複雑・ファジー小説
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- 純白のサスペスト
- 日時: 2016/08/26 00:00
- 名前: いんばーす (ID: P/D0CuiW)
状況がわかりにくかったり、
設定がガバガバな部分もありますが、
よろしくお願いします。
名前からサスペンス感が出てますが
サスペンス要素は全く無いです。
一章 純白のサスランス
一話 大男 >>1
二話 超元能力 >>2
三話 驚愕 >>3
四話 刺客 >>4
五話 尋問 >>5
六話 三人目 >>6
七話 増強 >>7
八話 無力 >>8
九話 奈落 >>9
十話 背後 >>10
十一話 空気壁 >>11
十二話 弾丸 >>12
十三話 墜落寸前 >>13
十四話 樹海 >>14
十五話 本物 >>15
一章十五話時点
ーーー主要登場人物ーーー
サスランス・ショルディニスタ(17)
超元能力「三千予測」
能力:未来の連鎖の予知
ロシア人
一章の主人公。
臆病ながらも不良集団のリーダー。
自分が危険にあうと臆病スキルが発動するが、友人の危険の際は臆病スキルは発動しない。
肝心なときに能力を使ってない。
匙本影人(18)
超元能力「次元掌握」
能力:自分の姿を他人の視界から消す
身長190。
日本人。
サスランスの前に突如現れた。
見た覚えもない双子の兄を探しに、サスランスと長い旅に出る。
戦いは途中から熱が入るタイプ。
孤島に向かって飛んでる。
ヤバル・ラビンソリ(17)
超元能力「両腕増強」
能力:両腕の力を強くする。
身長184。
アルゼンチン人。
サスランスと同じく不良集団のリーダー。
単純に強い。
バカ。謎の心配性。
ナルバ・ジャンネラール (20)
超元能力「全魔波動」
能力:オーラを使った視察、攻撃
身長178.8。
オランダ人。
紳士的な性格で敬語を使うが頭悪い。
能力強い。
ーーー超元能力の解説ーーー
射程距離、持久力を除く各項目の目安
A:使用者の3倍くらい。
B:使用者の2倍くらい。
C:使用者の1.5倍くらい。
D:使用者よりちょっと高いくらい。
E:使用者と同じくらい。
サスランス:「三千予測」
未来の連鎖の予知
持久力:A 戦闘時の実用性:A 射程距離:E 成長性:A
使用時の攻撃力:B
「aを実行するとbが起きる」ということが予測できる。
この「a」は自分自身が起こす行動を指し、
「相手がaをおこすとbが起きる」ということは予測できない。
謎の右腕が見えている…?
影人:「次元掌握」
自分の姿を半径30m以内の他人の視界から消す
持久力:D 戦闘時の実用性:B 射程距離:C 成長性:A
使用時の攻撃力:E
一度に発動したときの持続時間は最大8秒で、終了後に規則正しい呼吸を3回しないと再度発動しにくい。
発動中に触れている人間も一緒に視界から消すことができる。
影人によるともう一つ追加能力がある…?
