複雑・ファジー小説

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非日常の日常
日時: 2016/02/21 20:45
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

運悪く魔法少女になってしまった人たちの物語

グロありです。

奪還編 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>10 >>11 >>12 >>13 >>15 >>16 >>17 >>18

Re: 非日常の日常 ( No.8 )
日時: 2016/01/25 23:12
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

 腑に落ちない。なぜ、助けに来た。あなたはあいつらに酷いことをいっぱいされていたはずだ。私はそういった。そしたら、彼女は言った。
「これが私の使命だからです」
 使命だったらなんでもできるのか、あの女の子は。少し恐怖感を抱いたあの時を思い出す。私は画面を見ている。そこには物理的には言えない方法で録ったものがリアルタイムで流れている。そこには紅いリボンで結ってある腰まである銀色の髪を揺らしながら赤い目をした和服を着ている女の子がウサギの妖精と共に歩いている。
 ・・・・・・とても気だるそうに。凄いやる気のなさだ。これから戦ってもなんか瞬殺でやれそうなんだけど。いいのか? これは。あの時のなんとも言えない殺気はどこ行ったんだよ。
「あーあ、やる気がなくなるなー、まあ、行ってきまーす」
 私はこの組織のなかでは捨て駒だ。返事するやつなんで誰もいない。この組織入ってから一応300年は経つんだけどな、これでも。この魔界の制度はどうにかしてるよ。私が本気だしたらこの世界なんて木端微塵にできるのに。
「ったく、めんどくさい」
 私はボソッとそう呟いた。私はこの前私がさらった3人の魔法少女さんたちがいる牢屋の方に向かった。
 でも、あの銀髪の女の子はなんでだろうな、あの子ににてる。300年前に死んだ、初代魔法少女、妖精界の姫の友達で私の友達だった、黒髪がきれいなあの女の子に。

Re: 非日常の日常 ( No.9 )
日時: 2016/01/06 23:34
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

うわああああああああああああああああああああ!!
参照数50いった!!すげぇ!!ありがとうございます!
こんなにハイスピードで自己満の小説が!!ありがとうございます!
これからもこんな感じでいくのでよかったらよろしくです!!
なんでだろう、悪役って愛着わくよね

Re: 非日常の日常 ( No.10 )
日時: 2016/01/25 23:17
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

 歩き始めてからすぐに目的地を見つけることができた。
「牢屋・・・・・・ですか、にしても大胆な格好をさせられてますね、脇がきれいです」
 捕らえられている3人は手錠みたいのをつけられ、足枷をつけられて逃げれないようになっていた。そして手錠は頭のほうから吊り下げられているように作ってあるので手が頭の方に持っていかれ、結構なエロい感じなポーズになっていた。
 すると捕らえられている美海さんと心愛さんと姫莉さんのうち一人、リーダー格である心愛さんが反論する。
「やりたくてやってる訳じゃない! 早く助けなさいよ!」
 ぜったいにいわないけどチャイナ服みたいな格好でそのポーズはとても凄いからもう少し見ていたい的なものがある。
「そうだぞ! 早く助けてやれ!」
 それにぬいぐるみものる。主人が無事だと知ったら手のひら返しやがるのは少々ムカつくがそれがあのぬいぐるみなので怒ったってなにも始まらない。
「冗談ですよ、待っててください。今助けます」
 私はとある空間から刀を取り出し、両手に1本づつ刀を構えた。
「少々荒いかもしれませんが、すみません、行きますよ」
 私は駆け出し、牢屋の鉄に向かって走る。それと同時に刀に少しだけ文字が浮かぶ。一応念の為の硬化魔法だ。
「はぁ!!」
 刀を降り下ろす。少し牢屋からバチっという電流が走る。やはりなにかが仕組まれていたらしい。でも私の刀は特別仕様で闇の力みたいのを吸い取ってくれるのでそこら辺は気にしなくて大丈夫なんだけど。
 ガラガラと牢屋が音をたてて崩れていく。
「大丈夫ですか、手錠と足枷取りますよ。はい」
「あー! 助かった、ありがとう! じゃあ私たちはに・・・・・・」
「そんな易々とは逃がさないよ、少女たち」
 心愛の言葉を遮るように忘れもしない女性の声が聞こえた。
「「「!!!!!」」」
 3人が硬直する。私は何となく予測ができていたので驚きもしなかったが。
 金の髪に黒のメッシュが入った紫の目をした女性が楽しそうに私たちを見てる。
 ・・・・・・演技臭いのは考えないでおこう。その女性を見て、3人がわからないように怯えている。情けない。まぁ、3人をさらったのはこの人だし、私たちよりも圧倒的に強かった。もう、勝ち目はないのだろうと思っているのだろう。情けない。
 女性がスッと指を指す、3人に向かって。
「その3人には妖精界の姫の生まれ変わりである人間にしか無いと言われる“ココロの結晶”をもっている。だから、逃がすわけにはいかない。あの結晶があれば膨大な力が出にはいるらしいし? だから、欲しいから、逃がせない」
 だんだんドスが効いていく声は威圧感が凄い。尻込みしてしてしまいそうだ。
 少しの間沈黙が続く。その沈黙を破ったのはチャイナ服みたいな格好をした心愛だった。
「だったら」
「ん?」
 紫の目の女性が反応する。
「だったら、私たちがそのココロの結晶というものを持たなくなれば私たちは晴れて自由の身であなたたちと戦うだけでいいということ?」
「まぁ、そういうことだね」
 私は嫌な予感がした。背筋に冷や汗が流れる。
「だったら、夢」
 笑顔で心愛達が私の方にやって来る。
「お前ら、まさか・・・・・・違うよな、そんな、外道とは思っていたが」
 敵の女の人も察したようだ。信じられないとゆう目をしている。敵にそう思われるとはどうゆうことかと思うけれど、これは、この行為は私だって信じられない。私の仲間がこんなに落ちぶれているとは思わなかった。自分の使命を守らない人だとは思わなかった。心愛がとても優しい声で耳元に囁く。
「私達の身代わりになって」
 逃げる暇もなく、腕を捕まれる。
 そしてすぐに胸の当たりにズズっとなにかが3つ入っていく感覚がした。
「うっ・・・・・・」
 激しい痛みが全身に走り、私は床に崩れ落ちる。
「よしっ! これで私たちは晴れて自由の身だ! やったね!」
「だねっ!」
「そうだな」
「よかったなお前ら!」
 ぬいぐるみはあっち側のやつなのでなにも信じていないからなんとも思わない。外道め。でもさっきまで一緒に行動していたとは思えない。私が苦しい思いしているなかであのやつらは自由になれたのならいいかと思える自分に少し腹が立つが、使命がここで終わるのならいいだろう。
 私も少し荷が下りたのだ。うれしいことだ。
「おい、大丈夫か、夢」
 少しだけ聞き覚えのある声が聞こえる。その声の主は敵の人でもなく、見方のあの外道3人でもなく、ぬいぐるみでもなかった。
「いままで・・・・・・どこ行ってたんですか・・・・・・」
「ちょっと野暮用でな、遅くなった。ごめん、身体中に電流走ってるぞ」
 声の主、髪の毛が淡い水色でロングの少女の姿をした妖精で私のパートナーであるテイルは心配そうに私を見るのだった。
 

