複雑・ファジー小説
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- 【お知らせあり】夢現の境界線【小説は更新します!】
- 日時: 2013/09/17 11:44
- 名前: 月葵(元フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: LqhJqVk8)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6422
初めましての方は初めまして!!
お久しぶりの方はお久しぶりです!!
改名しました元フレイアです!
***夢現の境界線(ゆめうつつのきょうかいせん)にようこそ。***
参照→カキコ民の皆様参加募集スレッドです。
この物語は夢と現実の世界で繰り広げられるお話です。
気に入って頂けたら嬉しいですね!
**お知らせ**
*おしらせあり!! 詳しくは→>>62
*只今だんだん更新中。亀なのはお許しを。
*SS企画実施開始! リク依頼・相談掲示板にてコメして下さい!
**注意事項**
・コメ頂けるととても嬉しいです。飛び跳ね……いえそこまでしませんが。
・現在キャラ募集は停止しております。ご注意ください!
・えと、更新は亀並で、作者語彙力がないです☆ それでも良ければ読んでください。嫌なら帰r……お帰りになることを推奨します。
・……荒らしとか、禁止に決まってます。
以上のことを了解していただけたら、どうぞこの物語をお楽しみください!!
<目次>
*世界観 >>2
*ギルドについて >>3
*その他の用語 >>4
*武器(ガイスト等) >>5
*登場人物(現実世界) >>6
*登場人物(夢世界) >>13
*プロローグ >>1
*第1話(現実世界)「転入生と持ち物検査」>>7-8 >>11-12
*第2話(夢世界)「帰郷と祭り」 >>14-16
*第3話(現実世界)「侵入、撃退、歓迎会!」>>25-27 >>29 >>35 >>37-38 >>43-44
*第4話(夢世界)「猫と依頼とギルド同盟」>>45-46 >>48 >>51-52 >>55-56
<夢喫茶‐とある人の夢話‐>
*「私と鹿とサイクリングと。」>>17
*「私と猫と……こ、恋バナ!?」>>34
<キャラを頂いた皆様>
*長月様
*グレイ様
*刹那様
*世移様
*更紗蓮華様
*すぴりたす様
*山下愁様
*城宮 壱様
*磁石様
*檜原武甲様
*烈司様
*ジェヴ様
*神無月飛鳥様
*晴樹様
*White様
*白月様
***Thank you!!***
<コメいただいた皆様>
*山下愁様
*秋桜様(鑑定もしていただきました。)
*更紗蓮華様
*晴樹様
*烈司様
*スタン反戦様
*檜原武甲様
***Thanks!***
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.48 )
- 日時: 2013/03/27 23:31
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: 3xnkBRQd)
——メーアエリア 東ゲート前
街区をさらに奥へ進むと、ゲートが見えてきた。
ゲート付近は未開地エリア近くのためか、街区と言えどどこか閑散としている。
「……ふぅ。セイル、ゼロ。ご苦労様です。もう普通に話して良いですわ」
先ほどユリエルと呼ばれていた少女がそう言うと、セイル、ゼロは足を止めた。
「よろしいのですか? 『カロン』様。折角、元『鍵』の娘を見つけたのですよ?」
「ったくお前は今とさっきとギャップありすぎだろ」
「あのぉ……そんなにギャップはないと思いますよ、ゼロ。寧ろ、『らしくお芝居をした』という表現が妥当かと」
「……芝居、ねぇ。ま、俺には関係ねぇが」
「それより……てんてんはどこですの!? 全く、どこを歩いているのだか!」
「カロン様落ち着いて……あ」
地団駄を踏むカロン。そこで何かに気づいたセイルだが、時すでに遅し。
「今度こそ外出禁止令です……っあ…きゃっ!」
その地面にバナナの皮が落ちているのを知らなかったため、カロンは盛大にずっこけるはめになった。
「うけけ! 意外にドジっぺなんだなカロン! うけけけっ!」
「て〜ん〜て〜ん〜! 待ちなさいですの!! お気に入りでしたのよこの服は!!」
「か、カロン様落ち着いてください……服なら洗って差し上げますから……」
キャーキャーワーワーと叫ぶ声が辺りに木霊する。
何気ない日常にしか思えないこの光景だ。本当にこの少女が、ナイトメアを統べるものと謳われる『カロン』なのだろうか……
ゼロはふとそう考えたが、頭をふった。自分やセイル、てんてんはカロンという存在に、既に忠誠を誓っている。手首に刻まれる刺青はその誓いを表す『契りの輪』。これがある限りカロンの命令は絶対であり、また、理想を実現する同士として共にいるのだ。
……とはいえ、子供二人のやり取りにやれやれ、と呟くと、一瞬の間にてんてんとカロンの首根っこを掴み上げ、ストン、と地面に下ろした。
