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俺の兄さん 2章 僕の弟
日時: 2010/10/06 17:48
名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel5/index.cgi?mode=view&no=12033

やっとこ2章です(何章まで書く気だ!!)
まぁ書けるだけ書きたいです。
1章の応援をしてくださった皆様にはホント感謝!
これから書く2章も応援してください!!
そして初めて読む方も楽しんでいただければ・・・と思っています。
初めて読む方は↑のURLをクリック!
1章です。(読みたくなかったら読まなくてもいいです。前書きは読んでおいてください)
まぁ、なんだかんだで2章!ぜひ楽しんでいってください!!
今回は兄さん中心です。



俺の兄さん 第2章 俺の弟

プロローグ 僕の『嘘』 >>1
1話    僕の『クセ』前編 >>2
2話    僕の『クセ』下編 >>4
3話    僕の『笑顔』の『嘘』 >>5
4話    僕の『朝』 >>6
5話    僕の『ライバル』 >>7
6話    僕の『叔母さん』上編 >>8
7話    僕の『叔母さん』中編 >>9
8話    僕の『叔母さん』 下編>>10
9話    僕の『夢鬱』 >>11
10話   僕の『夢』と『現』 >>12
11話   僕の『ため息』 >>13
12話  僕の『真夏の夜と現』>>14
13話

Re: 俺の兄さん 2章 僕の弟 ( No.1 )
日時: 2010/06/30 13:40
名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)

僕の弟 プロローグ 僕の『嘘』



僕は時々自分に嘘をつく。
さっきも嘘をついた。

僕には弟が居る。
僕は弟が好きで弟は僕の事が嫌いなのかもしれない。
僕の前では母さんが死んで、父さんがおかしくなって彼が不登校になってからは彼は一度も笑ってない。
そんな弟の事を好きになるだなんておかしいのかもしれないけれど好きになってしまったことは事実で。
それをブラコンと呼んだり異常者と呼んだりするのかもしれないけれど僕はそれでも良い。
あまり自分に嘘をつくのが好きじゃないからそんなこと言えるのかもしれない。けれど僕はそんなところだけがはっきりしている。そんな気はした。

本題を元に戻すとつまりは彼は僕の前に自分から現れない。
ずっと部屋にこもっていて僕の前に自ら現れない。
けれど今は彼が風邪を引いていて寝込んでいるから僕は彼の前に居る事が出来る。
たった一人の直家族なのに彼は俺とは親しくしてくれないんだ。
彼は彼で色々とあるけれど僕は少しでも彼のそばにいたい。そうおもう。
そう思うからこそ嘘をついた。

「早く元気になれよ。」

とは言わなかったけれど僕は彼の頭をなでた。
彼は特に意味を感じないかもしれないけれど僕は彼にそんな気持ちを込めてなでた。
そんなの元気になってほしい。のは当たり前のはずなのに僕ははっきり言ってこのまま寝込んでて欲しい。
彼が苦しんでいるのは嫌だけれど彼が近くに居ないのもいやだ。
勉強とか部活とかもしなくちゃいけないけれど、それでも今ここにある時間がいとおしくて。
勉強とか部活とか受験とかそんな事に努力するくらいだったら彼を笑わせる努力をしたい。そんな事さえ思った。

だからさっき
        『嘘』
             をついた。

Re: 俺の兄さん 2章 僕の弟 ( No.2 )
日時: 2010/07/11 13:12
名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)

1話 僕の『クセ』 前編



「兄さん。」

久し振りに彼から話しかけられた。

「どうかした?」

思わず食器を洗っている自分の手が止まる。
内心すごく嬉しいんだけれど彼から話しかけるってことはめったにないから何がどうなってそうなったのか心配だった。
対面式キッチンから彼の居るリビングのほうを見る。
かれこれもう長い間普通の会話をした記憶が無い。
生き別れてるわけでも話してる言葉が違うわけでも、ましてはどちらか片方が死んでいる訳でもないのに普通の会話をしない。
もともと彼は無口なほうだけれどもだからと言って普通に会話をした記憶が無いだなんて普通の兄弟としては悲しくなる。
普通じゃないかもしれないけれど。

「どうかしたの?」
もう一回聞いてみた。

「・・・なんでもない。」

彼は足を抱えながらそう答えた。
一瞬とまどう。
・・・らしくない。

彼は用も無く人を呼ばない。
むしろ人に用事が無い。
本当にどうしたのだろう。
ますます心配になってくる。
こうやって心配しか出来ない自分が悲しい。
弟に何かしてあげられることなんて一握りも無いような気がしてしまう。
たった一人のいつもそばにいる家族の事すらまったく理解してあげられないだなんて・・・
自分が一番彼を知っているのかもしれないけれど、何も解ってないのかもしれない。そう感じた。

僕は最後の食器を洗い終わるとソファーの彼が座っている横に座る。
彼はただ座っているだけでそれ以外何もしていない。
熱があるせいでボーっとしているのだろう。
特に意味は無いけれど彼の頭をくしゃくしゃする。
これは単に僕のクセだ。
昔はこうすると「何だよッ!!」と彼は言ってきたのに今では大して反応が無い。

