BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 黒子のバスケ
- 日時: 2016/10/06 18:53
- 名前: ビニール袋 (ID: wfu/8Hcy)
黒子のバスケのBL小説です!
伊月受けの、ハーレム要素強めです!
結構皆人格がイケメン風になってしまってます。
特に黄瀬は変わりすぎてなんか申し訳ないです。
黒子が健気です。そして可哀想です。
ちょっと暗めなところがあるのでそういうものだと思ってご覧下さい。
ストーリー的には自信あります。
良いところとかダメな所とか、コメントくれたら嬉しいです。
- Re: 黒子のバスケ ( No.2 )
- 日時: 2016/04/01 21:23
- 名前: ビニール袋 (ID: TiVvIMad)
「はい。今日はこれでダウンよ。」
5分間の5対5のミニゲームを終えると、監督から練習終わりの合図がかかった。普段なら皆この合図でホッと一息ついて二人組のストレッチに移るのだが、今日は全員その場で固まったまま動こうとしなかった。
というか、動けなかった。本当ならいつもただでさえキツい5対5の後にさらにキツいインターバルという鬼のダッシュメニューが待ち構えている筈だからだ。例え翌日に遠征が控えてあったとしても、監督はこのメニューを執行する。実際、明日から誠凛は4日間連続で練習試合があるのだが、それを差し引いても全員が満場一致でインターバルがあることを確信していた。
「え、監督。これで終わりなの?」
「そうよ。」
返ってきた肯定の返事とやけに嬉しそうな笑みを見て、今度は別の意味で部員たちの背筋が凍った。
ストレッチをしながら監督の笑みの理由について予想を立て盛り上がっていると、直ぐに監督から集合の合図がかかった。
「明日の練習試合は午前中のみ。うちに相手高が来るから、ベンチの用意と、念の為更衣室の掃除をしておいて。8時30分からアップが出来るように、集合時間は自分達で調整すること。そして————。」
全員がゴクリとツバを飲み込んだ。特に理由もなく姿勢を正す。
「どうせどっかのチャラ男のせいで直ぐに知ることになるだろうから先にネタバレしておくと、明後日は海常高校と1日練習試合を兼ねた合同練習よ。家でのケアもしっかりしておくこと。以上!」
なるほどこれか。つまり、キセキの世代の居る高校との練習試合で、疲労を言い訳に全力を出さないのは許さない、ということだろう。
———それにしても海常……黄瀬か。
別に会話をしたことがあるわけではないけど、何となく苦手なタイプだった。黄瀬を見ていると、無理して笑っているのが伝わってきてこっちまで息苦しくなる。笑顔が貼り付いてしまっていて、本人が何を思っているのかがどうにも掴めない。
まあ、これからその偽りの笑みが自分に向けられることもまともな会話をすることも無いだろうし、別にどうとも思わないのだけれど。
ともかく、明日の練習試合に全力を尽くそう。
- Re: 黒子のバスケ ( No.3 )
- 日時: 2016/04/02 06:14
- 名前: ビニール袋 (ID: TKLsfDAG)
「黒子、さっきからなんかニヤけてない?」
部室で着替えていると、小金井の声に反応して部員達が一斉に黒子を振り返った。当の本人はというと、いきなり自分へと向けられた視線と小金井の言葉によって顔を真っ赤にし口をパクパクさせている。
「いえ、そんなことは……っ。」
真っ白な頬を赤く染めて否定をする黒子は素直に可愛いと思う。それに比べて……
「いや、俺は見たね。ズバリニヤつき始めたのは監督の話を聞いてからだ!」
全く。小金井は広めて欲しくないことに関しては口は堅いが基本的に人の噂話が好きだ。特にこうやって恋愛系で後輩や同輩をイジってみたりということはザラにある。といっても、本人もほぼ適当に言っているためその場だけの盛り上がりで終わるし、大きな喧嘩に繋がることはまず無いのだけれど。
ただ勿論、全てが全て間違いだという事はない。今回の場合、黒子の反応からしておそらく図星の方だろう。
- Re: 黒子のバスケ ( No.4 )
- 日時: 2016/04/04 18:48
- 名前: ビニール袋 (ID: Od3Uhdie)
「え、その、違います……。」
