複雑・ファジー小説

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上京したら変態に憑かれました[10話とおまけ更新]
日時: 2016/10/29 16:11
名前: 雪姫 (ID: 7ZQQ1CTj)

初めましての方は初めまして!お久しぶりの方は…いるのかな?とりあえるお久しぶりです!
すっごぉ〜〜〜く昔にここで鋼の錬金術師の二次小説と他をかかせていただいておりました雪姫(ゆきひめ)でございます。
また証拠にもなく帰ってきちゃいましたビシッ


□登場人物紹介□
主人公+名前不明(♀ 22歳)
【妄想でご飯何倍でもイケる。と豪語する田舎娘。
 趣味妄想、特技妄想、欠点妖魔に憑りつかれやすい体質のみ?】
初恋相手+二ノ宮 雄輔/にのみや ゆうすけ(♂ 22歳)
【一言で表すとツンツンツンデレ。河井荘の大家代理。
 唯一の常識人でツッコミ担当。主人公とは同じ高校に通っていた】
憧れの人+六見 遊馬/ろくみ あすま(♂ 27歳)
【少しチャラい。女の子は口説かないと失礼、デートに誘うのはあいさつ。
 生活能力は皆無で行き倒れている。売れっ子漫画家】 
天然生物+四ノ宮 希/しのみや のぞみ(♂ 18歳)
【独自の世界を持ち、ド天然の発言で周りを和ませる。
 雄輔は従弟。受験生で勉強を見てもらうために一年だけ河井荘に来た】
変態妖怪+びんちゃん(真名不明)
【主人公の部屋の押し入れに住み着いている、恋愛関連の呪術に特化した“貧乏神”
趣味セクハラ特技セクハラ能力憑りついた相手のモテオーラを吸収し非モテにする】

簡易相愛図



■あらすじ■
田舎娘が都会へ!
新居は今にも崩れそうなおんぼろアパート。がっくし?いやいや、むしろイケメンに囲まれてハッピー。モテ期きたれりっ!ビシッ
…と思ったのに、何故かモノノ怪(変態・変人・変な生き物)に憑かれてしかも、一年以内コイツを成仏させないと一生恋ができないぃぃ〜〜!?
田舎娘と変態とイケメンによる乙女ゲー的はちゃめちゃライフが今始まる。

(仮)


◇もくじ◇
共通編「1河井荘の住人達 >>01」「2奪われました >>05」「3ドラク●>>07」「4真っ黒なアイツ >>08」「7パンさんですゾ>>15」「9みんなでご飯>>18
二ノ宮 雄輔編「6呪われましたb>>12-14」「8懐かしの>>16-17
六見  遊馬編「ハムとカミ>>19-23オマケ>>24
四ノ宮  希編「実は怖い○○>>」
???編「5呪われましたa>>9-11

Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.9 )
日時: 2016/10/20 18:38
名前: 雪姫 (ID: L529GKb7)

№005




「この階段今にも崩れて壊れそうだな…」

錆びて茶色く変色した階段をゆっくり落ちないように上がっていく。
前話で「ついに自分の部屋とご対面、ルンルン」って感じだったんだけど、この階段上がってるとどんどんテンション下がってくるなぁ。

「試しに」

ぴょんっと軽く跳んでみる。ぐら。

「わっやば。これだめなヤツの揺れだよっ。おすもうさんが乗ったらすぐに壊れちゃうヤツだよ。
 ゾウが乗ってもだいじょばないよ」

はぁと大きなため息をついた後、またゆっくりと階段を上がっていく。

Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.10 )
日時: 2016/10/22 11:48
名前: 雪姫 (ID: FA6b5qPu)

№005-2




「よーしどうちゃーく!」

うだうだ文句を言いつつもわたしの部屋 ニ〇五号室のドアの前に到着。
まず外観をチェク。当然みためはおんぼろでヒビの入った土の壁。蜘蛛の巣がはった窓。後で掃除しないといけないねこりゃ。
外観はアレだけど部屋の中はどうかな?どうかなー?
犯人っぽい大家さんから貰った鍵を差し込む。ガチャリと鍵の開く音。ワクワクドキドキ。

「ひらけ!ごま!
 ………
 あ、意外とふつうの部屋だった。なーんだ」

ドアを開けたらすぐ台所として使えそうなフローリングの部屋。奥にもう一つ畳の部屋が。

「おじゃましまーす…ってわたしの部屋だからいらないんだった。まだなれないや。
 ふーん。想像してたのよりはまともそう。ご近所さんに“バケモノ屋敷”とか“幽霊屋敷”とか呼ばれてたから
 てっきり殺人事件の現場とかで幽霊の一人や二人いるのかと。あはは「ウフフ」え゛!?」

なに?今の?
高笑いしようとしたら逆に誰かに笑われた?…誰に?

