複雑・ファジー小説

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上京したら変態に憑かれました[10話とおまけ更新]
日時: 2016/10/29 16:11
名前: 雪姫 (ID: 7ZQQ1CTj)

初めましての方は初めまして!お久しぶりの方は…いるのかな?とりあえるお久しぶりです!
すっごぉ〜〜〜く昔にここで鋼の錬金術師の二次小説と他をかかせていただいておりました雪姫(ゆきひめ)でございます。
また証拠にもなく帰ってきちゃいましたビシッ


□登場人物紹介□
主人公+名前不明(♀ 22歳)
【妄想でご飯何倍でもイケる。と豪語する田舎娘。
 趣味妄想、特技妄想、欠点妖魔に憑りつかれやすい体質のみ?】
初恋相手+二ノ宮 雄輔/にのみや ゆうすけ(♂ 22歳)
【一言で表すとツンツンツンデレ。河井荘の大家代理。
 唯一の常識人でツッコミ担当。主人公とは同じ高校に通っていた】
憧れの人+六見 遊馬/ろくみ あすま(♂ 27歳)
【少しチャラい。女の子は口説かないと失礼、デートに誘うのはあいさつ。
 生活能力は皆無で行き倒れている。売れっ子漫画家】 
天然生物+四ノ宮 希/しのみや のぞみ(♂ 18歳)
【独自の世界を持ち、ド天然の発言で周りを和ませる。
 雄輔は従弟。受験生で勉強を見てもらうために一年だけ河井荘に来た】
変態妖怪+びんちゃん(真名不明)
【主人公の部屋の押し入れに住み着いている、恋愛関連の呪術に特化した“貧乏神”
趣味セクハラ特技セクハラ能力憑りついた相手のモテオーラを吸収し非モテにする】

簡易相愛図



■あらすじ■
田舎娘が都会へ!
新居は今にも崩れそうなおんぼろアパート。がっくし?いやいや、むしろイケメンに囲まれてハッピー。モテ期きたれりっ!ビシッ
…と思ったのに、何故かモノノ怪(変態・変人・変な生き物)に憑かれてしかも、一年以内コイツを成仏させないと一生恋ができないぃぃ〜〜!?
田舎娘と変態とイケメンによる乙女ゲー的はちゃめちゃライフが今始まる。

(仮)


◇もくじ◇
共通編「1河井荘の住人達 >>01」「2奪われました >>05」「3ドラク●>>07」「4真っ黒なアイツ >>08」「7パンさんですゾ>>15」「9みんなでご飯>>18
二ノ宮 雄輔編「6呪われましたb>>12-14」「8懐かしの>>16-17
六見  遊馬編「ハムとカミ>>19-23オマケ>>24
四ノ宮  希編「実は怖い○○>>」
???編「5呪われましたa>>9-11

Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.14 )
日時: 2016/10/22 11:46
名前: 雪姫 (ID: FA6b5qPu)

№006-3 5b




-貧乏神神-side






どうもおはこんばんワンコ。
この物語のアイドル的かつマスコットキャラの貧乏神デース!
ただいまボクは—

「聞いとんのか?ぉぃ」
「ふぁい…聞いてマス」

地獄の淵にいまス。
aパートではボクがちーほにお説教してたのにー。あ、ちーほっていうのはこの物語の主人公のシホリのことだヨ?
bパートではボクがお説教され中。何故かエセ関西弁で。たぶん五時間くらい…。

「で、あんたの能力って?なんや?」
「リア充イベを台無しにして。非モテにして、孤独エンド」
「ああ゛?なんやそれ!なんでうちがそんなことされなアカンねん」
「主人公ダカラ?」
「知るか!少女漫画の主人公にそんな設定ついてたまるか!」

や。少女漫画の主人公ではナイよね。これ小説だよネ?

