複雑・ファジー小説

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【ぷりーず】アウトロー!【オリキャラ】
日時: 2015/03/31 22:08
名前: 羊青 (ID: F2lwV46U)

「僕を連れて逃げろ、泥棒」
「俺は泥棒で、誘拐犯じゃねーつってんだろ!?」
「王子を返せっ、このショタコン野郎!」
「誰がショタコンだああああーーーーっ!!!」


天然俺様気質のショタ王子。
金好き酒好き女好きのダメ盗賊。
王子コンの女顔執事。

これは、到底まともではない三人の男たちが、剣と魔法の世界でしっちゃかめっちゃか生きていく大して壮大でもない物語である———!

>>1 登場人物
>>2 目次
>>3 いろいろ募集



★★★★

こんばんは。この文を読んでくださっている時間帯が朝とか昼とか関係ありませんこんばんは。いつでもどこでもこんばんは、羊青です。

この小説は、アホな人たちがアホな事やるファンタジー風味のアホなお話です。
救いようがないね!

たまにシリアスぶっこむかもしれませんが、作者がアホなので全然シリアスになりません。
救いようがないね!

コメントや感想なんてくださる方がいらっしゃったら、パソコンの前で踊り狂います。それは激しく踊ります。近所から苦情がくるくらいに踊り狂います。

あ、参照が伸びるだけで踊り狂いますけどね? むしろコメントなくても踊り狂いますけどね?
コメントくださった方には高確率で絡みに行きます。このテンションがウザったい方はスルーしちゃってください。

ハイテンションなわりには「タメ語でいいよー」と言ってくださっても敬語崩せないヘタレですごめんなさい。それもまたウザイ。我ながらウザイ。

★★★★



こんな物語にはまったく関係ないだらだらした文章を読んでくださりありがとうございました。

このお話で、少しでも楽しんでいただけたら本望です!(*´∀`*)

Re: 【ぷりーず】アウトロー!【オリキャラ】 ( No.39 )
日時: 2015/04/08 22:40
名前: 羊青 (ID: F2lwV46U)

yesod様
そうです、出会っちゃいました! 盗賊と王子ですからね、もう身分差とかそういうレベルじゃありませんよ......
カインはなんだかんだで面倒見がいいのでおもくそ振り回されると思います。
存分に嘲笑を浴びせてやってください←
コメントありがとうございました!

嘉那様
おおお変態のオリキャラありがとうございます!! やだショタロリコンなおじさまとか素敵に変質者ですねごちそうさまです。
大丈夫ですよむしろ主人公たちが悪ノリしちゃった感ありますから!
・コスプレオタのドクズ
・重度のブラコン
・王子可愛いよぅ王子ハァハァハァハァ
ですからね。むしろ変態しかいませんからね。
嘉那様の小説も楽しみにしております!

Re: 【ぷりーず】アウトロー!【オリキャラ】 ( No.40 )
日時: 2015/04/11 22:25
名前: 羊青 (ID: F2lwV46U)

第一章六話 「王宮からランナウェイ」

「......いや、あの、何言ってるんすか? む、無理ですよ?」

カインは当然ながら断った。普段使わない敬語に媚びへつらった笑みを貼り付け、揉み手をしながら腰を低くする。
どう見ても卑屈なモブキャラ、といったポーズにロイズは気を悪くした風もなくケロリと言ってのける。

「出来ない訳ではないだろう」
「いやいやいや。出来ません。そもそも俺は盗賊、泥棒であって誘拐犯にはなり得ません」
「なぜ出来ないんだ? ......ああ、宝物庫の鍵ならさっきスリ取ったから、自由に使ってくれて構わない。どうせ古くてダサいアクセサリーしかないけどな」
「末恐ろしい王子様だなおい」

サラッと宝物庫の中身をdisるロイズ。将来的には自分のものになるということがわからないような歳ではないはずだが。
......それは置いておくとして。
どうやらこの王子様は、カインの目的が宝物庫の中身だと思っているらしい。
当然だ。ごく真っ当な考え方だ。

しかし。

カインの目的は宝物庫にはない。女中部屋の可憐で淑やかだけど実は日に日に高まる欲望に熟れた体をもて余したような美女とワンナイトラブすることにあるのだ。
金目的の方がよっぽど可愛いげがあるだろう。

