複雑・ファジー小説
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- 蒼穹のゼロ〜天空警察捜査第一課事件記録〜
- 日時: 2015/07/12 14:32
- 名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=89
また、作りました。性格上掛け持ちできないのに、また、作ってしまいました
こんにちは、みすずです
小学生の時に『天空裁判』というごっこ遊びをやっていました
それはまあ、馬鹿馬鹿しく『土下座させまくった罪』とか。は ? なので少し改編して警察verにして執筆したいと思います
*+*☆●Attention●☆*+*
・作者は学生なので学校の関係で無断休暇をとることがあります
・荒し、チェンメ、パクリは通報します
・作者は掛け持ちしているので更新しないときがあります
・キャラ崩壊、gdgd展開の可能性があります
蒼穹のゼロ記録
6月4日 本スレッド作成
Prologue >>1
File.1 自称天使ちゃんはハンドガンをぶっぱなす
>>2 >>4-5 >>6-7 >>8-9 >>10 >>11 >>12-13 >>16 >>17
- Re: 蒼穹のゼロ〜天空警察捜査第一課事件記録〜【オリキャラ募集中】 ( No.8 )
- 日時: 2015/06/12 21:55
- 名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)
「喰人鬼って……おい、まさか、人喰うのか ? そいつ」
嘘だろ、と冗談半分に蒼太は言う。しかし、ジュリアは本当に頷いた
喰人鬼族、その名の通り人を喰らう鬼族の親類。起因は閻魔が作ったとか、増えすぎた人間を減らすためなんて諸説あるらしい。しかし、食事は天界の法律105条により禁止されているため、喰人鬼族は徐々に数を減らしつつある。と説明を受けた
しかし、とロリとは思えない真剣な面持ちでジュリアは口を開く
「確かに、法律では禁止されていますが、密猟などで裏社会で高値で売買されるケースが増えつつあります。今回の容疑者シヴァ・アルマイルは喰人の罪でこれまで三回起訴された常習犯です、禁固3000年の刑を受けていた筈なのですが、先日、独房から脱獄しています」
「つ、つまり、希空や他の被害者はもう……」
「可能性はなくはないです」
蒼太はそんな、と俯き肩を震わせた。ジュリアは喰人鬼の写真がプリントされた紙を仕舞うと、ですが、と話を再開させる
「ですが、可能性はなくはないと言いました。しかし、何時もならば百人以上の被害が出ていますが今回はその希空さんも含め、まだ七人。シヴァはまだ近辺に潜伏している可能性があります。ので、朝から捜査を開始________」
「ふざけんなっ ! ! ! ! それじゃ……それじゃ間に合わねぇかもしれないじゃないか ! ! ! 」
彼は無我夢中でジュリアの胸ぐらを掴み、捲し立てた。話している途中には涙が溢れでてきて視界を歪ませる
ジュリアは胸ぐらを掴まれたままの体制で黙っていた
捲し立てるのに疲れた蒼太はジュリアの胸ぐらを掴んだまま無言で泣いた
沈黙が部屋を包む
「…………いいでしょう」
ジュリアは蒼太の手を除けるとシワを伸ばして蒼太を真っ向から見つめた
「捜査を急がせます。でも、勘違いしないでください。始めるのは少し寝て準備を整えてからです」
「あ、あり……がと。あとちょっと、いいか ? 」
「何ですか ? 」
蒼太は顔の涙を拭うとジュリアに聞いた。捜査とは何か、何故そんな情報を持ち合わせているのか、そして
「お前、何なんだ ? 」
「あれ ? 言ってませんでしたっけ」
こくっと頷くとジュリアはポケットから比喩するならまるで警察手帳のようなものを取り出した。そこには今彼女が着ているYシャツの証明写真と身分証明だった