「ボク、お姉さんに憑りつくのが仕事だシ…。
 台本どおりにやっただけナノ。だからゆる」
「許すも許さないもあるか!作者呼べ!抗議してやる!こんなの書き換えてないとっ」

作者さんは出てこないと思う。とゆうかアノヒトの身代わりでボクこんなめに合わされてるわけだシ。
それに四話で初登場したとき一言も話さないで、フェードアウトしたヨ。
速攻で逃げたヨ。あとがきではハイテンションだったのに、なんなのアノヒト。

「ダァァモォォ!!じゃあさっさと憑りつくのやめて、どこか遠くに行ってよ!
 もう二度と会わない遠くにさァ!!」
「それもムリ」
「ハァァ!?」
「ウチ、クーリングオフとかやってナイ「しばくぞ?」ヒィ!?だってだってだって〜」

コノヒト怖すぎるよー。
なんでこんな人が逆ハーのヒロインポジションなの?オカシイよ。

「ふぇぇぇ〜〜〜〜ん!!」
「………」

溢れでる涙が抑えきれなくて、爆破しちゃった。
自分でもダメだとわかってるノ。でもぉでもぉ。

「…」
「ほえ?」
「ごめん」
「ふにゃ?」
「いい過ぎだったね。こんな小さな子に。
 ほら、泣き止んで?」

お姉さんはそっとハンカチを差し出したノ。あ、これ鋼のクレハっていう深夜アニメに出てくるマスコットキャラのアホッピーだ。
かわいくナイ。シュミ悪いな…。

「あ、アリガ…ふぐっ」
「よしよーし。怖かったねぇ〜」

だ、抱きしめられた!?ギュって力強くそしてやさしく。これは…そうこれは!

「ぐへへ」

顔をうずめるとニャントモいえない感触が。

「なに…しとんじゃあああ!!」
「ぬぎゃぁぁあ!!?」

柔らかい感触を楽しんでいたラ、強烈なストレートが顔面を…。自動的に体が吹き飛びカベに激突。

「ぅうう…イタイ」
「自業自得でしょ!?油断もスキもない!貴方結局何なの!?子供のふりなんかしたりして」
「コノ会話いる?もうずぅーとやってるようなするケド」
「貧乏神なのになんでわたしにつくの!?もうすでに貧乏ですけど!?
 恋愛系の呪術に特化した貧乏神ってなに!?」

またスイッチが入ったのカナ。マシンガンが暴発だよ。

「神さま業界では、人を貧乏にするだけの貧乏神なんてもう腐るほどいるんだヨ。
 アイデンティティを出さないと生きていけないんだヨォ」
「どーゆうこと?」
「神さまは主にニンゲンの信仰心と認知度が生きるためのエネルギーなんだ。
 それがないと神としての力を失い、最終的には消滅しちゃうんダ」
「だから他の神さまとは違う個性を出したくて、恋愛系の呪術に特化?」
「うん。そう!スゴイデショ!…イタッ」
「はいはい。すごいから、神さまのお国へお帰り下さい」

お姉さんはボクの背中を強引に押して部屋から追い出そうとする。そうは問屋がおろさないってモンデイ。

「出雲には帰れないヨ!お姉さんに憑りついてるからネ!」
「やめれば?」
「それもムーリー!さっきもイッたけど、ボクは新たな力をみにつけないといけないくらいに、生命活動的においこまれてるノ!
 今お姉さんから離れたらボク、シんじゃうよ」

ふざけないで真剣にお願いすると、お姉さんはしばらく無言で考え込んだ後

「わかったわ」

って了解してくれた。ヤッター!これでハッピー、セクハラ、ライフ…じゃなかった楽しい毎日が待ってるゾー。

「じゃあさ、これからひとつ屋根の下で一緒に暮らすわけだから、よろしくの証でこれあげるよ」
「ナーニ?」
「鈴のチョーカーよ」

お姉さんがポッケからとりだしたのはヒモのついた鈴。え?もしかしてコレ…ネコがつけてる首輪じゃ?