喧嘩は両成敗にて一件落着。
「あのなぁ、今日の目的は『この夢世界と現実世界の鍵となる、白のガイストの所持者を見つけること』だろ。これからどうすんだよ、カロン」
少女——カロンは音もなく立ち上がり、クスッと笑って言った。
「物語は始まったばかりですの。白のガイストの所持者は見つけましたし、目的は達成していますわ。それに……ゆっくり楽しもうじゃありません? ねぇ、貴女もそう思うでしょう…………ルミ?」
カロンの問いかけに、建物の死角から出てくる少女。
黒髪長髪で滑らかなストレート。顔立ちはよいがダークブラウンの瞳は憂いを帯びている。全身に黒を纏ったような服装が太陽に照らされて一層目立つ。
「私は……分かりません。ただ貴女に従うだけの人形ですから」
ルミはそう言うと暗い路地に一人消えていった。
まるで、現実から目を背けるように……
まだ、物語は始まったばかり……
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.49 )
- 日時: 2013/03/27 23:44
- 名前: スタン反戦 ◆g2b2PRWegc (ID: A7M9EupD)
お!更新来ました!
楽しみにしてますので
これからも頑張ってくださいね(^-^)
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.50 )
- 日時: 2013/03/28 23:12
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: 3xnkBRQd)
—スタン反戦様へ。
ふおぉぉ!! コメントありがとうございます!
更新が週1,2回ほどとなっておりますねすみません!! なんとか頑張って更新します!
コメントありがとうございました!!
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.51 )
- 日時: 2013/04/12 22:07
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: 3xnkBRQd)
- 参照: ちょこちょこ皆様のキャラも出てきます!
——メーアエリア 広場
私とネオン、そしてアオがメーアエリアの噴水広場に到着したその時、物凄い砂埃が視界一面に広がった。
「くっ……」
『これいったい……誰が?』
「ケホッケホ、だ、誰かいます……!?」
しばらく経って、目を凝らすと一人の少女が不服そうな顔をして立っていた。
黒髪のポニーテールが風になびき、スラッとした手足から華奢な印象がうかがえる。だが、両手に持つ双振りのナイフと引き締まった体躯から、並大抵でないだろうという気配が感じられた。
こいつは……只者じゃない。
一年も修業した身だからこそわかる、相手の器量を見極める術。
……ま、私自身がけりをつけるなどと啖呵を切ったのだから、今さら後には引かないが。
「あ……あぁ……! あの人、ぼ、僕知ってます!!」
アオが少女を指差して言う。
「あの人、前に近隣のナイトメアの討伐に参加してた人で、最近クリムゾンベアのギルドマスターに任命されたとかで……」
『ギルドマスター? あんな子が?』
人型のネオンは首をかしげる。
ギルドマスターはマスターとしての力量を図るために、試練場に行き、『導きの魂』になるための試練をうける。
試練をくぐり抜け、ネオンや、セキマイが所持する旋鯉といった『魂』を手に入れることでギルドマスターになることができるのだ。
……だが、私は例外だ。未開地エリアにはギルドなんてないし。そもそも単独の方が動きやすかったからな。
「ナイフさばきは前ギルドマスターをも凌駕し、素早さにかけては右に出るものはいない。そしてその迫力はまさに『紅の熊』のごとく。ギルドマスターのユーリカ・エリクソンが何でここに!?」
口々に騒ぎ出すエリアの人々。野次馬が集まってきたようだ。
「アオ、ネオン。すまないが、エリアの人達を安全な場所に誘導してくれ」
「ぼ、僕らはいいけど……ファルちゃんは? まさか……」
「……この騒ぎの原因は私にもある。皆が傷つかないよう、頼む」
「まっかせなよ! ファル! ほら、アオ、行こうよ!」
「う、うん……?」
グーサインをしたネオンがアオの背中を押して、早速行動開始する。
私は少女と対峙する形となった。
「ん? なんだあんた?」
「君はクリムゾンベアのギルドマスターだと聞いた。私は以前、クリムゾンベアの管轄地でオリハルコンを採掘した。このような形になってしまったが、謝罪したい。すまなかった……」
いずれは謝罪しなければならなかった。賠償金と共にな。
けれども今はお金も少ないし、謝りにいく余裕もなかった。
怒られても当然だろう。
だが、予想外の答えが返ってきた。
「……なんの話してんだ? 私は過ぎたことは気にしねぇんだよ」
「……ハイ?」
と言いますと? いやいや、じゃあ何でギルドマスターともあろう方がこんなところに?
