複雑・ファジー小説
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- 【お知らせあり】夢現の境界線【小説は更新します!】
- 日時: 2013/09/17 11:44
- 名前: 月葵(元フレイア ◆7a0DWnSAWk (ID: LqhJqVk8)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6422
初めましての方は初めまして!!
お久しぶりの方はお久しぶりです!!
改名しました元フレイアです!
***夢現の境界線(ゆめうつつのきょうかいせん)にようこそ。***
参照→カキコ民の皆様参加募集スレッドです。
この物語は夢と現実の世界で繰り広げられるお話です。
気に入って頂けたら嬉しいですね!
**お知らせ**
*おしらせあり!! 詳しくは→>>62
*只今だんだん更新中。亀なのはお許しを。
*SS企画実施開始! リク依頼・相談掲示板にてコメして下さい!
**注意事項**
・コメ頂けるととても嬉しいです。飛び跳ね……いえそこまでしませんが。
・現在キャラ募集は停止しております。ご注意ください!
・えと、更新は亀並で、作者語彙力がないです☆ それでも良ければ読んでください。嫌なら帰r……お帰りになることを推奨します。
・……荒らしとか、禁止に決まってます。
以上のことを了解していただけたら、どうぞこの物語をお楽しみください!!
<目次>
*世界観 >>2
*ギルドについて >>3
*その他の用語 >>4
*武器(ガイスト等) >>5
*登場人物(現実世界) >>6
*登場人物(夢世界) >>13
*プロローグ >>1
*第1話(現実世界)「転入生と持ち物検査」>>7-8 >>11-12
*第2話(夢世界)「帰郷と祭り」 >>14-16
*第3話(現実世界)「侵入、撃退、歓迎会!」>>25-27 >>29 >>35 >>37-38 >>43-44
*第4話(夢世界)「猫と依頼とギルド同盟」>>45-46 >>48 >>51-52 >>55-56
<夢喫茶‐とある人の夢話‐>
*「私と鹿とサイクリングと。」>>17
*「私と猫と……こ、恋バナ!?」>>34
<キャラを頂いた皆様>
*長月様
*グレイ様
*刹那様
*世移様
*更紗蓮華様
*すぴりたす様
*山下愁様
*城宮 壱様
*磁石様
*檜原武甲様
*烈司様
*ジェヴ様
*神無月飛鳥様
*晴樹様
*White様
*白月様
***Thank you!!***
<コメいただいた皆様>
*山下愁様
*秋桜様(鑑定もしていただきました。)
*更紗蓮華様
*晴樹様
*烈司様
*スタン反戦様
*檜原武甲様
***Thanks!***
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.43 )
- 日時: 2013/04/26 12:46
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: LqhJqVk8)
「ほんじゃ、ま、転入生の来栖の歓迎会すっぞ〜! てことで、乾杯!」
『乾杯!!!!!』
と、まぁ何故か袈ヶちゃんが仕切ってる訳なんだけど……
「あー、走りてぇー! あいつらのお陰で今日の部活がなくなったしー」
「そうなの? ハル?」
ハルこと晴樹君は陸上部員のエースで、毎日欠かさず走ってる。いつでもどこでもね。
けど、今日は犯罪者が学院内に侵入したから部活は全部休みで、ハルがいつもトレーニングしているグラウンド・校舎内も、調査とかで使用禁止になったんだって。
「犯罪者が学院内に入るなんて、予想もしなかったもんね。セキュリティが万全じゃなかったらしいし」
ま、お陰でその間、機械の修理が出来たけど、と言いつつ機械をいじりながらチョコ菓子を食べるカナエちゃん。
「ていうか柊さん、よく無事でいられたね」
「あ、瑞季! もう委員会終わったんだね! ご苦労様!」
「……私の質問に答えなさいよ、はぁ」
ため息をつく瑞季ちゃん。
わ、わざとじゃないんだから許してね……?
「う、うん……ごめん。なんとか無事でした……ハイ」
艶やかな黒髪を低い位置で一括りにし、眼鏡をかけてる、空川瑞季ちゃんは、高等部の私達のクラスの委員長さん!