「うれしくなかった?」
「う、ううん!ダレかからプレゼントをもらったのは初めてだったから、ビックリしただけ。
 アリガトお姉さん」

受け取ったチョーカーをつけてみるすると


『この装備は呪われています。外せません』

え?なにこのデジャブ感。




Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.15 )
日時: 2016/10/23 22:03
名前: 雪姫 (ID: qh2qVUY5)

№007




〜現在 五月下旬〜


わたしの右手、手首にはびんちゃんから貰った銀のブレスレットが輝きを放ってる。
びんちゃんを見ると、首元にわたしがあげた鈴付きチョーカーが輝きを放ってる。

「二つの物語をへて今に至るというわけなのね〜「ってオカシイでしょ!?」」

やっぱりナポリタンは昔ながらの味が一番だよね。喫茶店とかにある感じの。
ふつうよりやや量が多いのがあれだけど。美味しいから気にせずパクパク食べれちゃうんだよね。
食べたと、大変な事になるけど(笑)

「(笑)じゃナイ!話すり替えナイでよ!」
「もぉー食事中なに?」
「なんでボクとちーほ、ふたりとも呪われてるノ!?
 パラレルワールドで交わるはずのナイふたつの世界が混じってるノ!?タイムパラドックス!?」
「…意識高い系?」
「チガウ!!」

普段からカタコトなのに、またカタカナばかり喋って…。よけいに訳がわからないよ。
小さな子が訳のわからないことを言い出したきはどう対処したらいいんだっけ?
とりあえず、頷いて話を合わせとけばいいのかな?

「(……全部聞こえてるのだけど)ねぇちーほ」
「ん?なーに?」
「さっきのはナシしてもサ。アノさんにんはヤメたほうがイイよ」
「あの三人って、二ノ宮くんと遊馬さまとのんちゃんのこと?」
「ウン」
「なんで」
「ホームのあらすじの最後の一行見てみなヨ。
【田舎娘と変態とイケメンによる乙女ゲー的はちゃめちゃライフが今始まる】
 ダヨ?」

ダヨ〜〜〜ン?って言われても困るんだけどなぁ。
ふつうに乙女ゲームみたいな、あっまあっまな展開のラブストーリーが送られるってだけでしょ?
と思っていると、びんちゃんが人差し指を立てて、「チッチッチ」と言いながら左右に揺らしてる。

「なにが違うっての?」
「甘い。ハチミツよりも甘々だよ、ちーほ」
「………」
「イイ?乙女ゲーだよ?
 新選組メンバーの正体が鬼だとか、新しくできた兄弟がドS吸血鬼とか、現代っ子が神子で江戸時代にタイムスリップしちゃうような、アノ乙女ゲーだよ?」

ま、たしかにそうだけど…。

「ネタ古くない?」
「え゛!?」
「今はうた●りとかじゃない?」
「うぐっ!?」

たまにびんちゃんって時代錯誤だよね…。中身オッサンだからしょうがないのかな?

「と、とにかく!!乙女ゲー的って展開ってコトは!
 実は人ならざる存在でちーほをヤミの世界に落とそうとしてるとか
 実は異界の住人でなんか重要な任務でコッチに来てるのイイことにちーほを利用したり
 実はフツーに家庭崩壊しててヤッカイな問題に巻き込まれたり
 するかもしれナイんだよ!?あんなヤツらとはもう関わらないほうがイイよ!」

厄介なことに巻き込まれはしてるよね、もう。びんちゃんに憑りつかれてる時点で。
そこから考えれば…。

「多少の苦労は、苦に感じないかな?」
「えぇぇぇ!!?ボクそんなにオニモツ?」
「うん」
「マサカの即答!ガクッ」

いくらこの話が乙女ゲー的展開で進んでいくって言っても、びんちゃんが言うような事なんて起きるわけないし。びんちゃんは心配し過ぎなんだよ……ね?






こうして

主人公特有の大いなる使命を背負い

特殊な能力を持って生まれ

王道ヒロインとは大きく外れた少女

と幼女のような見た目をし片言で話し

個性とエロを大事にする

変態自称貧乏神

ヘンテココンビなふたりの物語が動き出したのだった——



つづく…☆




∽あとがき∽
登場 パンさん

パ「コンニチハですゾ。パンさんですゾ。
  なぜ皆さん無反応でずゾ?パンさんですゾ?
  みんなのマスコット パンさんですゾ?
  夢の精 パンさんですゾ?
  パンさんですゾ?

