複雑・ファジー小説
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- オオカミと嘘吐き姫【参照100突破!感謝です】
- 日時: 2013/04/02 18:05
- 名前: 飛雨 ◆xEZFdUOczc (ID: OMznPSTJ)
嘘を吐いたのはあなたですか?
これはいけませんね。あなたは“悪い子”だ。
確か前にもこんな人が食べられていましたね。
え? 誰にかって? 俺にですよ、オオカミに。
嘘吐きは、俺が食べてしまいますよ。
*
ご挨拶>>1
序章>>2
第一章>>5->>8 >>11->>13 >>16-
- Re: オオカミと嘘吐き姫 ( No.9 )
- 日時: 2013/03/31 14:33
- 名前: 憂紗 (ID: enDlMgfn)
私も「ミリアちゃん可哀想…」って思ったのですが…
嘘だったのですね!
見事に騙されましたw
私も今度の小説で嘘吐きキャラ使おうと考えていますw
次回も楽しみにしてます*
更新頑張ってください。
- Re: オオカミと嘘吐き姫 ( No.10 )
- 日時: 2013/03/31 17:30
- 名前: 晴 (ID: 2nrfRM.C)
やっほー!(^_^*)
やっぱり飛雨の書く小説面白い♪♪
続きが気になる
ぁーんど
独特の世界観に引き込まれる((((;゜Д゜)))))))
早くおおかみさんでて来ないかな←
お互い更新頑張ろう!!
ふぁいとっ(o^^o)
- Re: オオカミと嘘吐き姫 ( No.11 )
- 日時: 2013/03/31 22:28
- 名前: 飛雨 ◆xEZFdUOczc (ID: OMznPSTJ)
>>9 憂紗様
二重に騙されてますよ!w
「お母さんが亡くなった」というのが嘘ではなく、
「お母さんがちゃんといる」というのが嘘です(*´▽‘*)
そういう騙されたじゃなかったらすみません;
嘘吐きキャラはいいですよー(*´▽‘*)
どれを嘘にするかでかなり意味合いも変わってきますし!
憂紗様小説書かれるんですか?
執筆中のあればぜひ教えてください、読んでみたいです!
ありがとうございます!頑張りますね!
>>10 晴様
やっほー(*´▽‘*)
独特の世界観に引き込まれるだなんてこれ以上ない褒め言葉ですよ!///
オオカミさんはもう少し待ってくださいw
うん、晴も頑張ってね(*´▽‘*)
頑張ります!
- Re: オオカミと嘘吐き姫 ( No.12 )
- 日時: 2013/03/31 23:38
- 名前: 飛雨 ◆xEZFdUOczc (ID: OMznPSTJ)
「怖かったわね」
「ええ、本当に。どうして王国はオオカミの侵入なんて許したのかしら」
家に帰る途中聞こえた婦人同士の会話。
ミリアの耳はオオカミという単語をしっかり捉えた。
「王様は無駄な殺生を好まれないから森に帰したけど……」
「やっぱり怖いわよねえ。子供に何かあったら大変だわ」
オオカミ。ミリアはぞくっとした。言い伝えを思い出してしまったのだ。
嘘吐きはオオカミに食べられる—。
「まさか、ね……」
額に冷や汗を浮かべながら呟いた。無意識に足が速まる。
動機も少しずつ早まりつつあった。
馬鹿らしい。
自分でもそう思うのに。頭の中で否定しつつも恐怖心は収まらない。
度々周囲を確認しながら、帰路を辿った。
「オオカミ、ね……」
自室のベッドの上、ミリアは呟いた。
先程から言い伝えが頭から離れない。
否定しながらも言い伝えがずっと渦巻く。
でも実際全く嘘を吐かない人間なんていないんじゃないのか。
そんな小さな嘘を吐く度にオオカミが食べに行ってたら忙しいじゃない。
それに都市伝説か事件として警察も動かなければいけないじゃない。
ね? ほら、嘘だよ。言い伝えだなんて。きっと嘘を吐かせない為に作った話。
そう、きっとそうだわ。本当な訳無いじゃない。
考えてもきりが無い。少し寝るとしようかな。
ゆっくりとミリアは目を閉じた。
「あれ」
名も無き場所にて。一人の少年は呟いた。
別に誰かに宛てた訳でも無く、ただ漏れた言葉。
頭に生えた大きな茶色の耳を軽くぴくぴくと動かすと、嬉しそうに微笑んだ。
微笑んだ、と言うよりは妖艶な笑みを浮かべた、の表現の方が正しいのかもしれない。
「丁度、お腹が空いていた所なんですよ」
耳と同じく茶色の長い尻尾を揺らめかせ、少年は立ち上がった。
蒼の瞳が映すのはそう、とある国のとある都市。
- Re: オオカミと嘘吐き姫 ( No.13 )
- 日時: 2013/03/31 23:39
- 名前: 飛雨 ◆xEZFdUOczc (ID: OMznPSTJ)
「おや、お目覚めですか」
視界がぼやける。
声と共に視界に飛び込んできた一人の少年。
ミリアが横になっているベッドに座り、ミリアを見て微笑んでいる。
形の良い唇から覗く鋭い2本の牙。
「だ、誰!」
何秒か彼を黙って見つめていたミリアだが、我に返ったかの様に飛び起き、声を荒げる。
目覚めたら自室に見知らぬ少年。それだけでも驚く事なのに。
加えてその少年はまるで人間ではないような姿をしているのだ。
茶色の耳に、同じく茶色の尻尾。
カーテンから洩れる光に照らされ、光の粒子が流れるブロンドヘアー。
大きな蒼い瞳の奥に隠された闇。
白地に青のラインが入ったコートを身に纏っている彼は、まるでオオカミが擬人化された様な容姿をしていた。
そう、まるでオオカミの様な—。
「俺ですか? オオカミですよ、オオカミ」
ふふっ、と悪戯っぽく笑うオオカミと名乗る彼。
そんな彼の言葉を聞いて少しばかり放心するミリア。
上手く頭が回らない様だ。
オオカミ? それは名前か? 耳に尻尾。それは種を指してのオオカミか?
「それって……、どういう……」
言葉を詰まらせるミリア。
そんなミリアの心情を見透かしたように彼は微笑む。
「だからオオカミですってば。ほら、アナタも聞いたことあるでしょう?
言い伝えで姫を食べたオオカミ」
ミリアは驚きを隠せなかった。
言い伝えのオオカミを名乗る少年が目の前にいるのだ。
本当か否か。確かめる術すらも、今のミリアには浮かばなかった。
ただただ、彼の蒼い瞳を見つめるばかりだ。
「驚いていますか? まぁ、そうですよね。
言い伝えは本当だった。そして自分はオオカミに食べられてしまう。
嘘を吐いたのだから仕方がないことですけどね」
そっと、彼の細い指がミリアの顎に添えられる。
抵抗することもせず、抜け殻のような彼女は言葉も発さない。
光の反射によってか、彼の牙が妖しく光る。
「嘘吐きなあなたを食べに来ました」
そして、妖艶な笑みを浮かべた。