BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- レイとナオ
- 日時: 2017/03/09 00:42
- 名前: ミドルネーム (ID: qMXr7W56)
【オリジナルBLです。】
駄作ですが、良かったら閲覧どうぞ。
裏無しですが甘々だとは思います。
坂下玲二×岩崎直也
能力持ち。
坂下玲二は一時的に破壊能力者で液体化する事も出来る。
岩崎直也は治癒能力者。不死身。
ですが、今回は能力がメインとなった話では無いです。あくまでサブに能力の話が入ってくるよって感じなので、載せときました。
では、更新したいと思います。
2016.11.28 更新開始!
2017.03.09 閲覧数100!読者様、誠にありがとうございます!
- Re: レイとナオ ( No.9 )
- 日時: 2016/12/11 23:26
- 名前: ミドルネーム (ID: 1QppuERs)
ああ、やべぇ……。早く離してくれねーかな?
何で抵抗しないかって?ンなの、ワケありだからに決まってんだろ!
俺の能力は、肌に触れれば自動で発動される。相手から触れられれば何も無い。けど、俺が触れれば全て治癒される。
相手の傷、障害、病気全て。んでもって、最悪なのがそれの副作用みたいなのがあること!
相手の傷を完治、治癒させると共に、相手になんらかの快楽?みたいなのを与えるらしい。要は変な気を起こす材料を用意されるもんだ…!
それで、満員電車通勤も止めた。襲われそうになったことが何度もあるからな…。やってた仕事も辞めた。変な快楽を与えちまうせいで与えられたやつは恋だとか運命だとか!そっちの勘違いばかり起こされてたまったもんじゃない!
んで、今もきっとそうなのかと思った。
暫くしてゆっくり離してくれたソイツは言った。
「ナオ…一緒に居ても…いいか?」
「うん…ん?んん!?は、はいぃ!?」
「ありがとう」
「いや、いやいやいや、ちょっと待て。どういうこと!?は?!」
真剣な空気につい、頷いたけど、ちょっと待て!今コイツなんつった!?一緒に居るってここに住むってことか?なに、どういうこと!?
俺が思わず頭を抱えると、フッと息を吐く笑った吐息が聞こえて顔を上げてそいつを見る。
「今日は泊まる」
「え?…あ、まあいいけど」
「……だから、いいか?」
「は?なにが?あぁ、別に今日1日なら泊めてやるよ。明日には帰れよ?親御さんも心配するだろうからな」
ソイツは離れて着替え始めたから見ないようにしながら、会話をした。いや、正直出て行きたかったけど、会話が何となく重要なことのような気がしてたからさ…。
俺が最後に言えば、ソイツは頷いて何も話さなくなった。
それをいいことに自分の着替えを取りに脱衣場を出た。
- Re: レイとナオ ( No.10 )
- 日時: 2016/12/14 09:03
- 名前: ミドルネーム (ID: 1QppuERs)
でもまあ、今思い返せば、この時おい払えば良かったのかもしれない。
俺も親しい友人を作りたかった時期かもしれない。
あれからソイツは俺の隣の部屋に早々に越して来て、毎日のように部屋に上がり込んで来てた。自宅の鍵を閉めて学校へ行けば受験勉強に追われた三年の時は暇なのか俺の自宅の扉にもたれかかって待っていやがった。
卒業後も会う数は減ったけど、なんだかんだ夜になれば飯と言って上がり込んで来てたから特に変わりはしなかった。
その時はもうソイツは俺からすれば少し親友みたいな感覚だったから、ソイツが年上でも普通にタメだし、ソイツに遠慮なんて一切してなかったと思う。意外と人と接点を持ちたがらないタイプで、面倒もみてやった。飼ったことの無い大型犬を飼っているような気分で嬉しかったし、楽しかったから。
大学受験の時、俺は引っ越しを考えてた。行きたい大学は少し離れた場所で、俺は朝も弱い。そのことをソイツ、レイにも話そうと思ってた。
そんな時、レイに言われた。
「ずっと一緒に居てくれないか?」
それは紛れもなく男が女に言うプロポーズのようで、冷や汗がどっと出た。
初めて出来たといっても過言じゃないくらい尋常じゃない親しさの親友。俺の望みは「好きにならないでくれ」だったからそれを言われた時に困った。
「…それは好きだからってこと?」
「ああ、そうだ。一緒に居たい」
恋愛感情としてレイを見た事は一度もない。無理だと言いたかったけど、言葉が出なかった。言えばレイを傷つける?レイは俺と関わらなくなる?それは嫌だった。
だから、考えさせてと言って、先延ばしにした。
レイとは今のままで変わらず接していきたかったから。そんな曖昧なことがいけなかった。
結局、ドタバタしてて返事をすることもなく、レイに声をかけられると、そんな感情を持ってないと分かってもらうためにも無視をした。酷いと思うけど、そうすることで諦めてほしかった。そんな曖昧な関係のまま、俺は引っ越しレイとは離れ離れで暮らすことになった。
- Re: レイとナオ ( No.11 )
- 日時: 2016/12/15 00:25
- 名前: ミドルネーム (ID: 1QppuERs)
結果、1年後、レイは俺の住んでる変わったアパートの隣に越してきた。
