複雑・ファジー小説

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神々の闘争録
日時: 2016/04/03 21:26
名前: 黒陽 (ID: b/D5tvZu)

作者の欲望だけをぶちこんだ作品です。
ずばり異能バトル×スポーツ×巫女
作者の趣味だらけです。基本的に好き放題やります。
中3のため更新期間もまちまちです。

それでもいいよって方はご覧くださいませ

Re: 神々の闘争録 ( No.7 )
日時: 2016/04/19 21:01
名前: 黒陽 (ID: wpgXKApi)

「嘘……私の巫女が……なんで」
「何故か、それはお前の巫女四人、いやお前も含めたら五人か。それは簡単だ。お前たち五人よりも俺の方が強かった。ただそれだけだ。さて、小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK?ハハッ、一回言ってみたかったんだよなこれ」

目の前に倒れる巫女達は、もう返事をしてはくれない。返事をしてくれるのは彼女の目の前に立つ志龍バケモノのみ。
背中から暗黒を放ち、狂気を孕んだ蒼の双眸は絶望に震える彼女を見据え、口はこれから立ち向かってくるであろう彼女が抗えぬ絶対的な敗北(運命)に抗う姿を見ることができるという期待で口角を歪ませている。

「ああ……ああああ……ああああああああああ!!!!」

一心不乱に八雷神斧を振るう。それは最早、型などはない。発狂した状態でただただ目の前の怪物(志龍)に消えてほしい。ただただ死んで欲しい。自分は生き残りたいんだという生存本能から振るわれる一撃なんぞ、志龍は容易くあしらえる。
彼女は距離をとると、八雷神斧に神気を集中させる。神気は膨れ上がり、巨大化し一つの槌へと姿を変える。
それは彼女の最高威力の神技、《森羅万象打ち砕く雷神の鉄槌》だ。

「しぃぃぃぃねぇぇぇぇッッッ!!!!!!」

それを玲奈は志龍に向かって振り下ろす。万物の存在を許さない破壊の雷は、志龍を飲み込み、意識を粉砕する——

「何度やっても無駄だ。その程度の攻撃で俺は死なない」

筈だったのだ。《森羅万象打ち砕く雷神の鉄槌》は志龍の《夜刀御月》を持っていない方の腕、左腕に受け止められたのだ。
しかも軽々と、涼しい顔をしながら。

『おい嘘だろ……耐えるだけじゃなくて受け止めたぞ!?』
『これの何処がEランクなのよ……!!』

受け止められた《森羅万象打ち砕く雷神の鉄槌》を一旦解除し、また神気を込め《森羅万象打ち砕く雷神の鉄槌》を発動させる。
何度も、何度も。目の前の志龍バケモノが地に伏せるまで。何度でも振り下ろすだろう。
それが、それだけが、バケモノを倒す唯一の手段であると彼女は知っているから。
それは、一種のチキンレースに等しい。志龍が《森羅万象打ち砕く雷神の鉄槌》を受けて倒れるか。玲奈の神気が底を尽き倒れるか。そのレースに挑むしか玲奈は挑むしかない。
しかし、彼はそんな無謀な賭けに応じてやる気は更々なかった。
三度目の《森羅万象打ち砕く雷神の鉄槌》を振り下ろし、志龍が食らうその瞬間に

「《闇穴》」

志龍は模擬戦場から、闇の穴を潜り《森羅万象打ち砕く雷神の鉄槌》の上空へと転移ワープしたのだ。
《森羅万象打ち砕く雷神の鉄槌》は攻撃範囲は攻撃力に重点をおけば直径約30mの円状に攻撃し、攻撃範囲に重点をおけば、直径100mにまで範囲は拡大する。
が、それは槌の下部分の攻撃範囲であり、槌の上には一切、雷が存在しないことを彼は見抜いていたのだ。
背後では、体術で反応される危険性があった。その為、彼は一刀の元に切り伏せるため、反撃のしようがない、上空へと逃げ、八雷神斧という超重量武器では反応できないほどの速度まで、神気で加速した。
そして、夜刀御月を振り下ろし彼女の意識を奪い去った。

Re: 神々の闘争録 ( No.8 )
日時: 2016/04/21 22:58
名前: 黒陽 (ID: wpgXKApi)

ドサリと、怜奈が倒れた。
そこに立つ勝者は一人のみ。純黒の神気を撒き散らし、敗者を見下ろす《堕ちた竜》蒼海志龍であった。

「勝者!蒼海志龍!!」

レフェリーである心咲が勝者の名を告げるなか、その場で起こったEランクがAランクに勝つという大番狂わせに、ただ言葉を失い、リングに入ってきた扉を再度潜る。
と、そこには正式に彼の巫女になるであろう。御神木有栖がそこにはいた。