「いや、宝物には興味ないんで。可愛い女の子紹介してくれません?」

ズバリとノーセンキューの意を伝える。ゲスなセリフを付け加えたのは、王子様が諦めてくれるかもと言う淡い期待を込めてのことだ。
この年頃の子供は、カインのようなアウトローな生き方に憧れることが多い。王太子という堅苦しい身分なら、自由さに対しての憧れも強くなるだろう。
だからこそ、カインは低俗さを全面に押し出したのだ。
アウトローなんて高尚なものではない。大抵が女と酒と金、あるいはクスリや賭博に溺れたクズ野郎だ。
王子様だって幻滅して、現実を見てくれることだろう......。

「ふむ、そういえば僕はアリアーン国の風俗店のゴールドカードを持っていたな。使ったことはないが」
「永遠にお供させていただきます」

現実が見えなくなったのはカインの方だった。

アリアーン王国は、海を越えてすぐ向こうの賑やかな国だ。地理的には隣国にあたる。
歓楽街目当てでカインも何度か行ったことがあるが、あそこの風俗のレベルはかなり高い。
看護師も女中服も本物にこだわり、娼婦の演技も役者レベルだ。
そのぶん値段はお高いが、国王が好色なこともあり、時と場合は関係なく猥雑な騒がしさに満ち溢れている。

ゴールドカードは、そんな風俗店全店に無料入店できるカードだ。

カインは即決した。王子をつれて王宮から出よう。

「......そうか。受けてくれるか」
「お望みなら山越え谷越え、行きたいところどこへでもお送りいたしますよ」
「ああ、それはやめてくれないか?」

それ? と首をかしげるカインにロイズは指摘した。

「敬語だ。僕とお前は契約関係にあたるんだからな、王子とかそういうのを気にしてほしくないのだ。僕とお前、あくまで対等。どうだ?」
「......」

ふむ、とカインは頷いた。
王族にしては、なかなかに。
いや、これは、なるほど。
ふーん?
ブツブツと何事か呟いてから、カインは王子にーーロイズに手を差し出した。
一瞬驚いた顔をして、それからすぐに手を握り返される。子供の手にしては大きく、一見細く白く思えた指は思ったよりも固い。
剣士の手だな、と思いながら、カインはしっかりとその手を握り返した。

「よろしく頼む」
「こちらこそ」

どちらがどちらか、それはもう関係ない。
思っていることも感じていることも、このときばかりは全く一緒だったのだから。


「......面白くなりそうだな」


ポツリと呟かれた言葉が、夜空に溶けた。

Re: 【ぷりーず】アウトロー!【オリキャラ】 ( No.41 )
日時: 2015/04/15 20:09
名前: 羊青 (ID: F2lwV46U)

【参照五百記念!!! 何やればいいのかわかんないから小話書くぜ!】

特別短編 【騎士団長スルージと愉快な仲間たち】

「はぁ......」

爽やかな午前10時少し前、短い金髪をかきむしりながら、見目麗しい青年が重苦しい溜め息をついた。
ゼルフ・ニーグラス、若き騎士団副団長である。
秀麗な容姿と年齢に似合わない実力、そして何より溢れんばかりのサポート能力を買われ、スルージ直々にその肩書きを賜った。

ーーその時は死ぬほど嬉しかった。その時、は。

今彼の隣には、白髪を緩くハーフテールにした青年がたっている。鎧を身に付けることが多い他の団員と違って、黒い軍服姿だ。彼のスラリとした体型には似合うと思うが、腰につけた鞭も相まって、少々浮いている感は否めない。
というかはっきり浮いている。

裏のあだ名は女王様、ルーカス・ロイ。騎士団の小隊長をつとめる男だ。
手には団長のサインが必要な書類。
しかしここに団長はいない。
ただ、二人の目の前で春色のカーテンがひらひらと揺れているだけだ。

「あのさ、ゼルフ、ひとつ聞かせてもらえる?」
「......なんだ」
「団長どこ?」
「............弟さんがいらしてますよ、と言った次の瞬間消えた」
「......僕の思い違いでなければ、団長は転移魔術使えなかったと思うんだけど......!?」

普段は冷静なロイの額に、汗が一筋。
ああもうあの人は仕事もせずに何をやってるんだド変態ブラコン野郎、と、ゼルフは頭を抱えて踞りたいのを必死に抑えた。



「久しぶりだなセリティア」
「お久し振りでございます、アシュリー殿。兄はどこにおりますでしょうか」
「団長なら執務室にいるはずだが」

ありがとうございます、とその団員に一礼してセリティアは廊下を左に曲がった。
赤毛の女騎士はその背を見送りながら少し首をかしげ、なにかあったのだろうかと呟く。その疑問も、セリティアが手にしている淡い青色の箱を見て解消された。騎士団長がいつも使っているやけに可愛いランチボックスだ。おおかた弁当を忘れでもしたのだろう。
彼女の予想は当たっていた。