『天空警察 捜査第一課 巡査部長 ジュリア・ハナエル』と記されていた
- Re: 蒼穹のゼロ〜天空警察捜査第一課事件記録〜【オリキャラ募集中】 ( No.9 )
- 日時: 2015/07/11 22:34
- 名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)
説明によると、天界は天国、地獄、魔界、黄泉の国と呼ばれるパラレルワールドが存在する
そこでは下界と同じように犯罪が起こるため警察という組織は存在するらしい
そう言われれば、ジュリアの格好はYシャツに青いネクタイ、黒のスカートという格好、就職していると言われても納得できる格好ではあるが
蒼太は半眼でジュリアに聞いた
「子供が就職できんのかよ。変わってんな、おい」
「違います ! ジュリはこう見えても360歳は生きてますから ! 」
「よし、今なら嘘をついても許してやる」
「……怒りますよ ? 」
此方を睨んでくるが全くと言っていいほど痛くも痒くもない。蒼太はにやにや笑いながら口を開く
「別に、全然怖くねーし」
「……ははっ、あははっ。へえー」
ジュリアはこちらを睨みながら口に含み笑いを浮かべる。流石に怒らせたかと蒼太が反省の色を浮かべたのも束の間
彼女は腰のベルトに付けられたケースから銃を取り出すと、眼を見開く蒼太に容赦無く銃口を向けてきた。銃口の縁がギラリと光る
蒼太が両手を挙げて白旗を立てたがそれでも止まらずに彼女は引き金を
「『黙れ』! 」
引いた
彼の体の中に何かが侵入してきたのを感じた。自分の意思とは関係なく口をガッチリと閉じて黙り混んでしまう。いくら、口を開こうとしても開くことはない、体が自分の言うことを聞かなくなってしまっていた
ジュリアは彼の言動に満足したのが銃を仕舞う
「今のはジュリの能力『言霊射主』です。あっ、因みに能力っていうのは天界の人なら誰でも持ってる力で種類では魔法や妖術がありますね。警察って言いましても下界みたいにチマチマやりません。大体、能力戦に発展します」
「…………」
「因みに天界の人の年齢は20歳で人間の言う1歳です。つまりジュリは人間で言う18歳。あはっ、蒼太さんより2歳も年上ですね」
「…………」
蒼太をこめかみをピクッと痙攣させる。口が使えない今、口以外で感情表現をするしかない
ジュリアは彼の様を笑うとぱちんっと指を鳴らす。刹那、彼の口が開く
「お前の能力ってチートだろ。『死ね』って言ったら殺せんのか」
「いえいえ、ジュリはAP(ability point)が足りないのでまだそこまでは出来ません」
「何だ、つまんねーの」
「何ですかその陰謀を秘めた言い方は。言っときますけどジュリはやりませんから」
ちぇっと分かりやすく蒼太は舌打ちする。それを完璧に無視して、さてと、とジュリアはベットの上に置かれた電波時計を見た
時刻は12時15分を回っていた
「そろそろ、寝ますか。出掛けるのは4時くらいにしましょう」
ジュリアはふわーと大きく口を開けて欠伸をする、蒼太も釣られて欠伸をした。欠伸が移るのは本当だったのかと蒼太は感心してしまう
布団にモゾモゾと潜るジュリアを蒼太はツンツンとつついて止めた
何ですか、とどうやら敬語キャラを突き通すらしい、彼も何処か受け入れているから致仕方無いだろう
眠いのか半眼で見てくる彼女に、蒼太はやっぱりなんでもないとはぐらかしてベットに体を横たわらせた
部屋の電気を消すと暗闇に包まれる、支局当然のことだ。蒼太はすがるように布団を掴むと眼を閉じる
心配事をしている筈なのに、睡魔には勝てず彼の意識は泥に溶けるように消えた
- Re: 蒼穹のゼロ〜天空警察捜査第一課事件記録〜【オリキャラ募集中】 ( No.10 )
- 日時: 2015/06/18 21:23
