複雑・ファジー小説
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- 機甲伝説 リヴォルツィオーネ 参照200突破有り難う
- 日時: 2014/12/28 10:22
- 名前: あああ (ID: hgmprYrM)
はじめに
どうも、「あああ」です。誰得なSFロボットものを、書いていこうと思います。学校が冬休みに入ったので、毎日更新を目指そうと思います。
後、地味に劇中登場ロボットのメカデザ募集してます。
12月13日・誤字修正
12月23日・設定資料2更新
12月25日・Story18更新
12月28日・誤字修正
目次
はじめに・目次・用語>>0 Story19.作戦>>21
Prologue. 革命の前兆>>1 Story20.革命の一撃>>22
第一部・Creation of paradise Story21.補給艦接触>>23
Story1.日常の崩壊>>2 Story22.トドメ>>24
Story2.町は戦場に>>3 Story23.生命の灯火>>25
Story3.胎動>>4
Story4.絶望の連鎖>>5
Story5.新時代の幕開け>>6
第二部・Beginning of the revolution
Story6.革命始動>>7
Story7.自由を求めて>>8
Story8.真の楽園>>9
Story9.夜間襲撃>>10
設定用語その2>>11
Story10.戦う覚悟>>12
Story11.出航!ワイバーン!>>13
Story12.逃走経路>>14
Story13.偵察機撃墜>>15
Story14.新型無人VAS登場>>16
Story15.傷痕>>17
Story16.立ち塞がる絶望>>18
Story17.恐怖からの逃亡>>19
Story18.嵐を越えて>>20
用語解説
星暦・西暦の次の暦。人類初のスペースコロニーが完成した2097年から始まった。
地球連邦政府・2029年に開戦した、第3次世界大戦終結後、アメリカを中心に結成された政府組織。2031年に結成。
地球連邦軍・地球連邦政府傘下の軍事組織。2039年に結成。
PMS・general-Purpose Manned operation type human work Systemの略称。この世界における人型有人ロボットの総称。色々な略称がありややこしいので連邦軍が略称をPMSと制定した。
PUS・general-Purpose Unmanned operation type human work Systemの略称。この世界の人型無人ロボットの総称。PUSと呼ばれている理由はPMSと同じ。
第一次地球連邦軍木星調査団・星暦96年の5月14日に木星へと旅立った調査団。エウロパ付近の木星宙域にて、人間の化学力を遥かに超す宇宙船を発見する。
- Re: 機甲伝説 リヴォルツィオーネ 参照100突破有り難う ( No.16 )
- 日時: 2014/12/15 16:17
- 名前: あああ (ID: hgmprYrM)
Story14.新型無人VAS登場
「ほ〜う。これがコンジェクチャーか」
マックは、格納庫へ運ばれる新型無人VAS[コンジェクチャー]を見て呟く。
「まだ試作段階ですがね。稼働時間は10分もありません」
と、マックの隣にいる輸送船の艦長は言う。
「うむ。いち早くテクノロジーキューブの解析をし、このVASに対応できる永久回路を製造してくれたまえ」とマックは言う。
ザム達のいる母艦[ペガサス]は現在、補給を受けていた。
「お久し振りですエミリーさん」
フォスは補給艦の艦長[エミリー・サン]に挨拶する。
「あらフォス、元気そうじゃない」
「おう!エミリー!!元気そうじゃないか!」と、ザム。
「新地球連合の奴等に負けたそうじゃない」エミリーは言う。
「あぁ、無人VASが全機やられてしまった。すまない」
「大丈夫よ。ケルベロスは余るほどあるんだから!」
エミリーはザムの肩を叩いて励ます。
「フォスも頑張ってね」エミリーはフォスの頬にキスをしてこの場を去る。フォスはひどく赤面した。それを笑うザム。