  やっと一区切りついたみたいですゾ。プロローグ、序章、とカテゴリされる物が終わったそうですゾ。
  ムーン殿にはすごい力があるようですゾ。プア殿も謎に満ちた御仁であったですゾ。
  例のイケメン三人組もなにか問題をかかえてそうですゾ。
  
  それでは皆さん最後に わたくしの名なんですゾ?
  



                 パンさんですゾ」






Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.16 )
日時: 2016/10/24 10:21
名前: 雪姫 (ID: z5NfRYAW)

№008



朝とお昼の境目くらいの時間。
ルンルン気分で出かける準備をする。服はなにがいいかなー。清楚に可愛くワンピース?それともワイルドにヒョウ柄?髪型とかメイクも考えないと。

「ふっふん〜」
「ずいぶんと上機嫌デスネー」
「まぁ〜ね」

なんてったって、今日はあの二ノ宮くんとデートなんだもん。
しかもお家デート!二ノ宮くんのお部屋に招待してくれるんだって!!キャ〜。

「デートって…。内職の仕事の手伝いを頼まれただけデショ」
「そんなことないかもよ?この間だって、びんちゃんが邪魔さえしなければ、二ノ宮くんと…ぐふふ〜」
「………」

二ノ宮くんって高校の時からかっこよかったんだよねー。
高校参年間奇跡の同じクラスでー、役員とか組み分けとかで一緒になれるように努力したっけ。
ライバルが多かったから、蹴落とし合いで大変だったなー。とくにうさぎが。
あいつ、男子からはウケが良かったけど女子からは嫌われ者。わたしも大っ嫌いだったよ。連絡先も交換しないくらいに。

「って、やば!もう時間じゃん。じゃあ、行って「ボクも行くから」は?」

当然のようにびんちゃんも出かける恰好をしてて、靴まで履いて玄関で立って待ってるよ…。
はやくはやくっ、怒られちゃうよと言いたげな表情で手招きしてる。

「なんで?」
「なんでんなんで?」
「ついてこなくていいよってこと」
「ちーほが、オオカミ食べれたら大変だから見張ル!」

いやそんなドヤァ顔で言われても…。
びんちゃんがいたらたとえ甘い雰囲気になっても台無しになっちゃうじゃない…。
なんとかして追い払わないと…。あーでも、時間が!
しょうがない、追い払うのは後!今は二ノ宮くん優先で!

びんちゃんの腕をつかみ玄関を飛び出し、鍵をきっちり閉めて忘れ物がないか二度確認して、ダッシュで二ノ宮くんの家へ向かう。

「は、ハヤイ〜〜目がまわる〜〜」





〜二ノ宮家二階 雄輔の部屋〜


「……。大丈夫か、汗ぐっしょりだぞ?」
「はぁ…はぁ…だ、大丈夫…です」
「ボクはだいじょばない〜」

急いで来たおかげで時間には間に合った。汗だくになっちゃったけど。
それにしても…

「ギターとか音楽関連の物が多いね」
「だろ?」

二ノ宮くんは得意げに笑う。カッコイイのに可愛く見えるのはなぜ?ふしぎー。

高校時代軽音部で、バンドを組んでた彼はギターボーカルを担当してて地域では結構な人気者だったの。
小さなライブ会場でライブをさせてもらった時には、入りきらないほどのお客さんが来てて、見れないお客さん達の悔しそうな顔は今でも覚えてるよ。
お友達優先待遇をされたわたし達は最前列で見れてよかったぁ。

高校生の時も部屋にお呼ばれしたことあったけど、その時と変わらず二ノ宮くんの部屋には音楽系の物が多い。
誰かは分からない、外国人のポスター。
高校の時から使ってるっぽい、懐かしのギター。
どでかいコンボにどでかい複雑そうな機械。
音楽にそこまで興味がないわたしにはよくわからない世界だぁ。

「どーかん」

隣で大人しく出されたアイスコーヒーを飲みながらびんちゃんは言う。
そのまま大人しくしててね。なにもしないでよ?