- 名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)
◆
◆
◆
朝、起きたら目の前には自身の理想の女性がじーっと見つめている、両の指に入ることが出来る、男の至福と蒼太は考えている
しかし、それが実現するには途方もない手順が必要だ。まず、ガールフレンドを作ることから始めなければならない、その後、御近づきになって親密な関係を作ることも忘れてはならない。中途半端な関係では家の合鍵を渡せる関係ではないということだ、それはなんとしても避けたい
そして、蒼太には女友達しかいない。勿論、希空のことだが二人は友達以上恋人未満の関係なのだ。よって、蒼太にはそんな至福の朝が訪れることは恐らくまだ先
と、この時まで思っていた
「ほらー、朝ですよぉー。捜査を早めるように提示したのは蒼太さんでしたよねー ? 」
「あと、少しだけ……」
東の空が白み始めた朝四時。シュチュエーションは違うが蒼太は女子から見つめられていた
蒼太はジュリアのつつき攻撃からの逃げるように布団に顔を埋める
対して、ジュリアはつつく指のスピードを緩めない。否、余計に速くなっている
一進一退の攻防が続く
「これだけは……譲れねえ……」
「捜査を打ち切ってもよろし」
「すいません。起きます」
◆
仕度するのに思いの外、時間がかかり二人が蒼太の家を後にしたのは朝の四時半過ぎになっていた
しんと冷えた空気が張った外では、人通りはほぼ新聞配達の人ぐらいなものだ
蒼太は一応、天章学園の制服を着込むと、昨日と同じ格好のジュリアと共に街路樹によって日陰となった歩道を歩いていた
「いいですか、シヴァ……というか喰人鬼は大体夕方から午前まで活動しています。天章学園の周りと行方不明になった人たちの失踪場所を拠点に捜査します」
「ちょっと待て、俺、今日学校なんだけど」
「あっ、大丈夫です。連絡しときましたから。休んで大丈夫ですよ」
隙ねーなー、と蒼太は半ば呆れ半分、意外と下界通な金髪ロリ天使に驚いた
- Re: 蒼穹のゼロ〜天空警察捜査第一課事件記録〜 ( No.11 )
- 日時: 2015/06/18 21:59
- 名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)
◆
◆
◆
それから二時間。蒼太は棒のように固まった筋肉を懸命に動かし学校から少し離れたショッピングモールの外にあるベンチに力無く倒れ伏していた
横では、ジュリアが今までの捜査の結果を茶色い表紙のシンプルな手帳に書き記している
結果から言えば、無しだ
被害者の失踪場所や学校近辺を中心に探索したり、聞き込みなどもしたが何一つとして成果は上げられない
聞き込みに関して愚痴を溢せば、遊び半分でやっていると思われ軽くあしらわれるのだ。中には「興味半分で首を突っ込むんじゃない」とか何とか言われて、厳格な雰囲気のじいさんから逃げたときもあった
今だけ、蒼太は疫病神の名探偵を羨ましく思う
はあーと溜め息を漏らす彼の横でジュリアはうーむと言って首をかしげる。可愛い。
「やっぱりもう、寝てるんですかねー。まだ、こっち(下界)にいると思ったんですけど」
「寝るって上(天界)に帰りやがったのか ? 」
蒼太は呟いたのを見て横を通った買い物に来たらしいおばさんがぎょっとする
彼は普通に見ることが出来るから特に考えないが、普通の人間にジュリアは見えないのだ
蒼太は口を手で押さえるとジュリアに目配せする。ジュリアはそれを見て黙って店の中に消えていく
直ぐ彼女は何食わぬ顔で現れる。特に変化は感じられない。しかし、今ので普通の人間にもジュリアが見えるらしい
ジュリアはベンチの空いてるスペースに腰かけると手帳を開いて話を再開させる
「えっと、何処まで話したっけ……あっ。で、質問についてですがあっち(天界)に帰ってはないかと。僅かですが、彼が残す気 ? みたいなのが残ってるので。どっかに隠れてるんじゃないですか ? 」
