BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 超絶純情物語(オムニバス式
- 日時: 2015/01/26 00:38
- 名前: 音宮 (ID: Jc47MYOM)
初めまして。
こちらの方では、初投稿になります、雑談のほうで凜音、なりきりで時として活躍してまする音宮です!
完結目指して頑張ります!
ちなみにオムニバス式です。
きっと気に入るキャラクターはいると思います!
キャッチコピー↓
[くそ、あいつにドキドキしている!?
ちくっしょう、覚えてろよ!]
=目次の説明=
【】でカッコってあるのはメインの【俺と奴とバカ共】です。
()は(エンジェルとデビル)、
「」は「エゴイストと僕」です。
【目次】
キャラクター紹介>>1
【俺ははーふだからなっ】>>2-4
【一歩、前に踏み出せば】>>5
【俺は男だったはず】>>6
- Re: 超絶純情物語(オムニバス式 ( No.8 )
- 日時: 2015/01/27 00:47
- 名前: 音宮 ◆2lGQtp8FMo (ID: Jc47MYOM)
>奏様
読んでてください、お願いします!
音宮はそれだけで嬉しいです(#´∀`#)
>本文です
ちっくしょう。
朝から嫌な目にあったぜ。
不愉快だよ、まったく。こいつに俺の裸を見られたなんてはずすぎる。
いくら男同士だからって意識がないうちにそんなことをされていると背中に鳥肌が……。
俺は思わず全身をぶるっと振るわせた。
「煌、できたから座れ」
朝食を作っていた穏彦さん。青いチェックの生地のエプロンがお似合いですこと。
「おー」
席につく。
基本的に俺は生活能力においては皆無なので独り暮らしも定期的に人を呼んで暮らすつもり。
ま、今日はこいつがやってくれているから朝飯の心配もないわけで。
「いっただきまーす」
ぱちっと手を合わせて食べる。
うわぁ、久々の和食!
これぞ、美だ!!
「ん〜。おいひ〜!!」
頬がとろけそう。穏彦、お前は天才だ!!一生料理人すればいいのに。
いや、すべきだ!
とても感激しながら穏彦を尊敬する眼差しでみる。
「ん?食べないの?」
見ると、ほとんど食べてない。
なんて子!?前言撤回だ。バチが当たるんだぞ、残すと。前に兄さんと母さんが言ってた。しかもこんなにのいしいものを。あー、やべ。食べたい……
「ああ。もういい。食いたいんだろ。だったら煌にあげる」
「やった!!でも本当にいいの?」
「ああ」
お前、本当は宇宙人だろ?
宇宙人じゃなきゃエスパーみたいなことできねーって。
俺の心を分かっちゃうなんて怖すぎだろ。
でも何はともあれ、おいしいのが食べれるんだな。
パクパクと体に似合わず、結構大食いな俺はペロリとそれらを数十分かけて平らげる。
「ごちそうさま。おいしかったよ。
ぜってえ、お前、いい旦那さんになる」
にこっと笑って誉め言葉を言う。
「それりゃ、どーも。煌はもうちょっと料理できないといい嫁さんにはなれないぞ」
と皿を片付けながらこっちを見てきた。
「穏彦、お前なにいってんだ?俺は男だからな。だから旦那だ」
「ま、煌ちゃんには早すぎたかもな。
まだわからなくていいよ、その意味は」
にこっと意味ありありな笑みを浮かべ、キッチンに入っていく。
「どういうことだよ、それ。教えろよー」
なんべんも頼んだけど、結局、笑うだけで何も教えられなかった。
穏彦のケーチケーチ。バーカバーカ。
いいよ、俺だって穏彦が知りたいとき、教えてやらねーもん。
- Re: 超絶純情物語(オムニバス式 ( No.9 )
- 日時: 2015/01/28 01:08
- 名前: 音宮 ◆2lGQtp8FMo (ID: Jc47MYOM)
エンジェルとデビル
(僕は一般人です)
「ふふふ。元気に育つんだぞ」
シャーと音をたててジョウロから流れ出る水。角度を変えてみるとそこには小さな虹ができていて僕はそれを見るのが毎週水曜日の日課だった。
僕はこの学校の環境美化委員。
あまり人気のない委員会だと思う。
でも僕にとっては大切で楽しい委員会。
落ち葉掃きとか除草とか……。
みんなが嫌がる仕事を積極的にやるため、僕はいつしかエンジェルと呼ばれるようになってしまった。
僕は綺麗にしたり綺麗な物が好きなだけなのにな。
「藤間」
声がかけられる。
んと、誰だっけ。確か同じ委員会だった気がする。
「これ、委員長がレポートまとめといてって。それで生徒会に提出もお願いだと」
白紙の紙と文字がびっしり書かれた紙を数枚、渡される。
僕は委員会の書記でもある。
そんなに字綺麗じゃないけど。
「うん。分かった。やっとくね」
誰だかよくわからないが、笑顔を向けて言う。