ナット・エイピング:「全能伝導」
自分がその時視界にある人間と交信をとる(顔写真でも可)
持久力:A 戦闘時の実用性:E 射程距離:A 成長性:E
使用時の攻撃力:D
顔がナット自身の視界にある人間交信がとれる。
どれだけ離れててもタイムラグは発生しない。
交信の制限時間は最大二時間らしい。
実際の人間そのものを視界に入れて交信する場合、音量を調整できる。
そうでない場合は常に音量は一定である。
地球の半分くらいが交信可能範囲だそうだ。
ヤバル・ラビンソリ:「両腕増強」
両腕の力を強くする。
持久力:A 戦闘時の実用性:A 射程距離:E 成長性:A
使用時の攻撃力:A
そ の ま ん ま 。
力を強くするだけで、腕の長さが変わったりはしない。
5時間能力を使いっぱなしだと疲労骨折する。
地面を殴った反発で跳躍も可能。
空気を殴れるようになった。
サバル・ラビンソリ:「両脚増強」
持久力:A 戦闘時の実用性:A 射程距離:E 成長性:A
使用時の攻撃力:A
そ の ま ん ま。
蹴る力は強くなるが、脚がそれほど早くなったりするわけではない。
5時間能力を使いっぱなしだと疲労骨折する。
地面を蹴って跳躍も可能。
バリス:「永久奈落」
持久力:D 戦闘時の実用性:A 射程距離:D 成長性:B
使用時の攻撃力:A
半径5m周囲に底のない穴を作り出す。
片足のサイズくらいだと一瞬で作れるが、ある一定のサイズを
越えると、作成時間が最低でも55秒になる。
5m周囲全てに穴を作ろうとすると6分かかる。
穴は同時に2つまで作れる。
また、穴ができてから消えるまでは大きさ関係なく1分12秒かかる。
空間に穴を作ることもできるようだ。
穴と地面の境目に物体があったまま穴が閉じる場合は、地面がめり込んでいる形に直る。
偽機長:「大気造壁」
持久力:A 戦闘時の実用性:A 射程距離:B 成長性:E
使用時の攻撃力:C
空気の壁を作り出す。結構硬い。
同時に最大80個まで作れる。
ナルバ:「全魔波動」
持久力:D 戦闘時の実用性:A 射程距離:C 成長性:D
使用時の攻撃力:B
範囲内の人間の波動を見れるようにする。
1秒発動するのに対して18分クールタイムが必要。
また、波動を能力者でない人間から吸収し、弾丸を発射できる。
一人吸収するのに対し5発打てる。その弾丸が何にも当たらず一定の距離を超えた場合は、自動的にオーラがもとの人間のところへ戻っていく。
女装CA:「幻覚樹海」
持久力:C 戦闘時の実用性:A 射程距離:D 成長性:E
使用時の攻撃力:D
直径5mの範囲の中にいる人間を一人選択し、「樹海」にいる幻覚を見せる。
「樹海」での人の動き、重みは現実にも連動される。(逆も。)また、その動きの中で「側面にある人間以外の何か」はすべてすりぬける(壁の概念がない)。壁の概念がない状態で何らかの影響で下に落ちた場合、能力が解除される。
- Re: 純白のサスペスト ( No.12 )
- 日時: 2016/05/15 22:22
- 名前: いんばーす (ID: P/D0CuiW)
一章 純白のサスランス
十二話 弾丸
「チッ、いたるところに空気壁が置かれてやがる…」
「サスランス、これお前が壊したりできないのか?」
「最初に試したが無駄だった。硬すぎるぜこの壁は…!」
「そういえば、オーラは見えなくなったが、効果切れか?」
「最大10秒しか見えません。1秒オーラを見るのに対して18分のクールタイムが必要です。」
「ま、有能な能力はそんなもんか。」
「おい、運転席についたぜ。ドア突き破るか?」
「ああ、頼む。」
「せーので行くぞ。せーのっ…」
バァン!!
ドオオオオン!!!