否定はするものの、黒子の方も赤くなり過ぎていよいよ茹でダコみたいになってきた。この後輩は本当に分かりやす過ぎて困る。その辺にしておけよ、とでも言うべきなんだろう。この場合。黒子だって多分誰かがそれを言うのを望んでる。
ただ、黒子には申し訳ないが、正直俺もちょっと気になる。今回ばかりは小金井を応援しようと思う。頑張れコガ、負けるな黒子。
「またまたそんなこと言っちゃって〜。なになに、海常に好きな奴でもいるの?」
明日の練習試合の相手校は山梨から来るため、まず知り合いが居るとは考えづらい。必然的に的は海常高校へと絞られた。
そして
瞬間、黒子は慌てて持っていたタオルで顔を隠してしまった。それを見て、俺はもちろん大体の部員が全てを察した。
———なるほど、黄瀬だな。
というか、これだけ分かりやすい後輩だ。誠凛に稀に顔を出す黄瀬に対する黒子の対応には、何となく違和感を感じていた。流石にそれが恋愛感情だとは気付かなかったけれど。
その中で、火神だけが困った様に頬を掻いているのは、おそらく黒子から相談でも受けてきたからだろう。
「ごめん黒子……。黄瀬のことが好きだったりする?」
最後にかけられた小金井からの質問に、黒子は返事の代わりに大きく一度頷いた。
- Re: 黒子のバスケ ( No.5 )
- 日時: 2016/04/03 06:04
- 名前: ビニール袋 (ID: f2y8EREE)
しんと静まり返る部室と、全員の好奇に満ち溢れた目。そこでようやく、うちのメガネ主将が口を開いた。
「取り敢えず、作戦会議しようか?」
ニコリと笑い素敵な笑顔を見せた日向は、いつもに増して生き生きとしている。早急に帰る支度を終わらせた日向に続いて他の部員もそさくさと着替える手を早めた。
黒子、本当にごめん。
*******
作戦会議と言えばもちろん、恋の作戦会議である。明日の朝はそこそこ早いがもう知ったこっちゃない。黒子は強制、その他は用事があれば帰って良しということでマジバに行く事になったが、結局全員が参加することになった。
何せ、明後日は海常との合同練習だ。これはもう急ぐしかない。
「ハイ!それでは、第一回黒子ときめき恋の作戦会議を取り行いたいと思います!拍手!」
ウェーイと言うお決まりの掛け声とともにパチパチと拍手がマジバを飛び交った。
やはりというか、司会進行役をかって出たのは小金井だった。それもそうだ。黙って見てた俺らも悪いのだろうけど、そもそも部員にバラす羽目になった原因はコガにあるのだから。
すみません。もちろん自分にも非はあります。反省しています。
心の中でコガのせいにしたり撤回したり反省したりと忙しい思考を遊ばせていると、不意に黒子の唇が開いた。
「本当は、いつかは言おうかと思っていたので、いい機会になリました。火神くんにはもう相談してあったんですが、何せバ火神ですから。」
火神が申し訳無さそうかな顔をしてみせる。
思考回路が暴走していた俺は最初その言葉を聞いてどういうことだとか思ったけれど、じわじわと意味が理解できてきた。罪悪感が少しだけなくなった気がした。
- Re: 黒子のバスケ ( No.6 )
- 日時: 2016/04/03 07:23
- 名前: ビニール袋 (ID: f2y8EREE)
「しかし明後日ともなると結構急ぐよな。」
普段ポケッとしている木吉が珍しく発言した。それをきっかけに、ずっと何も発言していなかった者達が次々に口を開く。
あんまり会う機会もないし、折角だから食事にでも誘ったらどうだ?
告白!告白はいつするんだ?
いや、それは急ぎすぎだろ。
ボールを拾うときに手と手が触れ合うやつだな!
シチュエーション作るのムズいわ。
やっぱり食事に誘うのが一番妥当じゃね?
———伊月は、どう思う?
「へ?」
いきなり会話を振られたことに驚いて、思わず間抜けな声を出してしまった。正直、こういう話は興味はあるが得意ではない。一気に向けられた視線が痛い。
この場合、普通に分からないと言えば済む話なのだろうけど、向けられた視線がやたら期待に満ち溢れていたため、どうしてもその一言が言えなかった。
「い……」
「い?」
「家?とか……」
そう言った瞬間、どっと笑いが起こった。
「いやいや、だから早いってば!伊月は、意外とグイグイいくタイプなんだな〜」
ちくしょう、言わなきゃ良かった。だから嫌だったのに。あまりの羞恥に顔に熱が集中していくのが分かった。でも……
「でもそれ、悪くないかもしれないぞ。」
またしても、空気を変えたのは木吉だった。