「ちぇっ!!元はコロニーの捕虜の癖に!!羨ましい!!」
整備員はフォスに聞こえる声で妬みを言う。
「なにせあの二人、肉体関係にまで発展してるらしいぜ」
もう一人の整備員は言う。フォスは少しムッとした。
「よくやった二人とも!このハデスはお前達のものにしていいぞ!」
グルは結城と健吾を褒める。二人は照れ臭い気持ちになり、頭をかく。
「これからよろしくね」と智美。
「結城、このハデスはもともと俺のなんだからな。大事に使えよ」
アジャは言う。結城のハデスはアジャのお下がりなのである。
「アジャ、リヴォルツィオーネの調子は?」とグル。
「ああ、すこぶる良い。今すぐでも実戦に使えるくらいだ」
アジャは答える。グルは何も言わずに頷いた。
「吉田や風間に負けないように、私も頑張らないとね」智美は呟く。
- Re: 機甲伝説 リヴォルツィオーネ 参照100突破有り難う ( No.17 )
- 日時: 2014/12/19 22:18
- 名前: あああ (ID: hgmprYrM)
Story15.傷痕
結城達がワイバーンに来て3日経った。
今のところ木星帝国軍の追撃も無く、結城達は平和(?)に過ごしてた。
智美は自室のシャワールームの鏡で、自分の裸体を眺めていた。
全身痣だらけの体。人工肛門、人工子宮。
このおぞましい自分の体を見るたびに、過去の辛い記憶が甦ってくる。
智美はシャワールームから出て、軍服に着替えた。
「よう、おはよう」ボブは部屋を出た智美に挨拶する。
「あらボブ、おはよう」智美は挨拶を返す。
その頃、結城達はワイバーンのクルー達と朝食を食べていた。
「ふ〜ん。江里口さんの過去?」とジョニー。
「はい。この前、訊いたんですけど教えてくれなくて」結城は言う。
「う〜ん。言って良いのかな〜?彼女、この事トラウマになってるし」
ジョニーは難しい顔で言う。結城は困惑した。
「何かあったんですか?」結城はジョニーに訊く。
「実は彼女、木帝の奴等に拐われた後、性奴隷にされたんだ」
ジョニーは言う。結城は思わず、手に持ってたスプーンを落とす。
「毎日木帝の奴等にレイプされて、全身痣だらけ、おまけに子宮も肛門も破壊され、今じゃ人工のものを使ってる」
ジョニーは話を続ける。結城は胸糞悪い気持ちになり、朝飯が進まなくなってしまった。ジョニーは察して話を止めた。
「ごめんごめん。食事中にこんな話をしちゃって」
ジョニーはお詫びを言う。
「あ、この事本人の前では言わないでね」
ジョニーは念を押して結城に言った。
許せない!と結城の心には怒りが溜まっていた。
「あ、吉田おはよう」
食堂に向かう途中の智美とバッタリ遭遇した。
「あ・・・お、おはよう・・・」
結城は言葉が詰まって、うまく挨拶ができなかった。
「ん?どしたの?」と智美。
「なんでもないよ」結城はそう言い、格納庫へ向かう。
「遅いぞ結城!!」と、格納庫の方からオーギの声が聞こえた。
格納庫ではもう、健吾達が機体のチェックをしていた。
アジャはリヴォルツィオーネのメンテナンスをしていた。
「なにしてんですか?」と結城は訊ねる。
「リヴォルツィオーネの傷をなおしてんだよ!」アジャは言う。
「ハデスは機体カラーが灰色だからゴミや傷が目立たないだろ?でもリヴォルツィオーネは赤色だからゴミや傷が目立つんだよ。ウチには16mもあるロボを全身塗りつぶせる程の塗料は無いからな」
「ふーん」結城は適当に相づちをする。
「ほーう。これで完成か?」
マックは永久回路を搭載したコンジェクチャーを見て呟く。
「はい。明日の夜にコンジェクチャーを使って奇襲攻撃を仕掛けます。念の為、ザムのVAS部隊を援護にまわします」
作戦担当の[ゲル・ベゴス]は説明する。
「ほほーう。先読みの力のお手並み拝見といこうかな?」
マックはニヤリと笑う。
- Re: 機甲伝説 リヴォルツィオーネ 参照100突破有り難う ( No.18 )
- 日時: 2014/12/20 22:01
- 名前: あああ (ID: hgmprYrM)
Story16.立ち塞がる絶望
「エマージェンシーコール!!エマージェンシーコール!!」
