BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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BL長編
日時: 2025/01/12 23:06
名前: なちゅ (ID: Gqc2/rRD)

長編か短編集にするつもりでいます
(ならないかもしれないです)
投稿は不定期です!
・これはオリジナルなので内容がおかしくなって
いるかもしれないです
・誤字脱字がある可能性大
・何でも許せる方のみ読んでください…
まだまだ初心者なので、温かい目で見ていただけると嬉しいです!

Re: BL長編 ( No.11 )
日時: 2025/02/06 21:57
名前: なちゅ (ID: oRnw6v/P)

どこまでも続いていそうな青空の下、俺と正一くんは中庭のベンチに腰かけていた。
「で?相談ってなに?」
暗い雰囲気を終わらせようと、口を開く。
いつもならすぐに返事をくれる正一くんだが、今日は少し目をつぶり、決心したかのようにこちらを見た。
「俺さ、どうしたら橙樹と青をもっと仲良くできるかな~って思っててさー」
さっきまでとは違う陽気なテンションに驚くが、すぐにそれは隠し笑いだとわかった。
「無理やり笑顔を作らなくていいよ。俺知ってるよ、正一くんが橙樹の事好きなの。」
正一くんが勢いよく顔を上げる。その顔は驚いていたが、やがて悲しそうな、あきらめたような表情に変わっていった。
「まったく、君には敵わないな。」
そこから正一くんは隠していた思いを話してくれた。
仲良くなるにつれて恋愛感情が目覚めた事、親友って言われて心のそこから嬉しかった事、橙樹と青が仲良くしているの見ると胸が苦しかった事、
そして……橙樹から青が好きだと打ち明けられた時の事。
聞いていると、自分もさっきの光景が浮かぶ。自分が入れない世界。それはこの世の何よりも苦しい物だと思う。それを正一くんは4年間も抱えてきたのだ。
「俺どうしたらいいんだろう……」
悲しげな彼を見て、唇を噛みしめる。
「言いなよ……」
「え?」
「橙樹に言いなよ!好きだって!」
「でも、橙樹は青と…」
そんなのわかってる。でもこれだけは…!
「関係ない!思いだけでもぶつけてきな!」
正一くんの目をまっすぐ見て、声を上げる。
君には俺みたいになって欲しくないから。
「ありがとう。やっぱり紫星くんに聞いて正解だったな。」
そう正一くんは笑った。久しぶりに見た彼の笑顔は空に浮かぶ太陽よりも輝いて見えた。

正一くんと別れ、俺も教室に戻ろうと中庭を出ると、そこには冴緑が立っていた。
(え?なんでここに……)
そのまま素通りしようとすると、がっと手を掴まれた。
「放課後、体育館に来てください。俺待ってますんで!」
そう言い残し走って行ってしまった。
一瞬すぎて、俺は掴まれた手のぬくもりを感じる事しか、出来なかった。

Re: BL長編 ( No.12 )
日時: 2025/02/08 21:00
名前: なちゅ (ID: oRnw6v/P)

No.3
いつの間にか外はオレンジ色に染まっていた。
昇降口にはたくさんの生徒達の声が響いている。
そんな中、俺は静まり返った教室で頭を抱えていた。
(どうしよう……)
お昼休みに言われた言葉が頭の中で繰り返される。
(「俺、待ってますんで!」)
待ってるって、果たして何を言われるのだろうか?もしかしたら何か気に触る事しちゃったかな
理由を探してみるがまったく心当たりがない。
(でも……)
「行動しなきゃ始まらない!」
俺は声を張り上げて、廊下に出た。

しばらく歩き、体育館までたどり着く。
覚悟を決め、ドアを開けようとドアに手をかけた。
「あんた?冴緑に呼び出しされたっていう奴は」
後ろを振り向くと、そこには腕を組み仁王立ちしている、川根美月さんがいた。
「まったく、冴緑もなんのためにって、あんた男じゃん!」
こちらを指差しびっくりしている。結構失礼じゃないか?それ。
「あの?あなたも冴緑くんに呼ばれたんですか?」
「違うわ、私はただ見定めにきただけ。」
「見定めに?、何を?」
美月さんがニヤリと笑う。
「冴緑の女になる奴をよ。」
一瞬何を言われているか分からず、思考が停止する。女?彼女ってこと?
そんな俺に構わず彼女は続ける。
「でも、冴緑が男を呼び出してると思わなかったわ。まさか男を彼女にしたいなんて言い出すわけでもあるまいし。」
その言葉が俺に一番刺さった。『男を彼女にするわけない。』今自分の恋を全否定されたのだ。
「ま、いいわ。男だったんだし、かーえろ~」
悲しさで崩れ落ちそうになると、後ろから声がした。
「おい。」
「あっ!冴緑~❤️」
そう、後ろには冴緑くんが立っていた。美月さんは彼の方に走りよった。しかし予想外の事が起こった。
「寄るなよ。」
手を弾くような音が鳴る。
「え……冴緑?なんで?あたしなんかした?」
「お前は!!」
冴緑くんが声を張り上げる。
「俺の大切な人を傷つけた。」
そう言って俺の手を掴み体育館の方へ引っ張った。
美月さんの声が聞こえるが、冴緑くんは体育館のドアを勢いよく閉める。まだ状況が読み込めずぽかんとしていると、
「来てくれたんすね。嬉しいです。」
と今まで見たこと無いくらいに優しい笑顔でこっちを見た。
「じゃあ、話ますね。俺が…あなたを好きになったきっかけを」
外はいつにもまして眩しいオレンジ色に染まっていた。



