複雑・ファジー小説

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宵月町の幽霊退治人@第二話 夏=恋の季節
日時: 2012/06/14 18:48
名前: 乱舞輪舞 (ID: ./RSWfCI)

 宵月町は普通の町といったら普通の町で、変わっている町と言ったら変わっている町という、なんともあやふやな町である。

 一見本当にどこにでもある普通の町。

 だが本当は、謎の小さな傷害事件がよく起こる町。
 だから普通といったら普通で、変わってると言ったら変わっているのだ。

 そこで問題、宵月町の謎の傷害事件の犯人は“幽霊”である。○か×か。
 答え、○。

 そしてもう一問、その幽霊から宵月町を守ってくれている人たちがいる。○か×か。
 答え、○。

 最後の問題、幽霊から宵月町を守ってくれている人たちのことをなんという?
 答え、幽霊退治人。


読者様

揶揄菟唖様
ゆっ子様
あずき様

ありがとうございます!!

Re: 宵月町の幽霊退治人@コメントが欲しかったりする ( No.4 )
日時: 2012/06/10 10:44
名前: 乱舞輪舞 (ID: ./RSWfCI)

「まあ、やらされてるからってのもあるけど、やっぱ守りたいじゃん」
 いろいろ考えた末に、この答えが出た来た。なにかかっこいいことでも言おうかと思った竜也だったが、それは自分らしくないんじゃないかと思いこの答えだ。
「守りたい……何をだ」
 美麗から最もな答えが返ってくる。
「何って……この町を、この町に住む人たちだよ」
 竜也は口が裂けても言えない。本当の理由は“美麗を守りたいから”ということを……
 小さな頃から竜也は美麗に対して強い友情心があった。やがて、友情は愛情に変わり、美麗は竜也の中で守りたい人、愛しき人になっていた。だから、この町に住む人つまり、美麗を守りたいと遠まわしに言ったのだ。
 もっとも、賢くとも恋愛関連には疎い美麗は、竜也のそのような感情から出たこの言葉の意味をにこれっぽっちも気づかない。
「この町を、この町に住む人たちを……ね。竜也、貴様らしい」
 扉の向こうから半笑いの声が聞こえてくる。
「なんだ? 馬鹿にしているのか?」
「別に、素晴らしいと思うぞ」
 どうだか。と、竜也は思いながら左手に持っている日本刀を見やり、語りかける。
「今日も守ってくれよ。羅威らい
 すると羅威と呼ばれた日本刀が蒼色の光を放ち一人でに話し出す。
「馬鹿め、わしゃ暴れたいだけなんや。坊主を守っているわけやないんやぞ」
 そう、この日本刀は普通ではない。
 この日本刀はいわゆる“付喪神”がついている。付喪神とは長い年月を経て古くなったり、長く生きた道具や生き物や自然の物に、神や霊魂などが宿ったもののことを言う。
 羅威は戦国時代の有名な武将である。しかし、天下統一まであと一息というところで仲間の謀反により命を落とした。
 そして未練がましく自分の愛用していた日本刀に付喪神としてこの世に長く居座っているのだ。
 普通の刀では幽霊に触れることすらできないので、幽霊には幽霊をと、いうわけだ。つまり、付喪神がついている刀ならば幽霊を退治ができるというわけで、羅威は谷戸家にとっては家宝にようなものである。
「はいはい、わかったよ」
「なんじゃその口の聞き方は!! わしがこの世に何年いると思っとるんじゃ! 目上のものに対して……」
 羅威がこうなると止まらない。羅威を無視して竜也は部屋の扉をあけた。

Re: 宵月町の幽霊退治人@コメントが欲しかったりする ( No.5 )
日時: 2012/06/12 19:32
名前: 乱舞輪舞 (ID: ./RSWfCI)

第一話 狂いのお紺


 竜也は昼間に母が作ってくれた梅おにぎりに巻かれているアルミホイルを剥きながら足っていた。
 “美麗ちゃんの”と、やさしい字でアルミホイルに上に書かれているおにぎりを美麗に渡したのだが、「貴様のように走りながら食べてられるか! ま、優子さんのおにぎりは後で食べる」とのことで、竜也の赤いリュックにしまわれた。
 優子さんとは竜也の母の名である。若々しい見た目と少し抜けている性格で、よく姉に間違われるが、れきっとしたアラフォーだ。なぜか美麗と気があってよく二人でお出かけに行く。
 美麗の母と父はというと、アメリカで母はピアニスト、父は指揮者としてコンサートを繰り返し行い、悠々自適に暮らしている。美麗は「お母様とお父様は私を捨てた。私の母は優子さん」と言っている。
 アルミホイルが剥け、さておにぎりを食べようと竜也が口を開けたとき、日本刀の羅威が蒼い光を放った。それと同様に美麗の薙刀も紅い光を放つ。
 美麗の薙刀も竜也の日本刀と同じく付喪神がついる。若菜という平安時代のお姫様だ。
 若菜は女として生まれてきたのが嫌で嫌で仕方がなく、歌や俳句を読むことよりも薙刀を振り回して戦う大好きだった。しかし、十五歳の時父に勝手に嫁ぎ先を決められ、嫁ぐのなら死んだほうがましと、愛用の薙刀で自ら命を絶った。
 そして、まだ戦いたいと自分自身が薙刀となって神林家の家宝的武器となっているのだ。
「羅威、何かあったの」
 一旦おにぎりを食べようとした口を閉じ、走っていた足を止めて蒼い光を放つ羅威に問いかける。
「若菜、どうかしたか」
 美麗も若菜に問いかける。
「若菜殿、こりゃやばいですなぁ」
「ええ、わたくしこんなに強い邪気を感じたの久しぶりですわ」
 日本刀と薙刀が会話しているという妙な光景が竜也と美麗の目の前で広がる。
 羅威と若菜は日本刀と薙刀である前に幽霊だ。幽霊が近くにいることが察知できるなどの能力も秘めているのだ。

