複雑・ファジー小説

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Overcome
日時: 2016/09/07 20:51
名前: よをこめて (ID: jEJlOpHx)

─前書き─

初めてなので下手ですけど、自分なりに一生懸命がんばりたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

登場人物>>1

最新話>>14

Re: Overcome ( No.10 )
日時: 2016/03/16 16:32
名前: よをこめて (ID: d9JZZrk4)

ガヤガヤ…

メイは哲平についてきて、教室の前まできていた。

「林さんの席は、一番後ろの窓際です。」

哲平はそう言って、教室のドアを開けた。
それと同時にチャイムが鳴った。
チャイムが鳴ったからなのか、ドアが開いてメイが入ってきたからなのか分からないが教室の中は静かになった。
メイはあちこちに固まって話していた生徒達ができるだけいないところを通って自分の一番後ろの窓際に向かう。静かになった生徒達はメイを目でおった。どうやら後者だったようだ。メイは視線を感じながら、右手を強く握って逃げたい気持ちを抑えた。
「なぁ。」
いきなりの声にメイは胸が飛び跳ねた。
「…はい」
メイは胸が波打っているのを感じながら声のした方に返事をした。
「…さっきは、ごめんな。ビックリさせちまって…」
その声の人はメイが紹介された時に、顔を覗きこんだ人だった。
「………」
メイは何も言うことができず、ほんの少し頭を下げた。
席についたメイは前と横との間をできるだけ開けるように座った。俯き右手で左手を強く握って少し呼吸が荒いメイに誰もその後に話しかける人はいなかった。



9話>>11
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【よをこめて】より

Re: Overcome ( No.11 )
日時: 2016/03/16 16:33
名前: よをこめて (ID: d9JZZrk4)

数学の授業中…
少し遅れて先生は来たものの、
これは授業と言うのか…という程教室は荒れている。
先生は何も言わず黒板に数式を書いているだけ。

メイはうつむき少し息が荒れていて、肩も小刻みに震えていた。

周りの男たちはそんなメイに気づいているはずもなく、寝ているもの、ボールを投げているもの、雑誌などを見ているものなど授業など聞かないで遊んでいる。

授業が終わっても教室の中は変わらず騒いでいる。

メイはその場に耐えきれず、教室を出た。
幸い、廊下には誰も出ておらず、メイは窓を開けて深呼吸をした。


「林…さん?」

メイはビクッと肩を震わせ、声がした方を見た。
そこには他の生徒とは違い、真面目そうなメガネをかけた男子生徒がたっていた。
男子生徒はメイとの距離をかなりあけていた。

「このクラスの学級委員をやっている。本原習です。
一応、近藤先生から林さんが男性が苦手だと聞いています。クラスの連中にも言っていたんですが、おそらく耳に入っていないと思うので僕が一人ひとりに伝えておきます。
あと、先生からの伝言で放課後に理事長室に寄ってくださいのとことです。
それでは」

習はテキパキと話して、また教室に入っていった。
メイは話は聞くことはできたが、ずっと下を向いていた。


10話>>12

Re: Overcome ( No.12 )
日時: 2016/03/16 18:24
名前: よをこめて (ID: d9JZZrk4)

放課後…。

習に言われた通り、メイは理事長室に来ていた。

「あのね、朝に言い忘れたことがあってね、
この学校、全寮制なのは知ってるわよね?」

メイは朝、学校に来る前に母に言われたことを思い出して頷いた。

希美「一応、男子寮と女子寮ってあったんだけど、
見ての通り女子が1人も入ってこないから、2年前に女子寮だけ取り壊しちゃって、ないのよね…」

希美が申し訳なさそうに話す。

「え…。じゃあ、私は…」

「男子寮でってことになるわね
一応、部屋を調節してもらったんだけど、どうしても2人の相部屋になっちゃうんだけど…」

メイは驚いて口をあんぐりと開けた。

「そ、それしかないんですよね…」


「そうね…。
どうしても無理なら、特別に家から通ってもらっても…。」

希美はうーんと悩ませて言った。

「それは母が許さないと思うので…
大丈夫です。頑張ります。

失礼しました。」

『うん。頑張らなきゃ。こんな自分、変えないと…。』

メイは理事長室を出て、自分に気合を入れた。



11話>>13

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【よをこめて】より


2015/10/13 20:30
誤字、修整

Re: Overcome ( No.13 )
日時: 2016/08/01 15:05
名前: よをこめて (ID: XOYU4uQv)

メイは一度教室に戻りカバンを持って、校舎案内の地図を見てから校舎を出た。

「林さん。」

門を出るとメイは誰かに後ろから呼び止められた。
メイが振り返るとそこには習が立っていた。

「寮まで一緒に行きましょう。」

習は微笑み、メイとの距離を一定に保ちながらメイを追い越して前を歩いた。メイも習について2m程後ろを歩く。
校舎案内の地図には寮までの道は書かれていなかったのでメイは内心ほっとした。