Re: 非日常の日常 ( No.11 )
日時: 2016/01/25 23:24
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

「はい、痛いです。なんか身体中がしびれていますって・・・・・・あ! 危ない!」
 私は妖精の腕をぐいっと引っ張った。さっきまで妖精がいたところには斧が地面に突き刺さっている。
「おお、凄い見覚えのある斧だ」
 その斧を投げたやつが言う。とても怒ったような悲しいような目で。
「なぜ、ここにお前がいる!」
「おお、久しいな、エル元気か?」
 テイルは斧を見ながらニヤニヤとする。
「おかげさまで元気だよ。でも、なぜ、ここにお前がいる」
 紫の目の女性はエルというらしい。
「テイル、この人と知り合いなのですか?」
「ああ、300年ぐらい前ぶりだがな、昔の仲間みたいなものだ。それにしても夢大丈夫か?」
 昔の知り合いより私を優先する辺りテイルらしい。ちなみに今の私の状況は白い電流が身体中をバチバチいわせながら走り、顔面蒼白、体を起こしているのがやっとだ。
「大丈夫じゃないです。ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・うっ!」
 脳裏に変なものが浮かんだ。見たことがないような、とてもとても体験したことの無いような、痛み、苦しみ、妬み。
「これは・・・・・・なに?」
「どうした?」
「わかんないです。見覚えの無い光景と痛みが脳裏に浮かんで・・・・・・うっ! 痛い! 痛い痛い痛い痛い!! 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」
 私は叫ぶ。脳裏に浮かぶものを拒絶する。
「思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない思い出したくない!!!!! 嫌! 嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌!!」
「落ち着け! 落ち着け夢!」
 テイルは叫んでいる私の肩に触れ、揺さぶり、私を正気に戻そうとする。
「夢! 何がみえる? どんな痛みを感じる?」
「っ! ・・・・・・っ! や、山奥で薄暗い部屋でっ・・・・・・和服? を来てる人が誰かを蹴ってっ・・・・・・、ハァハァ・・・・・・」
「っ!」
「なっ」
 それだけを聞いただけでテイルと敵であるエルは目を見開く。私は続ける。
「嗤ってるんです・・・・・私に向けて・・・・・・嗤ってます。そしてほとんどの人は私を人間として見ていなくて・・・・・・人間として私を見てくれる人は“姫様”と“エル”と・・・・・・」
「もういい!!」
 私の言葉を遮ったのは敵のエルの叫びだった。悲鳴だった。
 私が痛みで顔を歪ませてエルは悲しみで顔を歪ませていた。泣いていた。なぜ、泣いているのかは私にはわからないが。エルは言葉を続ける。
「お前を、始めてみたときからある人に似ていると思っていた。変身した姿も、していない姿も、髪と目の色を除けばほぼすべてが酷似していた。そして、お前にはあの妖精が、テイルが、パートナーとしてついていた。これは偶然か? なんだ?」
「偶然だよ。偶然。変身したときに巫女が着ているような服だったのも偶然だよ。全く、エルはなんも進歩してないんだな。なあ、そんなにも、あのとき救えなかったのが悔しいの? なら、なぜ闇に堕ちた。あの娘は、雪はそんなのは望んでなかったのに」
 テイルがエルの言葉を遮って哀れむように見る。“雪”とは誰のことだろうか。
「おい、お前ら、どういうことだ。それ」
 逃げようとしていた3人と一匹はまだそこにいた。ぬいぐるみが続ける。
「こいつは、この、エルってやつは、元々こっち側ってことなのか? それに雪って・・・・・・」
 テイルはため息をつく。そして、答える。
