複雑・ファジー小説
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- 【REVERSE WORLD】… 日本奪還編 開始
- 日時: 2012/12/29 00:20
- 名前: 将軍 (ID: xRtiMmQO)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=11031
※この小説に出てくる国家、装備、人物、団体は現実とは一切関係ありません
この小説は軍隊ものです。
参照が1000を突破しました、見てくれた方ありがとうございます。
初めて小説を書くのでいたらぬ点があるとおもいますので
あったらすいません
できるだけ、コメント書いて欲しいです。
士官編 登場人物>>58
士官編 用語集>>43
日本奪還編 登場人物>>75
日本奪還編 用語集>>76
目次
第壱部 士官編>>73
第弐部 日本奪還編
第一章 再起への狼煙
第1話>>74
プロローグ
西暦2100年
世界は大きな2つの連合「世界民主主義同盟(略してWDA)」と
「国際社会主義連合(略してISU)]のどちらかに所属していた
両連合とも互いの価値観の違いから度々紛争を繰り返していた
ある日ISUの軍人がWDAの民間人を射殺した事件によって
西暦2105年に、WDA側がISUに対し宣戦布告をした、
これにより第三次世界大戦が開戦
西暦2110年
開戦から5年の月日が流れた現在でも戦争が続いており
WDA側はアメリカ大陸と日本そしてヨーロッパの9割を統治下に置き
ISU側はアフリカ大陸と日本を除くアジア大陸そしてヨーロッパの1割を統治
現在は両連合とも疲弊して兵力補充に専念しているため
戦線は停滞していた
主人公である野々村は、日本軍近畿地方陸軍士官育成学校に所属する
士官候補生である(日本は戦争が勃発すると自衛隊を軍に戻したため)
野々村はいつもヤル気がなく、成績も下のほうで教官に怒られてばかり
しかし、こいつが後にこの戦争を終結させる「英雄」になるとは
誰も思わないであろう
イメージソング「ココロの要」>>41
作詞;栗鼠隊長様
プロローグを読んでいただきました>>44
声優;芙蓉様
- Re: 【REVERSE WORLD】… 第七章開始 ( No.52 )
- 日時: 2012/07/18 17:38
- 名前: 将軍 (ID: uOi54irs)
第1話
「これより中華人民解放軍軍議を執り行う、まずは日本侵攻作戦についてだ」
「箋将軍が捕虜となり、極東方面侵攻軍は壊滅だ! くそ、日本の奴らめ」
口々にわめきだしたところで最高司令官とおもしき人物が重々しい口を開き、その他の者を静かにさせた
「そこで意見を聞きたい、元箋 昌嬰将軍の補佐であり、今は孫 満禿将軍の補佐官の雨・翡翠大尉」
「自分は今は極東への侵攻はせず、箋将軍を倒したという小隊の事調べあげ、対処しつつ兵力を稼ぎ、侵攻するのが得策かと小官は進言いたします」
25という若さでこの会議に出席していた雨・翡翠が進言した言葉聞き、賞賛する者もおれば反対する者もいた
「確かにそれが一番だろう、では雨・翡翠大尉の進言聞き、再度日本に侵攻するための作戦の立案を命令する」
最高司令官が命令すると皆忙しそうに動き始めた
「早速だが君達第109特別遊撃小隊にはドイツのミュンヘン奪還作戦に参加してもらう、これはWDA本部に決定事項だ」
夏休みが終わり、育成学校に戻ってきた野々村達に教官から言い渡された
「我々だけですか?」
「そんなわけないだろ、日本からは迅乃少佐の部隊と第3機甲連隊と第117混成師団が派兵される、後はアメリカ、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパ諸国だ、合わせて30万の連合軍が形成される予定だ」
「30万……」
「出立は今日の二一○○時だ、それまでに準備しておけ、【陽炎】は特別休暇の間に現地に送っておいた、諸君の武運を祈る」
「あのさ、ミュンヘンって大事なのか」
教官室から出て、野々村と瀧上は武器庫に向かう途中に疑問を口にした
「ミュンヘンはドイツ南部の経済の中心点とも言われている場所です。他には生物工学、ソフトウェアなども盛んなので拠点としてはあまりですが経済力をあげるには良いと思われます」
