複雑・ファジー小説
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- 悪の刃
- 日時: 2013/08/12 19:22
- 名前: 黒金 (ID: rMENFEPd)
どうも、投稿者の「黒金-クロガネ-」という者です
このスレを開いていただき誠にありがとうございます、投稿者は学生身分なので投稿ペースがかなりバラ付きます、テストや新作ゲームに目移りしてしまい投稿が遅れる事が多々あるかと思いますが見ていただければ嬉しい限りです
また、本作品にて感想や意見をいただけるととても嬉しいです、ただ、指摘等は柔らかく言って頂けると助かります、作者は豆腐メンタルなので結構ずしりときてしまいますので.....
話の内容について
この話では以下の点が含まれます
・也チャ民独特のロール
・少々のご都合主義
・少々のシリアス展開
・ファンタジー成分
いずれかに禁断症状が出たり心臓発作を催す場合はブラウザバックを推奨します、きっとあなたの近くには黒いノートを持ったお月様がいらっしゃるかと思いますのでついでに警察に申し出ておくと良いでしょう。
では、黒金の送る一つの物語を見ていってください
これにて、本文を終わります。
投稿が増えて着ましたので↓に閲覧表を追加しておきました、書いてから二日以内で最後に投稿した物にはNEWの表示をしておきますので参考にしてください。
>>1 少年の始まり.1
>>2 少年の始まり.2
>>3 少年の始まり.end
>>4 遠くない未来.1
>>5 遠くない未来.2
>>6 遠くない未来.3
>>7 遠くない未来.end
>>8 遠のいた未来.1
>>9 遠のいた未来.2
>>10 遠のいた未来.3
>>11 追憶の日々.1
>>12 追憶の日々.2 NEW
永らく投稿期間が開いてしまい申し訳ありません。
リアルの都合でこれからも遅くなってしまうかと思いますが、思い出し時にでも見に来て頂ければ幸いです。
- 第1章:少年の始まり ( No.1 )
- 日時: 2013/07/04 08:41
- 名前: 黒金 (ID: rMENFEPd)
蝉の鳴き声が響く晴天の空の下、森の中を歩く一人の少年がいた
茶色の髪を肩まで伸ばしており手入れはしていないのか随分と雑な伸び方で所々におかしな癖毛があった、そんな少年が一つ口に出した言葉は
「薪拾うのにわざわざ此処までこさせる必要ってあるのかよ....」
という愚痴である、彼の住む国では城下町以外の場所はまともに整地もされておらず険しい環境の中で小さな集落が何万何千とあるとても平等とは呼べない絶対王政の国であった、まともな生活資源は田畑を耕し家畜を飼う事しかできず税金の滞納をしている真っ最中、丁度良い働き手とされている者からすればあまり面白い話でないことは当然であろうか
「にしても....熱いっての....確かここら辺に川があったっけか....」
そう愚痴を零し続けてなおも歩き続ける、拾った薪は何十キロ分もあるのだが、そんな事は慣れている、毎日している事なのだからそれも当然であるが、そんなことよりもこの熱にはどうも慣れていないらしく愚痴を零し続けるのであった、そうして少年は水音のする方向へと歩いていった、木の葉を踏む音が少し湿りだし、川が近い事を己へと教えてくれる。
「あー....水....ん...?」
少年は目の前に浮かぶ風景をもう一度見る、其処にはボロボロになったローブをまとった少女が水を飲んでいたのだ、集落同士は関所で遮られており集落の人間程度ならば全員覚えている、しかし、この少女は何者なのだ?見た事がない、関所で他所の者が来れないようなっている、ならば、この少女は何者なのだ?
