複雑・ファジー小説
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- やさぐれ白魔導！【おしらせ】
- 日時： 2018/01/17 00:04
- 名前： 日向 ◆Xzsivf2Miw （ID: Ueli3f5k）
- 参照： 基本、毎週末更新。
重要なおしらせ>>73
修正作業中につき。
＊これまでのあらすじ＊
何の因縁やら、治癒を司る魔導士の力を持っている純。
彼は【白魔導士】でありながらにヘビースモーカー、ギャンブル中毒、ちょっと前までは風俗通いという、とんでもないやさぐれ魔導士だった——。
純は六人の仲間と共に人の臓物を食い、生き長らえる【魔獣】を討伐する。
当然、それは危険なもので何人もの魔導士が殺されてきた。
しかし、それは彼らのただ一つの生きる道だった。
組織本部から日本へと帰ってきた【愛の巣】の面々。
そんな中、優乃に恋のトラブルが訪れる……!?
＊＊＊＊＊＊
初めましての方もまたお前かよの方も、どうも日向と申します。
〜目次〜
プロローグ >>1
〜第１章〜
第1話 >>2「やさぐれ白魔導士と時魔導士」【修正済】
第2話 >>3「愛の巣」【済】
第3話 >>6「予兆」【済】
第4話 >>7「侵入」【済】
第5話
第6話
第7話
第7話
第8話
第9話
第10話
第11話
第12話
第13話
第14話
第15話
主な登場人物>>12【済】
参照1000記念(？)特別番外編「大掃除」>>66
＊お客様
・風猫様
・ゆぅ様
・朔良様
・通りすがりの俺様
・駿河射水様
・猫又様
・SHAKUSYA様
・銀竹様
＊
訪問・閲覧下さった皆様に心より感謝致します ｂｙ日向
- Re: やさぐれ白魔導！【４—１更新】 ( No.13 )
- 日時： 2013/03/01 22:51
- 名前： 日向 ◆Xzsivf2Miw （ID: 13edWJH2）
- 参照： うさぎってかわいいよね。
【第４話 ４—１ 「ルナティック・ナイト」】
物音一つしない住宅地。
一応、都市部ではあるために星は一つも見えない。
最近導入された青い電灯がアスファルトを照らす。
青い街灯なぞ不気味なことこの上ない。
そんな夜の住宅地で出歩く者はいない。
「昼間はあんな事言ったけどなー」
否、居た。
この男、やはり純であった。
優乃からの忠告を受けておいて、人通りの少ない夜の住宅地を歩いている。
「夜に出歩くなっつー事言われても、新刊、買いに行けねえっつーの」
この男の脳内には煩悩しかないらしい。
春先の冷風が頬をなぜる。
白衣の裾も揺れた。
「春だってのにまだ寒いしよー。温帯気候とか絶対嘘だろ」
そして独り言が多い。
これでは不審者に間違われて職質されても文句は言えないだろう。
事実、過去に何度か職務質問を受けたらしい。
「——あ?」
純は不可思議なものを見た。
一つ、二つ、三つ目の電灯の上にこちらを伺う何かがいる。
電柱の修理の為にオジサン達が足場にする長く突き出たボルトの最上部に。
目を凝らして見ると人の形だった。
それは小さく、ちょうど小学生ほどの身長だった。
純は、恐る恐る間合いを詰める。
近付くことでより多くの特徴が掴めた。
まず、頭髪が長く、それは尻ほどまであった。
髪の色は闇夜にとけてしまい分からない。
次に特徴的だったのは肌だった。
日本人とは到底伺えない白い肌。青い光に照らされて、更に白さが際だっている。
顔立ちは西洋人形のようで長い睫毛（まつげ）と青い瞳が印象的だ。
その人型はマントを着用しており、いわゆるとんがり帽子を目深に被っている。
簡潔にまとめるならば、魔女の姿形をしていた。
普通ではないそれに純は声を掛けた。
「何やってんだ? つか、そんなとこどーやって上ったんだ」
返事はない。
ただこちらを見下ろすだけである。
「日本語、分かんねーの? パッと見、お前白人だろ?」
やはり返事はない。
青い瞳だけが異様に光っている。
「おーい。親が心配してるんじゃねーの??」
返事はない、と思われたがそれは唇をわずかに開いた。
「普通に上ったわ。日本語も分かる、人種も正解。でも親は居ないの」
それは流暢な日本語で、今までの質問に回答した。
小柄な体型にはとても似合わない、妙齢の女を思わせる口調。しかしその声は無垢な少女のものという不釣り合いでどこか滑稽だった。
そして絹糸のようにか細い声で、聞き取るのがやっとの声量。