ちょっと怖いけど、頼りになるんだよ〜色々と。
「はいはーい悠乃、ひっさしぶりねぇ? ていうか食堂で何やってんのあんたら?」
「え……、み、命さんっ!?」
ハニーブラウン色の髪の毛で、瞳は綺麗な鮮やかな緑。本当は性別男なんだけど、おねぇである五月女 命さんは、クラスどころか学院内の有名人!
その訳は、今まで生きてきた経験を生かして、いろんな相談にのってるからなんだよ。
例えば、将来のこと、いじめがあったり、困ったことがあったとき……とかね。
命さん、カウンセラーになれる気がするなぁ。
本当は大学部に入る年齢なんだけど、本人いわく、やることが見つかってない……らしいから自主的に高等部のままなんだよ。
「お、みこやんじゃねぇか? 相変わらずの女装ご苦労様なこった」
ふと、おねーさんが命さんに気付き、ニヤリと悪戯っぽく笑ったのは気のせいじゃ……ないよね。
「そーいう、袈ヶっちこそ、相変わらず大食いね? 体重計乗っといたほうがいいんじゃないの?」
「なんだと?」
「なぁに?」
バチバチ……と火花を飛ばす袈ヶちゃんと命さん。
この二人、出会ったときから何だかライバル意識があるんだよね……何故かは分からないけど。
「もう、おねーさんも命さんもそのくらいにしてください!」
「いいんじゃないの? 歓迎会なんだし派手にやるべきね、悠乃?」
「まぁ、派手なのは構わないけど……ってホープ、なに指を鳴らしてるの?」
ホープは、私達とちょっと離れた位置にいた矛口君のところに…………まさか、ここでバトるの!?
「面白い……ここは一つ、刺激を得るために殺ろうか」
「矛口君っ!? 『やる』の字が怖いよ恐ろしいよ!?」
「望むところ! ちょうど身体を動かしたかったからね」
「って、望むところとか違うから!! それよりホープは犯罪者撃退に参加してたよね!? 矛口君もだけど! ……聞いてないし」
私の制止を振りきって喧嘩を始める矛口君とホープ。
「あらぁ〜? 皆賑やかねぇ〜?」
「少しお邪魔するよ?」
「え、理依先生!? それに理事長!?」
「やぁ、柊君。この騒ぎは一体……?」
突如現れた理依先生と理事長。
勿論、理依先生はナースのコスプレ中だけど……
「もう皆、私の制止を聞かないんですよ!」
「あらあら、でもそれは頑張らなきゃね〜?」
クスクス……と笑う理依先生。なんかこちらも怖いです。
「あはは……まぁそれは仕方がないさ……」
「先生も理事長も、それフォローになってません……」
皆、好き勝手にしていいけど……いいけどね!? だって水桜ちゃんの歓迎会だし!
何もないより、ずいぶん派手で華やかになってるけどね!?
「ごめんね水桜ちゃん、こんな人達のいるクラスで……」
そう言う私に首を横に振る水桜ちゃん。
「私こそ……いいの? ここにいて……」
「勿論!」
だってもう、水桜ちゃんは私達の家族。
独りじゃない、血は繋がっていなくても、互いに分かり合える。
それが、私達『家族』だよ。
「…………ありがとう」
水桜ちゃんは微笑み、一粒だけ涙を流した。
………………で、それはそうと。
「命さんダメですお酒持ち込んじゃ……ってあぁっ! そのコップたちに手をつけちゃダメ幽助君にカナエちゃん!」
「らいじょ〜うらよ、ハルちゃ……」
「カナエちゃん全然ダメだから! もうかなり酔ってるから!」
「俺……もう飲め……」
「ゆ、幽助君!?」
命さんがコンビニで買ってきたらしい、焼酎の缶をコップの中へランダムに入れ始めていた。
勿論だけど、未成年は飲酒禁止! 私達は未成年だから……命さんを除いて。
え? 理事長たちは?