「瀧上は詳しいな」
「親が軍人ですので」
(親が軍人でも天と地ほどの差があるな)
頭に克人の姿を浮かべながら苦笑いした
「あら、美鈴さん綺麗な髪留めつけていますわね」
美鈴と柔欄寺は包帯や傷薬を取りに第二保管庫に向かっている途中だった
「綺麗でしょ、この髪留め」
満面の笑みで柔欄寺を見つめた
「えぇ、……もしかして隊長からもらったんですか?」
いつもの柔欄寺とは思えない何か企んでる様な顔だった
「ち、ち、違うわよ、大体なんでジンからもらったものでこんな、あっ………」
「やっぱり隊長からもらったんですね」
「お願いだから内緒にしてよ」
「分かりましたよ」
「へっくしゅ」
武器庫で武器弾薬を選び運び出しているときに野々村が大きなクシャミをした
「風邪ですか隊長?」
「さぁな? さっさと運んで二一○○時まで寝たい」
ただ黙々と作業を続けた
- Re: 【REVERSE WORLD】… 第七章開始 ( No.53 )
- 日時: 2012/07/20 21:48
- 名前: 将軍 (ID: uOi54irs)
第2話
「やっとドイツに着いた」
野々村達第109特別遊撃小隊は日本軍上層部からの命令でミュンヘン奪還作戦に参加することになり、アメリカを経由しドイツ軍最前線基地の一つであるドイツ軍アウクスブルム基地に来ていた
「ようこそドイツ軍アウクスブルム基地へ、歓迎いたします。野々村少尉」
ドイツ軍の軍服に身を包んだ物腰の柔らかそうな女性軍人が敬礼で迎えていた
「私は第109特別遊撃小隊のエスコートを勤めさせていただきます、ドイツ軍第3機甲師団 歩兵部隊 副隊長のアデーレ・グロス曹長です」
「自分はWDA直属 第109特別遊撃小隊 隊長 野々村 ジン少尉です」
こちらも敬礼で返すとアデーレは野々村を頭の上からつま先まで見ると驚いたように
「あなたが長崎防衛戦と士官学校強襲戦を勝利に導いた、あの野々村少尉ですか? 噂とぜんぜん違いますけど」
「……失礼ですが、その噂とは?」
「噂では野々村少尉とは冷酷で残虐、敵を見たら、たとえ降伏しても射殺するような男だと」
「……何処から流れた噂ですか?」
「私もよく存じてません」
どんな噂流れてんだよ、誰が冷酷で残虐だ、小隊員全員笑いこらえてるしさ、後ろを見ると肩をプルプル震わせながら笑いに耐えていた小隊員たちがいた
「…ともかく、そんな噂はでっち上げでそんな男じゃありません」
脱力して言い返すと
「そうですか、いやー私、此処の部隊のエスコートやるときにさっきの噂を聞いて粗相でもしたら殺されるんじゃないかとビクビクしてました」
急に態度が軟化しフレンドリーになった
「司令にお会いしたいのですが」
「あ、はい、では野々村少尉は司令のところへ、他の皆様は小隊宿舎のほうにご案内します」
アデーレの部下であろう二人が出てきて小隊員を連れていった
「ではご案内します」
「此処が司令室です。司令 アデーレ曹長 野々村少尉をお連れ致しました」
司令室の扉をノックし、中に入るとそこには体格のよい初老の男性が椅子に座っていた
「ご苦労、アデーレ君、君は下がってくれ」
「はっ」
アデーレが部屋から退室したのを見計らい
「ようこそアウクスブルム基地へ、野々村少尉 私はドイツ軍アウクスブルム基地 司令 ハインツ・ホフマン少将だ、君の武勲は此処まで届いているよ、此処でも戦果を挙げてくれることを期待するよ」
「はっ、期待に沿えるよう尽力致します」
「うむ、ミュンヘン奪還作戦は明後日に行う予定だ、作戦は明日の朝、軍議にて決定する、君にはその軍議に出席してもらいたい」
「自分がですか!」
軍議に参加するのは大体は司令の副官や将の位を持つ者や佐官の中でも上級と呼ばれる人が参加するのが一般的で尉官の中でも一番下の自分が呼ばれるとは思っていなかった
「君は既にコンバット・プルーブン(戦闘能力証明済)だからさ」
「はぁ、明日の軍議は何時から」
「朝の9時から始める、遅刻はくれぐれもしないでくれたまえ」
「はっ、ではこれで失礼致します」
敬礼をし、部屋を退室した
「明後日だってさ、奪還作戦開始」
アデーレに小隊宿舎へ案内された、小隊宿舎と言っても食堂のみたいな大部屋だった、アデーレ曰く 上の階級の人達が良い部屋は全部取っていっちゃったから だそうだ、その小隊宿舎で小隊員と駄弁っていた