純は訝しがりつつ名前を尋ねる。
「名前は「————」
尋ねようとしたが遮られた。
先ほどの声量より更に小さく、か細かった。
「悪ィ、聞こえねー。もっかい言ってくれ」
「えぇ、分かったわ」
しばらくの間が開いた。
少女が唇から言葉を紡ぐ。
「これから死んでしまう貴方に教えても……意味のない事でしょう」
今度ははっきりと聞こえた。
【第４話 ４—１ 「ルナティック・ナイト」】
- Re: やさぐれ白魔導！【第４話 ４—２更新】 ( No.14 )
- 日時： 2014/07/06 12:56
- 名前： 日向 ◆Xzsivf2Miw （ID: mkQTRQtj）
- 参照： 前に記事がタヒんだ時、発狂するかと思った。
【４—２】
妙に煙たく、焦げ臭い住宅地。肉の焼ける匂いだろうか。辺りには薄紫の煙が満つ。
煙が晴れると一人の男があらわれた。
息は荒く、膝をつき体に至るところから血を流している。
どう見ても普通の状態ではない。
「——これはもしかするとやべーな」
それを冷たい瞳で見おろす者が居る。
少女の姿形をしている。
「貴方って意外に【もっている】方よ」
少女は手から青い炎を作り出した。
青い炎は生き物のようにゆらゆらと蠢き、周りの酸素を餌にして何倍にも膨れた。
陽炎で炎越しの少女の顔が歪む。
「でもこれで最後」
＊＊＊＊＊＊
〜愛の巣・リビングにて〜
夕食後は皆がリビングに集う貴重な時間である。
各々自分のしたいようにしてくつろいでいる。
「純さん、遅いですね」
優乃がテレビリモコンをポチポチ操作しながら、それとなく問う。
見頃のものがなかったようで、口をへの字に曲げ衛星放送のリモコンを探す。
反応したのは大輝だった。
大輝は一人掛けのソファで足を組み、食後の緑茶を啜りながら言った。
「どうせ立ち読みでもしてるんじゃないか？」
「それにしても遅いです。昼間はあれだけ言ったんですけど」
優乃は溜息をつき、テレビを衛星放送に切り替えた。
台所にて人数分の皿洗いをしている真衣が言う。
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」
「いや、心配って言うか……」
「いつもはその……えっとあれですけど。魔獣の討伐する時の純さんは強いから、きっとあと少しで帰ってきますよ」
真衣は優乃に笑いかける。
優乃は腑に落ちない様子だったがしばらくするとテレビのザッピング作業に戻った。
亜花莉はクッションを二つ折りにして床に寝転がりスマホをいじっていたが、何かを思い出したように優乃に言った。
「あ、優ー！ 今日、録画する番組あんだよね。４チャンにしてくんない？」
「別に良いけど。何の番組？」
「あれだって。あの新曲とかやるやつ」
花莉は録画などができない人種らしく、だいたい優乃任せである。
パソコンにて動画視聴中だった陽太が声を掛ける。
ちなみに動画はいたって無害な白い子猫のかわいらしい動画だった。
陽太は動画を一旦停止させ、亜花莉のもとへ向かった。
「新曲の発表って今日だったかしら？」
「そーだよ。陽も好きだったっけ」
「うーん、普通かな」
現在、純が危機にさらされていることなど露知らず。
愛の巣の面子は思い思いの時間を過ごしている。
しかし優乃だけは妙な胸騒ぎが残り、純の身に何か起こっていると思わずには居られなかった。
＊＊＊＊＊＊
〜住宅地にて〜
「よくもつものね。尊敬に値するわ」
「一応、白魔導士やってるから、な……！」
純は先ほどの状態より更に怪我を負っていた。
白衣は焼け焦げ、腕に重度の火傷を負っている。
純は少女の手が止まったところで傷の修復に取りかかった。
まず体中の血液から血小板を集め、傷口に集中させる。
それと並行に血管らを一時的に収縮させ血を止め、体内の貪食細胞の働きを最大限に高める。
「文言の詠唱無しではこの程度ね……」
血は止まった。
次に皮膚を再生するべく、肉芽組織やコラーゲンを集める。
「詠唱魔法を使うのは貴方で初めてよ」
なんとか真皮が固まった。
最後に表皮の完成を試みる。
【黒を司どりし邪神よ、我に力を与えんことを——】
しかし、間に合いそうに無い。
死を覚悟した純は、傷を修復する手を止めた。
【怨炎噴火 「スワラニ」】
少女の手から、無詠唱魔法とは桁違いの量の炎が躍り出る。
さながらそれは龍のようだった。
青い炎の龍は純に向かって牙を剥いた——。
＊＊＊＊＊＊
しかし炎の龍は純には当たらなかった。
