複雑・ファジー小説
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Primitives Schwarz
- 日時: 2018/07/06 19:47
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=article&id=966
ー此れは漆黒なる創世神の物語—
粗筋
異形な容姿をした少年は駅のホームから落ちた。その先に待っていたのは、山羊であった。その出会いをきっかけに彼は新たな創造主として君臨する。
少年は世界を旅し、仲間を見つけていき、成長する物語。
初めまして、こあくと申します。久し振りにカキコで創作活動をします。ハイファンタジー系です。宜しくお願いします。オリジナル小説です。
とんでもない量の説明(というか忘れた時用)
スキルなどの解説集>>12 人物ステータス一覧>>17
一気読み用 (章ごとに区切っております。)
序章>>1-5 壱章>>6-11>>13 弐章>>14-16>>18 参章>>19-21 肆章>>22-25
用語集
次元
最高地点。全ての源でもある。例えるなら、途轍もなく大きい袋。その中に沢山の袋が層のようになっている。次元はもともと1つしかなかったが、黒山羊の手によって新しい次元が造られた。普通は次元の主が創ることしか不可能。広さは無限。数々の世界の総称として用いられることもしばしば。
世界
この物語では次元の中にある層の事。次元と違い、広さは有限。また、次元に近ければ近いほど魔法や文明が発達しやすく、広くなる。地球みたいな惑星を世界とは言わない。作者自身も混同しちゃいますが……。
ステータス
ノワール達が向かった惑星特有の現象。ゲームでよくあるやつ。カンストしていると『?』と表示される。普通はありませんが。
スキル
魔法などを取得した時に得られるもの。誰でも得ることが可能なスキルです。進化、合成なども可能。スキルのLvの最高は15。カンストしてると表示されないです。
固有スキル
その種族、職業だけのスキル。強力なものが多いです。チート系もしばしば。
種族
種族は生まれた時からの固定。特殊な方法で他の種族に変わる事は出来ますが、Lvが1に戻ったり、死のリスクがあります。
職業
それぞれの職業に決められた基準を合格すると取得出来る。進化、合成が出来る。たまに特殊なのがありますが、世の中の大半は取得するタイプの職業です。
召喚
召喚の定義は『この世にいるもの』を呼び寄せること。夢想獣召喚の場合、想像したものを『あるもの』にすることができる。創造とはまた別です……多分。
ドロップ
ドロップの確率は10分の7ぐらい。お金は確定で出現する。レア度が高いほどより確率が低くなる。運上昇の職業だと確率はUPします。
レア度
星で表される。1から10まである。文字に書くと表せないですが……。
魔獣
モンスターと読む。骨馬ちゃんやらの総称。大体ダンジョンやらにいる。
ギルド
独立した機関。冒険者、商人、錬金術師、鍛治師などなどある。物を売ったりも出来るので、ギルド会員以外にも出入りが多い。大体酒場が併設されてます。
ランク
モンスターと冒険者に存在します。下の方からF、E、D、C、B、A、 S、SS、SSSまである。
魔法道具
マジックアイテムって読みます。魔法が付与されたものや、鍛治師によって加工された魔法石なんかを指します。大体相場がお高い。魔法道具はレアリティも高い。
魔法
スキルで獲得すると使えるようになる。火属性、水属性など沢山ある。大体のスキルは合成、進化が出来るので、強くなるために必須。固有スキルの魔法は強力です。
魔法石
魔力が込められている石。魔法道具の素材として使われる場合が多い。主に魔力溜まりというところから採取可能。
魔力
ステータスで言う、MPです。
ダンジョン
モンスターの巣窟。主に塔、館、地下廊があり、塔は上、館は部屋、地下廊は下を順に攻略していき、ボス部屋をクリアしていく。ラスボスを討伐すると、ダンジョンは壊れて新しい物が出来る。ダンジョンクリアの最後にはレアなアイテムをプレゼントしてもらえたりする。
主要人物紹介
ノワール=ディユ・ブラン