「お帰り。《暴竜》」
「その……名前で呼ばれるのも……久しぶりな……気がする…な」

扉を潜った瞬間。志龍はフラフラになると、近くの壁にもたれかかると、肩で息をする。

「やっぱりまだ反動が辛い?」
「何で…お前が《黒龍纏身》の事……知ってる?」
「契りを交わす半神の事を調べるのは当たり前です〜。
《黒龍纏身》……《暴竜》蒼海志龍の最強最悪の神技。闇の神気を自身の筋肉組織、骨に流し込むことで、身体能力を数百倍にまで引き上げ、肉体耐久力は、雷を無傷で受けとめ、放たれる斬撃は海を切り裂く。闇属性の致命的なまでの、スピードの遅さを改善し、もとから絶大的だった攻撃力と防御力に更に拍車をかける技……龍を身に纏わせるという名前の通りその威力は絶大だ。
だけどそんなことをして肉体が耐えきれる訳がない。全身の筋肉組織は千切れ、全身骨折は免れない。肉体のタイムリミットまでに相手を倒しきれなければそれで終わり。そんなピーキーな技使いこなせるのは志龍ぐらいだろうね」
「分かってるなら、とっとと《神の揺りかご》にぶちこんで欲しいんだけど……足の筋肉と骨がイカれてきた」
「はいはい、ちょっと待ってね〜」

パチンと有栖が指をならすと、何処から出てきたのか、植物が芽を生やしそれはいずれ人形になると、志龍を抱えると腕を担架にかえ、運び出す。
因みに《神の揺りかご》というのは現代科学と神気、巫力の技術を集約させ開発させた立方体の医療水槽の事であり、それに入れば骨折はもちろんの事、臓器の再生も出来るという戦いに身を投じるものにとっては必要不可欠のものだ。それが模擬戦場には、十分な数を設置することが義務付けられている。

「ちょいまち有栖。この担架落ちそう。しかも固いし」
「文句言うくらいなら自分で歩け〜」
「すみませんした。お願いですんで運んでください」

最初からそう言えばいいのに。と有栖が笑い、それにつられて志龍も笑う。
一度たりとも一緒には戦っておらず、付き合いも短いはずなのに、彼らは既に相棒であり、親友であった。






Status

Shiryu Aoumi
蒼海志龍

所属:陽海学園1年E組→2年S組
半神ランク:E→S
神技:黒龍纏身
2つ名:堕ちた竜 暴竜(有栖のみ)
人物概要:自らの力を封じ込めた異端の戦闘狂バトルジャンキー

能力値(最高値をSとした場合)

攻撃力:F→S+
防御力:E→S
敏捷:F→A+
身体能力:S+→S+
神気量:F→S
神気制御:E→A

Re: 神々の闘争録 ( No.9 )
日時: 2016/04/23 21:29
名前: 黒陽 (ID: wpgXKApi)

まだまだ肌寒い四月の早朝。
巨大な敷地を有する陽海学園の校門前に2つの影があった。
一つは多少肩を上下させながら水筒に入れたスポーツドリンクを飲んでいる黒いタンクトップ姿の蒼海志龍。
そしてもう一つは、志龍からかなり離れた場所でくたくたになりながらも、志龍の待つ校門前を目指して走る、学園指定のジャージ姿の彼の巫女、御神木有栖だ。
志龍は早朝から体力維持のための20キロメートル程のランニングを行っている。
それに、彼と4日前から同棲している有栖もついてきていたのだ。
だが、普段本来の力の90パーセントを封じている志龍は神気を使わずともほとんど半神に勝てるように肉体方面でも半端ではないほどのトレーニングを自らに課している。タンクトップには重りが仕込まれており、その状態で軽いジョギングを延々と続けるだけではなく全力疾走と軽いジョギングを繰り返すことで心肺機能に大きな負担をかけるスタイルでの20キロだ。
1日目、有栖は倒れた。それを志龍がおぶって二十キロ走った。
2日目、走り終わる直前に有栖は出すもの全部だした。
3日目には志龍より15分位遅れたものの、なんとかゴール。
そして4日目。
やはり志龍より遅れては来るものの、昨日よりも5分以上タイムを縮めて着実にゴールに近づいてきている。

(すごいな……有栖)

本来、巫女というのは巫力の強化訓練ばかり行ってきていて体力面では一般人以下という巫女も少なくはない。
そのなかでも有栖は巫女の平均巫力量の十五倍という馬鹿げた量の巫力を持ちながらも、自分のトレーニングにもついてくる。
半神でありながら巫女でもあるという特異存在である彼女が己の才能に頼らず己を鍛え抜いていたことに志龍は感嘆の息を漏らす。

「ハァ……ハァー!ゴールっ……!」
「お疲れ、有栖。肉体面でもこれだけ凄いとかどんなチーターだよ」
「志龍にチーター…とか……言われたくないっ……。それに今……私は猛烈に……死にそうになっている……ッ」

巨神の星とかずいぶん古いネタを知ってるんだなぁと思いながら冗談を言えるとはまだまだ有栖は余裕そうだった。
志龍は有栖の息が落ち着くのを見計らって、さっき飲んでいたスポーツドリンクを渡す。