Re: BL長編 ( No.13 )
日時: 2025/02/09 20:55
名前: なちゅ (ID: oRnw6v/P)

No.4
冴緑視点
チャイムの音で目が覚める。やべ、授業寝ちまった……。目をこすり、ゆっくり立ち上がりとぼとぼ廊下を歩く。そういえば美月に教室に来いって言われてたな。そんなことを考えていると誰かとぶつかってしまった。
「!、ごめんなさい!」
自分も慌てて謝る。
「すんません!大丈夫ですか?」
相手に顔を向けると、ぶつかったのは俺の中学からの好きな人である、風来紫星さんだった。
紫星さんは俺の顔をじーーと見てきた。何かついてたかな!?
「?、あの?」
「!?あっ、大丈夫です!」
すぐに顔をそらされてしまった。やっぱり俺の事なんて覚えていないよな……。会話を終わらせたくなくて、口を開くと聞きなれた高い声が聞こえてきた。
「あっ、ここにいたんだ~」
あぁ、美月が来てしまった。こいつが来たらろくなことに…
「おい。急に来んなよ。」
「だってぇ冴緑全然来ないんだもん!」
出た。ぶりっ子。この感じにはうんざりしている。
「じゃあ俺はこれで…」
「あっ……」
紫星さんも嫌になったのか、そう言って行ってしまった。また言えなかった。
「ねぇ~聞いてる~?」
美月が袖を引っ張っている。仕方ない今日は諦めよう。
でも、絶対この気持ちは彼に伝えよう!
涼しい風が俺の背中を押すように吹いていた。

Re: BL長編 ( No.14 )
日時: 2025/02/10 20:55
名前: なちゅ (ID: oRnw6v/P)

No.5
紫星視点
静まり返る体育館で俺と冴緑くんは向かい合っていた。
「紫星さんは覚えていないと思うんですけど…俺があなたと始めて会ったのは中学のときなんですよ。」
えっ、それって……
「中学の時、具合悪い俺に声かけてくれたんです。『大丈夫?』って」
やっぱりか。忘れるわけない。その時俺もあなたを好きになったから。
冴緑くんは淡々としゃべり続ける。
「俺、嬉しかったんです。あんなに優しい声と顔で話しかけられて。今までの男子とは違う感じで」
冴緑くんは顔を薄く赤らめて笑う。こんな顔初めて見た。いつもとは違う彼を見れて胸が高鳴る。
「でも、覚えてないですよね。そんな1場面なんか。」
悲しげにそうつぶやき下を向く彼を見ているのが辛くて、いつの間にか口が動いていた。
「そんなことない!」
力一杯叫ぶと、びっくりしてこちらに勢いよく顔を向けた。
「え?」
「俺だって……冴緑くんがその時向けてくれた笑顔が忘れられないよ!」
大丈夫って言った時、『心配してくれてんの?ありがと!』と向けられた笑顔は何よりも輝いて見えた。恥ずかしくてばっと下を向く。
しばらくの沈黙の後、ははっと言う笑い声が聞こえてきた。
御相子様おあいこさまってわけか……。」
その瞬間顎をグイッと持ち上げられた。
「顔上げてください。まだ言いたいことあるですから。」
「え……。」
「紫星さん。俺と付き合ってください。」
腕をこちらに伸ばしてきた。そんなの答えは決まってる。
「……。よろしくお願いします。」
ゆっくり手を握る。冴緑くんは嬉しそうに顔を上げた。
「やっ…」
「でも!」
にやつきながら続ける。
「さん呼びは直そっか。」
「それ言ったらくん呼びもやめてください。」
しばらく見つめあった後、二人とも吹き出し笑い転げた。あぁ、好きな人と一緒にいられるとこんなに楽しいんだ。
月が浮かび出した夜空に涼しげな風が駆け巡っていった。


Re: BL長編 ( No.15 )
日時: 2025/02/10 20:58
名前: なちゅ (ID: oRnw6v/P)

さぁ二つの恋が実りましたね。
しかし、正一くんの思いは?その後のみんなは?
最終章突入です。


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