「ああ。じゃ」
その人はそそくさと顔をほのかに染めて行ってしまった。
「レポートまとめか……」
ちょっとめんどくさい仕事を受けちゃった。
でもきっちりやらないと他の人が困るよね。
それは、昼休みと隙間の時間を費やして頑張って完成した。
時間はあっという間に過ぎ、放課後。
「失礼しまーす」
生徒会室ってやけに緊張する。
ノックして数秒すると、僕の入室を許可する声が聞こえた。
ぎぎぎ。
スライド式のドアをゆっくり開く。
「あ、あの」
中には生徒会長一人しかいなかった。
生徒会長は、とても綺麗な人で男の僕でもみとれてしまう。
「何だ?」
さらさらと何かの文章を書きながら聞いてくる。
甘い顔には似合わず、厳しくて性格は正にデビルというという彼の噂は本当のようだ。
「えっと……環境美化委員会からのレポートです」
ぎこちなく胸の前で抱えていた紙を渡す。
「ご苦労様」
- Re: 超絶純情物語(オムニバス式 ( No.10 )
- 日時: 2015/01/29 00:27
- 名前: 音宮 ◆2lGQtp8FMo (ID: Jc47MYOM)
(僕は藤間椿です)
あのあと、僕は大好きな本を借りるため、図書室へと足早に向かう。
「今週の新刊は……」
ふんふんと頷き、借りる本を決定する。
「あ、あれ……椿ちゃんじゃね?」
ヒソヒソと声が聞こえた。
うっわ。ガン見されてる。そんな目で見ないで。
「つーばきちゃん」
男子生徒が声をかけてきた。
その後ろには2人の男。
上履きの色からして3年生らしい。
「は、はい。なんですか?」
僕の名前をちゃん付けして読んでいたのがちょっと気になるけど、上級生相手にそんなこと言えるはずがない。
「俺達といいことしない?」
そういった男は頬を赤くしている。
後ろの男もそうだ。
きっと悪いことに違いない。
「申し訳ないのですが、僕は忙しいので無理です」
こういうときは、きっぱりといった方がいいのだ。
「はあ?断るんだ、上級生からの誘いを」
俺の手首を掴む。
「え、いや。えっと……僕は本当に忙しいので……っ」
くるくると方向を変えて外そうと思うが相手の方の力が強いからできない。
「焦ってる顔もかわいくね?」
「マジ天使」「女みてえ」
「は、はなして……」
僕はちょっとだけ怖くなって涙が出そうになる。
「うわ、超可愛い」
それが余計に相手の気持ちを盛り上げてしまった。
僕のシャツのボタンをもう一人がプチプチととっていく。
荒い息づかいしか聞こえなくなって。
「や。……やだ。やめて……ください」
体が熱い。恥ずかしさと恐怖でこうなってしまった。
僕はもうすでに全裸にされてしまっていた。
「や、やめて……!」
僕は四つん這いにされ、両手を話しかけてきた奴が持った。後ろに一人にいて、お腹の方にもう一人。
「じゃ、やろうか」
僕の目の前の奴が言うと、彼のズボンのチャックが下ろされる。
「やめてください!!!」
咄嗟に大声で叫んで言うが、今の時間帯は、先生も誰もいない。
「これを加えてね」
僕の口をこじ開けてはいってきたそれ。
「ううっ」
お願い。やめて。
その時、
「何してんです?」
透き通るような声がかかる。
「あん?」
彼らも動きを止めてそいつを見る。
僕は口から汚いモノが抜かれて安心してその場でうずくまる。
「こんな公共の場であんなことされていたら困りますね〜」
彼は、そういいながら奴等に蹴り、殴っていく。
全てが終わる頃には奴等はほぼ死んだも同然な状態に落ちていた。
「大丈夫か、お前?」
よくさっきは光に反射しててみえなかった顔が近付く。
その人は僕に手をさしのべて笑った。
「生徒……会長?」
そう。そこにいたのは意外な人物、生徒会長であらせられる近藤俊介だった。
「あれ、君は……環境美化委員の……」
相手もきょとんと驚いている。
「あ、はい。と、とうま……藤間椿です」
「そっか。藤間椿か。ふーん。あ、服、着なくていいの?」
脱ぎっぱなしになって床に乱雑に置かれている服をさしていう。
「あ、き、着ます!」
そそくさと着替える。
近藤さんはデビルと言われているわりにはすごく優しかった。
ちゃんと服が全部着替え終わるまで待っていてくれたし、危ないからって今後は二人で帰ろうって言ってくれるし。
な、なんて優しい人なんだろう。
「あ、あの、ありがとうございます!」
お礼しなきゃ。たくさんこんなに気遣ってくれたし。
その事を話してみると、
「え?お礼?そんなのいらないから。
大丈夫だから。俺がやりたいだけだし」
と笑いながらいってくれた。
ああ、何ていい人。
世の中、捨てたものじゃないなと改めて実感。
- Re: 超絶純情物語(オムニバス式 ( No.11 )