「そそんなまさかね?わたし以外の誰かなんているわ「クスクス、アハハ」まままま」

いる!?ここにわたし以外の誰かが確実にいる!?うそっ本当に殺人事件の現場で死ぬに死にきれなかった幽霊が未だこの世を彷徨っているの??

「キャハハ」
「ここ声は押し入れから…。子供の声?女の子っぽい。
 わかったわ!きっと借金だらけの両親が苦渋の果てに、子供と森心中を図ったんだわ!」
「…いやチガウよ」
「幽霊が答えた!?」

幽霊とコンタクトとれちゃった。畳の部屋の右側にもう一つある畳の部屋にある押し入れ越しに幽霊と普通に会話しちゃった。
ってゆうより、わたしの推測は違うんだ。良かったぁ。

「ぅてぜんぜんっ良くないよ!幽霊いる時点でだめじゃん!アウトだよ!
やっぱり騙されてたっ訴えないと!でも誰を?」
「独り芝居が好きな奴だなー。わびしいー」
「うるさいよ。幽霊さんには言われたくないです」
「幽霊?え?この部屋ユウレイいるの!?」
「知らなかったの!?」
「うん」
「………。部屋って言うか押し入れにかな?どちらかというと」
「押し入れに!?ドラえ●ん!?ねぇドラえも●がいるの!?」
「それは…どうだろうね?見てみないとわからないよ」
「じゃあ見て来てよ」
「えぇ〜」
「お願い!ユウレイ物件なんて聞いてないーこわいよーうえーん」

それについてはすごく同感。激しくうなずけるよ。
とりあえずふつうに話してみると、この幽霊さんは自分がもう死んで幽霊になっちゃってることを理解できてないみたいね。
声も話し方もやっぱり子供っぽいし。小さな子だから死を理解できなくて、成仏できず、暮らしてた部屋にそのまま居座り独り寂しく遊んでたってとこかな?

「うわ〜ユウレイこわいー!ドラ●もんがイイよー。四次元ポケットちょーだい」
「…成仏させてあげるのがこの子のためだよね」
「………?」

遠出のお供キャリーバックを床に置いて、ふたを開けて雑にねじ込まれた衣服や色々のものの中から“あるもの”を取り出す。

「菅本家に代々伝わる除霊グッツそのいーち “岩塩”
 これで殴れば、どんな幽霊さんでも即あの世行き。スペシャル便利アイテムなの」
「ユウレイよりもこわいこと言ってない!?
 あの世行きって!?それっ別にユウレイじゃなくてもっっ」

岩塩ひとつにこんなに反応するなんて。…もしかしてこの子は悪霊!?
もうすでに時遅し、闇落ちしてしまったと言うの!?
クレハの助けが間に合わず、花火のように散ってしまったエトワールのようだと言うの!?

「ぜんぜっん意味わかんなーいよー!!誰かーたすけて—!!この人危険だよー!!」
「だいじょうぶ。エト。今度はわたしが助けてあげるからっ。もうあんな悲劇は繰り返させない!」
「エトってだれ!?悲劇は今君の手でおきようとしてるよ!!」
「悪霊退散!」
「にゃぁぁぁぁっぁぁ!!?「え?」」

勢いよく押し入れのふすまを開けてみたら、そこには涙目の女の子がプルプル震えながら、怯えた目でわたしの方を見つめてる。

「ボ、ボクは「ま、いいか」え?」
「見た目がどんなであろうと、悪霊は退治。良い子の霊も退治!
 わたしはエトワールの敵をうつの!ってことで悪霊退散!!死ねーー!!」
「死ねって本音ででるよ!でちゃってるよーーーぅ」

