複雑・ファジー小説
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- サイハテの魔法【お知らせ】
- 日時: 2015/03/10 16:12
- 名前: シイナ (ID: CGuaQ/h8)
重要なお知らせ>>48
URLリンク>>49
世界に生きる魔法たち。
そのひとつを、見届けよう。
『時計の針は、動き出した』
こんにちは。シイナといいます。
この話は魔術戦争の話になっています。
予告なしにグロ表現が入る可能性がありますのでお気をつけください。
また、作者はより多くの感想を求めています。
どんどん感想をください。
※オリキャラ・イラスト募集終了しました。ご協力してくださったみなさん、ありがとうございます。
※更新再開しました!これからまたがんばります!!
第一回募集オリキャラ一覧(3/21〜4/4)
「雨宮 椿」(キコリさん)>>20
「羽多野 緋色」 (義経さん) >>23
「皐月 和彦」 (純金リップさん) >>25
「野乃道 衣亜」 (雛丹さん) >>27
「波越 瑞覇」 (パーセンターさん)>>33
「日向 汐莉」(ブルーさん)>>37
キャライラスト
「亜季 夕魔」日向さん>>32
・第一回イラスト募集(4/4〜7/7)
「獅子 市嬉々」紘さん>>45
記念日
『参照500突破』2014.4.4(金)
【目次】
お知らせ
>>16 >>35
登場人物紹介>>6
1分でわかる!!登場人物紹介>>31
用語解説>>14
魔法一覧>>22
第零章>>1
第一章『少年邂逅』>>2-5
【1】>>2 【2】>>3 【3】>>4 【4】>>5
第二章『予兆』>>7-9
【1】>>7 【2】>>8 【3】>>9
第三章『巻き込む者と巻き込まれる者』>>10-13
【1】>>10 【2】>>11 【3】>>12 【4】>>13
第四章『始動』>>15 >>17-18
【1】>>15 【2】>>17 【3】>>18
第五章『魔法事情』>>29-30 >>36 >>41-42 >>44>>46
【1】>>29 【2】>>30 【3】>>36 【4】>>41 【5】>>42
【6】>>44 【7】>>46
幕間 >>47
- 第三章『巻き込む者と巻き込まれる者』 ( No.10 )
- 日時: 2013/11/04 21:26
- 名前: シイナ (ID: ptyyzlV5)
【1】
▽▲▽▲▽▲▽▲
独りの方が、寂しいけれど楽なんだ。
▽▲▽▲▽▲▽▲
「ん、なかなかの出来だな」
手に持ったバルーンを様々な方向から見て、俺は一人呟いた。
花の形を模したそれは、今日、優香のお見舞いへと持っていくつもりのものである。
俺があいつのお見舞いへと行くとき、持っていくのは大抵花かバルーンだ。
理由は至極単純で、あいつが花、特にひまわりを好んでいるからだ。
前回、花屋の店員に選んでもらった花を持っていったので、今回はバルーンを持っていくことにした。
黄色の風船で作られたそれは、結構真剣にやっただけあり、なかなかの出来栄えである。これなら、あいつも喜んでくれるだろう。・・・もっとも、あいつの場合は何を持っていっても喜ぶのだが。
「さてと、行くか」
作ったバルーンを少し大きめの紙袋に入れて、財布とスマホを持った事を確認してから俺は外に出る。
暑いのがめっきりダメな俺が、夏に自主的に外へと出るのはお見舞いの時だけである。もちろん、水分も忘れずに鞄へと入れてあるのだが。
「にしても…暑いな」
ジリジリと照りつける太陽を睨んで、俺はニュースを思い出す。
今日の最高気温は41度。とうとう40度超えだ。