- 日時: 2015/01/29 16:23
- 名前: 音宮 ◆2lGQtp8FMo (ID: Jc47MYOM)
(いい人ほど裏は怖い)
「えっと近藤先輩……なんであそこにいたんですか?」
10cmほど高い場所にある彼の顔を見る。
うわ……モデルみたいだ。
改めて見ると、綺麗な顔立ち。
コバルトブルーのさらさらした髪にライムグリーンのカラーコンタクトが入った二重の瞳。肌は小麦色ででも一点のしみやニキビはなくて……。
僕はこの顔に何人もの人達が殺されているという噂を理解した。
確かにこの顔では男も惚れてもおかしくはないだろう。毎年、告白される人ランキング大会というのが開かれているんだけど、この人は毎年、一位に輝く。
「それは生徒会の用事で資料を取りに行ったんだよ。そしたら藤間君の叫び声が聞こえたんだ」
なるほど。
なら僕に頼めば良かったのにな。
「藤間君はどうして?」
顔を覗かれてドキッとする。
ち、ちかいよ〜、会長。
「えっと……本を借りるために」
「へえ」
なんか怖いと思ってしまった。
先輩、わらっているけど、心の中で何を思っているのか、全然、掴めないな。
「エンジェル……」
「え……?」
不思議な言葉を言う。
「君ってエンジェルって呼ばれているらしいけど、確かに似合う、その肩書き」
ほ、誉めているのかな。
なんか違うような気がするけど別にいいか。
「あ、ありがとうございます?」
「何で疑問形なんだ?」
クスッと肩を震わせて笑う先輩も天使だと思った。
もう夕陽が地平線に沈もうとしている。先輩とはここで別れ道だ。
「あ、あの、本当にありがとうございました!」
ニコッと笑って言う。
「本当にいいのか、家までじゃなくて?」
心配そうに眉を下げる先輩。
やっぱり優しい。
「大丈夫ですよ。ここまで来れば、家なんて目の前も同然です」
「そうか。それは良かった。じゃあ、また明日迎えにいく」
手を軽く振って僕に背を向けて歩いていく。
先輩のその後ろ姿があまりにもかっこよくて僕は先輩が見えなくなるまでその場に立ったままだった。
- Re: 超絶純情物語(オムニバス式 ( No.12 )
- 日時: 2015/04/01 10:22
- 名前: 音宮 (ID: laaGvqHD)
【俺は、姫じゃねーぞ】
「はぁ〜、だるぅ」
なんで共学の学校にいくはずが、男子校に行くはめになんだよ。
くそぉ、共学に行っていれば、ウハウハパラダイスが待っていたのに。
畜生、何のために来たんだか。
「朝っぱらからなんだよ、それ」
右隣を歩く穏彦が俺のかなり姿勢の悪い姿を見て言う。
「だってよぉ、俺は……俺は、ウハウハパラダイスをしに来たのによ!
なんだって、あの暑苦しいきったねぇあんな場所に行かなきゃなんねーんだよ!」
「なんだ、そのウハウハパラダイスって」
はぁ?と言った風に首を大きく傾げる。
「そんなの、決まってんじゃん」
ふっと言うように語る。
俺のウハウハパラダイスの実行にあたって。
まずよ、俺がその学校に入るじゃん。
俺は帰国子女で金持ちだからイコールモテる。女子が自然と集まってくるんだっ、俺だってカッコいいから。
次に俺は、彼女をたくさんつくる。そして女の子たちを両脇にかかえてー、俺のウハウハパラダイスのかんせー。
「……どうだ。羨ましいだろ?」
胸を反らしていう。
どうだ、これなら穏彦も羨ましがるに違いねー。
「全然。煌って夢見がちなんだな」
「はぁ!?なんでぇ!?」
ありえね。こんな羨ましい計画をそんな風に言うだなんて。きっと俺なら実行できるもんっ。
「だってそれって二次元だけの話だと思うが」
どうせ叶わぬ夢ですよぉーだ。でも絶対俺はかなえてみせるんだ。
ふふふふ、俺を甘くみんなよ、バカ穏彦。
いつかお前を驚愕させてやるさ。
「ふん、いいもん。俺、いつか叶えるしっ、お前を驚かせてみるし」
前を先に行く。
そうだよ、俺は、理想主義なんだけど、それを実行する主義でもある。
女の子なんかお金で集まるしっ。
「あっそ」
いつも余裕ぶっこいてる穏彦なんか忘れて明日にでも俺は実行する。
遠山財閥を甘くみんな。
「ふふふ」
「気持ち悪いから一人で笑うな、ボケ」
ごつっと軽く頭を叩かれる。
「なっ……」
その部分を手で押さえて
「誰にもはたかれたことのないきれいな形の頭がっ」
おまえ……ぇ、呪ってやるぅ。
「俺の頭がどうなってもいいのか、おい!?聞いてんのか、こらっ」
ガウガウと耳元で叫ぶが、届かず。
俺は無力だったらしい。
「はいはい」
笑いながらうんうんと頷く穏彦の顔は余裕そのものだった。
ち、ちくしょうおおお。
俺がもうちっと、迫力のある顔をしていれば……っ。
ああー、もうこいつ、憎たらしい。
(一旦、切り上げです)