複雑・ファジー小説
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- おとぎ話のパロディ 〜こんな幼い死の世界〜
- 日時： 2012/01/29 08:01
- 名前： 春野花 ◆tZ.06F0pSY （ID: hVBIzJAn）
１話 プロローグ
これはむかーしむかしのお話・・・、では無く現在の世界の裏で起きたお話。
あるところに光李＜ヒカリ＞という１人の女の子が居りました。光李には大好きな男の子が居ました。男の子の名前は、流星＜リュウセイ＞といいました。
そして突然、流星は消えました。愚かな者に消されてしまったのです。 光李は神様にお願いをしました。
『どうか、りゅうせいがさみしいっておもいませんようにぃ・・・。』
光李はたくさん考えました。光李の代わりに笑わない流星を笑わしてくれる人はどんな人か。流星が楽しく暮らせるのはどんな世界か。毎日毎日、神様にお願いをしました。
そして当の神様は光李のお願いと考えを聞きました。そして目元を和ませ、口元を緩ませて本当に光李の描く世界を創り出してしまったのです。
悪戯が大好きな神様。さぁ、一体どんな世界を作ったのでしょうか————？
- Re: おとぎ話のパロディ 〜こんな幼い死の世界〜お絵かきしました！ ( No.84 )
- 日時： 2012/01/22 07:30
- 名前： 春野花 ◆tZ.06F0pSY （ID: hVBIzJAn）
- 参照： http://loda.jp/kakiko/?mode
「貴方も眠れないの・・・？あやのと一緒だね・・。」
あやのちゃんは微笑んで・・・悲しく微笑んでそう言った。
「あやのちゃん・・・と、流星君・・・・？」
無く寸前なのか眠くて仕方ないのか小さなランプの光だけではよく顔を見極められない。 手で右目をこすっているのだけは確かだ。 ・・・こんな夜中に・・２人で何を？？
「え？ 言ったでしょ、あやのと・・・あやのたちと一緒だね、って！ ・・・・眠れないもの。暗がりに恐がり。」
最初悪戯に・・・最後は笑顔を消して悲しそうにあやのちゃんは言う。 弱い微笑み。 ・・・・なんだか・・・ニセモノ、みたい。
「あやの、今は無理して笑わなくていいの。」
あやのちゃんの片方にまとまった髪をくん、と弱く引いて流星君は言った。
————無理して・・・か。 やっぱり昼間に見せる妙に明るい笑顔はニセモノ、ね・・・。
顔をゆがめて、其れでも笑って・・・あやのちゃんは声を震わせる。
「・・っほん、と 翠とすーくんにそっく、り なんだから・・・っ」
少しあやのちゃんより大きい流星君の体にトン、とよしかかって服を握り締めてあやのちゃんは言った。 ・・・・それなりに抱え込んでるんだなぁ、みんな・・・。
- Re: おとぎ話のパロディ 〜こんな幼い死の世界〜お絵かきしました！ ( No.85 )
- 日時： 2012/01/24 20:04
- 名前： 春野花 ◆tZ.06F0pSY （ID: hVBIzJAn）
- 参照： http://loda.jp/kakiko/?mode
「あやのは・・・翠をかばって死んだの。翠、すっごく後悔してて。 ・・・幽霊になって、翠のとこ行った。手紙書いて？って言って、ここに戻ったの。 ずっと恐い、って思ってたこと・・・起きちゃった。 翠に、あやのより大事な人が出来ちゃったの。 そうじゃないと、翠がかわいそうなのも分かってて会うのやめたのに・・・っ！！」
あの子達は起きないだろうか、とこの子の泣く声に思わされてしまった。 心を貫く声だった。 自分より大事な人が出来る瞬間。そんなの、死んだ人間しか分かんない。 どくんっ と『死』というものへの恐怖が高まる瞬間だった。
そして、俺も話してしまった。 言ってはいけない、あの子達の秘密。 辛くて仕方なかった。話さないと、壊れてしまいそうだった。
「エリスっ！！ エリスは人じゃなくってぇ・・・っ！！！！」
自分でも何言ってるのか分からなかった。だんだん、言葉は暴走していった気がする。
クレイド・・・さん、って呼ぶべきなのかな。 いいや。クレイドは、もう抱えているものの桁が僕らとは違った。声を裏返して、悲鳴を上げてるみたいで。
しかも・・・壊すって・・・・？？
・・・壊す・・ってことはトゥインクル達に『サヨウナラ』ってこと？？