それでも俺は、こうして病院に向かっている。それは、あいつのお見舞いになかなか行けないという理由と、もう一つ。
「なんだかんだ言っても、俺も楽しみなんだよな…」
口元を緩ませて、俺は言った。
少しだけ、歩くスピードを速くして、俺は病院への道を進んだ。
- 第三章『巻き込む者と巻き込まれる者』 ( No.11 )
- 日時: 2013/11/06 06:59
- 名前: シイナ (ID: 1T0V/L.3)
【2】
道を歩くこと約10分。俺はある違和感を覚えて立ち止まった。
「あれ…この道って、こんなに長かったか?」
いつも通る道。住宅街を抜けた後、交差点を避けるために通る小道である。正確な距離は分からないが、俺の足なら、5分あれば十分なハズだ。
違和感はそれだけではない。
「なんか、寒くないか…?」
夏だというのに、風が少し冷たい。
どういうことだ、と思い、考えるため足を完全に止めた、そのとき。
【GYAAAAAAAAA!!】
獣の遠吠えのような、叫び声のようなものが聞こえた。そしてさほど時間を置かずに。
「うぁっ!!」
そんな短い悲鳴と共に人が飛んでくる。驚き声が出ない俺は、その顔を確認して、更に驚く。
「あんた、柏葉か!?」
「キミは…!?」
柏葉柚葉。優香の親友らしく、話したことは無いが、何度か一緒にいるのを見たことがある。
そんな彼女が一体なぜここにいるのか。それを聞く前に第三者の声が響いた。
「ぬぅはぁっ!!おいおいもう終わりかよっ!!俺様がっかりだぜぇっ!!って、あ?一般人?ぬぅはぁっ!!僕ボク様聞いて無いんだけどっ!!」
現れたのは、黒髪に赤目の青年だった。高級そうなスーツを身に纏い、そして、手には。
「ナイフ…?」
「っち」
呟くとほとんど同時に舌打ちが隣から聞こえ、俺は腕を引っ張られた。
「【我が契約せしは死してなおその想いのみで生きる魔王なりっ!!この血に応え、今姿を現せ!!】」
「はっ!?何言って…!?」
突如叫びだした柏葉への俺の疑問は、最後まで紡がれることはなかった。何故なら。
『…我を呼んだな、娘よ』
そこに、鎧を纏った一人の男が現れたからである。
- 第三章『巻き込む者と巻き込まれる者』 ( No.12 )
- 日時: 2013/11/07 17:51
- 名前: シイナ (ID: VhEnEiwQ)
【3】
「アイツの足止めよろしく」
『承知した』
現れた男は柏葉に頷くと腰の剣を抜いて、俺たちに背を向ける。現状が飲み込めずただ立っているだけの俺を柏葉は引っ張って、再び走り出した。
「なっ、おい!!あの人は!?」
「アイツは私なんかより全然強いから大丈夫!!詳しいことは後で説明するから今は走って!!」
焦ったようにそう言う柏葉に、俺は一瞬迷うも、ついていくことにした。
どこをどう通ったのかは全くわからないが、気がつけば大通りに出ており、あの奇妙な静けさも、嘘のような寒さも、元通りになっていた。
「ここまでくれば大丈夫だと思うよ」
隣で、僅かに息を切らせた柏葉がいう。
「なぁ、さっきのなんだよ。どうなってたんだ?」
俺が問えば、柏葉は「それは…」と少し考え込む。しかしすぐに俺を見て、彼女は言った。
「ここじゃあ話しにくいし、場所を変えよう」
▽▲▽▲▽▲▽▲
「こっちよ」
そう言って彼女が俺を案内した場所は、見覚えがありすぎる場所だった。
立派な庭を持つ、大きな日本家屋である。
柏葉は遠慮無くずかずかとその庭に入り、玄関の扉を開けた。
「あれ、境会の魔術師だったりとか。どうしたのさ」
「部屋を一つ借りるね。こいつ、『終わらない終焉』との勝負に巻き込まれたから説明するの」
「あぁ、成る程。そういうことなら好きに使って…」
そこまで言うと、声の主—亜季夕魔は固まった。
「え、君って、え」