「全く、兄さんも仕方ないひとですねー。大事なとこが抜けてるってゆーか」

ぷんすことぼやくセリティアに、すれ違う男たちが羨望の眼差しを向けていく。中には話しかけようとする者もいるが、連れ合いに必死でとめられる。
騎士団長の最愛の弟(妹)だ。なにか粗相があれば懲戒免職だけでは済まない。
○○○切られる。
そんな男たちの荒ぶる感情はいざ知らず、セリティアは律儀に挨拶を交わす。なんと礼儀正しい人だろう。こうして「団長の弟(?)を愛でる会」はちゃくちゃくと広がっていくのだった。
現在、騎士団のほぼ全てが会員である。


「ん? セリティアか?」
「あっ、兄さん」


びくん。

一瞬で、廊下にいる団員の動きが止まった。
騎士団長スルージ、降臨。
彼が普段どれ程セリティアを可愛がっているかはみんな知っている。
弟がどれ程可愛いかを、皆一様にひたすら語られている。
そんなスルージは、セリティアに普段どのように接しているのだろうか。
なかば怖いもの見たさで、誰もが二人に視線を向けたーー。

「執務室にいらっしゃるのでは?」
「いや、さっきトイレに出たところだ。なにか用事か?」
「ああ、はい。兄さんお弁当忘れてましたよ?」
「......えっ? あっ、そうだったのか? 気付かなかった」
「変なところで抜けてますもんね兄さんは」
「失礼な奴だなー......ほら、わかったから帰れ。仕事あるんだから」
「むっ。なにか言うことはありませんか?」
「はいはいありがとありがと」
「兄さんはいつまでも私を子供扱いして......はぁ、もう。今度から忘れないでくださいね?」
「はいはい。早く帰らないと叱られるぞ」
「ちゃんと許可貰ってますし。では、失礼致しました」
「おう、気を付けろよ」



あれ、普通だ。
ちょっと仲良しだけど、超普通だ。

安堵と僅かなガッカリ感。兄弟はごくごく普通に会話を終え、セリティアは騎士団本部をあとにする。
なんだ意外と普通なんですねー、と一人が声をかけようとしてーー飛び退いた。

「ああああああ可愛いわああああなんであんな可愛いんだよおおおあああああああ」

ばんっと拳が壁に叩きつけられた。放射線状のひびがいく筋も走る。
それを見た瞬間、まわりが確実に三歩ほど引いた。

「あああああ天使天使優しすぎるわまじ天使俺の弟とか信じらんない天界から降りてきた天使だろあれ絶対家事完璧で基本的になんでもそつなくこなすとかほんとなんで俺なんかの弟に産まれ落ちてくれたんだよおおお完璧超人じゃねえか可愛いいいあああ」

いやお前も立派な完璧超人だよ、とは誰も突っ込まなかった。
ただ、慌てて駄々っ子のような三十路男を引きずっていくゼルフの姿に、涙しなかった者はいなかっという。


(参照感謝!!)

Re: 【ぷりーず】アウトロー!【オリキャラ】 ( No.42 )
日時: 2015/04/12 23:02
名前: 羊青 (ID: F2lwV46U)

第一章七話

「というわけで脱走しようと思う! 番号!」
「……」
「ばんごー!!!」
「……あ、俺か……いーち」
「2! よし、全員いるな!? 減ってないな!? 死んでないな!?」
「いや二人しかいねーよ! どっちかいなかったら流石にわかるよ! お前角曲がるたびに人数確認すんのやめろ!?」

カインとロイズ、馬鹿でかくてクソ太い柱の影で。
幸いなことに見張りもほとんどおらず、大丈夫かこの城と逆に心配しながらもふたりはなんとかここまで来れた。

が、張り切ってるのかなんなのか、ロイズがちょっとウザイ。

「お前ね、いいからちょっと静かにしろ? いざとなったらお前置いて逃げるからな」
「多少足手まといになろうと、意地でもついてくぞ」

えへん、と薄い胸を張る少年。ここまでの身体能力を見る限り、そうそう足を引っ張ることもないだろう。カイン的にはここで脅して緊張感を持たせようと思っていたのだが、どうやらロイズは思った以上に強かなようだ。