あ、もういなくなってたよ。
ビンゴ大会やイントロクイズは参加してたけど、いつの間にかいなかった。
この騒ぎは深夜近くまで及んだのだが、周回に来た警備員の人に怒鳴られるまで続き……
結局次の日、歓迎会に参加していたほとんどが遅刻・欠席となりましたとさ。
**To be continued…**
Next story:夢世界「猫と依頼と……」
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.44 )
- 日時: 2013/03/10 15:49
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: 3xnkBRQd)
《青空チャット》
月葵【柊悠乃です! やっとこの話終わったー!】
ジェヴ【うぅ〜頭痛い……】
すぴりたす【同感……痛くて機械いじりがはかどらないよ】
月葵【うーん……間違ってお酒の入ったコップのものを飲んだんだよね……幽助君、カナエちゃん】
すぴりたす【そーだけどね】
城宮壱【おい、今回全く出番ないじゃねぇか、柊!】
世移【それなら僕もー。どうしてー?】
月葵【風臣に勇太……いや、私に聞かれても……ね? 作者次第だし(ボソッ】
更紗蓮華【あのさぁ、あんた達は私と夢風と空川と捕まってただろ? 動けるわけないだろうが】
城宮壱【…………チッ、落ちるぞ】
月葵【あ、うん、またね】
夜桜【あ、あの……】
全員【誰っ!!?】
夜桜【ご、ごめんなさい、来栖です……】
月葵【水桜ちゃんだったんだ! てか謝るのはこっちだよ! ごめんね!】
山下愁【チャット来るの、手伝ってほしいって言われたのよ】
月葵【あ! ホープ、珍しいね。手伝うなんて?】
山下愁【まぁね、困ってる子は見捨てられないし】
烈司【ところで俺も出番あまりなかったな、悠乃】
月葵【サトちゃん、皆も……もう言わないで……なんか私、悲しくなっちゃうから】
グレイ【あーあ、天王寺、駄目だろ? か弱い女を泣かすなんて】
月葵【ちょ、袈ヶちゃん!? いや泣いてはないy】
更紗蓮華【たしか、幼馴染みだっけ? 何時から?】
烈司【……幼稚園以来だ。……もう落ちる】
月葵【え、あ、うん? ……もうちょっと話したらいいのに】
更紗蓮華【柊は覚えてるわけ?】
月葵【うん、でも……変わったな】
夜桜【何が?】
月葵【……うーん、前はもっと頼れるお兄さんみたいな】
グレイ【意外だな】
更紗蓮華【意外だね】
すぴりたす【上の二人に同じく】
檜原武甲【……怠い】
刹那【こ、こんばんは】
月葵【一気に来たっ!?】
刹那【ご、ごめんなさい、お邪魔でしたか……?】
月葵【そ、そんなことないよ! 蒼!】
White【柊さん、時間がないんだけど早くしてくれないかしら?】
月葵【瑞季……少しくらい顔出しなよ】
White【委員会の仕事があるの。また今度】
月葵【あ、行っちゃった】
白月【相っ変わらずの無愛想ね?】
月葵【リアルとともに命さん!】
グレイ【んじゃまたな、ゆーちゃん、女装人】
月葵【え? 袈ヶちゃん? あ、帰っちゃった】
白月【……ま、別に気にしないけどさ】
神無月飛鳥【じゃーん、九賀崎幸太参上〜って言ってみたかったり】
晴樹【ぬぁっ、またお前かっ! なんであたしが行くところにお前がいるんだよ!】
月葵【どうしたの、九賀崎君に吉紗乃ちゃん……?】
晴樹【聞いてよ悠乃! 夜食にラーメン食べたくなったから食べにいったんだけどさ】
神無月飛鳥【リアルご対面だね、夏川さん?(黒笑)】
月葵【……あはは、ていうか夜食にラーメンを食べることに驚くよ、吉紗乃ちゃん】
すぴりたす【ねぇ、はるちゃん、そろそろ終わらなきゃだよ】
月葵【え……うわっ、もうこんな時間! 次はリクエストの『修学旅行』!】
すぴりたす【ホントに!? 肝試ししたいな!】
神無月飛鳥【僕はハルちゃんをいじりたいな】
月葵【そ、それはちょっと】
檜原武甲【というかユッキー、学外に出られるのか?】
白月【出られるらしいわよ?】
月葵【うん、寮長権限でね】
夜桜【すごい……】