「あー、昨日はありがとう」
「いや、別によかったりとか…じゃなくて。巻き込まれたのって、君?」
「今の話だとそうらしいな」
お互い状況を飲み込めてないらしい。「とりあえずあがれば?」「あぁ、そうするよ」それだけしか会話は続かなかった。
「…知り合いなの?」
「まぁ、昨日色々あったりとか」
柏葉の疑問に亜季が答えると、彼女は「ふうん」とだけ言う。
「じゃぁ、君も一緒に説明すれば?どっちにしろ、彼はこっちを知ることになるんだし」
「…そうだね。境会さえよければ同席させてもらうよ」
「構わないわ。あなたたちは第Ⅰ級だし」
とりあえず、誰か俺に説明して下さい。
- 第三章『巻き込む者と巻き込まれる者』 ( No.13 )
- 日時: 2013/11/08 18:29
- 名前: シイナ (ID: NywdsHCz)
【4】
彼らの話を纏めると、こういうことらしい。
この世界には魔法という概念が存在する。
世界に生まれてきたその時点で全てのものは魔力を持ち、その中でも特に多くの魔力を持つのが『魔法使い』である。
この『魔法使い』は世界中に散らばっており、基本的にどこかの組織に所属しているらしい。
『魔法使い』のタイプは主に三つ。一つ目は『魔法使い』を束ねる『境会』に所属しているもの。この割合は七割で、大抵のものが『境会』と契約している。
二つ目のタイプが境会に所属していないフリーの『魔法使い』。これは約二割ほど。基本的にお金で雇われるか、利害が一致したときのみ、どこかの組織に臨時加入する。
そして三つ目。これが今回、俺がこうして説明を受けている理由となるのだが、この約一割の例外がかなり厄介らしい。
彼らの名前は『終わらない終焉』。境会へと反逆した、『禁忌犯しの魔法使い』たち。
そもそも境会とは、一般社会でいう政府と警察を合わせたのようなもので、決まりごともいくつかここが定め、それを破ったものを裁くのもここである。
そのいくつかの決まりごとを破った者は『禁忌犯し』と呼ばれ、境会にて半永久的な監禁が待っているらしい。
そして、この『禁忌犯し』が集まったのが『終わらない終焉』。彼らは境会のやり方に納得できず、一つの組織となって境会と幾年もの戦いを続けている。
「ここまでは大丈夫?」
「あー、まぁ。話がぶっ飛び過ぎてついていけない部分もあるけど」
「まぁ、仕方がなかったりとか」
そう言えば彼女は「じゃあ、続けるわね」と言って再び話を始める。
「さっき言った三つのうち、私たちは一番目のタイプ。私の場合は境会直属になるわ。で、彼は…」
「僕は第Ⅰ級の『運命の札』所属魔術師だったりとか」
「第Ⅰ級?とーら?なんだそれ?」
「あー、そこからね…」
はぁ、と彼女はため息を一つして、しかしすぐに表情を一変させ突如立ち上がった。
「な、おい。どうしたんだよ」
その問いに答えたのは隣で同じように立ち上がった亜季だった。
「お客様だよ」
- 用語解説 ( No.14 )
- 日時: 2014/03/21 14:25
- 名前: シイナ (ID: TzDM8OLf)
【用語解説】(随時更新)
・魔法使い(まほうつかい)
魔法を使う人々のこと。全世界にいるが、一般人には知られていない。
・境会
多くの魔術師たちを纏める一つの大きな機関。この下に更に大小の集団が幾つも存在している。
・禁忌犯し(きんきおかし)
魔法による一般人殺しや違法の禁忌魔法を使用した魔法使いの総称。
・終わらない終焉
禁忌犯しが集まった境会と対立する組織。謎に包まれている。
仲間のことを『自分』と認識し、仲間に対する二人称は一人称と同じものを使う。が、一部例外もいる。
・サイハテの魔法
『終わらない終焉』が探しているもの。詳細不明。