社会問題小説・評論板
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 悲しみの階段
- 日時: 2018/04/02 17:02
- 名前: 蜜柑わたあめ (ID: lqhOUyMm)
下手だとは思いますが、見てください…
プロローグ
・・・・・・どこまでいけば、いつまでいけば、
・・・・・・私は、救われるのだろう。
ピピピ・・・ピピピ・・・
この音を聞くだけで頭が痛くなる。
目覚ましを止めて、重いからだを起こした。
今日も、行かなきゃ・・・・・・
「おはよう」私は行きたくない気持ちを押し込めて、精一杯の声で言った。お母さんは、そんなことも知らずに「おはよう、海花。」とにっこり笑う。
少し汚れた制服に袖を通す。慣れた手つきで髪を結う。この制服の惨めさに、泣きそうになる。
「行かなきゃ・・・行ってきます。」
中学校が始まって早数週間。私はいまだに1人ぼっちだ。通学路には友達と一緒に歩く人ばかり。1人で通学なんてことはまずないだろう。
学校について、教室のドアに手をかける。普通のドアのはずなのに、私には重く感じる。私は思った。
・・・・・・・行きたくない・・・・・・。
目次
登場人物紹介>>1
第一章 いじめ>>2-10
第二章被害妄想>>11-19
- Re: 悲しみの階段 ( No.8 )
- 日時: 2018/04/01 20:34
- 名前: 蜜柑わたあめ (ID: lqhOUyMm)
- プロフ: https://zinro.net/m/
夏のじりじりした太陽が照りつける夏のある日。
私はいつものように屋上に来た。屋上のコンクリートに体育座りをして待っていると。
ティロティロリン♪ティロティロリン♪
LINEの着信音が鳴る。何だろう?こんな時間に…もしかして、お母さん?と思いスマホを取り出すと…
「助けて、今、4階のトイレ。橋本さん、今すぐ来て。」
・・・・嘘・・・でしょ・・・・。
私は急いで階段を駆け降りて、トイレに向かう。
息が切れてるとか、髪がぐちゃぐちゃとか、そんなの気にしない!今は、今は・・・・!
矢田さんを、助けなきゃっ!
「矢田さんっ!」
「橋・・本・・さん?」
矢田さんは、アザが身体中に作られてて、いつもバサバサの髪は、ハサミでぐちゃぐちゃに切られてて乱れ放題。更に全身が濡れていて、明らかにいじめとわかる格好をしていた。
・・・奏だ。
スカートに、一粒…また一粒、涙がこぼれだす。
「私が…私が…気付いていれば…矢田さんは…っ。」
「橋本さん・・・?私、大丈夫だよ・・・?橋本さんのせいじゃないよ・・・?」
私が未熟だったんだ。
私が情けなかったんだ・・・!
矢田さんに、無理をさせてしまった・・・!
私は、泣いた。思う限り泣いた。矢田さんも泣いた。泣きすぎて、二人で、笑った。
矢田さんは、強い。
矢田さんは、優しい。
矢田さんは、矢田さんは・・・!
私は矢田さんと一緒に教室に戻った。
- Re: 悲しみの階段 ( No.9 )
- 日時: 2018/04/01 20:33
- 名前: 蜜柑わたあめ (ID: lqhOUyMm)
- プロフ: https://zinro.net/m/
ガラッ、シーン・・・
私たちが教室に入ると、一気に静まり返った。
あ、そっか・・・
矢田さんは、いじめのターゲットだから・・・。
私は矢田さんを突き放して友達のところへ行った。
「ねぇ、さぁ聞いてよ・・・」
こそこそと私から離れてるように見える。私は感じた。
ハブられてる・・・!
他のクラスメートに話しかけてもそうだ。もちろん、颯だって。もう一回リトライして、話しかけてみた。
「ねぇ、なんでハブるの?何でよ!教えてよ!!」
そうしたら、教えてくれた。
「何でって、決まってるでしょう?