「それで ? このまま、待ってろっていうのか」
「いえいえ、やられたままじゃこっちも顔が立ちませんよ」
ジュリアは蒼太を見て、ニヤリと笑った。思わずぞくりとする。その顔は、まるで、悪戯を思い付いた子供
「思い知らせてやります。何回も天空警察を弄んだこと、後悔させてやりますよ」
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「たっく、アイツ。俺は餌かよ」
蒼太はぶつぶつ文句を言いながら近くの小石を蹴った
ここは、学校から5分ほどの路地。最初の被害者藤堂七奈美の失踪場所だ。今、午後六時頃は西日が照らしとても明るいが人通りは少ない
そこで蒼太は、只何もすること無く路地を行ったり来たりしていた
「ウォークマンでも持ってくんだったな」
- Re: 蒼穹のゼロ〜天空警察捜査第一課事件記録〜 ( No.12 )
- 日時: 2015/07/11 22:37
- 名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)
*
それは、ショッピングモールでの事。ジュリアは天使らしからぬ悪魔みたいな表情で笑っていた
蒼太はその表情に大きく仰け反る
『お前……その、何だ。一回悪魔として転生してきたほうが……』
『余計な御世話ですよ。ジュリは今とっても凄い作戦を』
『今日の晩飯何かなー』
『無視ですかっ ! ? 』
ジュリアはベンチに飛び乗ると引きちぎらんばかりの勢いで彼の耳を引っ張る
『痛い痛い痛い痛い ! ! ! 聞くから ! 』
『本当ですか……』
涙眼+上目使いという最強コンボ技で見つめられた蒼太は赤面して頷く
ジュリアはそれを確認して、小さい胸で精一杯胸を張った
『どうせ、シヴァの事だから欲求不満に違いないのですっ。というわけで……』
ジュリアは先生のように蒼太の肩をポンポンと叩く
『蒼太さん、囮御願いしますね ? 』
一瞬何を言われたか分からない蒼太は一回瞬き。刹那、渾身の力を込めて叫ぶ
『ふざけんなぁあああぁあああああ ! ! ! 囮ならお前やれよ ! ! ! 』
『いやいや、ジュリは天使ですから。喰人鬼、人しか食べませんし』
『喰われたらどーしてくれんだよ ! ? 』
『あっ、そっちの方は大丈夫です。葬式費用ぐらいは出せますから』
『お金持ちだな、天空警察 ! ? って、いやいやいやその前に生きてる間に救う方法考えろぉおおおおおおおお ! ! ! 』
*
歩き疲れた蒼太は路地の壁に寄り掛かって夕日を只見つめていた
「何だかんだ言って引き受けてんだよなぁ、俺」
ジュリアは「隠れてますからー」とか何とか言って何処かに消えていた。恐らく、路地の入り口辺りに隠れているのだろう
思えばこうやって捜査とかなんとか言ってるけど彼女と会ったのはつい昨日の夜なのだ。あってまだ一日も経っていない
あっという間過ぎて、深く考えなかったが今自分は摩可不思議すぎる出来事に巻き込まれているわけで
「何か、俺。あれ、当たり前に受け入れすぎだろ」
希空が連れ去られた事とかも受け入れるのが速い原因として上げられるだろうが、流石に速すぎじゃないか
最終的に自分はキチガイとかいう訳分からない結論に達したときだった
「あれ ? 蒼太、何してんのー ? 」
直ぐ近くから、聞き覚えのある声がした。今まで必死こいて捜査してきた事件の被害者で蒼太の幼馴染み
顔を上げると案の定そこには蒼太の幼馴染み_____御崎希空_____が立っていた
希空は何時もと変わらない表情でこちらに近づいてくる
「希空、お前、何で ? 助かったのか ? スゲーな、おい」
「え、事件 ? 何の事」
「はっ、だって」
蒼太はそこで言葉を止め息を飲む
こちらを見上げてくる希空の眼は死んでいた