「作戦はどのような?」
「明日の軍議で決めるってさ、まぁ僕等はおまけみたいな小隊だから重要なところには配置されないでしょ」
このときは誰も明日の軍議で話し合われる事は誰も予想は出来ていなかった
- Re: 【REVERSE WORLD】… 第七章開始 ( No.54 )
- 日時: 2012/07/20 22:57
- 名前: 将軍 (ID: uOi54irs)
第3話
「これよりミュンヘン奪還作戦の会議を行う、まずはISU軍はミュンヘン防衛に約40万の兵力を揃えて来ている、対するこちらのWDA軍は30万の兵力をアウクスブルム基地、インゴルシュタット基地、ランツフート基地の3つの基地に兵力を分散し3方面からの同時攻撃を開始する、その作戦にあたっての配置を決める」
朝の9時ちょうどから始まった軍議にはアメリカ軍の代表やイギリスなどの列強国が軒を連ねていた
俺絶対場違いだろ! どうみても
「野々村少尉率いる第109特別遊撃小隊には左翼軍の中央に配置する」
「我々ですか!」
陣の中央に配置するという事はつまりその陣の指揮を委譲されたのと等しい
「そうだ、君に指揮はさせないよ君達には左翼軍の中央第1陣をやってもらいたい」
「分かりました」
「では…」
次々と決まっていき、軍議は終了した
「左翼軍の中央第1陣だってさ」
小隊宿舎に戻ってきてさっきの軍議で決まった事を報告していた
「よりにもよって第1陣ですか、一番死亡率が高いですよ」
「ま、当たり前か、武勲立てたって言っても所詮は2つだけだから、思惑としては第1陣に敵の兵力を削るだけ削らして第2陣、3陣と航空戦力もあるみたいだし電撃戦で攻めるのかな」
「いわゆ捨て駒って奴ですかね?」
さっきまで【陽炎】の整備をしていたのだろうか梁嶋は機械油で少し汚れていた
「ま、そういう思惑があろうとも俺は捨て駒になる気はないよ、死にたくないし」
「それはまぁ、そうですね、しかし隊長、作戦はあるのですか?」
「一応ね、でもそれは一種の賭けみたいなもんだし」
「どんな作戦なのか教えなさいよ」
「俺が考えた作戦は……」
小隊員全員を集めて作戦を説明した
「呆れた、そんな作戦聞いたこと無いわよ」
「でも確かに成功すれば敵に打撃を与えられますし、良い作戦ですよ、成功すればですけど」
「確かに、成功すればですが」
「中々心にグサッと来る言葉をありがとう」
「ま、やってみないとわかんないし、やりだけやりましょう」
小隊員全員頷いた
第109特別遊撃小隊全員に自由行動を許され、街に出たりPX(軍隊の中にある売店)に行ったり思い思いに過ごしていた
「さて、明日の作戦まで自由行動をしていいって言われたから、アウクスブルムの街を後で見に行くか?」
美鈴と二人っきりになり唐突に話しかけた
「い、いいけど」
「じゃ、行くか」
そのまま街に向かって歩き出した
- Re: 【REVERSE WORLD】… 第七章開始 ( No.55 )
- 日時: 2012/07/21 23:46
- 名前: 将軍 (ID: uOi54irs)
第4話
「コレおいしい♪」
野々村と二人で街を歩きながら、途中店でバームクーヘンを買い、頬を緩ませながらおいしそうに齧りついている
普段は厳しいけどやっぱこういうとこは女の子だなぁとしみじみ思いながら美鈴を見つめてると
「何、欲しいの?」
斜め上に解釈した
「まぁ、な」
「ほら」
バームクーヘンを差し出してきたので小さく一齧りした
「うまいな」
「でしょ、やっぱ本場は違うよね」
そういうとまた上機嫌でバームクーヘンを齧りついた
(まてよ、間接キスになるな、まぁでも美鈴が気にしないなら良いか)
その後もブラブラしながら気になった店には入っていったりしていた
「フフッ 美鈴楽しそうで良かった」
「柔欄寺、やめないか、こんなストーカーみたいな事」
「いいじゃないかー、楽しいしー」
柔欄寺と瀧上と阿木はアウクスブルムの街に出掛けた美鈴と野々村を追っていた、いわゆるストーキングである
「あら、瀧上君は隊長と美鈴の恋の行方を見たくないのかしら」
いつもの柔欄寺とは違う何か黒いものが出ていた
「それは……」
「自分にさー、素直になりなよー」
柔欄寺と阿木は見るからに楽しそうで瀧上も表面は渋っているが内心はとても気になるようでやはり16歳といったところだった
