複雑・ファジー小説

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或る国の僕と君と…【コメ募集】
日時: 2014/09/30 22:03
名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)

本格的にはじめようと思います!
温かく見守ってくれると有難いですm(*_ _)m
洋風で魔法系で

第1章 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5
魔法の仕組み(魔法使いver.)・登場人物 >>6
第2章 >>7 >>9 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14
>>15
登場人物の細かな容姿>>8

Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.9 )
日時: 2014/09/23 23:09
名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)

森の風が気持ちいいほどに通る
それほど長くない自分の髪の毛が揺れる
小屋の壊されたドアの先には人気を感じなかった

「だーれかいませんかー?」
陽気にハーマンは声を出すが小屋の中からは
シーーンという風の返事しか聞こえてこなった

きっと、魔女はここにいないと
私達は小屋に背を向けて降りようとした

その時

「うわぁあああっ」
一番後ろにいたエラが悲鳴をあげた
驚いて反射的に振り向くと

エラの細い脚が…小屋の床が壊れて挟まっていただけ
「勘弁してくれよー、まな板」
ほっとため息をついて安心するハーマン
「てっきり、魔女かと思ってしまった」
こちらのカミルもため息をついて安心する

私も自分の弟子が襲われたのかと思い
思わずドキッとしてしまったので安心した

2年間も一緒にいたからエラは家族みたいな存在なのだ
風邪で寝込んだ時も、イライラしてむしゃくしゃしてた時も見た目は妹みたいだけど、看病したり相談に乗ってくれた…大切な存在

涙目で助けてと言いそうな目で見つめるエラ
「ごめんなさい…」
「まったくだ、ほらよ」
手を差し伸べるカミル、いつもは冷たいのになぜか
優しいなと内心思う

「やっぱり、ここの小屋古いんだね可愛いのに」
白いペンキで塗った少し傷んでる木の壁に赤い屋根
こんな小屋に魔女が住んでたと思うと少し
考えられなかった

「ってか、まな板。血出てるぞ」
ハーマンはカミルが救出したエラの脚を見て気がつく
な、なんですとと驚いて私も気がついた
「今すぐ、手当、し、しないと!」
慌てて言葉を詰まらせる

ぷっと吹き出す、ハーマンとエラ
「な、なんで!?」
「アンバー殿、慌てすぎです…あははっ」
「アンバーちゃん、意外な一面あははっ」
場の空気は一瞬にして明るくなる、カミルも耐えきれず
顔を逸らしてクスクス笑う

「み、みんなあ…」
少しの嬉しさと馬鹿にされてる感が混ざり
自分も笑ってしまう
「あれれ、俺にこいつMだって顔してたくせにアンバーちゃんMなのかな?」悪戯坊主が笑っているように
ハーマンは笑っていう。

私って、そんな顔してたのと思い両手でほっぺたを支える。適当に言ったのに図星だったのと驚くハーマン
それもまた笑いの種になって笑ってしまう

「はっ、それより怪我!怪我!」
慌てて思い出す。カバンから緊急用の箱を出す
「うーっ、怪我する体質じゃないのに…アンバー殿ありがとうございます…」
「いいんだよいいんだよ、私ばっかり甘えてエラちゃん甘えられなかったんでしょ…?」

そうだ、今から思うと本当に本当に
年上で師匠なのに甘えてばっかりで耐えてきたエラは
偉いと思う。


バンバッシャン…ドドドン

突然の音に驚く
な、なにと、さっき確認した小屋のドアの先を見る
「何者だ!」
鋭い声を響かせ叫ぶカミル

黒い影がどんどん近づいてくる
光を浴びてようやくその姿が見えた

それは人間よりデカイ頭と胴体の黒蛇だった
恐ろしくて腰を抜かしてしまう
「っ…あんたら、下がってろ。カミルくん!頼む」
ハーマンは前に出て、カミルと肩をあわせた
「で、でも!」
私も戦えると言おうとしたら ハーマンはさっきの明るさが嘘のように険しい顔をして
「下がってエラちゃんの傍にいてあげろ!」