「それはフリですか?」
「違います」
「なにが違うんだ」
「えっ?あ。ううんっなんでも?」
「ふぅ」

あぶない。あぶない。声に出ちゃってた。びんちゃんはふつうの人には見えない存在らしいから、話してるところを見られたら、独り言ブツブツ言ってるおかしな子だと思われちゃうよ…。

「アッテルノジャ?」

キリッ

「ぅ」

言うとボロが出るからもう態度で、睨みをきかして黙らせる。

Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.17 )
日時: 2016/10/25 12:33
名前: 雪姫 (ID: lU2b9h8R)

№008-2




「あ、あっそういばまだバンド…イタッ」
「お前、何しに来たんだ」
「…ぁ」

そうだった…。内職のお手伝いをしに来たんだった…。
びんちゃんが邪魔だったから、忘れちゃってた…。てへ。

二ノ宮くんの無言のあつが怖いので作業を開始する。

目の前に用意されたのは、ピーズで作られた可愛いクマさんのキーホルダーと透明で小さな袋。
作業工程は、キーホルダーを袋に入れてリボンでキュッと絞めるだけ。
手伝いに来いって言うくらいだからもっとめんどくさい物だと思ってたけど案外簡単な物なんだ〜。ふーん。

とか思いつつ、無言で黙々とクマさんのキーホルダーを袋に入れてゆく。
緑とか紫色のクマさんが多いな。来月から梅雨だから、それに合わせて?あ、この子、カッパ着てる。可愛い。
クマさんたちは一体、一体、個性があって違う物になってるの。着てる服とか、つけてるアクセサリーとかがね。

「あ。この子たち」

二匹のクマさんがペアになったキーホルダー発見!
一匹がタキシードでもう一匹が純白のウエディングドレスを着てるー。

「六月はジューンブライドだからな」
「そっかーなるほど」

やっぱり六月にちなんだ格好をしてるクマさんたちなんだぁ。

「可愛いね!」
「………。女は可愛い物好きだよな」
「うん!大好きだよ、あと可愛い服とかも!」
「可愛い服って…。お前、この間実家から大量に送られてきたんでおすそ分けでーすって、持ってきたときの恰好高校時のジャージじゃねぇーか」
「ぅ!いいしょ、ジャージが一番落ち着くんだから」
「デモ女子力はナイよねー」

うっさい。ビシッと肘でびんちゃんの脇腹を強めに突く。びんちゃんは苦しそうな声をあげて床に横になった。

「あっははそりゃそうだ!俺も寝巻はジャージだし」
「えっ!?そうなの!?」
「あぁ。っとゆうかガキの頃からだけど」

知らなかった…。てってきりふつうにパジャマ着てるのかと。でも…こんなところにジャージ仲間がいて嬉しいなぁ〜。だいたいの人からは引かれたし…。

「高校の時といえばさ、あいつら覚えてる?俺と軽音部でバンド組んでた「カナジュリー!!」そうそうあいつら」

”カナジュリー”は奏那(かなた)先輩と珠里亜(じゅりあ)くんの二人をセットで呼んだ愛称。

奏那先輩はわたしたちの一個上の先輩で、当時軽音部の部長さん。
背が高くて顔もイケメンで頭も良くてスポーツも万能、親は実業家でお坊ちゃま。
誰もが憧れるすごい人なんだけど、一つだけ欠点?があって…。
奏那先輩は体は男、心は乙女な、いわゆるオネェと呼ばれる人なんだよねぇ。
女子力が女子よりも高くて、誰よりも女の子って感じで、姉御肌タイプの性格でお姉様って慕ってる女の子が沢山いてファンクラブなんてものあった。