死んでいるとはいえ、たった５歳だった僕を１５歳まで育て上げたのは彼らだ。 最初ご飯がまずかったのも、この世界になじめないのも、ティンクがあやしてくれた。 トゥインクル達には『料理』というプログラムは設定されてなかったみたいだ。
・・・・・彼らが居ない世界なんて・・・そんなの・・・って・・・・？
- Re: おとぎ話のパロディ 〜こんな幼い死の世界〜お絵かきしました！ ( No.86 )
- 日時： 2012/01/26 19:58
- 名前： 春野花 ◆tZ.06F0pSY （ID: hVBIzJAn）
- 参照： http://loda.jp/kakiko/?mode
———————・・・っやっぱり、ボクらは・・トゥイン達は『神様の操り人形』だったんだ・・・・・。
自分がキカイだって？！！ 『壊さなきゃいけない』？？！！！
・・・・・何ソレ、ふざけてんの・・・・？？
じゃあ何で？！！ 何で抱きたくも無い恋愛感情抱いて、敵わなくて苦しくて辛くて泣くの？！
嫉妬とか好きとか嫌いとかウザイとか。
・・・・・・・それって・・人のものだと思ってたのに。
ボクはドアの横によしかかっていたのをズルズルと下に力を掛けてしゃがみ込む。
- Re: おとぎ話のパロディ 〜こんな幼い死の世界〜 ( No.87 )
- 日時： 2012/01/29 08:35
- 名前： 春野花 ◆tZ.06F0pSY （ID: hVBIzJAn）
- 参照： http://loda.jp/kakiko/?mode
背中がめくれ上がって『寒い』と感じる。 これもやっぱり、『創りモノ』？？
暗闇の中、手をかざして見た。 別に機械的なトコなんてひとつもない。
でも、ずっと１５歳の姿。 『成長』しないなんて人間じゃないことぐらい分かってたつもりだった。
「ははっ 考えてみたら・・そう、なんだね・・・・。」
意味もなく笑いが零れる。 ガシャンっと机に置きっぱなしになっていたグラスがその場で割れる。
粉々にしてしまった。 感情と共にラプンツェルの魔法が暴走するようになった。 『言葉』に魔法が反応するらしい。
「んんー・・・？ とぅいん、何してるの・・？」
エリスが起き上がってボクを見た。 どきりと心臓が跳ね上がる。・・・・エリスに・・言うべきだろうか・・・・？？
「なっ なんでも、ない。 エリスこそどうしたの？？」
割れたグラスをパキパキと元に戻して寝ぼけ気味なエリスを誤魔化す。
「あれぇ？？ さっきなんか割れなかった？ 夢？？」
エリスは髪に手ぐしを通しながらエリスは言った。 カーテンが掛かっていないせいで月明りが部屋に差し込む。 そのオレンジ色な月光に、エリスの髪がキラキラ輝く。
どくん、どくん、どくん、どくんと心臓が飛び跳ねる。
・・・・さっきびっくりしたのが続いてるんだよね？これは。 エリスにドキドキなんか、してないもん。 ボク・・・ボクはティンクが・・・？
もう、何が何だかぁ・・・・っ
「・・ボクは・・・何なんだよぅ・・・・！！」
- Re: おとぎ話のパロディ 〜こんな幼い死の世界〜 ( No.88 )
- 日時： 2012/02/03 20:00
- 名前： 春野花 ◆tZ.06F0pSY （ID: hVBIzJAn）
- 参照： http://loda.jp/kakiko/?mode
トゥインはぐちゃぐちゃな気持ちに押しつぶされて泣いてしまった。 エリスがぎしぎしとベットを鳴らしてボクの前にしゃがんだ。
「エリスー・・・。 も、やだよぉ・・・っ！！」
へたり込んで、エリスの腕につかまるとエリスは 普通 に 何ひとつ違和感なく ボクを受け止めた。 ・・・何と言うか・・・ある意味で抵抗無さ過ぎでショックだ。
エリスはポンポン、とボクの背中を優しく弾いてきゅ、とボクを抱きしめた。
—————やめてよ・・・・。
「よしよし・・・・。 どうしたの？？いきなりぃ。 かわいーな、ホントにVv ・・・・・・なんか、あった？」
最後にエリスはボクの顔を覗き込んで言った。小さく傾げられた首までもにティンクと同じ気持ちを感じてしまう。
ボクは黙り込んでから、触れるようなキスをエリスのほっぺに落としてエリスに抱きついた。
「エリスぅ、大好きィ・・・・。」
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