蛇は長い胴体をクネクネ動かし
ハーマンに襲いかかる

「ハーマン!」
カミルは慌てて炎を真っ直ぐ蛇に向けた
蛇は首あたりに赤いヤケドをする
「ありがとよ、カミルくん」
その隙にハーマンは蛇の後ろに回り込む
「カミル!蛇を頼む!」
人差し指で円をかき、魔力を集めカミルに魔法を
飛ばすとカミルは消える

蛇はなにが起こったのか混乱したように右や左を向く

「ここだっ!」
姿は見えないがカミルの声が聞こえる
その瞬間、蛇の周りは赤い炎で囲まれた

「アンバー、小屋から避難だ」
ようやく姿を現したカミルが私にいう
「わ、わかった…」
頷いて返事をして杖を慌てて出して数回、回す

地面についた時には 木の上の小屋は燃えていた
まるで小屋が泣いているような音で火に包まれていた

呆然とその様子をみる私達

ゴトッと足元に硬いモノがあった
なんだと足元を見ると丸い水晶だった

Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.10 )
日時: 2014/09/24 21:27
名前: 姫音桜子 (ID: l1OKFeFD)

「水晶…?」
腰を低めて水晶を両手で持つ

「さっきまではなかったですよね」
痛そうな脚の傷を手で抑えながらエラはつぶやく
「手で抑えたらだめよ!布で出血止めないと」

ちらっとハーマンの方を見ると彼は腕に怪我をしていた
どうやら、さっきの大きな蛇の後ろに立った時に
蛇の尻尾でやられたのだろう
「あんたも怪我してる!」
「お前ら2人ともドジだな…」
すみませんと二人は苦笑いをする

『願いを叶える…水晶…』

水晶から女の声が聞こえて、胸が一瞬飛び上がる

「古くなさそうな水晶だから、きっとこの小屋を出てから作って忘れたんだな」
平然に驚く仕草も表情もしないカミルがじっと水晶を
見て呟く

『願いを3つまで…叶えます…』
水晶はまた大人っぽい女性の声をする

「じゃ、じゃあ、エラとハーマンの怪我を治して」
とっさに思いついた願い事を言うと

水晶は紫色に変わり、水色の光のような物が
エラとハーマンを包み込む

10秒も経たないうちにその光は消え
エラの痛々しそうな脚の怪我とハーマンの腕の蛇の攻撃でもらった怪我が治った

「すごい…本当に…治るなんて」
「すごいです!その水晶!」
二人共明るい顔をして驚く

『願い事は…あと…ふたつ…』

カミルは私の手にあった水晶を奪った
「ちょ、ちょっとー!」
「今度は俺だ。魔女の居場所を教えろ」
水晶の色は再び紫色になり、魔女の居場所を映し出す

水晶の中に見える魔女の姿は
一般人の首を締めている所だった…

息を飲み込むかと思うほど驚いた
一般人は苦しそう白目を向いている
魔女はただ、笑っていた

どこか切なそうに嬉しそうに
初めてみる複雑な笑顔…


Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.11 )
日時: 2014/09/25 07:51
名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)

