い。この先、資本主義国家日本で生きていくのはつらいだろう。だからここで君には革命の起爆装置になってもらおうかと思うのだが」
「委員長! 私は革命のためなら何でもします。労働者が再び資本家を倒すために」
今この場所はまるで、時が1970年代以前の日本の教育現場の状態そのものであった。
- Re: 教師と生徒 ( No.11 )
- 日時: 2013/07/25 20:23
- 名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw (ID: tgcfolY3)
第8話 起爆装置 (森本愛羅 目線)
「おい、お前らは先生に向かって何をしているんだ! 」
今日も橋川たちが牟方をいじめていると、数学教師の木下が注意しに来た。
「牟方先生、とり合えずここは私に任せて職員室へ急いで」
「すみませんね、迷惑掛けて」
木下は今年、新規として着任した新米教師であり私から見ればただの偽善者である。教師は若ければ若いほど偽善者だなと思うのだ。ただ1人、坂村を除いて。
「おい、橋川。教師に向かってこう言うことしてるのはわかっている」
この教師は若いからか、橋川三波と言う人間の怖さを知らないのだろうか? 彼はわざわざ橋川を叱ったのだ。
「とり合えず、橋川は職員室に来い」
「木下先生、怒るのをここまでにしません? そうすれば助かりますよ」
橋川が静かにそう言った。
「労働者を馬鹿にするのか? いい加減にしろ」
木下は大声でそう言うと橋川を職員室へ連れて行った。私は気になることがある。それは教師とか大人とかではなく「労働者を」と言う言葉で橋川を怒鳴ったことだ。まあ、どうでも良いことだが。
- Re: 教師と生徒 ( No.12 )
- 日時: 2013/07/25 21:31
- 名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw (ID: tgcfolY3)
第9話 教師と生徒 (森本愛羅 目線)2020年 5月12日
分かっていたことだが、木下はクビになった。理事長直々の辞令で、橋川を叱ったことが原因であると言うことは誰もが分かっていた。
「今日から誰が数学を担当するんだろう」
春香が少し心配そうな顔で呟いた。
「代わりの先生が来るんじゃん? 」
一方の橋川は満面の笑みで春香にそう言った。さすが、無敵の橋川三波である。これで何人の教師をクビにしたのだろうかと思うと私は橋川三波にゾッとする感じがした。中学生であると言うのに権力が強すぎる。しかし、考えて見ればこの学校はいろいろな会社の社長の子息が通っており、で教師も生徒に頭が上がらないのも分かる気がする。現に、このA組も数人ほど社長や金持ちの子供がいるのだから。
「さて、皆はもう牟方をいじめるのはどうする? 」
橋川は牟方をどうするかクラスメイトたちに尋ねた。
「俺は続けるぞ! 」
「私も」
「もちろん続ける」
クラスメイトたちは牟方いじめの続行を求めた。牟方は散々、生徒たちを馬鹿にしてきた教師なのだから当然だ。
「そうね、じゃあ続行しましょうね」
こうして牟方いじめは続行となった。
同じ頃、学校のとある部屋。(ここよりナレーション)
「今日より、先日発表していた通り、私たち見香川学園教職員組合はストライキを行います。ですので今日は皆さん自宅へ帰ってください」
見香川学園教職員組合。見香川学園の教職員の組合で、見香川学園の幼稚園から高等学校に所属する教員の40%がこの組合の組合員だ。そして見香川学園教職員組合は、見香川財閥労働組合の傘下組織でもある。この日、見香川学園教職員組合はストライキを決定したのだ。つまり見香川学園の幼稚園から高等学校までの教員の40%が学校へ来ないと言うことになる。
「山友委員長、本当に実行するのですね」
「そうです。悪の資本家に解雇された木下君のためにも」
見香川学園教職員組合の代表は委員長の山友恭平(やまとも きょうへい)で委員長の下に書記長や副委員長の職がある。
「川本書記長は、見香川財閥労働組合の大山元宏中央執行委員長に協力を要請しに言ってください」
「わかりました」
こうして、闘争は始まった。
- Re: 教師と生徒 ( No.13 )
- 日時: 2013/08/05 11:35
- 名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw (ID: tgcfolY3)
第10話 文民で無い者 (坂村 学)
全く、大変な事になった。わかっていたことだが、共産主義者=見香川学園教職員組合はついにストライキを決行したのだ。教室に入れば生徒たちはまだ何も知らないのだろう、この出来事を。しかも、俺の受け持つクラスには組合がストライキを行った原因である生徒もいるのだ。
俺はいつも通り、A組の教室に入った。
「座れ、本日は重大な報告がある」
俺がそう言うと、生徒たちは席に着いた。今日も生徒たちは普通にいつも通り、だるそうにしている奴やら、真面目に勉強している奴やらだ。
「今日は教師の多くがストライキを起こした。結果、校長以下残った職員の会議により皆さんはこのあとは帰りだ」
俺がそう言うと、生徒たちは驚いたのか騒ぎ始めた。まあ、ストライキと言う部分より、帰りになったという部分で騒いでいるのだろう。
「じゃあ、もう帰れ」
俺はそう言って教室を後にした。その後、俺は牟方と合流しある場所へと向かうことにした。とある事件の事件現場に。
「ついに、組合のストライキが始まりましたね牟方陸将補」
「ああ、彼の死はやはり一時的な落ち着きにしかならなかったようだ」
「あの3等陸尉のことですね。世間にばれたら大変ですよ。あのことも、そして今我々が教員であるのに自衛隊であることも」
「ああ、わかっている。特にあの3等陸尉の姉にばれたらと思うとね」