彼はゆっくりとこちらを向いて小さく「どうかしたの?」と言った。

「・・いやぁ、どうもしないよ。」

彼は少しうつむくと小さく「・・・そう。」と、言った。

どうしてか知らないけれど彼が少し悲しそうにしていた。

Re: 俺の兄さん 2章 僕の弟 ( No.4 )
日時: 2010/07/14 18:08
名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)

2話 僕の『クセ』 下編



「キラッキラッ日差しを浴びて♪」

耳に音楽が流れ込む。

僕のケータイだ。

自分の上にあるケータイを取る。
さっきの曲は電話がかかってきた時に鳴る。
もちろんここは僕の部屋だ。
今は夜の11時をまわったころ。
さっきの曲は電話がかかってきた時に鳴る。
こんな時間に誰がわざわざケータイに電話をするのだろうか。
そんな疑問をもって電話に出る。

「もしもし?」

『久し振りだなっ!』
その声は少し低めの明るい声だった。

「久し振り。どうしたの?お前が僕に何の用があるのさ?」
少し笑い声を混じりて僕は言った。

彼は北沢 憐。幼馴染でありクラスメイト。
憐は僕よりも(僕は結構頭の悪いほうだから)はるかに勉強が出来て成績も良い。
結構気さくな奴だがあれでも素は残酷な事を言う。

そんな彼が僕に何の用なんだ?

電話の向こうの彼は言った。
『お前最近学校来ないじゃん。どうしたんだよ。』

そうか。そんな事か。
僕にとってはその質問は低脳なものに思えた。とても。

だが僕はそんな事は口にしなかった。
「・・・どうもしないけど・・・」

理由を普通に言っても何も損をすることはないのだが僕は彼に弟の話はしたくなかった。

なぜなら憐と言う男は——

『・・・弟がどうかしたのか?お前が理由もなく2日も休みなんてらしくないじゃねーか。』
憐が『弟』と言った瞬間声がワントーン低くなった気がした。
憐から零夜の話をするなんて気持ち悪い。

僕はあまり弟の話を憐にしたくない。

『やっぱりどうかしたんだ。』
彼の冷酷な低く重い声がそう言った。

電話を切らなくてはならない。という衝動に駆られる。
いや、本能的に切れ。と、何かが僕に命令する。

けれど切ってはいけない。と言う僕がいる。

『・・・そんな奴のこ——』

僕は——


俺はその言葉をさえぎった。

「黙れッ!零夜を、零夜のことをお前が口にするなァァァッ!!」

俺はそう言ってケータイを投げた。
ケータイは投げると壁に「バッコンッ」と音を立てて当たると「ゴンッ」といいながら床に落ちる。

「ァああああああ゛ッ。」

俺は頭をかきむしる。
長い金髪がぼさぼさになった。

自分の二の腕に爪を立ててしまう。

イライラを越えた感情。もはや感情と言うより半、我を失っている。

再び音楽が鳴る。

「あ゛ーーーーーーァッ。」


俺には今にもあいつを殺してしまいたいという感情が芽生えていた。

Re: 俺の兄さん 2章 僕の弟 ( No.5 )
日時: 2010/07/20 16:23
名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)

3話 僕の『笑顔』の『嘘』



「・・・コン・・・コン」

俺の部屋のドアがノックされる。

ふと、僕は我に返る。

今は12時を過ぎた頃。
僕の部屋をノックするのは零夜しかいない。
けれど彼がこんな時間に僕に用事なんてらしくない。
だからこそ心配になる。

僕はその場から立ち上がってドアの前にむかう。
ドアノブに手を掛けたところで自分を落ち着かせる。

(さっきの事は忘れよう。零夜には何も想わせてはいけないんだ。僕は彼にとってのたった一人の兄だから。)

僕は心の中でそう、つぶやいた。

「・・・どうかした?」

ドアを開けながら笑顔で僕はそう言った。つもりだった。
僕は何でも顔に出やすいタイプだから笑顔で感情を隠すことしかできない。

けれどそこに居た彼は何かに怯えていた。

『何か』と、言うよりも『周りのすべてのもの』に絶望でもしたかのように僕を見ていた。

抱き枕をしっかりと持っている彼になにか、不信感を抱く。
僕の顔が自然と引きつっているのが自分でも解った。

それでも彼は普段無表情な顔にうすらと笑顔を浮かべて口を開いた。これでも彼は頑張って笑っているのだろう。

「・・・兄さん・・・邪魔じゃなかったら一緒に寝ても良い?」

・・・悪い夢でも見たのだろうか。それにしてもらしくない。
いつもの彼は一人で何でも抱え込んでしまうのに。
何も言わないよりはこっちのほうが断然良いのだが、それにしてもらしくない。こっちの気まで狂う。

けれど彼を僕は部屋に招き入れた。

彼が何かに怯えているのなら少しでも側に居てあげたいと思ったから。


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