ーーーー
ーーー
ーー



「何を着ても似合うね」
温かな大きな優しい手が私の小さな
幼い頃の頭を優しく撫でる

温かな手は母親だった
いつ思い出しても優しそうな顔…

気持ちがいい…身体が軽い

これは夢なのだろうか?…そうに違いない
これは小さい頃の思い出

「お母様、私もお洋服が欲しい…」
お母さんの洋服の裾をつかみながら
拗ねている妹がいた

いつ思い出しても可愛いなとしみじみする

「アネットのぶんは今作っているわ」

ぱあっと見たこともないほどの輝かしい顔で
妹は「やったー」と踊る

「これでお揃いだね」
幼い頃の私は妹に手を差し伸べて一緒に踊った

それは初雪の降る使い古したあの家での思い出
家族三人で過ごした思い出…

楽しくてにやけてしまいそう…

これは夢だけれども…

ーーーー
ーーー
ーー


「おーい、アンバーちゃん?」
私の顔をのぞき込むのはハーマン

しばらくうとうとして間が空いた

状況理解を再生する
今状況を理解した

無意識に指で三角を書いて
魔力をハーマンに飛ばして勢いよくハーマンが
ぶっ飛ぶ

「うぐっっ」
ハーマンは痛そうだ
「ご、ごめん」

「…いいですよアンバー殿こいつを飛ばす以上に殺ったて構いませんよ。みんな逆に助かりますよ」
「そいつ、さっきからお前の寝てる隙に胸ジロジロ見てたぞ…」酷い言われようのハーマン

「え、じ、ジロジロなんてー」
誤魔化して笑うハーマン、図星なのか?

「…あはは」とりあえず、どっちの味方と言われるのが面倒なので怖い笑みを浮かべた

三人は黙って寝たふりをする

酪農家の牛乳を運ぶ馬車の中
石ころがたくさんある道を進んでいる
ので ガタンガタン揺れる

寝たふりをした三人は本当に寝たようにみえた
私はじっと、空を見上げる

きっと、この中の人達は言えない過去だってあるんだよね魔女のことばっかりで旅に出たわけじゃない

「……過去の記憶か…」
こっそり呟く

Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.12 )
日時: 2014/09/27 14:54
名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)

馬車が急に止まる。蹄がリズムよく
パカン…パカン止まる、馬はヒヒィーンと
驚いた鳴き方をする

「ついたわよー」
牛乳を運ぶための馬車に乗せてくれた
おばさんが元気良く、私たちに呼びかける

「みんな…起きて…」
うっとりと眠気が残っていても我慢して
仲良しこよしで肩を寄り添って寝ている
魔法使い3人を起こすが、みんな深い眠りに
ついていたので仕方なく、指で円を描いて

彼らを魔法で軽く揺さぶる
「「むにゃむにゃ」」
エラとハーマンは同時に意味もわからないことを
口の中で呟く、カミルは相変わらず無言

「……起きろ…ごらあ…」
眠気を我慢しているのにどうして君らは気持ち良さそうに寝ているんだ…と、少し意味が小さい理由で
不機嫌になる。まあ、寝起きの私はいつも不機嫌だが

私は3人の手を魔法で操り
3人の頬を3人の手を操って自ら叩くような形で
起こす

「「な、なになに!?」」
本当に仲がいいなと思うほどエラとハーマンは
同時に驚く
「「真似するな!まな板・変質者」」
またもや同時にお互いに文句をいう
カミルは静かに伸びをして起きる

「魔法使いさんたちー?大丈夫かい?」
農家のおばさんが心配になり声をかける
「大丈夫でーす、すぐ下りますー」
大丈夫なのでしょうかと逆に聴きたくなるくらい
だが、一応答える

荷物を背負って、目をこする
「ありがとうございました」
とおばさんにお礼をしながら馬車を下りる
おばさんはいいのよーいいのよーと手をあっちこっちへ
動かせながら照れくさそうにいう
きっと、仕草なのだろうか。気になるなあの手の動き

「行こうぜ」
カミルが無表情で先を歩く
「待ってよー」と残りの私達が追いかける

畑が広がる、鳥が歌を歌っていた
ここに魔女の情報は本当にあるのだろうか
カミルからはここは魔女の故郷だと聞いたが

しばらく風のよく通る畑の横の道を歩いていると
おじいさんが倒れていた

慌てて駆けつける
「大丈夫ですか!?」
声をかけるとおじいさんが苦しそうに
「うう…水を…水を…」
水分不足なのかと理解して エラが
「これ、お水です!」
鞄から急いでお水を出して渡す