刹那【すごいと言えば、もう参照が700突破したって……】
晴樹【へぇ……やるじゃん、更新頻度が少ないわりに】
月葵【目指せ参照1000突破! 因みにこの修学旅行は2、3話くらいになる予定だけど、連続するって】
夜桜【どういうこと……?】
月葵【それは見たらわかる! ……だって】
刹那【じ、じゃあこれで……】
山下愁【次回に続く! よね?】
——夕闇チャット——
魔女【こんばんは♪ 魔女さんですよ〜】
夢【あーあー、マイクのテステス。初めましてですの。ようやく繋がりましたね】
魔女【そうね。なんとなく周波数を合わしたのですけれど、うまくいったみたいですね〜。あ、このチャット、音声チャットなのよぉ】
夢【ところで、ですけど。計画は順調ですの? 私の出番はいつですっ!!】
魔女【計画は順調よ? でも出番は……まだまだねぇ〜】
夢【むぅ……早く繋げたいですの。音声だけじゃない、この世界を理不尽な世界じゃなくr】
魔女【そちらはもう会いましたの? 『鍵』に?】
夢【無視は嫌いですわ……今、部下に探させてますの。すぐ分かるはずです……たぶん】
魔女【あらあら、自信なさげですね〜?】
夢【し、仕方ありませんの!! 一応、元『鍵』はいますけど……あ、御飯の時間ですからまた今度ということですわ】
魔女【えぇ。さよなら】
夢【サヨナラですわ、創世の魔女】
魔女【……創世の魔女、ね。クスクス……】
——夕闇チャットが終了しました——
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.45 )
- 日時: 2013/06/04 10:38
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: LqhJqVk8)
〈第4話:猫と依頼とギルド同盟〉
——ナイトメアがメーアエリアを襲撃した、その翌日。
「……」
『どーすんの? ファルー』
私は朝早くから、ギルド『ブルーバード』の正面玄関で立ち往生していた。
このままだと、建物の前で突っ立っている、変な人になってしまう。
しかし、セキマイから誘われた以上、来ない訳には……
今、ネオンは銃形態であるが、声音から早くしてほしいという感じが伝わってきている。
仕方ない、今日は一先ず……
「……帰ろう」
『ありゃりゃ? 帰るの?』
「か、……帰るんですか?」
…………振り向くと、そこにおどおどした感じの青年がいた。
「んな、なっ!?」
「あ、えっと、その……すみません、昨日のファルさん……ですよね?」
い、い、いきなり話しかけられたからびっくりしたぞ。
なんとか平静を保てたから良かったものの……
ネオンは必死に笑いをこらえているようだ。
「あぁ。ファルでいいよ。……君は?」
「僕はアオ。セキマイちゃんから、君を誘って依頼を受けるようにって言われてたから、迎えに行ったんだけど」
アオが家に来た気はしなかったのは、どうやらすれ違っていたかららしいな。
「依頼か……ギルドメンバーじゃないと無理なのでは?」
『ファルは細かいところ気にするんだね〜。ブルーバードは自由が基本。ギルマスが認めた人物なら依頼受けて報酬貰えるんだよ?』
「……そ、そうなのか」
というか、そうだったのか?
アオに目を向けると、こくこくと首を縦に振っていた。
「初代ブルーバードのギルドマスターから続く、特有の決まりだそうです……って白のガイストは詳しいなぁ」
『あ、ネオンでいいよ! うーん、何でだろ? 知らないはずだったのに、何か口走っちゃったね?』
「それ、おかしいだろ。何か変なものでも食べたか?」
『むぅ、食べてないって!』
痴話喧嘩が始まりそうなのを見かねたアオは、慌てて話題を変更。
「あ、そ、それで依頼なんですけど……実は、今頼まれたものなんです」
「構わないさ。それで?」
続くアオの言葉に、私は耳を疑わざるを得なかった。
「えと……依頼人は、とある『ケットシー族』の長男のカレハ。内容は…」
「け、……ケットシーだとっ!?」
身を乗り出し、目を輝かせてしまう……えと、猫が好きなんだよ。私は。
『あ、ケットシーって希少種族だよね?
