複雑・ファジー小説
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- 【オリキャラ募集中！】鎌奈家の一族【是非見てね！】
- 日時： 2013/09/02 21:38
- 名前： 純金リップ （ID: /gz88uq5）
シリアス・ダークから引っ越してきました。
これは家族のお話。
何処にでも、何時の時代にも居るような。
大家族のお話です。
“目次”
前日譚
『A hopeless tale』 まとめ>>77
一章
『Be hungry for love』まとめ>>158
二章
『Tomorrow of me and brothers』まとめ>>217
三章
『Annoying August』まとめ>>288
四章
『For five long, long days』
第七話「」
>>285 >>286 >>287
“更新情報”
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
８月２０日
本編更新！
>>305
９月２日
本編更新！
>>306 >>307
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
“オリキャラ募集”
こちらから応募してね↓
>>68
“登場人物”
その①>>131
その②>>178
オリキャラの方たち>>42
本当に感謝です
“お客様”
三月兎さん
蒼藍さん
ヰルマさん
たもつさん
ソウルさん
sakuさん
葉月さん
Mintさん
冥夜さん
ｎｏｅｒｕさん
rooding roorder rineさん
ミハネさん
tetuさん
真夜空 羅斗さん
Dr．クロさん
“おまけ”
参照３００突破お祝い＆お礼 >>81
参照５００突破お祝い＆お礼 >>114
参照１０００突破お祝い＆お礼 >>160
参照１５００突破お祝い＆お礼 >>207
参照２０００突破お祝い＆お礼 >>249
『課題』>>134
『呼名』>>168
『ポッキーゲーム』>>200>>204
『バレンタインデー』>>273
- Re: 【オリキャラ募集中！】鎌奈家の一族【是非見てね！】 ( No.293 )
- 日時： 2013/06/04 18:59
- 名前： 純金リップ （ID: GMKAzVcQ）
一方、咲と菜夢は、食事をとりながら、
まず誰に声を掛けようかと思案していた。
「やっぱり、佳夢兄さんと真っ向から話せる人じゃないと」
そう言われても、咲はあまり考えられなかった。
目の前にあるパスタをくるくると巻きながら、不安を口にする。
「でも、あの佳夢君を止めるのは至難の業だよねぇ」
「どれがいいと思います？まずはその一『説得』」
それが一番平和的な解決策である事は、
まぁ、間違いないのだが．．．。
「でもそれが一番難しそう。佳夢君が聞く耳を持ってくれるか」
「じゃあその二『実力行使』」
咲は首を振る。
「それは危ないよー。佳夢君に勝てる人もいるだろうけど、
でも、あんまりしたくないなぁ．．．」
咲はスパゲッティを口に入れ、ゆっくりと咀嚼する。
「でも、その二つ以外にあるかなぁ」
スパゲッティを飲み込むと、
咲はため息をついた。
「ありますよ」
「え、あるの？」
菜夢はゆっくりと頷く。
「その三『事件の解決』」
「それって．．．どういうこと？」
「復讐に燃える佳夢兄さんに知られぬよう、
私たちが先に愛子さんを見つけてしまえばいいんです」
なるほど、と咲は手を合わせた。
それは確かにいい考えだった。
「けど、問題点もあるんです．．．」
菜夢はテーブルにある水をコップに注ぎながら、
その問題点を言った。
「兄より先に見つけられるか、それが一番の問題で、
そして二番目が、解決後も、兄の怒りを鎮めなきゃいけない事です」
確かに、咲たちが佳夢より早く解決したとしても、
佳夢の怒りが収まるとは思えなかった。
「うーん、まぁ結構難があるけど、それで行こうか」
「私もこれが一番だと思ってます」
「じゃ、さっそく行動！」
咲と菜夢は同時に手を合わせ、「ごちそうさまでした」と言った。
「で、誰に声を掛けようか」
「まずは．．．」
何かを言いかけた菜夢が急に足を止めた。
「あ．．．」
二人の目の前にいたのは、
鎌奈裏夢と鎌奈九六であった。
- Re: 【オリキャラ募集中！】鎌奈家の一族【是非見てね！】 ( No.294 )