珠里亜くんはわたしたちの一個下の後輩でよく二ノ宮くんをアニキーって呼んでちょろちょろ後を追いかけてた姿が可愛かったなぁ。
男の子なのに珠里亜って名前なのは、女の子が欲しかった両親の強い思い(呪い)からなんだって。珠里亜くん一人っ子だし。
まぁその強い思いが叶ったのかどうなのか、珠里亜くんは女の子みたいな見た目に育っちゃったんだよねー。
栗色の肩ぐらいまであるサラサラストレートヘアで、くりっくりっの可愛いおめめで、背はわたしよりも低くて華奢で小動物みたい。
そんなだから、男子たちの間で隠れファンクラブなんてものが設立されてて、二ノ宮くんが目の敵にされてて…。

「ぷぷっ」
「なんだよ」
「あ、いや?べつに〜」
「チッ。実はさ高校卒業した後もあいつらとはつるんでて、今もバンド活動やったんだ」
「そうだったんだ」
「あぁ。今は武道館ライブ目指して頑張り中」
「おぉーーすごい!プロだね」
「まだまだだ」

高校の時でも近所の小さなライブ会場だったけど、ライブがさせてもらえるくらいにすごかったのに、まだまだだなんて…。
夢に向かって走り続けてるなんてすごいな。やっぱり二ノ宮くん、カッコイイ。

「あ。話してたら手止まってた。ごめん」
「別にいいよ。足手まといなのは最初からわかってたし」
「え?」
「じゃあナンデ呼んだんだっヨー」

確かに…それは同感。

「足手まといでもいないよりかは、いた方がいいんだ」
「えっそれ…」

高校の時にも言われた…言葉。もしかして二ノ宮くん。

「六見さんや希じゃ、足手まといどころかやりもしねぇーからな。それにくらべたら、お前のボケくらいどうってことない」
「…あっそうですか」
「ハハハハハッ。期待してヤーノ。ウギャ」

なんか恥ずかしくなって、つい、びんちゃんを殴っちゃった。
…そうだよね。二ノ宮くんがわたしなんかに好意をいだいてくれてるなんてありえないよね。夢見過ぎだよね。

「…ぁの…お前さえ……ょかったら………また「ピーーーンーポーーン!!」」
「「ッ!!?」」


「スッケさーん、ゴハンの時間ですよー」
「おなかすいた」
「えっこの声って遊馬さんとのんちゃん!?」
「うるせぇぇぇ!!近所の迷惑考えろぉぉ!!」
「スケさんが一番大きな声出してるよ」
「うん。めいわく」
「ぐぬぬ…」

窓を開けて遊馬さまとのんちゃんに抗議した、二ノ宮くんだったけどすぐに論破されちゃったみたい…。

「あの二ノ宮くん。さっき何を言いかけて「お前も今日家で晩飯食ってけ!」あっ、うん。ごちになります」
「わぁ〜〜い!ひさびさのマトモな食事だー!ヤッター!!」

びんちゃんはばんざーい、ばんざーい、と喜んでいる。
おっかしいな…耳まで真っ赤した二ノ宮くんがなにかをボソボソ言ってたような気がしたんだけど…気のせいだったのかな?








つづく…☆





∽あとがき∽
登場 貧乏神

貧「あとがきに正式登場の貧乏“神”ダヨ〜ン♪
  うぷぷー。ってワラッてはみたモノノ今回ボク出番少なすぎない!?
  殴られ役ばかりダヨ!ボクはちーほのサンドバッグじゃありまっしぇーん!!
  どちらかといと、結婚を前提にお付き合いしてる恋人?いやむしろダンナ様?

  今回新たに判明コーナー
 【ちーほとヨースケは以外と結構仲が良かったみたい。
  カナジュリーと呼ばれてた、カナタとジュリアって奴と高校の時から飽きずにずっとロックバンドをやってるらしい。
  ボクの能力でちーほには乙女ゲーみたいな甘々なリア充イベは起こらない設定】

  だそうですニャ。ボクもパンさんに負けないようにキャラ付けガンバラないとっ!
  それじゃ、また次回 バイニャラ☆」
  




Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.18 )
日時: 2016/10/26 08:57
名前: 雪姫 (ID: Rzqqc.Qm)