内側からセットされていた爆弾が爆発した。
「「うおおおおおあああああ!!!」」
サスランスとヤバルが吹っ飛んだ。
「バカめ。これで貴様らの死は確定したぞおおおおおお!!!!」
運転席から人影が出てきた。
「この俺の『大気造壁』に翻弄されたようだなァ!!!」
「まずいぞ、お前!このままじゃ俺達もやられるぜ!!」
「かといってどう対処しましょう?戦闘しかないですよね。」
「俺は戦闘型の能力じゃないぞ…!」
「ああ、そのてんはお任せを。あなたはなんかしらでスタンさせるなりをお願いします。」
「どうするんだよ!壁のせいでアイツの方へむかえないぞ!?」
「乗客の方には申し訳ないが…仕方がない。はぁぁあ…」
男は右手を前に出した。
「フッ!」
バァン。
何故か空気壁か割れた音がした。
「よし、私の力でも、破壊できますね。この調子でいきましょう。」
「フッ!」
「何が起こっているんだ…」
「能力者でない人のオーラを吸収し弾丸として発射しているんです。私にもここに弾丸があるかは見えていませんがね。」
「はあ…」
「俺の空気壁がある限り俺に負けはないぞおおお!!!」
「確かにそうですね。ただ、向こうも生成にクールタイムがあるようですなから、絶えず弾丸を打っておけば押すことができるでしょう。」
「その弾丸に破壊力はあるのか?」
「あまり試していませんが、空気壁を破壊できるので問題ないでしょう。」
「打てる弾数は?」
「1人のオーラを吸収するのに対し5発です。約70人くらい乗客がいらっしゃるので350発くらいですかね。」
「足りるか?」
「おそらく足りないです。」
「どーするんだよ!?」
「そのころにはきっとあの二人も起き上がっているでしょう。」
「言葉遣いも丁寧だし容姿も高貴そうだけど計画性0だな。」
「計画立てるのもそれ通りに動くのも苦手なんです。昔からよく指摘されてます。」
「おい!お前ら何のんきに話してんだ!!」
「うるせえな!!」
影人は姿を消した。
「あれ…、あの方はどこへ?」
(おいお前、左の手前から3つ目の窓に向けて発射しろ…そこからあいつに行く道にはちょうど空気壁がない!俺が反射させる!)
「彼の能力ですか。」
「フッ!」
「オラァ!」
影人はナイスタイミングで弾丸を殴ることに成功した。
(確かに良い感触があったぞ!)
「うぼぁ!!」
弾丸は空気壁を見事に避け、敵の奴にヒットした。
- Re: 純白のサスペスト ( No.13 )
- 日時: 2016/05/13 21:44
- 名前: いんばーす (ID: P/D0CuiW)
一章 純白のサスランス
十三話 墜落寸前
「おお!何故分かったんですか?」
「企業秘密だ。」
影人は嬉しそうに言った。
「うおおおおお!!!」
ヤバルが起き上がった。
「よお。」
「あいつどこいった!!!あいつは!!!」
「その辺に倒れてるだろ。何発かぶん殴っているから。」
「うおおおおおお!!」
「さて...と。どう脱出しますかね。」
「今この飛行機はどういう状態なんだ?」
「まだ空気壁に支えられています。もうじきその空気壁も消え墜落するでしょう。」
「乗客は救出するか?」
「正直負担がかかるだけなので捨てていきたいんですが、飛行機から生還した私たちが真っ先に犯人とみられるかもしれません。最低でも半分くらいは救うべきでしょう。」
「と言ってもなぁ...サスランスもヤバルも俺も救出できるような能力ではないし...」
「そう言えば彼の能力を聞いていませんでしたね。サスランスって人かな?」
「自分がその行動を起こした時の未来が見える。説明難しいなこれは。」
「大体はわかりました。面白い能力ですね。」
「どうにか救出できないものか...」
「おい、CA。緊急パラシュートみたいなものは無いのか。」
いつの間にか起きていたサスランスが尋ねた。
「ないです。あったとしてもドアを開けた瞬間気圧の差で機体がバラバラになります。」