答えはすぐに返ってきた。
「あんた、白の『導きの魂』を知らねぇか?」
「え、あ、それは私だが……」
「……………………なんだと?」
暫しの沈黙のあと、少女——ユーリカはニヤリ、と笑った。まるで獲物を見つけた狼のように。
「私は探してたんだ、強い奴を……手に入れられるはずのなかった幻の白のガイストを手に入れられた奴を、な!!」
そう言い切ると同時にナイフを構え、前方向に突進してきた。
「なっ!?」
背中の長剣を取るには間に合わない。
だが、まだだ!!
「はぁぁあああっ!」
オーラを急展開し、右手に持っていた銃弾に一気に纏わせて撃つ。
銀色をまとった弾は、視界一面程ではないがバズーカ砲に近い大きさになった。
こういうときのために銃は携帯しているんだ。何かと役に立つしな。
「くぁ……!?」
流石のユーリカもすぐにナイフを防御に変えたが、弾の圧力で吹き飛ばされた。しかし、地面につく頃には体勢を立て直し、すぐ攻撃できるようになっていた…………君は猫かうらやましいな!?
……いや、まともなツッコミはおいといて。
「へぇ、その近距離から撃てるなんて流石だな? 導きの魂さんよ」
「君もあそこから体勢を立て直すなんてすごいぞ。ギルドマスターのことだけはある」
あと私はファルだ、と付け加えるとユーリカからよろしく、とだけ返ってきた。
「もっと楽しませてくれねぇか? 身内じゃ……ブルーバードに行った奴しか強い奴がいないんだ」
ブルーバードにそんな凄腕の奴が……やはりベルクエリアは違うなぁ。……あ、けどシュロスエリアもかなり強いと聞いたことがある。
「悪いが、この騒ぎをやめて欲しいんだ」
「うーん……無理だな」
いやそんなキッパリ言わなくても……?
ユーリカは何かを思い付いたのか、人差し指をピンと立ててこう言った。
「ほら悪役の奴らがいう台詞、あるだろ? 『やめて欲しけりゃ力ずくでやれ』ってな!!」
……仕方ない。これは諦めて相手をするか。
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.52 )
- 日時: 2013/04/12 15:55
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: LqhJqVk8)
戦いを始めた私達だが、圧倒的にユーリカが優勢だった。
キンッ! と刃と長剣が重なる度に、その圧力が烈風となって押し寄せる。
「くっ!?」
「はっ! まだまだっ!!」
——そうだ。私はつい一年前まで武器を持つことはなかったのだ。勝てる見込みなど……少ない。
キンッ! キィン! とオーラを纏ったナイフは続けざまに襲いかかる。私は長剣で身を守ることしかできない。
段々、剣で受けることすらままならず、肩や腕に切り傷ができる。
——ナイフの一撃が……まるで……
「ハァッ、ハァッ……まるで鉛を乗せたかのような……だな」
「ん? なんか言ったか?」
「いや……」
わずか数合交えただけで、私は息を切らし、体力を消耗していた。対するユーリカは涼しげにこちらを見ている。
「……しかし、ホントにあんたが白のガイストか? 疑わしくなってきたんだけど?」
…………ユーリカがそう言うのも無理はない。
未開地エリアのガイストを手にいれたとし、ただの拳銃を『白のガイスト』に見立てれば、誰だって『導きの魂』になれるのだから。
……ま、撃ったときの効果がないからすぐバレるのが落ちだろうがな。
「信じていただきたいのは山々なんだが……何せ、『人と戦ったことは一度もなかった』ので。ベルクエリアにいたのも、どんなナイトメア相手でも慣れるようにと言われたからなんだ」
「ふーん……ま、どのみち私が戦って分かることだ。……プレイヤー同士の決闘に慣れてないからって容赦しねぇ。覚悟しろっ!」
再びユーリカは接近。
あのナイフの動きさえわかれば、なんとかなるか……!
「きみ……ナイフの動きは結構単純だったよ。あとは攻撃のあとに隙ができる……試してみたら?」
え……? 今、なんと?