№009



そしてなんやかんやあって二ノ宮くんの家で晩御飯をいただくことになっちゃいました。
一階に降りてきて、リビングにある何処にでもある木製の四人掛けテーブル&イスに腰を下ろす。
座ってる席は、二ノ宮くんとその隣にのんちゃん、の向かい側にわたしが座りその隣に遊馬さまが座ってるの。
まさか遊馬さまのお隣に座って一緒にご飯が食べれる日がくるなんて、わたしもう死んでもいいかもぉ〜。
ぐふふ。

「んじゃ
「「いっただきまーす!」」

みんなで食べるご飯。二ノ宮家のご飯は和食派らしい。しかも全部二ノ宮くんの手作りなんだって!すごいよね。
口が裂けても毎日インスタント食品三昧だとは言えないよね…。

「ウッマー。ニノは料理美味いんダナ!」

びんちゃんが白米肉じゃがをがっついて食べてる。そんなに慌てて食べなくても大丈夫だよ。
まだおかわり沢山あるって言ってたから。
と心のなかで呟いてみたけど、二ノ宮くんの料理に魅入られたびんちゃんには何言っても無駄だったみたい。全然聞いてないもん。

「和食もいいけど、カップ麺がさいきょー」

ご飯を食べてたらふいにのんちゃんが話しかけて来た。
わかる。それっすっごくわかるよ、のんちゃん!
栄養にならなそうなあのチープなクオリティがたまらないんだよね。

「イヤ作るのがメンドイだけジャ?」
「のぞっちってずっとカップ麺食べてるイメージあるよね。実際そうなの?」
「あぁ。コイツ、ほっといたら俺の目盗んでカップ麺ばかりのカップ麺生活だぜ?」
「偏らないように、カップ焼きそば、カップ春雨、カップうどん、カップスパゲティ、カップおこげ、まれに冷凍食品「全部インスタント一択じゃねーか!」」

どうやらわたしとのんちゃんは同好の士らしい。わたしもまさにその生活スタイルだし。

「一日三食五十品目!!それがうちの家訓だ!」
「なるほど。それでスケさんはマーチなったと」
「ちげ…くはないが、ちげーよ!!」

遊馬さまにいいようにからかわれてる。やっぱり遊馬さまに敵う人はいないんだね。さっすが遊馬さま。素敵です。
遊馬さまの雄姿に見とれていると

「あ、こらっ希!さりげなく俺のところに玉葱入れてんじゃねぇーよ!」
「おすそわけ」
「いらねー!ちゃんと食え」
「うぅ」

のんちゃんが嫌いな玉ねぎをこっそり二ノ宮くんのお皿に移してことがばれて怒られちゃってた。
のんちゃんって子供っぽくて可愛いところがあるよね。母性がくすぶられるっているか、なんか守ってあげたくなるんだよね。

「じゃあそれ、わたしが食べてあげるよ」
「ぇ?いいの?」
「うん」
「ありが「駄目に決まってんだろ!!」う」
「えーいいじゃない、少しぐらいー」
「駄目だ。甘やかしたらコイツのためにならねぇ。お前も甘やかすな」
「「はぁ〜い」」

怒られちゃった。

「フフッ。マーチが板についてきたね、スケさん」
「ッ!なりたくてなってんじゃ、ないですよっ!」

遊馬さまにからかわれて照れる二ノ宮くん。あらら、怒ってそっぽ向いちゃった。
基本ツンツンしてるけどこのたまにあるデレが

「「いいんだよね〜。え?」」
「遊馬さんも?」
「へぇーやっぱり、リホちゃんもなんだね」

二人で確認し合って思わず笑いが噴き出しちゃう。
それを見た二ノ宮くんにまた怒られて、のんちゃんは懲りずに玉ねぎを二ノ宮くんのお皿に移し続けて、また怒られて。
なんだかおかしっくって最後には四人で大笑いだったよ。
やっぱりみんなで食べるご飯は楽しいね。一人で食べるのよりもずっと。



「アーア。やっぱりボクだけノケモノですか。
 イイデスヨーダ。わかってたことですしーね。
 ちーほはボクのなのに…。なんで気が付かないのかな?
 あんなヤツらと付き合ってたらこの先、トウンデモないことになるってのに…」






つづく…☆


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