何故なら、純の鼻先から空間がねじ曲がっていたからだ。
見覚えがあった。これは、優乃の時間交渉魔法だ。
「純さん!!」
「おー、優乃遅えぞ」
優乃は純の怪我を見るなり怪訝な顔をした。
「どうしたんですか!? この怪我！」
「いや、どうもこうもねえよ! こいつが……あれ？」
辺りを見回してももう誰もいなかった。
もとの閑静な住宅街である。
煙どころか、煙や血の匂いさえしない。
「畜生逃げやがったか。お前も見ただろあの炎！」
「はい。かなりの威力でした、普通じゃないです。——でもそんな事より」
「【そんな事より】って。お前……」
「傷の手当てもあります。帰りましょう。話はそれからです」
どうやら愛の巣の方でもでも何か起きたらしい。一息つく暇はない。
純は優乃に支えられながら家路を辿った。
＊＊＊＊＊＊
少女は逃げてなどいなかった。
現場からすぐ近くの家の屋根にて事の次第を見守っていた。
少女は溜息と共に呟いた。
「想定外の事態ね、まずい事になったわ……」
【４—２ 完】
- Re: やさぐれ白魔導！【第５話 ５—１更新】 ( No.15 )
- 日時： 2013/03/01 23:22
- 名前： 日向 ◆Xzsivf2Miw （ID: 13edWJH2）
- 参照： ここから、やさぐれ白魔導の本編始まります。（ある意味本当）
【第５話 ５—１ 「七界衆」】
〜太平洋・とある孤島にて〜
「あー、まじ酔うわー……。だから船は嫌いなんだよ……」
「しゃがみ込まないで下さい。後ろが待ってるんですから」
「チッ、わっーてるよ」
全てを照らす太陽、雲一つ無い晴れ空。
海底に茂るサンゴの森。
無限に広がっているかのように広がる青い海。
日光に照らされ光る白い砂浜。
ここは太平洋に浮かぶ孤島である。
そして、船酔いをして青白い顔をしているこの男、純である。
船酔い状態の純を容赦なく斬り捨てるこの童顔男、優乃である。
後ろで純が歩き出すのを苛立たしげに待っている面子もまた、愛の巣のメンバーである。
何故彼らがこのような場所に居るのか、それにはこんな理由があった。
＊＊＊＊＊＊
〜いつかの夜・愛の巣にて〜
それは純が謎の少女から襲撃を受けた夜だった。
純は優乃に支えられながら帰宅した。
てっきり成人雑誌の立ち読みで遅れたと思っていた大輝はとても驚いた。
「おい、どうしたんだその傷!?」
「話せば長えような短けーような、んな感じだよ」
「いや全然分からないんだが……」
純はいつもは亜花莉所定の位置であるソファに寝かせられた。
亜花莉は至極嫌そうな顔をしたが、純の様子を見ると台所の真衣のもとへ向かった。
「純ちゃん。お水でも飲む?」
「おう悪いな」
陽太は水をコップに汲んで純に差し出した。
純はそれを半分ほど飲むと、掌にかけた。
水は床に滴る。
「手を消毒するならアルコールの方が良かったかしら?」
「いや、アルコールは駄目だ。細胞も死ぬ」
そう言い、水で洗った手を傷口に密着させる。
顔が痛みに歪んだ、しかし慣れているのか表情の変化があったのは一瞬だった。
そして深呼吸し、文言の詠唱を始める。
【白の神の使いよ、我に力を与えんことを——】
【白浄神癒 「ロード」】
その横では優乃がノートパソコンを起動させ、キーボードを打鍵したりマウスを動かしている。
しばらく作業をしているとデスクトップパソコンの電源を切った。
どうやら終わったらしい。
「純さん、動けますか?」
「動けねーからこうしてるんじゃねーか」
「そう言うと思いました」
優乃はノートパソコンを純の方に寄せて、画面が見えるようにした。
その内容を確認した純は、息を吐き瞳を閉じた。
「……最近は組織からの通達が多いのな」
「次は新【七界衆】と世界中の魔導士の顔合わせだそうです」
「チッ、一週間後か。急に言ってくれやがるな」
純は苦い顔をして舌打ちをした。
次いで大輝が口を開いた。
腕組みをして複雑な表情をしている。
「行くのか??」
純は打って変わってあっけらかんとして言った。
「七界衆なんて見られるの生きてる間で最後かもしれねーよ。俺は行く」
「何言ってる。一週間後といったら平日だ。二日三日で戻れるかどうかも怪しい。俺たちはまだしも学生は大変だぞ」
次は優乃をはじめ学生らが口を開いた。
「僕は大丈夫です。近くの中学校で季節の変わり目の風邪が流行っているので」
「あたしも特には。学校では優乃ちゃんとルームシェアしてるで通ってるから風邪が移ったって言えば問題ないわ」