元々は別次元の人間だったが、誰かに駅のホームから突き落とされ、漆黒の次元に落ちる。日本人だった頃は白神 黒という名前だったが、黒山羊によってドイツ語に翻訳してもらい、現在ではそう名乗っている。チート級のステータスとスキルを持ってます。過去は結構グロテスク。風貌は白髪で、右側の一部だけ黒髪。右眼は黒、左眼は赤でどちらとも魔眼。結構童顔。
黒山羊
山羊の頭骨の頭をしてるやつ。漆黒の次元を創った本人。魔法などに関しての知識は豊富。元々、ノワールの次元にいたが、次元研究を成功させた為か追われる羽目に。ノワールと逢うまで漆黒の次元に篭っていた。現在はノワール専属の執事。ノワールの事なら軽く1000万年話せる。
死蛇
しだ、って読む。シダ植物ではないです。身体の殆どが骨で、継ぎ合わせるとこが筋肉。目が100個以上ある。体長は、キロメートルぐらい。ノワールの夢想獣。屍王など異名を持つ。口の悪さはピカイチ。普段はノワールのブレスレットになっている。ブレスレットの丸い石は全部死蛇の目。
雷子
黒の熾天使女王。元々はとある神々の熾天使だったが、ノワールに仲間にならないかと言われて、仲間になった。酒癖が酷い。本能のままに生きている。名前のダサさはノワールのネーミングセンス。金髪ロングの青目。天使の輪と稲妻のような羽根は黒色で、めちゃめちゃ美人。
ドラーク
元々はノワール達が旅をしている世界の神々の一角だった。龍王のダンジョンの管理者。ラスボスではない。裏ボス的な存在だった。ノワールと戦い敗北、その後に黒龍神王として黒の原初の仲間に。身長が高く、和服が似合うイケメン。髪と右眼は黒、左眼は魔眼で金色。ドラークはオランダ語で龍、て意味だよ。
黒騎士
死蛇と同じでノワールの夢想獣。黒き騎士道を極めた、剣術の達人。また、万能で料理、裁縫、家事なども出来る。所謂スパダリと言うやつ。しかし、目立つ事が少なく、ノワール達に忘れられ気味。だから悩んでいるが、一向に解決策は出ない。
誤字、脱字は見つけ次第修正致します。
閲覧数、300ありがとうございます!
6.15 題名を変えました。意味は同じです。ドイツ語になっただけです。
コメントや質問等は大歓迎です!
上記のURLはイラスト集です。スマホで描いてます。
- 黒き原初 ( No.13 )
- 日時: 2018/06/10 09:05
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
冒険者ギルド
馬車を走らせて、門番に勧められた宿へ向かう。探知魔法で何処にあるかは分かる。その前に地図も作ってしまったし。
『此処ですか。ノワール様、少々お待ち下さい。中に入りチェックインをして参ります。』
ノワールは馬車から降り、黒山羊は宿の中へ入る。
「なんか、本当に異世界なんだなぁ。」
街並みも見て思ったが、やはり此処は前世とは違う、紛れも無い異世界なのだと思う。
感傷に浸っていると、黒山羊と店内の人だろうか、その様な人もいた。
『ノワール様、店主の方です。馬車などの保管の場所へ案内をしてくれます。部屋は2つ取ることが出来ました。』
ノワールは黒山羊に笑顔を見せる。ありがとうという意味を込めて。
「初めまして、ノワールさん。巨魚亭の店主です。馬車や馬を移動させますね。」
店主さんは女の人で母性溢れる優しい人だった。
馬車を移動させた後、骨馬達も飼育小屋の様なところに連れて行ってもらった。一通り終わり、ノワール達は宿の中に入る。
「何か、家だね。」
個人経営だからだろうか、少し大きな家の様に見える。扉を開けて入ると食堂が広がっている。奥には上に登る階段がある。夜だからか、重装備の人達がご飯を食べている。
『夕食は如何致しましょう。此処でお召し上がりになりますか?』
黒山羊が夕食について聞いてきてくれた。折角なのだから此処で食べようと黒山羊に伝える。すると、すぐにカウンターの方へ向かい注文しに行った。ノワールは席に座る。
「よぉ、見ねぇ顔だがよそのもんか?」
隣に座っていた酒に酔った男に話しかけられる。
「えぇ、そうですが。貴方はもしかして、冒険者ですか?」
重装備の格好をしていた為、冒険者だと思った。ギルドみたいなところがこの街にあるのだろう。
「おお、そうだぜ。お前、冒険者になりたいのか?まぁ、小僧には無理だと思うがなぁ。」