脳天めがけて岩塩の尖った先端を一発。
これが菅本家に代々伝わる大儀。お母さん直伝の技だから、威力は抜群。これで成仏しなかった霊はいな

「キュ〜」
「えぇぇぇ!!?なんでまだいるの!?」

倒したはずの悪霊は頭から大量の血を吹き出しながら伸びてる。軽くつついてい見ると、まだ息はあるみたい。気を失ってるだけみたい。

「…じゃあ証拠隠滅のためにもう一度「マテマテマ待ってーー!!」」

気を失ってるもんだと思ってた悪霊が目を覚ました!?いけないっ、憑りつかれちゃう。

「はやく除霊を「だから話を聞きなさいって!」く」

まったく…最近の若いもんは…とぶつぶつお年寄りみたいなこと言いながら、悪霊がゆっくり起き上がりわたしの目の前で座禅をくむ。
そして指でピッピッて指してここに座れって。しょうがないので言われた通りに座る。正座で。


 


Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.11 )
日時: 2016/10/22 11:49
名前: 雪姫 (ID: FA6b5qPu)

№005-3






「今どきの若い奴はせっかちでかなわんよ。
 人の話をぜんぜん聞かないし。一方的な思い込みで、ぼーりょくまでつかってくるし。
 そーゆうのどーかと思うなー」
「………はい。すみません」

子供の見た目をした幽霊さんにかれこれ五時間くらい説教され中。
なんでこうなった?どこで選択し間違えちゃったの?
それにこの子、見た目は子供なのに内容年寄臭いんだけど。女の子なのに中身おじいちゃんなんですけど。

「きーてるの?」
「え?あ、聞いてる、聞いてますよ!?」
「…」

あぶない。あぶない。全く聞いてなかったことばれるとこだった。

「ボク読心術使えるから、バレてるけどね」
「えぇーうそっまじですか!?」
「本気と書いてマジと読むやつです」
「…てへっ」

可愛く誤魔化そうとしてみたけど、幽霊さんはほっぺをぷ〜〜って膨らませてすっごく不機嫌そう。

「やっぱり霊歴が長いから、霊としての力が強いんですか?」
「霊歴ってなに?とーいうよりもっ。そもそもの問題でボクは霊じゃないよ!」
「妖怪?」
「ウォッチ!でもないよ!」
「じゃあ、悪霊ね「だからチガウってば!!」」

ワーワー言いながら幽霊さんが暴れ出した。あーなんか実家の弟を思い出すなぁ。
わたしには年の離れた弟がいるの。末っ子だからかな?すっごく甘えぼうでわがままで、ずる賢いの。
自分の可愛さを武器にすればなんだって許されると思ってるんだから。わたしか叱ると今の幽霊さんみたいに、暴れ出だして結局わたしがお母さんに怒られるんだよねー。…懐かしいな。

「ぅ」
「落ち着いた?」
「うん」
「良かったぁ。ねぇ結局のところ貴方は何なの?」
「ふっふっふー」

待ってましたと言わんばかりに、得意げな笑みで幽霊さんは答える。

「ボクはユウレイでもヨウカイでもユーマでもウチュウジンでもなくて、貧乏“神”なのでーす!!」
「………」
「貧乏“神”なのでーす」
「いや…聞こえてるよ?」
「じゃあナゼに無反応?」
「だって」
「だってぇー?」
「貧乏神は…」
「貧乏“神”だけどね」
「…邪神じゃないーー!!やっぱり子供の皮をかぶった悪い人だったのね!!死ねい!」
「わっわっわ、やめっゴフ」

危うくまた騙されるところだったわ。お母さん。悪霊と邪神と悪い人には要注意だね。







〜↑上のやり取りを数回繰り広げた後〜



「ゼェーゼェー「ハァーハァー」」
「はやくここから立ち去るか、今すぐ死ぬかしなさい、悪霊め」
「だからボクは神さまだってばっ!それにユウレイだったらもうすでに死んでるし」

この悪霊はかなりしぶとい。何度、岩塩で殴りつけようともすぐに復活して五時間のお説教が始まってしまう。
さすが自称神さまなだけなことはあるわね。

「とゆーより、キミ。どうして神であるボクと対等に渡り合えるの?
 ボソッ ボクの力が弱まってるってのもあるけど」
「え?なにか言った?」
「イッたよ!どうしてボクが見えるの?なんでボクとまともに戦えるの!?」
「なんでってそれは…」