「クソっ!どうにかして脱出できないのか!」
「ここは運河の上ですけど、墜落するまでに陸地にたどり着けますか?」
「まだわかりません...機長は殺されてしまっていますし、私たちCAからは何も言えないです。」
「さすがCAだな。機長が殺されても冷静な対応とはな...」
「この機体は今どう静止しているんだ?」
「多分空気壁の床にめりこんでいると思います。」
「まじいな...」
「...あ」
「どうした?」
「私の魔力弾丸を濃縮して墜落寸前の飛行機に当てれば...」
「飛行機が壊れちまうぞ。」
「そこは調整です。この空気壁にめりこんでいるのと同じようにすれば...」
「やめろ!可能性が低すぎる!!」
「...あなたは打つ手があるんですか?」
「ねえよ。ただお前のほんのわずかの可能性にかけるなら、もっと作戦を練った方がマシだ。」
「納得できませんねえ。」
「は!」
「おや?思い付いたんですか?」
「ああ。極悪非道の作戦が一つ...思い浮かんだ。」
- Re: 純白のサスペスト ( No.14 )
- 日時: 2016/06/08 21:31
- 名前: いんばーす (ID: P/D0CuiW)
一章 純白のサスランス
十四話 樹海
「まず、乗客は見捨てる。」
「まあ極悪非道とか言い張るくらいですからそうでしょうね。」
「飛行機が墜落寸前の距離になった瞬間、ヤバルが俺達を掴んで空気を殴って横方向に飛んでいって逃げる。」
「…」
「…」
「どうした?」
「いやあ、思ってたよりありふれた作戦だったなって…」
「…すまんかった。」
「てか、もうちょっと安全な作戦はないのか。」
「おい、お前ら来たぞ。一番安全な道の予測ができた。」
「本当か!?サスランス!」
「ああ、実はこの中にもう一人能力者が潜んでやがった…予測の中に出てきた。」
「本当ですか?さっきの10秒で見つけれていなかったのでしょうか。」
「こいつだ。副機長のこいつだ。」
「こいつはもう死んでやがるぜ?どう関係するんだ。」
「あなたの能力、用途豊富ですね。」
「そんなことはねえぜ、今回もたまたまだしな。」
「で、どう関係するんだ?」
「闘って勝てば生き残れるらしいぜ。」
「闘ってって…こいつもう死んでるじゃねえか!」
「どう襲ってくるかわからんし、俺に言われても…」
「おい、サスランス。いつ襲ってくるかわからんから気をつけろよ。」
影人は突き刺さってる飛行機の状態を窓から見ながら言った。
「…サスランス?」
後ろを振り返ると、ついさっきまで話していたサスランスたちが消えていた。
「何だここは?」
樹海のような風景だった。道がある。
「一体何なんだ…」
といって前を向き直すと、飛行機を見てたはずの窓もなかった。
…後ろの道を進んでいくしかないのか?
はぁ…とため息をつき、影人は歩きだした。
影人が7歩目の足を踏み出そうとした瞬間ー
ガッ、と後ろから肩を掴まれる感触があった。
影人は思わず後ろを振り向いた。
すると謎の人型生命体があった。
いや、生命体なのか?
「うおあ!?!?」
影人でも叫ぶレベルの驚きだった。
「な…なんだ!?」
「…」
「ま…まさかこれが副機長の能力なのか…!?しかしこの人型の生命体は…?」
「この樹海で永遠に生きるといい…」
「しゃ、喋った!やはり能力か!」
「俺は…死んでなどいない…」
「な!?思っきり血口から出して死んでたのは…?」
「あれは…偽の副機長だ…」
「助かりたくば…進め…出口は…向こうだ…」
「お前の言葉に従うわけにはいかないな。信じることはできない。」
「そうならば…永久にここを出れることは…ない…」
確かに言うとおりだった。樹海に囲まれたこの地は、この道を進む以外には出る方法がなさそうな感じだった。
「この道を進めば何があるんだ。」
「言っただろう…出口…だと。」
「チッ…進むしかないのか…」
そういいつつ、影人は進み出した…だが!