結城は警告音に驚いて目を覚ました。
驚きのあまりに、ベットから転げ落ちて頭を打った。
「何があったんです!?」
結城は、パイロットスーツを来て格納庫へ向かうアジャに訊く。
「夜間奇襲だよ!!見りゃ分かんだろ!!」
アジャは少し苛ついた表情で質問に答えた。
どうやら寝不足で機嫌が悪いらしい。
「あれがテクノロジーキューブから解析された新型か?」
ザムはコンジェクチャーを眺める。
「球体的なデザインで、私はあんまり好きじゃありませんね」
フォスは独り言を呟く。
「先読み能力のお手並み拝見と行こう。森に隠れるぞ!!」
ザム達は光化学迷彩を起動させ、森へ隠れる。
コンジェクチャーはワイバーンに向かってそのまま前進する。
「なんだありゃ?」
ボブは、コンジェクチャーのシルエットを見て呟く。
「背中にある二本の巨大な突起はセンサーか?偵察機なのか?」と結城。
「でも武器持ってる。やっぱり俺達を狙いに・・・」と健吾。
「先手必勝!!死ね!!」アジャはリヴォルツィオーネのビームライフルを構える。
その刹那、リヴォルツィオーネのビームライフルは木っ端微塵に爆散した。
「えぇ!?」アジャは目を丸くして驚いた。
「何ヘマしてんだよ!!」ボブは呆れた顔で言う。
コンジェクチャーは腰に収納されているビームサーベルを取り出し、アジャのリヴォルツィオーネに斬りかかる。
アジャは高度を上げて回避行動を取ろうとする。
コンジェクチャーは、あたかもそれを読んでいたかのように後ろに回り込んだ。
「なかなか優れた機体だな!!」
アジャはコンジェクチャーに回し蹴りを喰らわす。
コンジェクチャーは素早く受け身の体勢を取る。
「なんだ、この動き!?まるで動きを読んでいるかのようだ!!」
結城はアジャの援護に回る。
「一対五で、こっちが有利な筈!!」
智美はビームサーベルを取り出し、コンジェクチャーに斬りかかる。
コンジェクチャーはそれを華麗にかわす。
そして腕に収納されているビームマシンガンで、ボブのビームライフルを狙撃した。ボブはド肝を抜かす。
「完全に動きが読まれていた!!」結城は確信する。
「コンジェクチャーの特殊能力[先読み]は、5秒後の未来に干渉して相手の行動を文字通り先読みする・・・・」
ザムは、先読み能力で結城達を圧倒するコンジェクチャーを眺める。
「彼等に勝ち目はありませんね。そして、この無VASがあればアンノウンにも互角に戦えますね」
フォスは勝利を確信した顔で言う。
- Re: 機甲伝説 リヴォルツィオーネ 参照100突破有り難う ( No.19 )
- 日時: 2014/12/21 15:58
- 名前: あああ (ID: hgmprYrM)
Story17.恐怖からの逃亡
「駄目だ!!コイツには勝てない!!」
結城はコンジェクチャーに立ち向かうアジャを説得する。
「なんでだよ!?逃げたらワイバーンまで巻き添え喰らうぞ!!」
アジャは怒鳴る。結城は反論出来なかった。
アジャ達は様々な戦法でコンジェクチャーに攻撃するが、全て回避され返り討ちにあった。
「このままじゃ負ける!!」
結城の額は汗でビショビショだった。
その時だった。
「新型無VASの動きが鈍い!?」
健吾は異変に気付いた。
「本当だ!前よりも動きが遅い!!」
智美達も異変に気づく。
「コンジェクチャーノ永久回路ガ不調ヲ起コシテイマス」
無人VASのケルベロスのAIが、ザム達にコンジェクチャーの不調を報告する。
「いかん。回収しに行くぞ!!」
ザムはメデューサ改の拡散ミサイルを発射する。
結城達がそれを回避している隙に、フォスはコンジェクチャーを回収する。
「しまった!!逃がした!!」
ボブはフォスのメデューサ改を追おうとする。
「深追いはするな!今は機体の修理が先だ!」
アジャがボブを止める。
「派手にヤられて来たなあ・・・・」
チェルは帰還して来たリヴォルツィオーネ達を眺める。
「こりゃ修理が大変だ」
セオアはそう言いながら、応急処置用の修復キットを持ってくる。
「皆、機体が五体満足の状態なだけマシさ」とポールは言う。
「映像から解析するに、おそらく、あのVASは未来予測機能を持っていますね。かなり厄介な相手ですよコイツは」