- 日時： 2013/06/06 22:12
- 名前： 純金リップ （ID: GMKAzVcQ）
「おー兄ちゃん！」
「ぐはあっ！」
それはありえないほどに突飛な、
妹からのタックルだった。
目の前から突進してきた真夢に押し倒され、
馬乗りされる形となった佳夢は、
今日一日は無視を決めようと思っていた兄妹に対し、
怒りのあまり声を挙げた。
「何すんだ！真夢！」
「あうー、メンゴメンゴ」
「いてえだろうが！頭ぶつけたぞ！」
「うっさいなぁ！」
何故か逆ギレをされ、佳夢は呆れて、
声も出なくなる。
「．．．なんだよ。なんか用か」
そう聞かれて真夢は大きく頷く。
「そうなんだよー。聞いてくんない？」
「聞いてほしかったらまずそこをどくんだな」
「えー？なんで？いいじゃんか」
「絵的にアウトなの！どけ、いいから」
仕方ないと言ったように、
真夢は佳夢の上からどいた。
立ち上がると佳夢は、まだ痛みの残る後頭部をさすった。
「あのさぁ、お兄ちゃん。率直に聞いていい？
お兄ちゃんさぁ、何がしたいの？」
「．．．は？」
意味が分からないというように首をかしげたが、
しかし真夢は佳夢の答えを待っていた。
「．．．どういう意味？」
「えっ」
自分が説明不足だったのに気付いて、
真夢は付け足すように言う。
「だから、この家のいろんな人に声を掛けて、
仲間にしようとして、でも菜夢ちゃんとかは無視して——。
ちょっと、何がやりたいのかわかんないんだよねー」
佳夢は伏し目がちにして、腕を組む。
「答えてよ。お兄ちゃん」
菜夢や咲を無視するのに、特にこれといった理由はないが、
敢えていうならば、いつもの事ではあるが、
彼女らを巻き込みたくないからであろう。
佳夢は、これから殺人を犯そうとしている。
もし独自のルートで犯人を見つけたのなら、
愛子を誘拐し、家族を襲ったその犯人を、
間違いなく殺しにかかるだろう。
例えそれが相手側の目的だとしても——。
- Re: 【オリキャラ募集中！】鎌奈家の一族【是非見てね！】 ( No.295 )
- 日時： 2013/06/06 22:40
- 名前： 純金リップ （ID: GMKAzVcQ）
「ま、お兄ちゃんの考えてることは、
どーせくだらない事だろうけどねぇ」
真夢はそう言って、そっぽを向く。
その言葉にカチンと来て、佳夢は言い返そうとした。
しかし、よくよく考えてみれば、
確かにくだらない事でもあった。
「あぁ、そういえば菜夢ちゃんたちだけど、
独自で犯人探しするみたいだよ」
「．．．そうか」
やはり、というのが佳夢の感想だった。
菜夢は絶対にこの件に首を突っ込んでくると思っていたし、
咲なんかは戦闘態勢も万全だった。
下手をすれば、裏夢と九六もアイツらの仲間になってるかもしれない。
と、佳夢が憶測を立てていると、
そっぽを向いていた真夢が、
再び佳夢の方に顔を向けた。
「きっと、お兄ちゃんに人殺しをしてほしくないんだろうね」
まぁ、確かに狙いは大方そんなところであろう。
「．．．でも、私はお兄ちゃんの味方だからね」
佳夢は苦笑しながら答えた。
「そりゃ俺に殺人を犯せっつってんのか？」
「違うけよ。人を殺してほしくないってのは、私も同じ。
でも、この仇はお兄ちゃんにとって欲しいし．．．」
自分でも言いたい事がまとまっていないのか、
真夢は唸りながら、次の言葉を模索しているようだった。
「えっと、とにかく——」
もう言いたいことなど関係なくなり、
真夢は佳夢に突進した。
しかし、先ほどの様に押し倒すためではなく、
佳夢の胴にしっかりと手を回し、抱き着くために。
「なっ、真夢！？」
「お願いだから。愛子さんを助けて」
「——わかってる」
「人殺しはナシ、だからね。今度ばかりは庇えない」
真夢は腕をパッと放し、半歩下がって、
佳夢を見上げるように言った。
「私、お兄ちゃんが大好きだから。もし、死刑なんかになったら、
私も、その後に自殺するからね．．．？」
嘘か本当か分からないことを、真夢は淡々という。
普通の人間なら寒気を感じるであろう台詞を、
佳夢ははにかんで受け流した。
「出来るもんならやってみろよ、真夢」
「そんな挑発的でいいわけー？」
「アホのお前が一人で自殺できるわけねーだろ」
「んなっ．．．」
真夢はその言葉に、悔しげな表情を浮かべ、
顔を真っ赤にして「馬鹿っ！」と言い放った。