「それに、僕が盾になればなかなか攻撃できないだろうからな! カインにとっても便利な話だろう?」
「あーうん、まーな……別に人質を取るわけじゃねーから、そこらへんはわかっとけよ?」
「……違うのか」

心底不思議そうに、ロイズは首をかしげる。

「それくらいするのが当然じゃないのか? チェイカーはそんな感じでお姫様を連れ出してたぞ」

チェイカーって誰だよ、とツッコミかけてふと思い出す。本屋でそんな名前の本を見かけた気がする。

「うーん、まあ、俺はチェイカーじゃないからな……少なくとも女子供を前面に押し出すような真似はしねーよ」
「……ふむ、なるほど……中々感心できる心構えだな」
「いやぁ、俺より弱い者を盾にするのってカッコ悪くね? 小物っぽくない?」
「ところでさっきからお前の足音がしないのだがなんでだ?」
「ガンスルーですかそうですか。……あー、それはな、なんつーの、特殊な歩行方法で……」
「……その特殊な歩行方法とやらは、駆け足の音も出せるのか?」
「え、なんで……」


カインも気付いた。
後ろから、どどどどどという音が聞こえてくることに。
……音の深みからして、恐らく鎧を着た人間が数人・・・いや、10人ほどこちらに向かってきている。


あっやべ。
そう思わず漏らすと、ロイズが覚悟したような目でカインを見上げた。
仕方ない。緊急事態だから、王子様には多少の乗り心地の悪さは勘弁してもらおう。

「約束できるか」
「何をだ」
「俺が「行くぞ!」と言ったら、俺が許可するまで口を開くな。歯は軽く噛み締めとけ。舌は縮こまらせろ。全力で俺にしがみつけ。首でも服でもいい、ヤバかったら髪を掴め。いいな?」
「神の名にかけて約束しよう」
「よっし、いい子だ」
「子供扱いするな!」

噛み付くような声を片手で制して、カインはそっと足音を伺った。
だんだん近づいて来る。カインは周りを見渡した。カインの身長より少し高い位置に窓がある。外を覗けば、月がないぶん光り輝く満天の星空が広がっていた。

「……ひとつ聞いておきたいんだけども、ここ何階?」
「確か4階だったかな」
「んー、まあ、ギリギリかな」

よいしょ、とカインは窓の燦によじ登った。ロイズの手を引張り、すっぽりと抱え込む。

「おい、いたぞ……」
「とらえろ……」

足音はすでにかなり近くまで迫っている。その先頭を走るのは、白い鎧の騎士団長だ。
他の有象無象どもはどうでもいいとして、彼がいるのはマズイ。

「よっし、腹くくれよ」
「おい出てこい腐れ【ピーーー】野郎! 捕まえたら【ピーーー】引っこ抜くからな!」
「くそこえーなおい」
「スルージか。あんなに口が悪いとはな。結構意外だ」

のほほんと配下に評価を下すロイズの姿を目にとめて、スルージの顔が一瞬硬直する。
カインはその隙を見逃さなかった。

「怖かったら目をつむってろ。行くぞ!」




ロイズには星空が見えた。
窓枠が見えた。
その向こうに焦るスルージの顔が見えた。

カインの髪が風になびくのが、不思議ととてもかっこよく思えた。


スローモーションなのは一瞬だけで、あとはもう落ちる、落ちる、落ちる。
重力に体の芯を引っ張られるようにして落ちる。
カインはロイズをしっかり抱え込み、ロイズはカインにしっかりしがみつき、ほとんど体勢を崩さないままふたりは落下した。


「ったぁっ」

気の抜けた声と一緒に、カインがクッションになったおかげで少し和らいだ衝撃が加わる。
ごろごろと中庭を転がって、カインはロイズを抱えたまま起き上がった。
まるで平然としたままロイズを地面に下ろし服をはたくカインにロイズは言った。

「不思議と怖くなかった」
「あっ、そうなのか?」
「……結構たのしいな、これ」

ふ、と微笑むロイズ。

足は少し震えているが、それは怖さからくるものではなかった。

Re: 【ぷりーず】アウトロー!【オリキャラ】 ( No.43 )
日時: 2015/04/12 22:13
名前: コッコ (ID: ePP2bIPh)

すみませんゼレフではなくゼルフです。それ以外なら面白いです


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