複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- オオカミと嘘吐き姫【参照100突破!感謝です】
- 日時: 2013/04/02 18:05
- 名前: 飛雨 ◆xEZFdUOczc (ID: OMznPSTJ)
嘘を吐いたのはあなたですか?
これはいけませんね。あなたは“悪い子”だ。
確か前にもこんな人が食べられていましたね。
え? 誰にかって? 俺にですよ、オオカミに。
嘘吐きは、俺が食べてしまいますよ。
*
ご挨拶>>1
序章>>2
第一章>>5->>8 >>11->>13 >>16-
- Re: オオカミと嘘吐き姫 ( No.1 )
- 日時: 2013/03/30 17:52
- 名前: 飛雨 ◆xEZFdUOczc (ID: OMznPSTJ)
こんにちは、初めまして。
飛雨と申します。
この作品は、昔こちらで「ぬこ」という名義で書いていた未完の小説を大幅改変したものです。
第一章も書き終わっていないくらい短かったので書き直しも可能だったかもしれませんが、あまりにも変更点が多いので
前のスレッドはロックし、新しいスレッドを建てさせていただきました。
更新頻度については、出来るだけ一日一回を目標にしたいと思っております。
更新が出来なくなるときは>>1でお知らせします。
拙い文章ですが、暇潰し程度に読んでくださると嬉しいです。
- Re: オオカミと嘘吐き姫 ( No.2 )
- 日時: 2013/03/30 18:07
- 名前: 飛雨 ◆xEZFdUOczc (ID: OMznPSTJ)
序章
イリアス王国の大半の国民は嘘を吐かない。
それはこんな言い伝えがイリアス全土に広まっているからだ。
昔々、王国を治めるお姫様がいました。
お姫様はとても美しく、花や動物が大好きな可憐な子でした。
けれど、お姫様は嘘吐きでした。
普段から小さな嘘ばかり吐いて、人を騙すのが好きでした。
それから何年かの月日が流れ、お姫様は亡き両親に代わり王国を治めることになりました。
お姫様は嘘を吐くのをやめました。国民の信頼を早急に得たかったのです。
そんなある日、国の経済が破綻し、王国は貧しくなってしまいました。
毎日、国民が飢えに嘆く声が聞こえます。
お姫様はそんな声を受け止め、何とか国民を落ち着かせようと必死でした。
そうして、お姫様は嘘を吐きました。
「今は苦しいけれど、次の春までは必ず元に戻ります。安心してください」
国民の前でそう言いました。
国民は、お姫様を信じることにしました。
両親を亡くしたばかりで、必死にその地位に立っているお姫様に文句を言うのは、あまりにも酷だと思ったからです。
もちろん、次の春までに国の経済を立て直す事など無理に決まっています。
お姫様もそれはわかっていました。
そんな嘘を吐いたって何も事態は変わらないのです。
嘘を吐いた日は、綺麗な満月が出ていました。
お姫様はあまりにも大きな月に少し恐怖を覚え、早々と自室へ戻ろうとしました。
自室への廊下を歩くお姫様。
それが大臣の見た最後の姿だったのです。
お姫様は大きなオオカミに連れられ、王宮から姿を消しました。
大臣は王国直属の騎士団を使い、お姫様を一晩中探しましたが、結局見つかりませんでした。
翌日、王宮にはこんな手紙が届いていました。
「ご馳走様」
丁寧とは言い難い、乱暴な字で書かれた手紙には一口齧った痕のある黒いりんごが添えられていたと言います。
国民は思いました。
「あぁ、きっとお姫様は嘘を吐いてしまったからオオカミに食べられてしまったのだ」と。
そして同時に二度と嘘を吐かなくなりました。
たかが言い伝え。
そう思うかもしれないが、王国の周りにはオオカミの住まう森がいくつか点在する。
それがまた国民の恐怖を煽るのだ。
しかし、嘘を吐かない人間が全くいないという訳ではない。
イリアス王国王都ルリエルム。
そこに住む一人の少女は、大きな嘘と小さな嘘、その両方を吐いていた。
- Re: オオカミと嘘吐き姫 ( No.3 )
- 日時: 2013/03/30 18:33
- 名前: 憂紗 (ID: gmbFTpMK)
初めまして、憂紗(華世)と申します。
こういうの、読みたかったんです…!
私の好みにぴったりです*
更新頑張ってください。