うちが先祖代々続く陰陽師の家系だからかな。
この除霊アイテム岩塩を持ってるのもそうだけど、菅本家は昔から悪霊とか悪い妖怪なんかを退治して回る旅商人的な存在だったみたい。
今はそのお役目も廃れて昔はそうだったんだよー程度。人は腐っても血は腐ってないから、力だけは脈々と受け継がれて

「こうして貴方とふつうに会話ができるってわけだよ」
「ふーんなるほどー。菅本の名は聞いたコトあるよ。
 昔は凄腕の陰陽師一家として皆から恐れられて、みんな菅本の名を聞いただけで蜘蛛の子を散らすように逃げて行くって。
 まさか未だ血をとぎらせず力を受け継つでいたなんて。これは…つかえるかも」
「?」
「ねぇーねぇー。そろそろ休戦協定結ばない?」
「しない」
「もぉつかれたよー」
「んー」

それは確かに。田舎から出て来たばかりで疲れて上に、慣れない事したせいで余計に疲れた。明日筋肉痛確定だー。
今休戦協定を結ぶのがお互いのため、かな。上手く言いくるめられたら、冥界へお帰りいただけるかもだし。

「(全部聞こえてんだけどな…)じゃあ、仲直りの証にこれあげる!」
「何これ?ブレスレット?わぁ可愛い」

シンプルに銀のブレスレット。ワンポイントに天使の羽が付いたハートがついてる。
どこかの美男子高校生がこんなの付けて、魔法少年してなかった?気のせい?

「きのせい。きーのせーい」
「そうだよね。ありがとう、びんちゃん」
「びんちゃん?」
「そう貧乏神だからびんちゃん。わたしはしほりだよ。仲直りの握手」
「あくしゅ?」
「そう。握手をしたらわたしたちはもう友達よ」
「ちーほ!ちーほよろしくなの!」

ブレスレットを右手につけて、手を差し出す。びんちゃんも嬉しそうに左手を差し出してあく

『この装備は呪われています。外せません』

「は?」

びんちゃんと握手をしたらブレスレットから、機械音声が流れた。
何?呪われた?呪われた装備?教会に行かないといけないの??

『これより貴女さまの魔力を吸収させていただきます』

「まりょ…うっ」

体に力が入らない!?立ってることさえもできない。わたしはその場にしゃがみ込んだ。
これはまるで力が吸い取られてるよう?どうゆうこと…なの?

「あー、ダイジョウブだよ。初回だから多めに吸い取ってるけど、次からはちょびっとずつだから。違和感ないから」
「まずこれの説明をして、悪霊!」
「ふぅん。これはキミの魔力。つまり力を吸収しボクに供給するアイテムだよ。
 ボク今カラカラでさ、キミのゆう通りに出雲の国に帰りたくても力がないから帰れないんだ。
 だからさぁ、ボクが帰れるようになるまで力をちょーだい」
「ふ、ふざけないで!なんでわたしが貴方なんかのためにそんなことしないといけないのよ!」
「トモダチだから?」
「っ!?」

こんな奴と友達になんてなるんじゃなかった!!
悪霊はやっぱり悪だ!大悪党だ!!

「貴方なんて大っ嫌い!!」
「あっそ。ボクはお姉ちゃんのことスキだよ?
 これからここで一緒に暮らすんだから、仲良くしようね。ね?」



こうしてわたしは悪霊に呪われてしまった。
 悪霊の言ったとおり、次の日からはブレスレットに力を吸い取られ体に全く力が入らない、なんてことにはならなかった。
  今までと変わらすふつうに日常生活を送ることができた。
   悪霊も特になにか悪さをしてくるわけでももなく、ふつうに日常に溶け込み今ではルームメイトとして居座ってる。
    力が前回複するまでって言ってたけど、いつまでわたしは呪われ続けるんだろう?



——呪われたブレスレット ルート 

    


























∽あとがき∽
登場:黒い人
  貧乏神

黒「あれ…?おっかしなー書いてたら自分が空想してたのと全然ちがう話になっちゃった。どうして?」
貧「コッチが聞きたいよ!」
黒「びんさん怖いっすねー。闇落ち?」
貧「したつもりはナイけどね。落ちてたとしたらキミがおとしたんでショ?」
黒「崖の上から?」
貧「ポニョ?」
黒貧「………」
黒「このお話は別ルートってことで勘弁してくだせぇ」
貧「せーきるーとはまだ別にあるアル」
黒「たぶん」
黒貧「んっじゃ、まったね〜〜〜☆」



Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.12 )
日時: 2016/10/22 08:21
名前: 雪姫 (ID: AzZuySm.)

