複雑・ファジー小説
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- あたし・事件簿(即興短編ものがたり)
- 日時: 2011/09/15 14:43
- 名前: ゆかむらさき ◆gZKBI46muE (ID: TNiD2WXY)
即興でつくった短編物語です。
読んでくださると嬉しいです^^
事件ファイル・1 >>1 >>2 >>3 >>4 >>7
事件ファイル・2 >>8 >>9 >>19 >>24
- Re: あたし・事件簿(即興短編ものがたり) ( No.20 )
- 日時: 2011/09/06 23:40
- 名前: 王翔 ◆OcuOW7W2IM (ID: x1kJFLm.)
こんにちは、すごく純粋な感じで感動しました。
恋ですか、いいですね^^
いちこ可愛いですね^^
なるほど……お父さんがいちこを助けてくれたんですね。
天の力というやつでしょうか?
感動です(´・ω・)
- Re: あたし・事件簿(即興短編ものがたり) ( No.21 )
- 日時: 2011/09/07 17:10
- 名前: ゆかむらさき ◆gZKBI46muE (ID: TNiD2WXY)
王翔さん>
さっそく読んでいただいてありがとうございました。
コメントまでくださって とても嬉しいです^^
いつもあたりまえのように一緒にいた男の子のことを急に意識しだしたら こうなっちゃうのかな? ……って妄想したら こうなりました。
両思いでうらやましい……。
今途中の話は これからがもっとドキドキします。
お父さんの影を追って いちこちゃんは どこにいってしまうのか……
まだ15歳なのに いきなりこの世でいちばん大切なひとをうしなってしまった女の子の心の葛藤を 一緒に感じてください……
- Re: あたし・事件簿(即興短編ものがたり) ( No.22 )
- 日時: 2011/09/08 19:14
- 名前: 秋桜 ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)
まだ途中なのに涙が……
いちこちゃんがどうなってしまうのか……
気になります^^
更新頑張ってください^^
- Re: あたし・事件簿(即興短編ものがたり) ( No.23 )
- 日時: 2011/09/08 21:41
- 名前: ゆかむらさき ◆gZKBI46muE (ID: TNiD2WXY)
秋桜さん>
涙を流してくれたお客様ははじめてです。
ちょっと かわいそうですが……続きを楽しみにしていてください。
今、もうひとつの作品に物語の初めから描写をいれる作業をしておりまして、更新が遅れ気味ですみません。
こんなに楽しみに待っていただいているお客様のために こちらの作品にもできたら明日あたり 更新しようと思います。
がんばりますね^^ いつもありがとうございます♪
- Re: あたし・事件簿(即興短編ものがたり) ( No.24 )
- 日時: 2011/09/15 22:11
- 名前: ゆかむらさき ◆gZKBI46muE (ID: TNiD2WXY)
ガラ ガラ ガラ ガラ…………
ドアが自然に開きだした。
このドアの鍵もさっき滝沢くんがかけていたたはずなのに…………
胸の奥が……あつく騒ぎだす……
「逃げるんだ……
…………はやく!!」
あたしを優しく包みこんでいた風が解き放たれ、今度は“追い風”となって 背中を押してきた。
これは やっぱり風なんかではない。 見えないけれど 感じる……この懐かしい感触。
目を閉じると 再び涙がこぼれだした。
覚えている……。 大きく広げた両手で いつも抱きしめてくれていた……
……お父ちゃんとおなじ手のぬくもりが…………
“ここにいても お父ちゃんに会えない”
保健室を飛びだして廊下に出て、あたしは“ある場所”に向かって走りだした。
お父ちゃんに会うことの“引きかえ”に あたしは 今“ここ”にあるすべてのものを捨てていかなければならない。
(誰もあたしを とめないで! お願い……!!)
あたしのなかから お母ちゃんをけした。
伯父ちゃんも けした。
伯母ちゃんも健太郎くんも けした。
なぜだろう。 まだ心のどこかに気の迷いがあるからなのだろうか。
“あたしのいきたいところ”に なかなかたどりつけない。
いつも歩いているこの廊下が ものすごく長く感じる。
「……佐倉ッ!」
廊下をがむしゃらになって走っている途中で 大きく両手を広げてあたしの行く手をはばんでいるひとがいる。
(お父……ちゃん?)
……しかし よく見ると 彼はお父ちゃんではない。
ドンッ!
あたしは ついでに“その人”も けした。
「……おいッ! 待てぇ……ッ!!」
あたしが両手で押して突き倒したひとは あたしを呼びとめたあと、何度もあたしの名前を呼んで叫んでいる。
あたしは 彼にかまわず廊下を走りぬけ、階段に出た。
ブワァァァァッ
階段を昇ろうとした時、目を開けていられないほどの烈風が あたしに向かってきた。
「こっちに来るんじゃない!!
来ちゃだめだ
いちこ!!」
まるであたしを叱りつけるかのように おそろしいうなり声をあげてぶつかってくる風に逆らって あたしは目をつむり、飛ばされないように両手で手すりをつかみながらゆっくりと“天国”への階段を一段一段足に力をこめて昇っていった。
(このドアを開けたら……
……ずっと一緒にいられるんだよね
…………お父ちゃん。)
校舎の最上階 屋上に通じるドアのノブを あたしは震えた手で握りしめた。
「!!」
そのとき ドアを握りしめる手を包むように もうひとつの大きな手があたしの手を かたくつかんだ。
うしろに誰かが いる…………
(お父ちゃん……じゃ ない よ ね?)
お父ちゃんにとてもよく似た 大きなごつごつした手……
「待て……って 言っただろ……?」
あたしの耳もとで激しく息をきらしながらささやく彼は……
……さっき 廊下で会った あたしが押して突き倒した 一番最後にけした人……
…………加藤くん だった。
「……そのうち いつか こんなことするんじゃないかって心配してたけど……
……まさか初日からやりやがるとは
思わなかった ぜ…………」