「そうだよ。エルは、元々こっち側の妖精。でも、闇に堕ちた。今は・・・・・・堕天使とかそんな感じの部類になるんだろうね、雪は、初代魔法少女の名前だよ。もう300年も前に死んじゃった女の子だ。たぶん、今夢が思い出しているのはこの子の記憶だよ。あのこはとても凄い体験を毎日させられていたこだからね」
 なるほど。
「夢、大丈夫?」
 テイルが私の方を向き、問いかける。
「はい、大丈夫です。少し、落ち着きました。そして」
 私は心愛達の方を見る。少し凄みを聞かせた声で少しにらみながら、いかにも怒ってますよみたいな感じて言う。
「私を犠牲にしてまで自由になった貴方達にお願いがあるのですが」
 私の凄みというものを見たことがなかった彼女たちは怖じ気づいて「はっはいっ!」と声を揃える。
「私の家に、ある女性がいると思うのですが、その女性をここに連れてきてくれませんか?」
「・・・・・・・・・・・・。は?」
 私とテイル以外の全員が目を点にさせる。因みにテイルはおお、成る程と言って頷いている。
「え? 夢って確か独り暮らしじゃ・・・・・・」
 ここに来て心愛、ゆぬいぐるみでは無い人物が口を出す。それは美海さんだ。美海さんは不思議の国のアリスみたいな格好をしている。
「ちょっと隠さなくてはいけないような人物でしてね。たぶん呑気に寝ていると思うのでたたき起こしてあげてください。セミロングでピンク色の髪をした女性です」
「わかった」
「あ、戻ってこなかったら実力行使であなた方を痛め付けます。もう、あなた方を守る義務はなくなったので、何をしても構いませんからね」
「げっ」
 3人は同時にしまったという顔をする。気付いたってもう遅い。
「では、私はここで全力でこの人を足止めしときますのでよろしくお願いしますよ」
「え? 大丈夫なの? それに私たちを恨んでないの?」
 美海さんは率直な疑問を私に突きつける。私は微笑む。
「恨んでますよ。私はこんなに辛い痛みを味わったのにあなた方はなーんにもならないでピンピンして、やった! 自由だ!! 何て言ってましたからねー。でも、ある程度私のにもおちたのでここは、ウィンウィンということで処理しときましょう」
 すると心愛がふっと笑った。
「あなたはどれだけ優しいのかしら」
「さあ、では、お願いしますよ」
「ええ、あなたも、お願いね」
 心愛の言葉が終わると共に3人は出口へと走り出した。敵であるエルは呆然としていた。

Re: 非日常の日常 ( No.12 )
日時: 2016/01/18 19:18
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

「行きましたか。純粋ですねあの方々は」
 私はため息をつく。
「ほんとだな、純粋で甘やかされて育たれたんだろうなきっと」
「なんと羨ましい話ですね、ここ天涯孤独の家族の温もりというものをあまり知らない女の子がいるというのに」
 私はとうっといいながら身を起こす。
「もう大丈夫なのか?」
「いえ、私はもう限界です。なので、少しある方に入れ替わっていただきます」
「限界なように見えないんだが、どちらかというとピンピンしているような」
 テイルは私を凝視する。
「私は演技するのは好きですし、うまい方だと思うのですよ。それに、もう、・・・・・・やだよ」
 私は涙と流し始める。もう、思い出したくない。体は、まだ悲鳴をあげている。辛い。
「・・・・・・・・・・・・お前、いま、何が見えているんだ」
 ボーッとしていたエルが口を開いた。
「いま、私の視界は真っ白ですよ。あなたがどんな顔をしているのか、テイルがどんな顔をしているのか、あなたがどんなものを召喚しているのかよくわかりません」
「召喚していることはわかるんだ。なーんだ、わかんないのならそのままぶっ殺そうと思ったのに。つまんないの」
 エルは失笑を浮かべる。
「つまらないのですか。はは、テイル、それではよろしくお願いしますよ」
「わかった」
 聴覚だけでテイルの反応を確認した私はそのまま地面に倒れ込んだ。


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