自己紹介でごわす ( No.6 )
日時: 2012/06/10 12:20
名前: 乱舞輪舞 (ID: ./RSWfCI)

どうも、乱舞輪舞です。
小説☆カキコに初めて小説を書き込みました。
まーこれが、処女作ですね。
てなわけで、自己紹介行きマース。

中学二年生女子です。
部活動は剣道をやっている剣道少女。
小説はサスペンスものばっか呼んでます。ドロドロ大好き!
漫画は少年漫画ばっかですね。
成績は、ははは……

こんな乱舞輪舞の小説読んでくれる人がいたら泣いて喜びます!

Re: 宵月町の幽霊退治人@コメントが欲しかったりする ( No.7 )
日時: 2012/06/12 19:26
名前: 乱舞輪舞 (ID: ./RSWfCI)

「羅威、上級幽霊か?」
「ああ、そうじゃ。かなり強いのがな。だが、人型ではないみたいじゃのぉ」
 上級幽霊とは知性を持っている幽霊のことである。なので大抵は元人間の幽霊ばかりなのだが、羅威が言うには人型ではないよう。
「そうか……人型ではないのなら身体能力が高い可能性がある。それに加えて上級幽霊。高い身体能力に知性……か」
 フム、と美麗が薙刀を脇に抱えて腕を組む。
「嬢ちゃんは賢いから大丈夫じゃが、うちの坊主は馬鹿で何も考えずに突っ込んで行ってお陀仏になりかねないのぉ」
 ヒォッヒォッヒォッと、羅威は笑いながら体を震わせる。鞘の中に入っているので、刀と鞘がぶつかってカチャカチャと音を立てているのが美麗には気に食わない。美麗は嫌そうな顔をして羅威を睨みつけていた。
「羅威さん、それは竜也さんに失礼ですわよ。そして、その音……はしたないですわ」
 美麗の脇に挟まれている若菜が主人(美麗)のその思いを察したのか、ピシャリときつい言葉を叩きつける。
 さすがの戦国武将も平安時代の勝気で高貴なお姫様には弱いようで、すんなりと音を立てて笑うのをやめた。心なしか竜也にはシュンとして見えた。
 主人と同じくしてこちらの付喪神たちも、若菜上、羅威下、という関係がはっきりしているようだ。
「と、とりあえず、その人外上級幽霊を見つけて退治しなくちゃ」
「そ、そうだな」
 と、慌てて美麗も竜也の意見に賛成する。
「では、宵月高校に向かってください。そこから邪気を感じますわ」
「よいこー?!」
 竜也が珍しく声を荒らげる。
「ええ、宵月高校ですわ」
 竜也が声を荒らげるのも当然。宵月高校、通称よいこーは竜也と美麗の通う高校だ。
「そうか……なにか嫌な予感がするな」
 と、竜也がつぶやくと、
「だな、私も嫌な予感がする」
 と、美麗がコクリとうなづく。
「んじゃあ、よいこーへレッツゴー」
 日本刀の羅威を天高く掲げ、元気よく歩き出す。が、美麗が竜也の道着の袖を引っ張り、その足は止められた。
 ん? と、振り向くと美麗が妖艶な笑みを浮かべていた。
 竜也はさっきの嫌な予感よりも、はるかに嫌な予感がした。
「なあ、忘れてないか? 私を背・負・うこと」
 美麗はスッと右の人差し指で口の下のホクロに触れる。これは美麗が面白いものや、ことを発見した時に見せる仕草だ。
「わ、忘れてないよ。う、うん、背中、どうぞ」
 喋り方がおかしい竜也。明らかに慌てた様子で屈み、おんぶする体制になる。 
「馬鹿が。貴様の背中を借りるほど私は困っていない。冗談だ、ジョークだそれぐらいわかれ」
 美麗は立ったまま、屈んでいる竜也の髪の毛をワシャッと掴んだ。
 

Re: 宵月町の幽霊退治人@コメントが欲しかったりする ( No.8 )
日時: 2012/06/10 16:29
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)


こんにちは、初めまして、揶揄菟唖です。

これはなんと面白そうな小説!私の好みです!

美麗ちゃんの偉そうな態度が可愛いです!もぐもぐ!
あと、初対面なのに悪いのですが、『、』をもっと入れると読みやすくなると思います!

バトルシーン期待してます、がんばってください!


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