大きな声で笑っていた。この姿だからか、そう思う人も多いだろう。人は見かけによらないとも言うのだが。
「そうですか。では力試しに入ってみようと思います。」
大きな声でまた笑われる。別に興味も無い。そもそもこの世界では楽しむ事が目的なのだから。
「舐めない方がいいぜ。冒険者はいつ死ぬか分かんねぇしな。不老不死でも無い限りなぁ!」
その死ぬ、という定義が存在していないのだから別に心配の必要性もない。というかその不老不死の上位互換なのだが。
「もしかしたら、不老不死かもしれないですよ?」
彼の目を見つめて少し、威圧をかける。彼は硬直する。
黒山羊が部屋に食事を持ってきてもらいましょう、と言ってきた。男の席に1つ、赤色の石を置き、またと声をかけて席を離れる。
『何を差し上げたのですか?』
部屋へ移動している最中に黒山羊に男に何をあげたのか聞かれた。
「普通の召喚石。」
黒山羊は少し笑った。ノワールの言う普通とは、異常な程ハイスペックなものなのだから。
『何故、彼に?』
黒山羊は更に疑問を突きつける。
「うーん、あれ以上強くなるのは大変だろうからさ。運も逃げてたみたいだし。」
ノワールは鑑定を使い、彼のステータスを見たのだ。
ジョージ
Lv.24
種族 人間
職業 剣士
固有スキル
スキル
剣術Lv.5 冒険Lv.7 鑑定
装備
鋼の鎧 鋼のクレイモア
称号
C級冒険者
まぁ、自分と比べるのもアレだが。折角話しかけてくれたのだ、心からのプレゼントである。
『そうですか。しかし、本当に何の召喚石なのですか?ノワール様の事ですからレアリティが高い物だと思うのですが……。』
ノワールに最後の質問を問いかける。
話しているうちに部屋に着いてしまった。ノワールは黒山羊の手に石を握らせる。
「それをあげたから鑑定してね。」
おやすみ、と黒山羊に言い、部屋に入っていく。黒山羊もおやすみなさい、と返事をし、部屋へ入る。
その頃、ジョージは宿の部屋に戻っていた。ノワールに貰った石を見ながら。
「あの小僧、ただなら無い雰囲気だったなぁ。それにしてもこの石、なんなんだ?」
彼はその石を鑑定してみる。
最上級召喚石 レア度・星7
Aランクモンスターを高確率で召喚、契約出来る。黒き原初が作り上げた石が世界に散らばり、モンスターの体内で作り出されるようになった。
「レア度・星7!?何でこんなもんを持ってるんだよ?!モンスターを何体倒してもドロップしなかったのに……。」
彼は召喚石すらもモンスターからドロップした事がなかった。正直に言えば、ノワールが設定したドロップ確率は約10000分の1なのだが。それもAランクモンスター以上と限定されて。
「……お礼をしなきゃならねぇな。確か冒険者ギルドに行くって言ってたか。案内ぐらいしてやるか。」
やはりジョージはノワールが冒険者に適さないと思っている。まさか自分より強いとも思う訳がない。
ジョージは朝早く起き、彼を冒険者ギルドに連れて行くことを決意した。
朝になりノワールは起きる。昨日の女将さんのご飯はとても美味しかった。家庭の味、というものだ。別に大したものでは無い。しかし、手間がかかっていて、愛情も感じた。
ノワールが起きる時間は大体誰も起きない時間帯だ。日が昇り始める頃に起きるのだから。支度をし、この間漆黒創造で創り上げた、無限保管庫、というスキルに沢山の石を入れる。昨夜、実験で物凄い量の石を作ったのだ。神王召喚石、賢王の光石、言霊の秘石など、レア度・星10の物ばかりを大量に生産していたのだ。
ノワールは部屋から出て、黒山羊の部屋のドアをノックする。直ぐに開き、黒山羊が出て来る。
「おはよう。」
『おはようございます。』
朝の挨拶を交わした後、食堂へ移動する。朝早いのであまり人はいないが。
「おはようございます。お二人は朝早いですね。」
女将さんに挨拶される。確かに誰も起きない時間だろう。女将さんは食堂の支度やらで忙しいらしい。
「まだ、朝食の準備が出来ていなくて……、外の屋台ならやっていると思うのですが。折角なら行ってみたらどうでしょうか?」
屋台、ノワールはその単語を聞くと、気になる、と言い、黒山羊は行きましょうと同意する。そんな3人の会話に昨日の男、ジョージが入ってくる。
「よぉ、小僧、昨日はありがとな。お礼と言っちゃあ何だが、ギルドに連れって行ってやるよ。」
