複雑・ファジー小説
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- キリフダ
- 日時: 2011/09/09 18:39
- 名前: モンブラン (ID: izFlvzlp)
『近未来神話謎解きアクション』、始動!((
どうも、モンブランです。
この度コメディ・ライト板から、この板に移行して来ました。
プロローグ・人物紹介に若干の修正を加えた後、更新します。
◆注意事項◆
・複数並行小説ですので、更新が滞ることが多々あるかと思われます。そんな時は生温かい目で見守ってやってください(作者がMという訳ではありませんのであしからず……)
・文章、設定など、厨二臭全開となる可能性が非常に高いです。そんな時も生温かいm(ry
これからもよろしくお願いします。
プロローグ>>1
登場人物・用語>>2
第一幕『ソロモン七二柱編』
第一話『依頼』>>3
第二話『捜索』>>4
第三話『もうひとつの依頼、ほんとうの依頼』>>5
第四話『ソロモンコロシアム』>>6
第五話『始動』>>7
第六話『結託』>>8
第七話『鬼』>>9
第八話『動向』>>10
第九話『発信源』>>11
第十話『柱人』>>12
十一話『奇妙な惨劇』>>13
感想コメ募集してます♪
- Re: キリフダ ( No.1 )
- 日時: 2011/04/27 17:48
- 名前: モンブラン (ID: z2nqgfVA)
‐プロロ—グ‐
小さな蝶のはばたきが、はるか彼方でハリケーンを起こす。
林檎が地面に落ちた衝撃が、はるかな未来に大地震を起こす。
偶然と数学的カオスに支配されたこの世界で、何かにすがるという行為は全くの無駄な行為なのかもしれない。
————これは神の力を持った者達と、闇を抱える一人の探偵の物語。
- Re: キリフダ ( No.2 )
- 日時: 2011/06/22 07:35
- 名前: モンブラン (ID: Oof0JpPa)
登場人物
文霧 正治(あやきり せいじ)
種族:人間
性別:男
年齢:26歳
性格:探偵業の中で身につけたのか、かなり頭が切れ、疑い深い策略家。一人称は『俺』。
容姿・服装:いわゆるメガネ男子。大人しそうな見かけなので、一人称とのギャップに驚く人多数。そしてその間に手柄をかすめ取られたりする(笑
下半身はスーツのズボン、上半身はワイシャツに紺色のベストを着ている。
その他:探偵事務所を営む青年。
十五年前の事故で家族を失い、以後その真相を追っている。
朱炎 焔(すえの ほむら)
種族:柱人
性別:男
年齢:不明
性格:大雑把な性格。記憶力がかなり低く喧嘩っ早い。一人称は『俺』。
容姿・服装:髪は黒のオールバック。ワイシャツ・ジーパン姿。背は文霧より高いんだが歩くのはやたら遅い。
その他:朱雀の柱人で、『五獣の柱人』の一柱。
他の三人と共に四人で暮らしていた孤児であり、朱炎焔という名も偽名(他の三人も同様)。孤児だった為か、本当の名前は“存在しない”らしい。
青草 蓮(あおくさ れん)
種族:柱人
性別:男
年齢:不明
性格:非常に子供っぽく、白金を実の母のように慕っている。一人称は『僕』。
容姿・服装:髪の色は明るい栗色。本人は「身体は十代前半」と言っているが、どう見ても6〜8歳ほどにしか見えない。青緑色の独特な形の服を着ている。
その他:青龍の柱人。『五獣の柱人』の一柱。
白金 鋼(しろがね こう)
種族:柱人
性別:女
年齢:不明
性格:バイセクシャルのキス魔だと公言している。子供好き。一人称は『私』。
容姿・服装:仕事中はメイド服。私服は殆ど肌着レベルの薄い衣類しか着ていない。
その他:白虎の柱人。『五獣の柱人』の一柱。
玄雪 雹(くろゆき ひょう)
種族:柱人
性別:男
年齢:不明
性格:『五獣の柱人』の中では比較的一般的な性格なので、他人と会話する役目は殆ど彼のもの。朱炎の喧嘩の仲裁をすることがしばしばある。一人称は『僕』。
容姿・服装:中性的な顔立ちをしている。服は黒い和服。
その他:玄武の柱人。『五獣の柱人』の一柱。
用語等
魔族
この世界に存在する、ありとあらゆる怪物。天使や悪魔などもこれに含まれる。