あんたが矢田と友達だからよ
矢田と友達何て、もうビンボー菌ついてるんでしょう?そーんなあんたとは、もう友達じゃないわよ!」
そ、そんな・・・。そんな理由で・・・。
私は、悪寒を感じて震えた。
五時間目のテスト中・・・。ある一切れの紙が私の席に飛んできた。読んでみると、
《海花、放課後体育倉庫ね!なるはやで!》と書いてあった。ちらっと後ろを向くと右手をヒラヒラさせる奏の姿が。
放課後・・・
「な・・・何?奏。話でもあるの・・・?」
- Re: 悲しみの階段 ( No.10 )
- 日時: 2018/04/01 21:05
- 名前: 蜜柑わたあめ (ID: KG6j5ysh)
- プロフ: https://zinro.net/m/
怖がる私の姿を見て、奏や、奏の取り巻きたちがクスクスと笑う。奏は、話を始めた。
「海花はわかると思うけど、矢田をボロボロにしたのは、私。理由は、海花に好かれて、うざかったから♪うふふっ。」
時々笑う奏の顔は、まるで青い炎の美しさに見とれてるような、そんな美しさと怖さが入り交じった顔だ。奏は話を続けた。
「それで、矢田と仲良くしてる、海花にも、巻き添えでハブりたくって。どぉ?これでも矢田といる?」
「・・・っ!」
「もしも、クラスに戻りたかったらぁ、海花がぁ、矢田にぃ、あることをしてほしいのよ。」
「矢田さんに、する事・・・?」
「矢田に、こう言うこと。」
と言って、紙を渡してきた。
《あんたなんか、友達じゃないわよ!このビンボー人!ビンボー菌うつさないでよね!?ブス》
「・・・っ!?嫌っ!こんなこと、矢田さんに、言えないよ…」
グッ!
「っ・・・・・・」
「さぁ、貴女はどっちをとるの?親友の矢田をとって、学年からずっ・・・・とハブられるか、クラスをとって、地位を保つか・・・」
- Re: 悲しみの階段 ( No.11 )
- 日時: 2018/04/01 22:07
- 名前: 蜜柑わたあめ (ID: KG6j5ysh)
第二章 被害妄想
次の日 放課後 屋上で・・・
「どうしたの?橋本さん?話って何?」
明るい顔でこっちを向く。裏切ると思っただけで胸が痛む・・・
でも、やらなきゃ、私は、いじめのターゲット・・・。
1人の友情よりも、みんなの友情の方が大事。
私、そう思ったの。ごめんね?矢田さん。私は、息を吸って言った。
「ごめんね、矢田さん。いや、矢田愛美。スゥッ
・・・嫌いだったの。あんたのこと!大っ嫌いだったのよっ!ビンボー人!!私がわざわざ優しくして、LINEも交換してあげたのに!調子乗りすぎなのよ!!!!・・・さよなら、矢田愛美・・・。」
そう言ったら、私は、すぐに走り去った。矢田さんのすすり泣きの声も聞こえた。奏達の笑い声も聞こえた。でも、私は、走り去った。逃げた。矢田さんから・・・
いつの間にか、下駄箱についていた。悪口を言っているときに涙を流してたけど、それも乾いていた。上履きから外履きに履き替えて、とぼとぼと帰ろうとした、その時だった。
矢田さんが、飛び降りようとしていた。
頭が真っ白になった。
そのまま矢田さんは、芝生の上に、落ちた。
私の せいだった。
仲良くしといて、都合良く、逃げた私に
嫌気が 差したんだ・・・
「ごめ・・・なさい。ごめん・・矢田さん。」
この事が原因で、矢田さんは、植物状態になってしまった。
- Re: 悲しみの階段 ( No.12 )
- 日時: 2018/04/02 09:13
- 名前: 蜜柑わたあめ (ID: lqhOUyMm)
「・・・・なにぼーっとしてんのよ、ブス」
私は、綾部さんの言葉でようやく現実に戻された。私は思った。
ああ、これは、矢田さんからの復讐かもしれない。
矢田さんを裏切った、罰なのかもしれない。
今日もまた 地獄のハジマリだ・・・・
一時間目休み、次は体育なので、私はトイレに行ってから、着替えよう…と思っていた。しかし、更衣室に戻って、体育着を置いた場所に行くと…
「ない・・・・!」
体育着が、ない。ロッカーにも、教室にも、ない。
私は、まだ探してない場所と思い、ハッとした。
「体育館・・・・・。」
急いで体育館に行き、隅まで探す。それでもなかった。悔しかった。同級生に隠された体育着を、見つけられないなんて・・・・。
「橋本さん、貴女、なにやってたんですか!?遅刻ですし、見学なら早く言ってください!!」
クラスメートのクスクスとした笑い声が聞こえる・・・。最悪だ。先生にも、嫌われてしまったかもしれない。
あのクラスに、私の居場所は、無いんだ・・・。
改めて、思い知らされた。