僕らが見る夢は、現実世界の話らしいけど、その現実世界の猫が、何らかの形で知恵や知識を身に付けたのが、僕らの世界で【ケットシー】になる。
……えっと、ケットシーは猫と違って二足歩行だし、額の小さい宝石で魔法をちょっぴり使えるんだ。以上!』
「人型になって勝手に百科事典を取り出しながら詳しい説明をありがとう」
『それ、誉めてる?』
「まぁ少しだけな」
話がまたそれたから戻す。
依頼内容はこうだ。
ケットシーのある家族の長男・弟・妹でメーアエリアを観光しに来たらしい。
メーアは昔から、数少ない観光地として栄えている。
……とはいっても、元々このエリアに住む人々は、『現実世界』——つまり私達が眠っている間に見る夢、のことなのだが——のことで見聞きしたことを記憶しやすいのだ。
そこから習得した技術が発達し、こうして栄えているというわけだ。
勘違いしそうなので先に言っておくと、いくら記憶出来るからといって、一部始終記憶できないぞ。
やはり、夢だからな。忘れていくのがオチだ。
さて、エリアの説明はこのくらいにしよう。
ケットシーは、ヴァルムエリアでひっそりと、人の目から逃れて生きている種族。
その為、他のエリアに行くとなれば当然、見るもの全て目新しいものばかりで……
つまり、『いなくなった弟と妹を探して欲しい』……だそうだ。
「まさか居住区の方には行かないはずだが、念のため、アオはそっちをあたってくれ」
「う、うん。ファルちゃんは?」
「私は街区に行く。」
街区には飲食店や様々なお店がある……広いが、まぁなんとかなるだろ。
迷子の二人の特徴を聞いた後、それぞれ探索を開始した。
——街区
依頼人のカレハという者は、先日壊されたゲート近くの噴水場で待っているそうだ。
二人は街区で、散り散りになったそうだから、まだいるだろう……いや、いてくれないと困るからな?
「まずは、『黒毛で尻尾の先が白い猫、宝石は青色』か。趣味などがあったら助かったが……」
『ファルー! この焼きリンゴおいしそうだよ!! 一つくらい買わない?』
……ネオンは探す気ゼロだろ、全く困ったものだな。
「買わないに決まって……」「どいてですの!!」
私の声と誰かの声が重なった。同時に、ポフッ! っと後ろから誰かにぶつかる。
銀髪の長い髪の毛、毛先は緩やかなカーブで、服装は黒基調のフリルドレスで頭には白いレースがついたカチューシャだ。
口調からして、貴族といわれる裕福な家庭のお嬢様だろうが……一人だ。迷子だろうか。
「だ、大丈夫か?」
少女は私を見ると、すぐに後ろに振り向く。
ふと気付くと、男3人がこちらに向かってきた。
「オイオイ嬢ちゃん、人様にぶつかっといて謝りもしねぇとはどういう教育されてんだ?」
「クリーニング代、お母ちゃんにもらってこいや!」
「しめて30万リルだ。裕福な嬢ちゃんのことだからそんなはした金いくらでもあるだろ?」
……なるほどな。すぐ状況がつかめた。
「フンっですの!! あなた方のような、薄汚いコソ泥の下劣極まりない人間にあげて差し上げるものなど1つもありませんわ!! こういうのは逃げるのが勝ちですの!!」
思った以上に芯の強い子らしい。……が、その言葉が男たちを逆切れさせたようだ。
「んだとこらぁ!!」
「やっちまえ!!」
『ファル、君って巻き込まれやすいよね〜』
「ネオンはその子を見てくれ」
『いーよ! 了解!!』
銀髪の少女をネオンに預け、私は3人と対峙する。
「んあ? なんだてめぇ?」
「外野は引っ込んでな!」
「痛い目見るぜ?」
「あー、その、だな。確かにぶつかったほうも悪いが、君たちもそれに乗じてお金を取ろうなどやめないか?」
なるべく話し合いで解決できたらいいだろう? ……ま、裏切られるのがオチだというのは分かっているが。
「なにブツブツ言ってんだこいつ!」
「かまわねぇからやれ!!」
うぉぉぉっ! と殴りかかってくる3人に、私はまず、正面向かって右の相手の拳を受け流す。
続いてすかさず、鳩尾に蹴りをくらわせ、とどめに少しオーラを発動して反対の足で蹴っ飛ばす。約2メートルくらいは飛んだか。
2人目は振り向きざまに回し蹴りで決着。3人目はアッパーカットで天高く飛ばされ、ノックアウトしたとさ。
これで、しばらくは動けないだろう。
私はパンパンッと服のほこりを払い、その場を後にした。
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.46 )