少し上から目線なのが黒山羊は気に入らなかったのか、ジョージを睨みつける。
「ひっ!あ、アンタもどうだい?」
宥めようとする。ノワールはこのままでは朝ご飯に辿り着けないと思ったのか、
「そうだね、黒山羊、どうせなら屋台にも連れて行ってもらおうよ。」
と新たな提案を出す。ジョージはこれ以上黒山羊の機嫌を損ねたく無いので、分かったと頷く。黒山羊もノワール様の為なら、と頷く。
宿を出て、ジョージに大通りに連れてかれる。そこには屋台がずらっと並んでいた。
「うわー、凄いね。人も結構いる。竹下通りみたい。」
実質的には竹下通りの人の多さよりも圧倒的に少ない。一千万人も東京にいたのだから、比にならない。
「なんだ?その……たけしたどおりって。まぁ、この街の人気スポットは間違いなしだ。」
笑顔で言ってくる。しかし、ノワールは人の話を聞かずに食べ物を大量購入して食べる。というか既に食べ終わっていた。
「このぐらいでいっか。あれ?食べなかったの?」
ジョージは行動の速さに驚き、少し引いていた。黒山羊はまた睨む。
「い、いや大丈夫だ。まずは冒険者ギルドに行こうぜ。」
黒山羊にビビりながらも、三人は冒険者ギルドに向かう。
ノワールは途中も買い食いをしていたが、ぺろっと食べてしまう。そんなこんなで冒険者ギルドに着く。
「ここが俺たち冒険者が集うギルドだ。」
自慢気にジョージが言う。かなり大きな建物だ。しかし、東京育ちのノワールにとっては雑居ビルよりも小さいなと思ってしまうが。
「よし、中に入ろうぜ。」
ジョージが冒険者ギルドのドアを開ける。そこからはたくさんの冒険者が集まっている光景が見えた。昼からお酒を飲む者やカウンターで物を売っている者、依頼の紙を見ている者など、沢山いた。
「ねぇ、どこで冒険者になる受付をするの?」
ノワールは早く登録したいという思いがあり、ジョージを急かす。
「焦るなって。あそこのカウンターで出来るぞ。」
そうジョージが言い放った瞬間、黒山羊は瞬時に向かう。黒山羊の姿を見た者は絶句する。いきなり黒山羊がカウンターに行くと黒山羊が注目の的となる。
『すまぬが、ここで冒険者登録をしたいのだが、よろしいか?』
黒山羊が受付嬢に話しかける。
「はっ、はい!紙を持ってきます!」
カウンターの奥に入り、何かを持ってくる。
「おい、あれってジョージじゃねえの?」
「あいつの隣にいる小僧も、変な容姿してんな。」
コソコソと何かを話している。ノワールの話になった途端、黒山羊は睨みつけた。すると黙る。ノワールは黒山羊のところへ向かい、睨まないであげてと言う。ジョージも仕方なく後について行く。
「かっ、紙を只今持って参りましたので、ご記入をお願いします!」
何か力んでいるように見える。緊張しているのだろう。異色の二人に。
「あの、職業とか種族とかって必ずしも記入するんですか?」
ノワールが質問をする。
「えっと、記入しなくても大丈夫です。最低でも名前だけご記入いただければ。」
受付嬢がそう言う。ノワールと黒山羊は名前だけ記入した。
「えっと、ノワール=ディユ・ブランさんと黒山羊さんですか。貴族出身ですか?」
受付嬢にそう聞かれた。なんでも苗字持ちは貴族に多いそうで。
「いえ、違いますが。」
そもそもの話、全ての祖なのだが。
「そ、そうですか。」
受付嬢はあっさりとした否定に少し困惑する。
「では、冒険者ギルドについて説明しますね。ギルドは国家に囚われない、独立したものです。これからお渡しするギルドカードは身分証明書の代わりになります。ギルドには、ランク付けがあり、FからSSSまで御座います。お二人はFからのスタートです。ランクは条件を満たすと上に上がれますが、その条件は公開はしておりません。また、依頼を立て続けに失敗したり、一年以上依頼を受けない、迷惑行為をした場合は除名や降格の処分もあります。依頼はあの掲示板の紙を剥がしてカウンターに持参して受付をします。1つ上までのランクの依頼は受けられます。何か質問があれば言ってください。」
ノワールが質問があります!というように挙手する。
「パーティーってありますか?」
ゲームや小説の中ではど定番のパーティーだ。黒山羊と組みたいのだろう。
「はい、御座います。今から組みますか?」
はい、とノワールは言う。すると受付嬢はまた、カウンターの奥へ行く。カウンターに戻ってくるとギルドカードを二人に渡し、パーティーにもしてくれた。
