複雑・ファジー小説
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- 気まぐれな君に、キス
- 日時: 2013/08/04 01:36
- 名前: 卯月 ◆Nls3uHn4/Y (ID: EcIJT88K)
『君、お菓子いる?』
「…、…え?」
——————公園であった傘をさす黒髪は
とても、気まぐれで自由でした。
———————————————————————————————
どうも、卯月といいます。
−注意−
・中傷荒しはなしです。
・コメントは大歓迎!!
・誤字脱字、変な文などのアドバイスも大歓迎。
よろしくおねがいします!!
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.4 )
- 日時: 2013/10/05 22:56
- 名前: aya ◆Nls3uHn4/Y (ID: pkkudMAq)
————————————……………
———————………
只今午前0時
いつものように、定位置になりつつある
ベンチに腰かけていた。
——と。
『あ、やっぱり』
いたいたと何かを確認するように繰り返し
現れたお菓子さん
やっぱりって。
「どうも」
とりあえず挨拶。
まぁ、礼儀正しい。
『うん、』
「……なんですか、気持ち悪い」
コクコクと頷き、笑うお菓子さんは
変、だ。
私の暴言も気にせず笑みを絶やさない
奴はきっと早く病院に言った方がいい。
さぁ、早く。
『え、なにしてるの?』
「…いや、病院に電話を、」
『あ、精神科希望ね』
「あ、はい。ってちょ」
自分から精神科とか言っときながら、
瞬時に動いた奴の長い腕は私のスマホを捉える。
なにする、黒ずくめ野郎。
「かえせ。黒ずくめ」
『やだ。』
そう言った奴は、顔一個分くらい違う
背丈をかがめ私の顔を覗く。
私は一瞬目を泳がせ、見つめかえした。
公園には、私と黒。
『…見つめ返すタイプか、君は』
「え、」
『いや、何でもない。はい』
ポイッとそっけなく投げ返された
可哀そうな私のスマホ。
おい、今すぐスマホに謝れ!!
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.5 )
- 日時: 2013/10/13 22:11
- 名前: aya ◆Nls3uHn4/Y (ID: pkkudMAq)
「…私のスマホ…。」
『ごめんね?』
小首を傾げた奴は半笑い。
なにが、ね?だ。
「キモイですね。」
『ひどいなー、奈琥ちゃん?』
「………っ……誰ですか。」
『誰って、……あぁ』
一気に眉間にしわを寄せた。
それでも、目の前の黒は表情を変えず
口に弧を描いている。
凄く、不愉快だ。
『奈琥ちゃーん、さ』
「……だれそれ」
さらに皺を寄せ、奴を睨む。
周りはさらに暗くなり、座っているベンチ
の上にある街灯がポツンと立っている。
鳴呼、本当に
『ねぇ、…「不愉快だ」
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.6 )
- 日時: 2013/10/15 23:24
- 名前: aya ◆Nls3uHn4/Y (ID: pkkudMAq)
無意識に発したその音は、
暗闇に溶け込み消えていく。
私はさらに皺を濃くし奴を睨んだ。
「うるさい。だまれ」
精一杯の悪意を込めた言葉。
それなのに今だにポーカーフェイスを
崩さない黒にまたいらつきが募る。
『……まったく、反抗期ですか』
奴はやれやれと言った感じでため息をつくと
腕を組み、ごそごそとズボンの
ポケットをあさり始めた。
『……あーあったあった』
「…なにが」
『はい』
そう言って渡されたのは、キラキラにデコられた
メッセージカード…らしき物。
とりあえずと受け取った私を満足気な顔で
見た奴はにやりと口に弧を描くと
くるっと出口へと体を向けた。
『いつでも来てね。待ってるよ。…非力な奈琥ちゃん』
「……っだから」
私の返答も聞かずにまたもや去って行った
奴はやはり全身黒で可笑しかった。
前と違うところと言えば、
「今日はお菓子もらえなかった…」
少しの不満を吐き出すようにため息をつき
再度あれを見てみた。
表と裏を見ておかしなところが無いかを確認
意外とちゃんとしたメッセージカードらしい。
それにしても
“いつでも来てね。待ってるよ”
さっきの奴の言葉がやけに耳に
まとわりついてくる。
———と。
「……ん」
小さく書かれた黒い文字
「…ミヤコワスレ?…」
あまり聞かない言葉。
私はしばし考えてみたが、分からず。
ほかにも地図のようなものや
待ってるねなんていうメッセージだったりと
やっぱり何か怪しい。
でも、今考えてもしょうがない。
一度私は保留とし、忘れることにした。
もうそろそろ12時30分をすぎる。
再度自分しかいなくなった公園で
無防備に足をばたつかせ、
時間の経過を待つことにした。
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.7 )
- 日時: 2013/11/03 11:37
- 名前: aya ◆Nls3uHn4/Y (ID: pkkudMAq)
————………
10月15日 午前0時52分
—————
××へ
今日は、とても楽しかった。
ある女の子にこの頃会っているのだけど、
その子がとても変なんだ。
いつも決まって午前0時にいつも決まって
同じベンチに座っているんだ。
不思議だと思って、声をかけてみたんだが
凄い形相でにらまれたよ。
……っ……今でも、思い出すと
笑えてくる。
本当にあの子は面白い。
ぜひ私のそばに置いておきたい。
……色々と。
そこでだ、近々あそこに呼ぼうと思っているんだが
どうか?
……いい返事を待っているよ。
×××。
————————……
鼻歌を歌いながら、夜道を歩く黒は
持っていたスマホをポケットにしまう。
「…ククク…鳴呼、楽しみだ」
うっとりと空を見上げ、奴はそう、
呟いた。
- Re: 気まぐれな君に、キス ( No.8 )
- 日時: 2013/11/22 20:48
- 名前: 卯月 ◆Nls3uHn4/Y (ID: pkkudMAq)
午前三時
「……ふう。」
鳴呼、もうこんな時間か。
そろそろ眠くなってきてもいいんだが…
逆に冴え続けている目をこすり、時計に目を向けた。
そろそろ、だ。
無防備に揺らしていた足に力を入れ、
立ち上がる。
途端にめまいに襲われたが何とか耐えた。
「…あっと…」
そのまま体を公園の出口に向け、
私は足を動かした。
鳴呼、だるい。
ダルイ。
また同じ帰路につく
知らないうちに、動かす手足に力がこもっていた。
−…・・
「あ、来た。よう、寝ぼすけ」
「ゆづちん、おはよう」