- 日時: 2013/03/03 22:32
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: 4qS6O2ST)
ならず者の3人を倒した後、私はネオンのところへと戻る。
「「「こいつ、つ、強ぇ……」」」
さすがに参ったのか、チラ……と振り返ると慌てて逃げ去って行った。
結構手早く済ませたので、なんかあっけない気もする。
そう思っているうちに、タッタッタッタ……と女性と男性が走ってくるのが見えた。
「カロ……あ、ユリエル様!」
「ったく、やっぱりこうなってたか」
「あ! セイル! ゼロ! 遅いですの!! 待ちくたびれたのですわ!!」
銀髪の少女もとい、ユリエルはお世話係であろう女性と男性——セイルとゼロという人物——に向かって走り出した。
「主を助けていただき、ありがとうございました」
「あ、いえ、治安を守るのも私の役目ですから」
『だね! ……ところでさ、君……』
珍しく、ネオンがユリエルのことをまじまじと見つめる。おいおい、一目ぼれでもしたのか?
「……なんですの?」
ユリエルのほうはちょっと不機嫌そうだ。そりゃそうだろう。初対面の相手から見つめられるなんてな。
『うーん、どっかで会ったような、……いや、気のせいか!』
一人で納得して笑うネオン。そうですの、とユリエルのほうも別にどうでもいいといった風にしている。
「とっとと帰るぞ」
「あ、待ってくださいゼロ! あそこの焼きリンゴが食べたいですの! 買ってくるのですわ!!」
「だーかーら、なんで俺が言うこときかなくちゃならないんだよ!?」
……ぷっ、さっきの私とネオンのやり取りじゃないか。
「大変ですね、あなた達も」
「そうですね、これからが大変なんです。理想の為に」
ん……『理想』? 何か目標としていることでもあるのか。すごいな。
私の目標……母を見つけた後、私はどうするのだろう……
もちろん、母と共に暮らすのは当たり前だ。だが、『導きの魂』という役目を果たす義務もある。ネオンとの約束なのだ……
「その理想の為に、わたしたちは進まなければならないのですよ」
「高い理想、なんですね……」
私がそういうと、セイルは微笑む。
その笑顔は、まるで私の母さんのように暖かい笑顔だった。
「道のりは遠く険しいですが、わたしはカ……いえ、ユリエル様の為にも成功させたい」
「そうか……なら、私も応援しよう。微々たるものだが、力になれる事なら協力しよう」
そういうと、驚いた様子でこちらを見るセイル。
それに対し、私は手を出す。
「私はファルだ。よろしく」
「……セイル・エクシダウテンです。あちらにいるのはゼロ。本当はもう一人いるはずなのですが、紹介できなくて残念です」
いや、気にすることは……と言いかけたが、ブォォォオオ!! という轟音でかき消されてしまった。
「た、大変だよファルちゃん!!」
広場の方向からアオが走ってきた。何があったのか。
「一体どうしたんだアオ!?」
「ゼェ、ゼェ……あの、えと、女の子が『白のガイストの奴はどこだーっ!!』って、叫びながら、周囲の人たちを吹き飛ばして、るんだよ、オーラ、使ったんだけど、乱れて、効かなくて……」
呼吸を整えつつ状況を説明するアオに、私はう、と言葉を詰まらせた。
間違いないだろう。
「クリムゾンベアー……しまったな」
『あーあ、だから言ったのに。あれだね、自業自得だ……痛っ!?』
人型ネオンにデコピン一発。
ともかく、この状況を生み出したのは私だ。何とかしなければ。
「そういうことなので、ちょっと私は行かなければ……あれ?」
さっきまでユリエルとセイル、ゼロがいたはずだが、いない。
まぁ、用事があったのだろう。それよりも、私にはすべきことがある。
「……いくぞ、ネオン!」
『らじゃー!』
「ぼ、僕もおいていかないで……」
私たちは広場に向かって走り出した。
- Re: 【カキコ民】夢現の境界線【参加型!!】 ( No.47 )
- 日時: 2013/03/15 22:14
- 名前: 月葵 ◆7a0DWnSAWk (ID: 3xnkBRQd)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=past&no=19473
はい、なぜ上にURLを乗っけたかといいますと、
元フレイアの名前で制作していた「神より生まれし花」という作品からこの企画に2キャラほど抜粋するからです!!