№006 5bパート










ミシミシ。
茶色く変色して今にも崩れてカシャーン!ってなりそうな階段を上がって行って五〇ニ号室を目指す、しほりさん。
そしやなんやかんやで部屋にたどり着き、そんなかんやで色々あって

「現在にいたります。…と」

ま、こんなものかな。
詳細はaパートをご参照くださいませ〜。

「よーし。押し入れに住み着いた幽霊と別の形でアタックよ!
 今度こそ、退治してやるんだから!」

せいっ!といきよいよく押し入れのふすまを開けるてみると

「ふふん〜ん?きゃーのび郎さんのエッチー!!」

バタンッ

「は?」

何?今の?
aパートとは違う展開にするとは言ったけど…ナニコレ??

「もしかしてわたしが無意識に生み出してしまった、悪魔の妄想? 
 ははっはぁ。わたしってはうっかりさん。よーし気を取り直してもう一度」
「あちょちょちょ!おまえはもうシんでいるのダ」

バタンッ。

「もう一度…」
「実は一度しかやってなかった、ちゃぶ台返しアタァァクゥゥ!!」

バタンッ。

「もう一度」
「実はそんなに言ってなかった、安室!イッきまーす!」

バタンッ。

「お嬢さん、奴はとんでもねぇもんを盗んでいきました。それはアナタのハートです」

バタンッ。

「ソンナに何度も開け閉めされたら、さすがにネタもつきたヨ」
「シェーーー!?」

バシッン。
押し入れの中にいた子供におもっきり強烈なビンタし急いでふすまを閉める。
中から悲鳴が聞こえるけど、気にしたらだめだ。気にしたら、アッチの世界に引きづり込まれちゃう。昭和の世界に!!

「きゃーおばけー!?
 昭和のアニメ名台詞集なんて古すぎるよー!」

急いで部屋から退散する。
ここに長居したら、吸収される。昭和のおばちゃんになっちゃうーいやぁぁ!!。

「ぁれ…?」

無我夢中で走ってたら、急に体がふわぁっと中に浮き上がった…ような気がした。と思いたかったけど

「ほ、ほんとに浮いてるー!?てか落ちる—!?」

されはただ、階段を踏み外して落ちる落下の過程にすぎなったみたい。
階段の下は当然地面。マットレスなんてものはない。
このまま落ちれば骨折間違いない。打ち所が悪ければ、わたし死んじゃうかも??

「っ!!?」

まだ物語始まって五話しか進んでないのに。話的に行ったら一話たりとも進んでないのに。勇者まだ実家から一歩たりとも出てないのに、主人公死亡ENDなんて。
お父さん。お母さん。お姉。みんな今までありがとう、そしてさようなら。
まだ思いを伝えてない大好きだったあの人も…。

「あぶねぇ!!」
「ぇ?」
「ぅっ!く」

地面に落ちてジッエンドだと思ってたら、ナニか柔らかいものが受け止めてくれたみたい?それに温かい。
いったい何が…?

「って二ノ宮くん!?」
「あぶねーだろ、しっかりしろ!人んちで死人だしてんじゃねぇ!!」
「はっはいー!!」

彼は高校の時の同級生、二ノ宮 雄輔/にのみや ゆうすけくん。わたしのぉ〜ってこれはもう一話目で説明したらいいかっ。容姿もいいよね?
どうやら地面に落ちる寸前で彼が受け止めてくれたみたい。
さすが二ノ宮くん。素敵〜カッコイイ!

「重いデブ!さっさとどけろ」
「あっ。ごめんね」

デブ?…デブ。……照れ隠しだね!二ノ宮くんったらかっわいい。
いつもツンツンしてるけど、実は恥ずかしがり屋でデレたらもうっ最高なの!!キャー!!