姿形があまりに多種多様な為はっきりとした区分は無く、曖昧な存在となっている。
但し、非常に大まかではあるが区分も存在する。
エル
天使。白い猛禽類のような翼を持ち、頭上には光り輝く輪が浮遊している。
デーモニウス
悪魔。虫やコウモリのような翼を持つ。アダムの妻リリスも悪魔とされる。
デ—モニエル
堕天使。姿は非常に様々である。サタンやルシフェルが有名。
柱人
魔族の力を身体に宿す者。
非常な長命と、その魔族に対応する特殊な能力を持つ。但し、柱人から力を受け取った者の場合はこの限りではない。
また、柱人になるには一定の条件(鍛錬や修行では身につかない先天的なもの)を満たさねばならず、その為柱人になれる人間は非常に少ない。
- Re: キリフダ ( No.3 )
- 日時: 2011/08/07 17:27
- 名前: モンブラン (ID: izFlvzlp)
第一話『依頼』
暗い暗い水の中。
上からは光が差し込み、水面がきらきらと輝いている。不思議と呼吸の苦しさは感じない。
水はそこに確かに存在するのだが、それに触れている感覚がまるで無い。もしかしたらここは水中では無いのだろうか、とさえ思えるが、そんな感情は次の瞬間綺麗さっぱりくなった。
小さな乗用車の中だった。
ああ、あの光景だ。随分長い間視ていなかったが、すぐに思い出せた。
確かそう、この後俺は———。
金属と金属がぶつかりあう音がしたその瞬間、俺の身体は車外へ一気に吹き飛んだ。シートベルトが緩かったのだろう。
まるでスローモーションのように自らの動きが遅くなって見える。橋から落ちていく俺の目線の先には、川の水面が映っていた。
ドボン。頭から水面へ落下した。
そのまま沈んでいく俺の背後に、大きな鉄の塊が落ちてくる。頭を思い切りぶつけたかとおもうと、俺の意識は遠のいていった。
汗だくになって椅子に座っていた。そういえば、昨日机の前で寝てしまったんだっけか。
ここは、俺の経営する探偵事務所。基本的に金さえもらえれば何でも請け負ういわば何でも屋である。
入口のドアを開けると左にはオフィスなどでよく使われる机が置かれ、右には窓から小さな商店街が見える。
正面には、幾つかの木製の札が掛けられている。魔除けの為の物ではなく、依頼に応じた料金表だ。
最もそれは目安なので、大きく変動する場合もあるのだが。
シャワーを浴び着替えてデスクに戻ると、一人の男がソファーに座っていた。
ワイシャツとジーンズを着ている。年齢は二十代前半といったところだろうか。
はて、今日依頼人が来る予定なんてあったかな。そんな事を考える間も無く、男は俺に詰め寄ってくる。
「おい、ここって何でもやってくれるんだよな?」
なんだかヤバそうな雰囲気がする。動物的勘、とでも言うのだろうか。文霧正治の探偵としての勘が、そう告げていた。
「基本的には、という但し書きが付くがね。最も非合法なものはダウトだけれども。」
俺がそう言うと男は頭を掻き、再びソファーに座る。
大きな欠伸をした後こちらを向き、口を開いた。
「人探し、してくれねえかな?三人いんだけど。」
ほっ、と胸をなでおろす。予想していたものよりは遥かに簡単だった。
「三人なら、料金は三人分。結構かかるがいいのかい?」
因みに、人物捜索の場合……特に行方不明者の場合は……かなりの時間と労力がかかる。
「結構だ。名前は“青草蓮”、“白金鋼”、“玄雪雹”。」
男は三枚の写真を俺に渡す。恐らく男の言った三人であろう。三枚とも全身が映っていた。
一人はまだ子供と言った感じで、青緑の独特の服を着ている。何かのコスプレでもしているのだろうか。
二人目は黒い着物の男だった。これといって突筆すべきところは無いように見える。
三人目は薄着の女が映っている。染めているのだろうか、髪は真っ白になっていた。
写真を眺めていると、男が不意に話しかけてきた。
「金は今払うのかい?」
「完全後払い制なんでね。依頼を完遂してからでいいよ。」
それを聞いた男はありがとう、と言うとそのまま出て行こうとする。
「———なあ。」
文霧が男を引きとめる。何だ、と振り向くと、文霧は聞いた。
「あんたの名前………何ていうんだ?」
「朱炎焔。スエノ、ホムラだ。」
第一話『依頼』 終