そう……皆様のおかげで、もうすでに参照800突破してる記念!!
名付けて、『(ちょっと早いけど)ホワルンと!シェリーナの!ザ・しゃべくり夢バージョンコーナー!』
ホ→ホワルン
シェ→シェリーナ
?→ゲスト
ホワルン「ほわほわる〜♪ 神より生まれし花のマスコット的キャラ、ホワルンしゃんの登場でしゅよ〜雲精霊っていうんでしゅ。よろしくでしゅ〜♪」
シェリーナ「初めまして、『神花』の本編では出ずに終わっているシェリーナよ。雑誌のモデルなんだから、そこのところよろしくね」
作者「はいそこまでー!」
ホ「は? なんでしゅか作者? ていうより駄作者? ホワルンたちのこと放っておくなんていい度胸でしゅよ?」
作者「でたホワルンの毒舌……初回は作者も来るの!! 神花は行かなかったけど。てかあのときは全くの初心者だったんだから許しなさい!!」
ホ「誰が許すかボケ〜でしゅ!」
シェ「……作者は神花ではいじられてるのよ。ふぅ〜」
作者「話は変わって。このコーナーの説明をシェリーナ、よろしく」
シェ「了解。このコーナーは、題名からもわかるように、えっと……夢世界、だっけ? その世界のことについて雑談もしくはお知らせ、次回予告と……あ、そうそう。夢世界の用語についていろいろ話すようね」
ホ「ほわ? 用語は最初のほうに書いているんじゃなかったんでしゅか?」
作者「いやぁ〜なんというかちょーっとづつ変わってるところもあるんだよね。この際、このコーナーで確定させて、時間あるときに更新しようと…………」
ホ「……ケッ、結局は作者の怠慢からじゃないでしゅか?」
作者「舌打ちにひどい言われようなんだけど!? だって正直言っちゃうとさ、私大学生なんだよ!? これからも大変だしさ、なかなか時間取れないの!! ……今は春休み中だからこれだけ来れてるけどね!」
シェ「……作者見てると、あの『悠乃』って子に見えるわねー?」
作者「いや、ほとんど私の分身だから。性格、容姿とか特に。忘れっぽいのは……なんでかなw」
ホ「意外な裏設定発覚でしゅね。じゃぁ『ファル』しゃんは?」
作者「作者をカッコ良く見立てた結果。主に友達からよく言われる第1印象を元にしてみた。で、気づくのが鈍いのを似せてます」
シェ「ふぅ〜ん、……運動は苦手、ゲームでよくやった職業は『双剣士』か『後衛のビショップ』、あと『盗賊』、いわゆる極端な体質ね。」
作者「あぁ〜!!! 1か月前にやってみたTOWのRM2と3だね!!(ググればたぶん分かります。) 盗賊はやりやすかった! 回避しだいで無傷で攻撃できるもん♪ でも双剣士も捨てがたい! 単純計算で攻撃力2倍だし!」
ホ「……ゲーム脳な作者は放っとくでしゅ」
シェ「っと、もう終りみたいよ?」
ホ「勝手ながらこの辺で」
3人『しーゆーあげいん!!』
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