ふと見ると、今しがたオーラを消したと思われる人物がこちらを見ている。
黒髪に瞳も同じ色だが色素が薄く、どちらかと言えば灰色に近い。見た目は……確かに男のようだが顔が女の子らしい……いや、失礼。俗にいう『可愛い系男子』だな。
「あー!!! あんたはレンゲットのとこのクオか!? 何アドバイスしてんだよ! これは真剣勝負なんだ邪魔すんな!!」
ユーリカはクオに向かって指差し抗議するが、クオには効き目がないようだ。
「クスクス……こんなところで面白そうなものが見られたんですから、アドバイスせずにはいられなかったんですよ」
それにここのギルドに用があったので、と言いつつ戦いの巻き添えを喰らわない位置まで下がるクオ。
「レンゲット……って誰だ?」
「僕らのギルドマスター……と、それより良いんですか? 来ますよ?」
見ると、最大限にまで翡翠のオーラを噴出させたユーリカが今にも飛びかかってきそうだった。
オーラは周囲の風を巻き込み、砂嵐のように吹き荒れる。
「クオの情報網はヴァイスクローで断トツなんだ。さっきのアドバイスが無駄になるように、これで終わらせる!!」
————刹那。
翡翠のオーラはユーリカの身体に収束し、先程まで吹き荒れていた風が……静まる。
同時に、ユーリカの足に凝縮したオーラが鎧のごとく纏っていく。
ナイフの銀の輝きは薄くエメラルドの光沢を放つ。
「秘技……『風嵐双撃波』!!!」
ゴウッ……と音がした時には、ついさっきまでいたユーリカはいない。
どこにいったのかと思えば、上空に殺気を感じる。
見上げると、ユーリカはナイフを交差させながら超高速で落下してくるではないか。
空中から落下してくるとなれば、物体に加速度がつくためにかなりの攻撃力となるだろう。
さらに、ユーリカのオーラが素早さを加速させている。彼女のオーラは、空中だろうが地上だろうが関係ないのか。
「く……『銀閃波』!!」
私は攻撃に対抗すべく、銀のオーラを長剣に纏わせ、その名のごとく銀色の波動を打ち出した————が。
「弱いっっ!!」
キィンッ! とぶつかる音がしただけでユーリカの勢いは止まらない。
長剣で、急所を外せるよう防御姿勢にうつる。
ナイフと長剣が——————触れた。
——ドォォオオオンッ!!
激しい轟音と辺りの建造物を破壊しかねないくらいの振動。
「くぁ……っ!?」
『ファル!?』
私は長剣もろとも吹き飛ばされ、何度かバウンドし、建物の壁に頭をぶつけた。
ネオンの声が微かに聞こえた。エリアの人達を避難させるのが終わったらしい。
「た、大変だ……ど、どうしよう!? セキマイちゃん呼ばなきゃ……で、でも今日は未開地エリアのナイトメア討伐に行ってるし……」
辺りの惨状を目の当たりにしたアオはあわわ……と、若干パニックになっている。
私は立ち上がろうとしたが、どうも上手くいかない……
「く……ぅ……」
「ちっ、この程度かよ……情けねぇな」
再び構え直すユーリカ。次もあの技を出されたら、今度は吹き飛ばされるだけでは済むまい。
——私は……ここで死ぬ………のか?
——……結局、弱かったんだ。
——ユーリカのようにどんな相手にも立ち向かえる強さが……私にはない。
——やはり……私にはガイストを持つ資格はなかったんだ……
——……もう、意識が遠のいてきた……
——……ごめん、ネオン。あの時の、二人の『約束』……果たせそうにない。
——————それじゃあ、ファル。これだけは約束して。必ず…………
『生きるんだ、ファル!! 諦めないで!!! まだ君の力は目覚めたばかりだ!!! それにまだやるべきことがあるんだろ!!!』
「ね……ぉ……?」
————ドクン。
私は……私は!!
————ドクンドクン……
心臓の鼓動が早くなる。息が苦しいし、まだ身体中が重くて痛い。
だけど……まだ、まだ私は……!!
「ぅ………あぁぁぁぁああ!」
まだやらなきゃいけないことがある。
こんなところで…………負けてたまるか!!!
銀色のオーラが体中から溢れだし、意識を失いそうになりつつも気力が体中を巡っていくのがわかる。
確か…………ガイストの最後の試練の時もこんな感覚だった。
不思議と力が湧いてくる。まるで誰かが自分の背中を後押ししてくれているかのように。
「な……にっ!?」
だが次の瞬間、私は視界がホワイトアウトした。
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