しばらくして、少し古びた建物が見えてきた。

「ここが男強高校男子寮の『連翹レンギョウ寮』です。」

習は歩きながら振り向くことなくその建物を指して言った。
寮の扉と思われるところで1人の制服を着崩した男子生徒が手をズボンのポケットに入れて立っていた。

「圭さん。」

習がその生徒を呼んだ。メイは足を止めてその生徒を見る。

「おう!習。…であの子が転校生かな?」

圭と呼ばれた生徒は左手を上げ、習に聞いた。

「はい。林メイさんです。」

「俺はここの寮長の北原圭。よろしくね、メイちゃん。」

圭もまたメイから2m程離れたところで自己紹介し、クシャッと笑った。メイは一礼しうつむいた。

「いきなり名前呼びですか。さすがチャラ男と呼ばれるだけありますね。」

習が眼鏡をかけなおしながら圭に言った。

「うっせ。

とりあえず、食堂行こうか。皆集めといたから。」

圭はそう言って中に入って行き、習もつづいて中に入った。
メイも二人につづくように扉に足を進めた。扉に入る前にはたくさんの花や木があった。

「連翹…。」

扉の横にあった看板を見て呟いた。

「黄色い小さい花だよ。」

メイの後ろから声が聞こえ、メイは驚き、振り返ると1人の生徒がいた。

「花言葉は希望。」

その生徒がつづけて言い、右を向いた。メイもつられて左を見た。

「藤の花…。」

メイはまたそこにあった花を見て呟いた。すると、中から内開きの扉が開いた。

「林さん?いきますよ?]

習だった。メイは頷き、中にはいった。

「あ、風野君。」

習がメイの後ろにいる生徒を見て言った。

「あ、智也お前またそこにいたのか。」

圭もその生徒を見て言い、入れというような動作をした。
メイは置いてあったスリッパに履き替えた。
圭も習も既に靴を履き替えてあった。そして、メイが履き替えたのを見て歩きだした。


12話>>14


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【よをこめて】より

Re: Overcome ( No.14 )
日時: 2016/08/01 14:58
名前: よをこめて (ID: XOYU4uQv)

しばらく歩くと、扉が見えてきた。

「ここが食堂です。」

メイの前を歩いていた3人がほぼ同時に立ち止まり、習が振り返って言った。

圭はその扉を開けて中に入っていく。
智也もそれに続いた。

習は中には入らず、メイに中に入るように促した。
メイは右肩にかけたスクールバックの紐を強く握り、中へ入った。
そこには50名ほどだろうか、男子生徒が騒いでいた。
メイが中に入るとその騒がしさはなくなり、視線はメイに向けられた。

「今日から入る、林メイちゃんです!」

圭が手をメイの方に向けながら紹介をすると、メイはうつむいたまま軽く頭を下げた。

「女?」「きたー!」とまた、食堂は騒がしくなった。

「部屋はー?」

その一言でまた静かになった。

「俺は知らないよ?どうせ、あのくそニートが決めんだろ。」

「誰がくそニートだ。」

圭が答えてすぐに開いたままの扉から声が聞こえた。
そこには20代後半と見える男性が立っており、その後には習がいた。
メイは驚き、誰もいない隅に移動した。

「おめぇだよ、くそニート」

「俺はちゃんと寮監って仕事してます〜」

「よく言うよ。特に仕事もあるしてねぇくせに」

「なに〜?」

今にも殴り合いの喧嘩が始まりそうになったとき、習が2人の間に入った。

「健さん!林さんに説明するんじゃなかったんですか?」

習が男性に言った。

「あぁ、そうだった。そうだった。」

男性は隅でうつむいているメイの方を向いた。
「林さんだっけ?ちょっと来てもらってもいい?」
いきなり名前を呼ばれたことにメイはビクッと肩を震わせた。

男性が出ていき、メイも戸惑ながらついて行った。
食堂に来た道を戻り、入ってきた玄関を過ぎ、そのすぐ横にある部屋についた。男性はドアを開けて先に入った。メイも中に入り男性が座った1人がけのソファーのテーブルを挟んだ向かいのソファーに座った。

「この寮は学校でも小規模で、3年2組から20名、
2年6組から14名、1年3組からは林さんを含めて18名。
計52名の生徒がいます。部屋割は2・3名です。」

男性はメイが座ると同時に話を始めた。

「で、俺がここの寮監の北原健介。寮長の圭とは従兄弟だ。みんなからは健介とか健さんって呼ばれることが多いかな。まあ、好きに呼んでくれていいよ。」

健介は最初のマニュアル通りの説明からかわり、自分の調子で話し始めた。

「あ、そうだ。林さんの部屋なんだけど、余ってる部屋が、もうすでに1人入ってる部屋しかないんだけど...。」

メイは固まった。1人部屋ならまだいけると希望があったが、それはすぐに消えてしまった。

「じょ...女子寮は...」

メイは声を振り絞って出した。

「あ〜あったんだけどね?あまりにも女子が入ってこないから3年前に男子寮に変更されっちゃったんだよね〜。」

なんとも軽く健介は答えた。メイはもう言葉も出なかった。

「まっ、大丈夫だって!ここの奴らは比較的に穏やかだから!」

そんな言葉にメイが安心出来るはずもなく、とりあえず、と部屋の鍵を受け取った。鍵には『205』と書かれていた。



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