「傍から見るともう付き合ってんじゃないかって言われてるのに隊長と美鈴、お互いを意識しあってるのに気づいてないフリして。見てるコッチがじれったくなる」
「それには同感だな」
「右に同じー」
「だ・か・ら、私達で後ろから暖かく見守ろうじゃない」
「ストーカーのような気がするが」
「つべこべ言わず行くわよ」
柔欄寺を先頭に野々村たちを追いかけた
「夏休みの時みたいだね」
「確かにな、あの日の次の日は親父に散々付き合わされたから死ぬほど疲れたけど」
「そうなんだ」
他愛も無い話をしながら歩いていると不意に美鈴が怯えだした
「どうした美鈴?」
「私、ね……本当は、怖いの、明日の戦いが」
肩を小さく震わせていた
「誰だって戦いは怖いさ」
「でもジンは平気そうだよ? 何でジンはそんなに強いの?」
そんな質問をされたことに俺は驚いた、訓練の成績だって、座学の成績も美鈴よりも劣ってるのでお世辞にも強いとは言い難い
「僕は弱いよ」
「ううん、ジンは強いよ、心が」
「僕が強く見えるのは、多分、守りたいものがあるからだよ」
「守りたいもの?」
「そうだよ、僕はそれを失うのが戦いより怖い、だからだよ」
「その守りたいものって何?」
野々村は一瞬迷ったが赤くなる顔を抑えて
「美鈴、だよ」
「そう、なんだ」
美鈴は顔を赤くしてそっぽを向いた
「基地に、帰るか」
「…」
美鈴は基地に向かってる間終始無言だった
- Re: 【REVERSE WORLD】… 第七章開始 ( No.56 )
- 日時: 2012/09/21 18:24
- 名前: 将軍 (ID: RAfxUc7S)
第1話
「作戦名【射手座の矢作戦】か、名前はカッコいいな」
「無駄口叩いてる暇あるなら働きなさいよ」
夜明け前にWDA混成軍は隊列を組み、進軍開始に向けて準備をしていた、もちろん第109特別遊撃小隊も【陽炎】の整備や銃弾の配布、無線の起動、傷薬や包帯の詰め込みなどやることは山ほどある
「はいはい、【射手座の矢作戦】って言っても、ミュンヘンのライム、ガルヒンク、キルヒハイムを押さえて、ミュンヘン中央に置かれている敵司令室を包囲していき降伏に追い込む作戦だろ」
野々村は弾倉に弾を込めていた
「予想被害数は13万人、中々多いですからね」
「全員生き残って日本に帰りたいな」
午前4時
「これよりミュンヘン奪還作戦【Operation Sagittarius Arrow】開始、全軍ライムに向けて進軍開始!」
まず最初にドイツ軍最新鋭戦闘機【ゲシュペンスト】による敵軍に威力偵察及び敵航空戦力撃破を目的とした戦闘機部隊が飛び立ち、その後に続くように地上軍が動き出した
午前6時
「ホフマン少将より入電、戦闘機部隊による威力偵察は成功、なれど敵航空戦力壊滅にあらず、敵航空戦力に注意されたし、それと敵陣営が書かれたデータも一緒に、反映します」
入電と共にデータを渡され、それを全員の持つ端末に反映させた、敵の陣営は土嚢で強固な防衛網をつくり、敵も防衛の構えで陣形を組んでいた
「厄介だな、防衛網が堅そうだ」
進軍しつつ端末を確認していた
「ですね、これはかなりキツイと思われます」
「ま。頑張って戦うしかないか」
午前7時46分
「敵前方に展開中! 数不明、本陣より入電、全火器使用許可、敵を迎撃せよ」
「総員、対人戦闘用意!」
2度の実践を潜り抜けた野々村は隊長らしくなり、すぐさま部隊を動かせるようになっていた
「【陽炎】主砲発射準備に入れ、爆煙が上がったと同時に敵防衛網に肉薄、そのまま防衛網を奪取する」
野々村が考えた作戦は【陽炎】の主砲で爆煙を上げ、その爆煙が上がっている間に防衛網に張り付き、敵を殲滅、その防衛網を使用するという作戦だった
「今だ! 一気に駆け抜けろ」
【陽炎】から放たれたレーザーが着弾し、大きな爆煙が上がり、小隊員全員がその中を駆け抜け、敵防衛網に肉薄した
「総員正射開始!」
野々村の合図で防衛網にいる敵に銃撃を浴びせた、大半の者は為すすべも無く凶弾に倒れていった
「防衛網の奪取に成功、自軍左翼陣も到着、小隊員に怪我は無いわよ」
「此処で敵を迎撃するぞ」
ミュンヘン奪還戦の火蓋が切って落とされた
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