「うちはよくサボるから別に大丈夫かな」
「私も休めないことはないです」
皆の言葉を聞いて大輝は溜息をついた。
「分かった。交通費の半分は組織が出してくれるらしいし。みんなで行こう」
＊＊＊＊＊＊
島の周りは珊瑚礁が島を囲むように育っており、船では完全に着港出来ないのである。
しかし、ここは世界中の魔導士が集う組織の本部。
不備はない。
「マジで歩くのか……騙されてないよな?」
「良いから早く行って下さい」
この青く透き通った水の上を歩くのだ。
水が橋であり、橋が水である。
「うおっ」
水面に足を乗せ、体重をかける。
しかし沈むことはない。
大輝曰く、仕組みはやはり魔法を使っているらしい。
高度な水魔導の力で水を氷に変化させずに固形化しているという。
「うわっ、すげー! 俺ら魚の上歩いてんぞ!」
「いいから早くして下さい!」
まだまだ組織中枢への道のりは遠そうである。
【第５話 ５—１ 「七界衆」】
- Re: やさぐれ白魔導！【第５話 ５—１更新】 ( No.16 )
- 日時： 2013/03/02 12:09
- 名前： 日向 ◆Xzsivf2Miw （ID: 13edWJH2）
- 参照： 寒い。本当寒い。（現在の装い、半袖半ズボン）
【５—２】
ようやく島に上陸した愛の巣ご一行。
「ハァ。マジ疲れたわー」
「僕もあなたのせいで体力を使い果たしました」
優乃が暗い瞳で純を一瞥する。
それを大輝が制した。
「まぁ、それくらいにして——と。そういえばお前達は組織本部に
来るのは初めてだったな」
「そうね。っていうかこんな所にある事だって知らなかったわ」
陽太がお馴染みのオネエチックな仕草付きで答える。
大輝はそうか、と首肯して言った。
「おい純。ボサッと突っ立ってないで行くぞ」
「へいへい」
「行く、って? また船か何かで移動するの??」
「いや、組織は【この下にある】んだ」
大輝は熱帯林の生い茂る島の奥へと入っていった。
一同も訝しながらも大輝の後へ続く。
少し奥へと進むと、大きめのマンホールの様な蓋のされた穴とそれを守るように男が二人立っている。
端から見ると異様な光景だった。
しかし大輝は臆することなく男達に近づき耳打ちをした。
「——あれ、なにやってるんですか……」
「あー、あれな。魔法使うときの詠唱文言を耳打ちしてんだよ。そいつが本当に魔導士か、何の魔法を使うのかを調べるんだとよ」
「それってやらなきゃいけないんですか……」
「姿形はあんなんだけどな。取って食われはしねーよ。安心しろ」
純はそう言い残し自らも男達のもとへ向かった。
そして耳打ち。
男達の首肯。
その一連の流れには、何か際どいものがあると感じてやまなかった優乃であった。
＊＊＊＊＊＊
一つの関門を終えて暗い穴の中を進む一同。
大人ほどの背丈では屈んで進まなければならないので、亜花莉は度々愚痴をこぼす。
「もー。腰痛いしぃー。やだー帰りたいー」
「それは分かるかな」
「だよね〜。マイマイも一緒に帰ろ〜」
「何言ってんだ。あと少しだから我慢しろ」
純の言った通り、奥に進むにつれ段々と洞窟が広くなってきた。
立って歩ける程になると電灯が見られたりした。
突然、歩みが止まった。
急に止まれなかったのか真衣は亜花莉の背に鼻をぶつけた。
「ようやく着いたみたいだね」
大輝の視線の先には入り口と同じ形をした蓋が現れた。
「手を貸してくれ。意外と重いんだ」
「はいはい」「分かりました」「分かったわ」
優乃と陽太は蓋の出っ張りに手を掛け、純と大輝は蓋全体に体重をかける。
「「「「せーのっ——」」」」
蓋が少しずつ外の方向へ開く。
外と蓋の間から光が漏れる。
「いくぞ……１，２，３!!」
鈍い音を立てて蓋が完全に開いた。
【５—２】
- Re: やさぐれ白魔導！【第５話 ５—２とちほ】 ( No.17 )
- 日時： 2013/01/16 23:16
- 名前： ゆぅ （ID: hAtlip/J）
こんばんゎ*。
先程(?)ゎコメントありがとうございました＃
そしてそして、お話まだ途中ですが詠ませて頂きました。
私はファンタジー漫画などは大好きですが自分で考えられる才能がないので、こ-ゆ-の書けるの尊敬します＃
暇な時ゎまた遊びに来てください*。
また来させて頂きます＃
更新!!!!頑張って下さい+。
でゎでゎ、失礼致します。
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