- Re: 【オリキャラ募集中！】鎌奈家の一族【是非見てね！】 ( No.296 )
- 日時： 2013/06/25 22:07
- 名前： 純金リップ （ID: GMKAzVcQ）
- 参照： いつぶりの更新だろうか．．．
一方で裏夢と九六が目の前に現れ、
足を止めていた菜夢と咲は、
二人に事情を説明し、協力してもらう事にした。
四人となった後、再び半分に分かれた。
菜夢と九六、裏夢と咲といった具合に。
菜夢と九六チームはすぐに、
犯人を捜すにあたって、一番重要な相手を探していた。
少し急ぎ目になるのは、彼女が重要だからこそ、
早く接触しなければ、佳夢に先を越される可能性があるからだ。
といっても、彼女がどこにいるかなど全く分からず、
二人は、とりあえず彼女の部屋を目指していた。
その間、二人の会話はなかった。
互いに話したいとは思っているが、会話の苦手な九六は、
何を話していいか分からず、裏夢には九六を受け入れてると言われた菜夢も、
実はどう接していいのか分かってはいなかった。
佳夢と菜夢は似てる点が多々あるが、似てない点として、
菜夢の不器用さがあげられる。
彼女はそれほどに、器用ではないのだ。
屋敷の廊下を歩きながら、その奥に見えてきたドアを前にして、
菜夢はいったん立ち止まった。
「——菜夢？」
九六は心配して菜夢の顔を覗き込む。
息遣いが荒く、あまり顔色がいいとは言えないようだった。
「大丈夫よ九六姉さん。それより、早く行きましょう」
「う、うん」
九六は小さく頷き、少し歩き出したところで、
半歩戻り、菜夢に肩を貸した。
「．．．九六姉さん」
「やっぱり、心配．．．。迷惑かな？」
「いえ．．．。そんなことないわ。ありがとう」
そう言って菜夢は微かにほほ笑んだ。
部屋の前に立ち、菜夢がその扉をノックする。
「どうぞ」
と中から落ち着いた声が聞こえてきたので、
菜夢は遠慮なく扉を開ける。
最新型のノートパソコンと向かい合いながら、
興味深そうにその画面と向かい合う彼女に、
菜夢は呼びかけた。
「クロさん。知りたい事があるのだけれど」
そう言われると、彼女はこちらの方を向いた。
「菜夢ちゃん、ね。いいわ。どんな情報が望み？」
月闇クロ
十八歳。女。いとこ。学生＆情報屋。乙女座のAB型。
情報網の広さ、東京ドーム約十個分。情報ファイルの数、七百冊に及ぶ。
一族きっての情報通
- Re: 【オリキャラ募集中！】鎌奈家の一族【是非見てね！】 ( No.297 )
- 日時： 2013/06/27 21:05
- 名前： 純金リップ （ID: GMKAzVcQ）
「私がお願いしたいのは——」
菜夢は一旦そこで言葉を切る。
他の二人が不審に思って菜夢を見ると、
菜夢は苦しそうな表情をしている。
頬は紅潮し、汗がだらだらと流れていて、
どこからどうみても通常のコンディションではなさそうだった。
「な、菜夢」
「だ、大丈夫よ。九六姉さん．．．。それで、クロさん。
私が、お願いしたいのは．．．」
菜夢はもはや喋るのも困難な状況で、
それでも事の詳細を話しきった。
事情を把握すると、クロは頷いた。
「なるほどね。愛子ちゃんが拉致られた場所を突き止めればいいのね」
「えぇ。本当は、こんな探偵ごっこには付き合わせたくないのだけれど——」
「大丈夫よ。別に」
そう言ってクロはほほ笑む。
菜夢の隣にいた九六は、そのクロの表情に羨ましさすら感じた。
書き方こそ違えど同じ〝くろ〟という名前を持つ者として、
どことなく彼女に親近感がわいていた九六は、
それでも、自分よりもっと表情豊かなクロを見て、
自分はそんな風にはなれないと、少し落ち込んでしまったのだ。
「それより、菜夢ちゃん」
クロは再びパソコンに向き直りながら、菜夢に話しかける。
「あなた、結構きつそうだけど、大丈夫？」
菜夢は、九六の肩に掴まったまま頷く。
しかし、その勢いで、前方に倒れそうになり、
それを九六が支える。
「菜夢っ！」
「大丈夫。落ち着いて」
九六とは反対に冷静に言うクロ。
クロはすぐに菜夢の方に近づき、菜夢の額を触る。
「うん、風邪ね。普通の風邪だわ」
クロは立ち上がり、部屋の戸を開けてから九六にいう。
「風邪薬取ってくるから待っててね」
「は、はい」
九六は言われた通り、菜夢を見守りながら、
クロが戻ってくるのを待った。
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