しかし少年の脳裏には年頃として仕方の無い不安が反芻されていた、小さな頃から馴染みを持ってきた相手としか会話をした事のない少年からしては初対面、というのはとても緊張する場面であった、そのまま見なかった事にして帰ろうかと後ろ足を引くと、小さな枝を踏んでしまいパキ...と音を立ててしまうのだ、川のせせらぎしか聞えない森の中でその音は呼応するような錯覚を孕ませ少年の耳に響いた、まずい、と思うのが少し遅かったようだ、水を飲んでいた少女は此方を見てキョトン、とした表情を浮かべている、地面にすれている綺麗な黒髪を小さく揺らし小さな顔の中に宝石のような色彩を放つ赤と青の瞳をパチクリとさせ、チェリーのように艶やかな小さな唇をそっと開いた
「......」しかし、其処から言葉が発せられる事が無かった、相手はただパクパクと口を開閉し何かを言っている様子だったが少年には魚が地上に出た時のようにしか見えなかったのである、
「どうか、したのか?」
それを見て少しばかり緊張がほぐれたのか少年は小さく首を傾げで口をパクパクとさせる少女へと語りかけるのである、こちらの言葉を聞いた少女は一度口を閉ざし、指をこちらへと向けるのだ、そして再度口を開き
「君の運命を変えに着てあげた」
そう言ったのである、とたんに少年は鐘の鳴るよう頭痛を受け思わず其の場に膝を付いて頭を抑えた、何か知ってはいけないような事を知っている気がする、何か見てはいけない物を見たような気がする、家に帰りたい、帰りたい、帰らなきゃ、いけない
そこで少年の思考は潰え、視界は暗転し意識を落とすのだった。
- 第1章「少年の始まり.2」 ( No.2 )
- 日時: 2013/06/28 23:49
- 名前: 黒金 (ID: vLjWsTsT)
川のせせらぎが心地よい、真っ暗な世界の中でハッキリと聞える唯一の音は途方も無い安心感を与えてくれた、終わりの無い安堵がこのまま続けばいい、死ぬまで、こうしていたい、しかし、その願いはスグに自分で否定された。
「帰らなきゃ....」
「そうだよ、君は見る必要がある」
頭で考えた言葉と同時に何処かで聞いたような気がする女の声が耳に届く誰だろうか、母さんでも向いのおばさんでもない、でも、覚えがある、瞼を開けて写ったのは恐ろしく精密な人形のように精緻な細工を施した宝石のように、とても美しい少女だった、風が吹けば美しい黒髪が頬を撫でる、でも、分からない、この少女が誰なのか、寝起きで回らない思考で少女の顔をボーっと眺めるのだ、しかし
「君は、薪を持って帰らないといけない」
か細い、少し触れたら壊れてしまいそうな弱い声で少女はそう続けた、そうだ、俺は薪を持って帰らないといけないんだ、ふと上体を起こそうと辺りを見ると、どうやら今少女に膝枕をして貰っていたようだ、石で頭を痛めないように気を使ってくれたのだろう、言葉はすんなりと口から零れた
「誰か知らないけどありがとう、俺はもう行くよ、帰らないと、怒られちゃうから...」
なんだこの感覚は、まるで絵本でも読んでいる気分だ、自分の体が自然と目的に向かって進められていく、進まないといけない道へと押し出されていく、思考も繋がらないまま少年は立ち上がり少女を一瞥した、何も言おうとしない少女に小さく頭を下げては元着た道を歩いて行くのである、時刻の分からない程のハッキリとした闇、月明かりに照らされた足元をただただ眼で追って進みゆく、あと一山超えれば、集落が、家が見える、見える、見える....?
「......」
そして少年は足を止めた、此れ以上進んではいけない、自分の知らない何かが警笛を鳴らしている、父さんに叱られた時よりも、森で迷子になった時よりも、ハッキリとした恐怖が脳裏に刻まれている、進むべき道の先にある結末は果たして絵本のように楽しい物なのだろうか、もっと、恐ろしい何かじゃないのか、しかし、足は止まらない、恐怖がハッキリとすればする程心臓が暴れ、体へと酸素を供給する、気付けば少年は走っていた、そして、視界に捉えてしまったのだ、月夜の下に写る黒い煙と、熱い程の紅蓮の色を
「何で....だ.....?」
分からない、理解をしたくない、夢でも見ているのだ、きっと、そんなこと、あってはいけないんだ
「...燃えて....る?」
しかし無情にも思考は止ってはくれなかった、目の前に広がるは自らの集落、それも家という家に火が付き、黒い点がまばらに落ちている、足は止まらない、それがどういうことなのかを「俺は見る必要がある、薪を持って帰らないといけない」自然と少女の言葉が頭の中で響く、あの少女は知っていた?こうなる事を、知っていたのか?疑問は疑問のまま、そして、思考は横道に逸れようとも、視界から伝わる情報は少年の脳を蝕んでいく、少年は走り続けた。