解析班の[山田武司]は、ザム達に報告を入れる。
「さっきの撤退の理由は分かりませんが、パイロットの証言を元にすると、おそらく動力炉の不調でしょう」
同じ解析班の[サラ・フラム]は言う。
「かなりの脅威だな」「本当に俺達で勝てるの?」
ワイバーンのブリッジにざわめきが走る。
「現時点での勝率はほぼ0%です」と武司。
「もう駄目だ・・・。俺達は殺される・・・・」
ワイバーンのオペレーターの一人が頭を抱えて絶望する。
「唯一の希望があるとしたら、リヴォルツィオーネだ」
アジャは言う。武司も頷く。
「リヴォルツィオーネには解明されていない機能が多数あります。もし解明されていない機能のうち、未来予測能力に対抗できる機能があれば・・・」とサラは言う。
「んなの信用できねぇよ・・・」ボブは頭を抱える。
結城達もボブに同情した。
- Re: 機甲伝説 リヴォルツィオーネ 参照200突破有り難う ( No.20 )
- 日時: 2014/12/25 09:08
- 名前: あああ (ID: hgmprYrM)
Story18.嵐を越えて
「ワイバーン、アクアモードへモードチェンジ!」
ワイバーンのブリッジにオペレーターの声が響く。
「以下、自動運転に入ります!!」
ワイバーンを自動運転モードに切り替えたら、オペレーターの[キーラ・エージュ]は大きく深呼吸した。
「ロシアに到着まで丸々一日掛かるんだよなあ〜。その間に、昨日の新型無人VASが来なきゃいいけど・・・・」
ザムは溜め息をつく。
「どうやっても行動が読まれるんだったら、対策の仕様がねえじゃないか!!」
アジャは苛ついて、模擬戦用のVRヘッドを投げ捨てた。
何やっても無駄だと悟った健吾達は諦めムードだった。
しかし、結城とアジャだけは諦めてはいなかった。
「奴は常に未来が見えているのか・・・、それとも発動時のみ未来が見えるのか・・・・。昨日の戦闘を分析するには前者の可能性が高いんだよなあ・・・」結城が必死に対策法を練っていると、後ろから、
「結城も一緒に飲もうぜ!!」とオーギが声をかけてきた。
いつコンジェクチャーに全滅されてもいいように、彼等は酒を飲み踊っていたのだ。結城は頭を抱える。
「きゃああああ!!!」ワイバーンの甲板に智美の悲鳴が響く。
「あはははは!!一度船の甲板を全裸で走ってみたかったんだ!」
ボブとチェンは全裸で甲板の上ではしゃぎまくる。
「なんなのよぉ!!洗濯物干してんだからどっか行って!!」
「智美ちゃんもどうだーい?気持ち良いよ!!」とボブ。
「この俗物め!!」智美はボブの顔に回し蹴りを喰らわす。
「あ、雨だ」とチェン。「本当だ」ボブは空を見上げる。
「こりゃ嵐になるな。そうだ!!嵐の中、甲板を全裸で駆け回るのも良いかもしれん!!」チェンはボブに提案する。ボブは頷く。
「やだ!洗濯物濡れちゃう!!」智美は洗濯物を回収して撤収する。
「なんだよ話って・・・」健吾は言う。
「皆、一つ聞いて欲しい事があるんだ」結城はノートパソコンを立ち上げる。アジャはパソコンをテレビに繋げて、皆が見えるようにした。
「新型無人VASの事かよ。俺達は戦う気は無いぜ」とオーギ。
「皆諦めないで欲しい。奴に勝てるかもしれないチャンスなんだ!」
アジャは帰ろうとする健吾達を呼び止めた。
「アイツに・・・勝てる?」健吾は振り向く。
「私が詳しく説明しましょう」山田が説明をし始める。
「あの新型VASの未来予測能力の詳細を、以前の戦闘から解析した結果、あのVASは約5秒後の未来しか予測できないようです」
「6秒後の未来を俺達が予測しろっつーのかよ」と健吾。
「いいえ。それよりも簡単に、アイツを倒せるかもしれません」
山田はメガネをクイッとさせる。
「永久回路の調整は終了しました。これで出撃可能です」
整備員がザムに報告する。
「ようし!!今日の深夜に出撃するぞ!!」とザム。
「はい!!」フォスはケルベロスの整備を急がせる。
「やってみる価値あるよな」健吾は言う。
「やってやるさ。俺達に越えられない嵐は無いぜ」とボブ。
「皆・・・有り難う」結城は健吾達に感謝する。