「でもなんで二ノ宮くんがここに?」
「あ゛?なんでテメ俺の名前知って……って菅本じゃねーか!?」
「……今気づいたんだね。
 両親が離婚して、今は八重桜って苗字なんだけどね」
「やえざくら?あぁそいうや、今日からそんな名前の奴が入って来るって黒田さんが言ってたな」
「黒田さん?」
「ここの大家。全身真っ黒の「あー、はんっ」チッ、それは禁句だ」
「はい。……で二ノ宮くんはなんでこんなところに?」
「こんなところで悪かったな。ここ俺の親戚がやってんだ」
「そ、そうなんだぁ〜〜あはは」
「チッ。で、黒田さんはあんなだから外回りの仕事を手伝ってるんだ」
「へ、へぇ〜」

外回りの仕事ってなんだろう?
でもまさかこんな…って言ったらまた怒られちゃうね。でもまた二ノ宮くんに合えるなんて嬉しいなー。
もしかして、第二のチャンスきた?

「しっかし、母子独りなのに一人暮らしをするなんてお前もつくづく苦労人だな」
「え?母子独り?」
「ちがうのか?母親につくから旧姓になって苗字か変わるんだろ?」
「あー違う違う。うちのお父さん婿養子だから」
「………いろいろ複雑なんだな」

あっれ〜??おっかしいなー??変な空気になってしまったぞー?

「あ、そういやあお前なに急いでたんだよ?階段を落ちるくらいに」
「そそうだっだぁぁぁ!!おおぉおば」
「おば?」
「オバケがーー!!」
「は?」

二ノ宮くんに事のあらましを説明する。
信じてくれるかな?高校の時から二ノ宮くんって非科学的なことは大嫌いって感じだったし…。
いくらみんなが誘っても絶対にお化け屋敷に一緒に入ってくれなかったんだよねー。


Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.13 )
日時: 2016/10/22 09:55
名前: 雪姫 (ID: FA6b5qPu)

№006-2 5b






二ノ宮くんを引き連れてニ〇五号室のドアの前までやってきたのは、いいんだけど…。

「霊なんているわけないだろ。だたでさえ、近所から変な噂たてられて迷惑てるっつうのにお前までいうのかよ」
「だっだって本当に…」
「あー、わかった、わかった。とりあえず見てやるよ」

とこんな感じ。
やっぱり二ノ宮くんは幽霊とか非科学的な存在は全否定派みたい。

「じゃ、開けるぞ」
「うん。ゴクリ」

ガチャリとドアを開ける。すると

「いたぁぁぁ!!?」
「っ」
「うぷぷぷー」

押し入れに隠れてるかと思ったけど、ごぐごく普通にそこにいた。
畳の部屋の真ん中に置いてた段ボールを楽しそうにあさってる。あの箱の中には通帳とか印鑑とか大事な物が入ってる…

「奴じゃない?」

じゃなくて…下着とかが入ってる方じゃん!?

「ぐへへへ」

よくよく顔を見てみたら、エロオヤジみたいな顔してるし!こいつクズだ。

「なんだ。やっぱりなにもいねーじゃねぇか」
「え?いるよ、そこに!」
「どこに?」
「だからそこ!段ボールのとこ…ギャー!!」

下着を箱から取り出すなーー!!しかもよりよって、友達とノリでかったスケスケの布生地がすくないパンツー!?

「ぐへへ…ヘブシッ!?」
「…?どうしたー?」
「う、うんんなんでもー」

二ノ宮くんが隣の部屋を見に行ってる間に、コイツをとにかくボコる。ボッコボッコに殴る。殴りまくる。

「待って。待って。ギブ。ギブアップ!」
「やっぱりなにも……なにやってんだ?」
「え?な、なにも?」
「はぁ?ネズミを幽霊と間違えたのかと思ったけど…そうでもなさそうだな」
「えっ!?ここねずみがでるの!?」
「あぁ。正確にはハムスターだけど」
「??」
「隣りの部屋の飼ってるハムスターがたまに脱走するんだよ。だから部屋中探して大騒ぎだ」
「た、大変そうだね」
「あぁほんとに勘弁してほしいぜ」

でもハムスターを探し翻弄される二ノ宮くんかぁ…。ぐふふ。それはそれでおいしいかもぉ?

「そういや、そうとう慌てて飛び出したんだな。荷物もぐちゃぐちゃじゃねーか」
「へ?あ、あぁ!そうなんだっ。てへへ」

くぅ、わたしが散らかしたわけじゃないのにぃ〜〜〜。
でも二ノ宮くんには“コイツ”が見えてないんだ。コイツの存在を信じてもらうにはどうしたら。

「特になにもなさそうだし俺、帰るわ」
「えぇーーちょ、待って」
「あ?」

二ノ宮くんは帰らせちゃっいけないと思って思わず腕を掴んじゃった。すぐに放さないと。
こんな奴と二人っきりにされたら困る!ひっじょーに困る!