「ほら、有栖。水分補給も忘れんなよ」
「サンクス!!」

ランニングで火照った体を冷やすために有栖はすさまじい勢いでスポーツドリンクを飲んでいく。

(あ、そう言えば間接キスだな。あれ。ま、いいか本人気づいてないっぽいし)

謎の罪悪感に浸りながら、志龍は有栖から目線を正門の方へ向ける。
正門前には——始業式を知らせる看板が立て掛けられていた。

「……やっと始業式か」

志龍は小さく呟くと、また有栖の方へ視線を戻した。


Re: 神々の闘争録 ( No.10 )
日時: 2016/04/25 22:39
名前: 黒陽 (ID: wpgXKApi)

始業式も終わり、指定された教室に向かっていくと。
そこには、先日の模擬戦で戦った鈴鳴玲奈がいた。
めんどくせぇからスルーするかと、目的の教室に向かうと。

「蒼海志龍!!」

と、志龍は大きな声で呼び掛けられた。あからさまに嫌な顔をしながら振り返ると。

「あの模擬戦では私たちの惨敗でしたが、今度こそはあなたに勝ちます。首を洗って待ってなさい!」
「おう、頑張れ」

じゃな、と後ろに手を振りながら教室に志龍は入っていく。後ろから怒りの声が聞こえてきたが、それを華麗にスルーして教室に入っていく。
するとそこには、名前のあ行、か行の2年の生徒たちが集まっていた。
どういう事だと、志龍が首をかしげていると。

「よう元Eランクの僕の親友。元気だったかい?」
「まぁそこそこ。そっちこそ梓さんと仲良くやっているのか?」
「語るに及ばずって感じだよね〜。志龍も有栖ちゃんなんていうベリーキュートな巫女ができたじゃあないかい?まぁ僕の梓さんに比べたら大したことないけど」
「はいはい、ごっそさんごっそさん」

小柄な男子が志龍に寄ってきた。身長は150センチそこそこ。176センチという現代男子としてはまぁ普通の身長しかない志龍でさえ見下ろせるのだから、彼はひどく小柄だ。髪はこれも志龍の黒髪とは対極的な初雪の如く純白だ。
小学生だ。と言い張ればそのまま通りそうなほど子供らしい彼の名は風間颯。校内半神ランキングで常に一桁、しかもかなり上の順位をキープしている彼は、元志龍のルームメイトだ。

「今年は、君も《神々の闘争》に出てくるのかい?今年こそは君と戦いたいんだけど」
「さぁ?出れるなら出たいけど。たしか新理事長になってから選抜メンバーの選び方が変わるとか言ってなかった?」
まぁその辺りは、担任の先生が説明してくれるだろうと思い、黙って自分が入ってきた扉を見つめた。

Re: 神々の闘争録 ( No.11 )
日時: 2016/08/25 06:39
名前: 黒陽 (ID: lPEuaJT1)

「はーい☆私は皆さんのクラス分け担当の御影飛鳥でーす!!よろしくね♪」

蒼海志龍の高校二年の学園生活は、異様に明るい声から始まった。
そのテンションについていけない生徒も多々いるらしく、ちょっとどころか『ないわー』という心の声が志龍には聞こえてきた。

「質問よろしいでしょうか、御影先生」

ピーチブロンドの髪を持った少女が異様にテンションの高い教師——御影に質問をする。

「ノンノン♪あーちゃんって呼んでくれないと返事してあげないぞ♪」

その返しにさらに「ないわー」という声や「ドン引きですわ」という声も加わって志龍の幻聴はさらにカオスになった。まぁ気持ちはわかる。志龍も彼女とは知り合いであるとはいえ、同じ気持ちであったから。

「あ、あーちゃん。クラス分けって言っていましたけど、それはどういうことなんですか?」
「良い質問だね。今頃一年生はバカみたいに長い入学式をやっているわけなんだけど、例年は全学年でそれをやっていたでしょ?今年から就任した心咲理事長がランクを新しく測定し直して、その結果でクラスを決めようって言い出したわけ。勿論ランクは公表されはするけど、EランクはEランクでSランクはSランクで固めようなんて思ってないから安心してね。各々自分の才能の限界まで頑張るように。その他の詳しい説明はクラス分けをした後に担任の先生から説明されるから。それじゃあ行こうか」

御影に起立を促され、志龍たちは第四模擬戦場に案内された。




第四模擬戦場。そこに二年の生徒全員が集っていた。そこで二年の学年主任である教師からの説明がある。要点だけまとめると。

・ランクは攻撃力、防御力、敏捷、身体能力、神気総量の五つの項目の平均で求められる。
・半神、巫女関係なく同じ内容でクラス分けを行う。
・自身の能力の限界まで引き出すこと。

の3つである。最後の項目は己の能力の九割以上の能力を封じている志龍の為だろう。


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