ガッ。
「まただ!また何かに掴まれたぞ!」
「今お前は…サスランスに掴まれている…」
「サスランス?何を言ってるんだ!」
「影人!?」
「どこ進んでんだお前!」
「なんでしょうか。これは。影人さんも何も言葉を発さないし、私達の声も聞こえていないようです。」
「しかも…俺達はこの影人に触れることができているが…」
「シートをすり抜けているぞ…!?」
「意味わかんねえ!どうなってんだ!!!」
「サスランスは出口にいくなととめてくれているのか?」
「…そうともいえる…」
- Re: 純白のサスペスト ( No.15 )
- 日時: 2016/06/17 01:09
- 名前: いんばーす (ID: P/D0CuiW)
一章 純白のサスランス
十五話 本物
「そもそも…ここはどこなんだ!?」
「樹海だと言っているだろう。」
「なんで樹海なんだ!?俺はさっきまで飛行機の窓を見ていた!!!樹海とは無縁の上空にいたんだぞ!?なんで樹海にいるんだ!!あとお前誰だよ!!」
影人はいきなり背中に赤ちゃんが乗ったような重みを感じた。
「!?なんだ…?」
何も触感は無かった。
副機長の何かだと思った。
「副機長だ…と言っているだろう…お前は今俺の術中に…はまっているんだ…」
「じゃあお前を殴れば済むってことだな!『次元掌握』!!!」
影人は能力で姿を消した。
「グボアッ!!!」
謎の生命体は、腹を殴られ吐血した。
「フフフ…匙本影人…お前の死はたった今…確定した。
私を殴ったことで…お前は死ぬんだ。」
「ハッタリぬかしやがって!!どうやって俺がこの状況で死ぬんだ!!」
「フフフ…さあ…出口は向こうだ…」
影人は一歩踏み出した瞬間…
地面の中に堕ちていった。
影人の視界は戻った。さっきまでのように飛行機の中に…いたはずたった。
上は…青い空。そして飛行機。
下は…パナマ運河。白い雲。
今自分は…運河に向かって飛び降りている状態にある。
「なぜだ!?なぜこんな状況なんだ!?さっきの副機長ってやつのせいか!?」
「うわあああああああああああああ!!!!」
「はっ!?」
バサアッ。いつの間にか背中についていたパラシュートが大きく広がった。
「パ…パラシュート!?飛行機には搭載されていないはずじゃ…」
「そ…それにしても、下は運河だ!!どこに着陸すればいいんだ!?」
「あ!!あそこに孤島があるぞ!!」
影人はパラシュートに身を任せながら孤島に向かって行った。
一方、サスランス達は、本物の能力使いを発見した。
「まさか…CAに紛れて女装していたとは…」
「おいヤバル!!影人の状況は見えるか!!」
「見えねえよそんなもん!!でも多分あいつだから大丈夫だ!!」
「これで大丈夫じゃなかったらどうすんだよ…まあいい。今はこいつの処理だな。」
「ですね。どうしましょう。」
「ひっ…許してくれ…影人は殺しちまったけど…許してくれえ!!!」
「無理だな。それに影人もおそらく生きてる。ヤバルが変な心配して持ってきたパラシュートが役に立ったぜ。」
「あとで影人に宝石おごってもらおーっとぉ。」
「いいですね。私もついでに頂きたいな。」
「はぁ…ナルバもヤバル俺に押し付けかい。しゃーねえな。」
どうやら紳士の男の名はナルバらしい。
「助けて!!影人も生きてたんだ!!許してくれよお!!」
「俺が思うに…命乞いをしてる姿が人間の中で一番滑稽な姿だと思うんだ。」
影人は無言で殴り続けた。
「うわぁぁぁあああ!!んごむこんぐが…」
「お前には陸につくまで黙っててもらうかんなー。あ、そういやお前飛行機の何かしら持ってるか?それくれたらガムテは剥がしてやるぜ。」
女装CAは首を横に振った。
「おっかしーなー。どうやって助かるんだ?」
「もっかい予測してみたらぁ?」
「それもそうだな。」
「しかしおかしいですね。この飛行機まだ動きませんよ。空気壁にまだ支えられてる感じです。」
「確かにおかしいな。仮に空気壁のやつが生きてたとしてももう支える意味はないはずだ。」
ヤバルは立ち上がろうとした。
ガンッ。
「いってえ!!!」
「まさか…空気壁か!?」
「そのとおりだ。操縦席から出てきたやつは私の部下だ。邪魔だったから切り捨てがてら適当に時間稼ぎさせておこうと思ってな。」
「こいつか!!本当の『大気造壁』の能力使いは!!!!」
「さっきまでは適当に壁を作っていたが…本気でかかる!!」
ドオオオオン!!!