私はおじいさんの首を手で支えながら
飲みやすいようにする

「…助かった…ありがとうございます…」
さっきよりは顔色が良くなったおじいさんが
ゆっくり立ち上がる

「デビン・パーカーです」
微笑んで自己紹介をするおじいさん

すると、カミルが驚いた顔をする

「…もしかして」

Re: 或る国の僕と君と…【コメ募集】 ( No.13 )
日時: 2014/09/27 20:20
名前: 姫音桜子 (ID: 7TW18VFI)

息を飲み込みカミルは驚きを隠しきれない
前にはボロボロの服をきたおじいさん

何事なのかと頭が"?"で埋め尽くされる

「もしかして…リディアーヌ・パーカーの…?」
カミルが口に出したのは知らない女の人の名前…

おじさんは目を丸くし、なぜ知っているのだ
という顔をする。相変わらず理解不可能のエラとハーマンと私。

「どういうことなんだい?」
やっと理解不可能の中からハーマンが質問してくれた
「…魔女だ…魔女の父親」
重たそうな口でいうカミル

うそ、こんな偶然…助けた人間が魔女の…
「ってか、お前ら。前に情報収集で情報をくれた人が教えたことだろ…逆に知らない方が理解不可能だ」
まったく頭悪い奴らだなとカミルの視線が言っている
すみませんでした、今後情報頭に叩きつけます!
という視線をカミルに向ける 頭悪い奴ら。

「…助けてもらって…なんなんですが…あいつのことはなにもしらん…知ってても教えるわけないがね」
さっきまで微笑んで自己紹介したおじいさんが
なんだか別人のように素っ気ない態度でいう

「殺さるってのに、心配ぐらいしとけよ」
と、カミルは背を向けて去ろうとする
「ちょっと、待ってよ!またそうやって先に行こうとしないでってば」それを追いかけようと3人で追いかける

「待て!殺されるってどういうことだ!」
必死な声が後ろからやってくる

後ろを振り向こうとしたその時

バタンッ−

おじいさんがまた倒れた

「おじいさん!またですか!」
「ちょ、大丈夫かよ!」
みんなが慌てて駆けつける

「…ごめんよ…あまり大きな声を出すなと医者から言われてるが…はは…つい…」
汗を出しながらまた、苦しそうにいう

「あの、お家どこですか帰りましょう!」
私が案を出すとおじいさんが頷く
「ちょっと、カミル殿がおぶってくださいね!こうなったのもカミル殿のせいなのですから!」
「…なんで俺が…」
エラは小さいながらもヒールの履いた足でカミルの足を潰す「いってええーっ」
いつもは無表情なのに思わず悲鳴をあげるカミル
「じいちゃんに優しくしろと言われたことないんか冷たいクソ男だなごらあああ」
いつもは丁寧語なのにまた崩れるエラ
「…わかったよ…ったく」

仕方なく大きな背を下げて
おんぶをする体勢になるカミル

「すまないな…仲間にまで怒られてじいさんおぶるなんて…本当は女の子とかをおぶりたい年頃なのにな」
体調が良くなさそうなのに冗談をいいながら背中に乗るおじいちゃん

「女には興味ねえよ じじい」
おじいちゃんをおぶる
「じゃあ、じいさんに興味があるのか?」
あははと大笑いするおじいちゃん

「冗談ウケねえから、黙れじいさん」
呆れた顔をまたする

おんぶされながら道を案内された
おじいちゃんの家は小さな小屋のようなものだった
あの森でかつてリディアーヌという魔女が使っていた家と同じ色の…結局は燃やしてしまったけど…

鍵はかけていなかった
中は大きなテーブルとベッドが2つ
窓の横には可愛らしい百合の花が花瓶と家族の写真が飾られている

「ここで一人暮らしされてるんですか?」
エラは首を傾げておじいちゃんに聞く
「ああ、妻は昔、病で亡くなっている…ごほっごほっ…次にやわしかもな…ははっ」
「縁起でもないこと言わないでくださいよ、おじいちゃん」ハーマンは苦笑い気味にツッコミ

「…少しだけなら、話してやってもいいけどな…」
おじいちゃんは切ない目を向けながら私たちを見る




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