「チッしかたねーな」
「え?」
「こいっ」
「え?えっ?」

急に手首をつかまれて、引きずられるように部屋を出て行く。

「ヨイショッとあーいたた。ヨウシャないなあの子。っていない?
 ……。おーいボクを一人にするなー」











〜二ノ宮家 リビングルーム〜




連れて来られたのは、アパートの隣にある一軒のお宅。二ノ宮くんの今の住まいみたい。
二ノ宮くんのお家…はぁはぁ。なんとなくいい香りするかも。

「たいしたもん出せねぇけど、ほらよ」
「わぁ!?」

ロイヤルの方のミルクティーとラズベリーのお高そうなチョコケーキが目の前に出された。
お茶菓子でこんなのが出てくるなんてすごいよ!?うちの実家のお茶菓子っていったらウーロン茶に畑で育てた野菜のお漬物だったよ。

「いただきます。っ!?」
「どうだ?うまいか?」
「おいひ〜ございましゅう」
「ははっなんだそれ」

だって、だって、ほっぺが落ちそうなくらいにおいしいんだもん。
チョコはビターであんまり甘くなくて甘酸っぱいラズベリーをイイ感じに引き立てて…もうっ

「おいひー」
「それならよかった。おかわりなら沢山あるから、遠慮なく食っていいぜ」
「ほえ?」
「これ、俺の手作りなんだよ」
「!!!?」

このプロのパティシエレベルのケーキが二ノ宮くんのて、手作りーー!!?
あ、そういえば高校の時も家庭科で作る料理は全部激うまで、ボタンが外れたらマイ裁縫セットですぐ縫ってくれて、女子よりも女子力が高いって有名だったけ。
それにしても…

「すごい。すっごくおいしいよ、二ノ宮くん!」
「…やっと笑ったな」
「え?」
「お前、偶然再会してから一度も笑ってなかったぞ?」
「そ、そうだった?」
「ああ。今にも泣きそうなクチャ顔してた」
「うっうそ!?」
「ホント」

〜〜〜っ!!そんなブサイクな顔してたから、わたしだってすぐに気づいてもらえなかったんだぁ〜〜〜。
は、はずかしぃ〜〜!!

「〜〜〜〜っ」
「やっぱりよ」
「?」
「お前は馬鹿みたいに笑ってた方が可愛いよ」
「〇△□×!!?」

に、二ノ宮くんの手がわっわたしの頬に!?

「…菅本」

か、顔が近づいて…。目をつむりその時を待機する…が。

プルルルッ!!

「「!!?」」
「電話だ。でねーとっ!」
「あ…うん」

バタバタと二ノ宮くんのは部屋を出て行っちゃった。

「いい感じの雰囲気だったのに〜〜!!なんであのタイミングで電話なんてくるわけ!?空気読んでよ!」
「あ〜ウメェー。このケーキ作った奴テンサイだ」
「そう!二ノ宮くんは天才…あれ?」

今の誰の声?
声をした方を恐る恐るみてみると…

「何個でもイケるね、このケーキだったら」
「なっ」
「ん?」
「なんでいるの貴方!?」
「ぱにゃ?」

さっき完膚なきまでにボコボコにしたはずの“あの子”何故か普通に、わたしの!ケーキを美味しそうに食べている。
あの程度の殴りじゃ足りなかったっていうの?

「じゃあ、もう一度…」
「マッテ!また暴力振るうつもりなら、また力をつかうゾ!」
「ちから?」
「そ、ソウダ!ボクが力をつかえば、オマエのリア充イベを台無しにするなんてわけないんだゾ!」
「…ぉぃ待てやコラ」
「ヒッ!?」
「なんや?せやったらさっきの電話はてめえのせいやゆうか?」
「ソウデスけど…なんで関西弁?コワイヨ?」
「ちょい、つらぁかせや」
「ヒィィィ!!?」

逃げようとするヤツの首根っこを掴んで、二ノ宮君には適当に誤魔化して二〇五号室へ引きづり連れて行く。


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