飛行機を支える壁が消えた。
「相手はおそらく素早いぞ!気をつけろよ!」
「もう遅い!!」
といって、能力使いはナルバに向かって蹴る動作をした。
「まさか!?」
サスランスは瞬間的に能力を使った。
ナルバに何も言わない…大量出血てナルバが死ぬ。
避けるように言う…ナルバは死なない。
まずい!
「ナルバ気をつけろ!一度ジャンプして飛んでくる壁を避けるんだ!!」
「なっ…!?」
ブシュアッ。
ナルバは避けるのが数瞬遅れたせいで前に出していた左足が吹っ飛んだ。
「うわあああああああああああああ!!!!」
ナルバの叫び声が飛行機の中に轟いた。乗客はどよめいている。
- Re: 純白のサスペスト ( No.16 )
- 日時: 2016/07/08 20:14
- 名前: いんばーす (ID: P/D0CuiW)
一章 純白のサスペスト
十六話 墜落
「ふん。サスランスのおかげで命拾いしたか。」
「はぁー...はぁー...」
「おいナバル!!大丈夫か!?」
「え、ええ...この程度の怪我なら...なんとか...」
「この程度どころじゃねーだろ!左足吹っ飛んだんだぞ!?」
「いえ...この程度なら...乗客の方、すみませんが...」
「治せれるのか?」
「ええ...一分ほど...治す時間を...」
「わかった。」
「ハッ。てめえが俺を一分間止めるだと?笑わせてくれるな。それは不可能だぜッ!」
また能力使いは蹴る動作をした。
「俺だけじゃねぇ。俺たちでナルバを助けるんだよ!」
「オラァ!」
ヤバルの拳は飛んできた壁にヒットした。
「ほう...二人か。無駄な足掻きを...」
能力使いはさらに2回蹴る動作をした。
「くっ...まずい!」
「ふっ!」
ヤバルは1枚を壊し、サスランスは横に蹴飛ばした。
「ナルバ!あと何秒だ!?」
「あと二十...六秒!!」
「それは無理だねぇ。ナルバ、十秒縮めて...」
「最後の...10秒くらいが...一番大事なんだ...」
「仕方ねえ、あと20秒...耐えるぞ!」
「りょーかい。
「20秒...ねぇ。ククッ。」
「何がおかしい!?」
「この飛行機はあと15秒で不時着するぜ?」
「「何!?」」
「俺は用済みってことだ。じゃな!」
壁の能力使いは窓を割って逃げていった。
「ま、まずい!!」
「パ、パラシュートはもうないよぉ!?」
「...成す術なし...ですか。」
「でもサスランス。予測とは違う運命じゃないか!」
「いや、俺達は勝っていない。こうなるのも運命なんだ。」
「能力を使って助かる方法を!まだ時間は...」
「ありとあらゆる予測は全て調べた。もうどうしようもない。」
「...サスランス、ナルバ。ごめん。痛みに耐えて。」
「何をするつもりだ!?」
不時着まであと4秒。
「君らをおもっきりぶん投げて、助ける!!」
「あなたが死にますよ!?」3...
「...影人は地について、誰にも会えないままか、君たち二人に会えるか、どっちが幸せかなぁ?」2...
「...わかった。やれよ」
サスランスは声が裏返った。
「ほんの一週間程度だったけど、クソ楽しかったぜ!!!!」ヤバルは言った。...1。
「...ああ。」
サスランスは左目に涙を流しながら言った。
「うらぁ!!!」飛んでいった。
これでいいんだ...。弟も倒した。二人の人間を助けた。悔いはない。
「ありがとう。本当に...。」
ドオオオオオオオン!!!
巨大な爆発音とともに一機の飛行機が不時着した。
天気は快晴である。
1965年11月30日
パナマ、エル・ヒラル付近にて
ヤバル・ラビンソリ...死亡。