正直最初は驚いたし、親に何も言わず俺の後を追ってきたなんて言われたから思わず帰れとも言った。けど「俺はお前と居たい」の一点張りで融通が利かなかった。
変わったアパートで、1フロアに部屋は2つ。その2つの部屋の鍵は一つだけ。つまり、一緒。だから、片方の部屋の人が嫌なら開けっ放しで仕事へ行くか、帰宅時に隣の部屋の鍵を借りるか、隣の部屋の人と相談して鍵を隠す場所を予め決めておくか。
一応、そのアパートは、1階の出入口に受付みたいな所があって、無精髭の変わったオッサンが居る。その人がセキュリティとかそういう変な設定とかしたらしくて、夕飯も大抵1階のレストランのような所で住人が集まって食べることになっているらしい。驚くことにソイツが大家をやっていた。
初めから嫌な予感はしてたけど、俺達は自然と集まったって訳でもなさそうなのは越してきて暫くしてからだった。
それでも、わざわざレイを俺の隣の部屋に越させる意味あったのか?大家の松尾って奴に抗議した。
「なんでアイツの隣が俺なんだよ!別の部屋の方が空いてんだろ?!俺は隣の部屋にはなるべく越させないでって初めに伝えましたよね?」
「えー?アイツってだれェー?そんな話されたかなァー?」
「しらばっくれやがって…アイツだよ!坂下玲二!」
「あ!もしかしてナオちゃんの知り合いなの!?」
「え?…だから、別の階に」
「それは良かった!知り合いなら一緒でもいいよね!いやー良かった良かった」
「は?ちょっと、俺は」
「はいはい、また1ヶ月後、気持ちが変わったら来てねぇー」
完全にスルーの方向で俺の話を後回しにされ、そんなに忙しくもねーくせに受付口の横にスライドする式の小窓をカラカラピシャッと閉めやがった。
ムカついたけど、我慢できるところまでは我慢する気でいた。
- Re: レイとナオ ( No.12 )
- 日時: 2016/12/15 23:13
- 名前: ミドルネーム (ID: 1QppuERs)
正確に言えば、変わったアパートの隣、じゃなくて、変わったアパートの俺の部屋の隣、に越してきやがったレイこと、坂下玲二は「鍵は俺が持っとくから帰ってきたら俺の部屋寄れ」と、会う口実を作った。
いや、俺が鍵を預かっとくと言った。言ったけど、アイツは「俺の方が残業も少ないし、帰ってくるのは早いだろ」とぬかしやがった!そこは否定出来ず、俺の部屋に鍵を借りに来るついでに押し入って来る可能性まであったから、渋々了承した。
それからというもの、出かける際、帰宅時に必ず抱きしめられる。キスまでしてこようとするから脛を蹴ったり頭を軽く叩いてやったりして止めている。けど、いつまでも抵抗出来るかそろそろ考え時だった。
そんな時、いつも通り、自宅の鍵を閉めてレイの部屋をノックして、レイが出てきた。
いつも通り腕を引かれて抱きしめられた。
「(こりねぇな、こいつも…)」
「ナオ…気をつけて行ってきて」
「ん。…もういいだろ。さっさと離れろ。仕事に遅れる」
「はぁ…ナオぉ…」
「っ!」
いつまでも抱きしめられたまんまだったから、いつも通り俺から離れる様に話を切り出せば、寂しそうに甘えてくる声が少し荒い息遣いと共に耳元を掠める。耳は強いとは言えないから意識してほしくなくて、遠ざける為に顔を反らせば、空いた首筋にピリッとした痛みが走って驚いた。けど、瞬時それが何の感覚なのかわかって、思わずレイの頭を拳で殴った。
「……暫く顔見せんな」
頭を抑えてしゃがみ込み、俺から大人しく離れていったレイを見下ろして、冷たく言い放って俺は仕事へ向かった。
- Re: レイとナオ ( No.13 )
- 日時: 2016/12/15 23:35
- 名前: ミドルネーム (ID: 1QppuERs)
坂下side
あの日、ナオの部屋のインターホンを押してもナオは出て来なかった。ドアを開けようとドアノブを引こうとすれば鍵がかかっているのがわかって少し焦った。仕事に行っているのかもしれないと自分を言い聞かせて、帰ってくるのをドアの前で待った。
(寒い…)
静かで重い空気にもうすぐ雪が降るかもしれない。ナオは車を運転しない。だから免許も必要ないと取らなかったのを知っている。今住んでいる此処も駅から近い。
ナオの声が聞きたい。あの声を聞くだけで心が温まる。
凍てつく寒さを耐える為に体を縮めて待った。
翌日の朝になっても、ナオは帰って来なかった。
気のいい大家の叔母さんが体を揺すって起こしてくれた。その大家は、ナオの宅の表札を取りに来てた。理由を聞けば先日引越しをしたということを聞いて慌てて部屋へ戻った。
ヒーターのスイッチを入れて温まりながらパソコンで駅の近くでナオの住みそうな場所を調べた。
最近避けられてたのは知ってる。でもナオは人の為を思って自分を悪い方向に追いやってまでして動くお人好しなのも知ってる。だから、俺の付き合いの誘いをハッキリと断れないことも、知ってて言った。自分がズルイこともわかってる。けど、ナオには意識してもらいたいし、ナオを他のやつに易々と取られることなんて想像しただけでも腹立たしい。
なかなか見つけられずに、やっと見つけた時にはナオと離れて1年が経ったぐらいの頃だった。