『ありがとうございます。』
そうお礼を黒山羊は述べ、ノワールと共に掲示板の方へと向かった。
- 黒き原初 ( No.14 )
- 日時: 2018/06/10 10:49
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
弐章 雷滅の熾天使
噂
黒山羊とギルドの掲示板を見て、薬草の採取の依頼を受ける事にした。
「これで宜しいですか?」
受付嬢の言葉に頷きを返す。
「分かりました。」
依頼の紙に受託用の判子を押して貰う。
「しかし、気をつけてくださいね。最近、薬草が取れる平原の近くに雷が落ちた様ですから。」
雷、か。見た事はある。しかし近距離で見た事はないし、稲妻の形をしっかりと見たことはない。ノワールは情報提供をありがとう、と言っておいた。
『昼になりましたので、ここの酒場で食べますか?』
お酒、飲めるだろうか。ノワールは飲んでみたい。前世は未成年だったからだ。
「お酒飲んでみたいし。」
うん、と言う。酒場の席を取り、注文する。暇だな、と他の客の話に耳を傾ける。
「……知ってたか?最近教会に雷が落ちたこと。」
「平原とかにも落っこちたみたいじゃねぇか。」
「信徒達は熾天使様の天罰とか言ってるようだが……実際はどうなんだか。」
「もしそうだったら、祈るしかねぇな。」
最近、雷が多発しているようだ。向こうの世界では夏には頻繁に起こっていたが。
『この世界では四季があまり無く、国にもよりますが殆ど晴天の場合が多いです。雷の目撃情報では人や建物を狙っているようにも見えますし。』
誰かが意図的に、ということだ。ノワールはこの世界を作った神のことを知らない。そもそも天界を創っただけなのだから。
「成る程。もし、それが神様だったら会ってみたいね。」
ノワールは会ってみたいのだ。天界の神達に。
『私も同感です。昼食を食べた後、教会とやらに行ってみましょう。』
黒山羊の提案に乗る。そう話しているうちに食べ物が出てきたので、食べ始める。直ぐに食べ終わってしまったが。
ギルドから出て、薬草の採取に向かう。門へ向かうとこの間の門番に出会った。ギルドカードを見せる。
「冒険者になられたのですね。何処へ向かうのですか?」
そう聞かれる。薬草の採取をしに行くと伝えた。
「最近雷が多発しているようなので気を引き締めて下さいね。」
いってらっしゃいと言われた。やはり町中で噂になっているらしい。ありがとう、と返事をする。
平原に着くと、真ん中が焼かれていて、草が生えていなかった。
『雷が落ちた様ですね。』
別に興味は無い。薬草さえ取れれば良いのだから。黒山羊もこれ以上深掘りはしなかった。
薬草を採取し終わり、街へと戻る。ギルドに行こうとした時何故だか騒いでいた。教会の前で。
「民衆よ!あの雷は天罰だ!自分の行いを見直し、神に祈るのだ!」
神への信仰を促している。
「君も神へ信仰しようよ。」
少年に声をかけられる。
「何かに縋るつもりは無いよ。」
とノワールは冷たく言葉を返す。その場から離れようとすると、神への冒涜だ!と少年が叫ぶ。しかし、気にも留めずにギルドを目指す。
ギルドでも大変な騒ぎになっていた。雷がまた落ちた様だ。
「薬草、お願いします。」
カウンターで依頼の達成を報告する。
「はい、承りました。これが今回の報酬です。そういえば、雷が家に落ちたんですよ。」
だから騒いでいたのか、と納得がいった。少し、気になる。
「黒山羊。」
『畏まりました。』
雷を起こす本人に会いに行こうか。
- 黒き原初 ( No.15 )
- 日時: 2018/06/10 11:13
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
天界と熾天使
『良くやった、雷滅よ。』
天界の神々が、容姿美麗な美女に対し、褒める。
「有難き御言葉。」
丁寧な口調で、返事をする。
『これで、少しは神に信仰する事であろう。』
神々の高らかな笑い声が天界に響く。
(コイツら、心腐ってるわぁー。)
熾天使は心の中でそう思う。しかし、神に忠誠を誓っているからこそ、この地位にいられるのは重々承知の上だ。
『また、頼むぞ。』
「畏まりました。」
別に人も神も興味が無いのだ。自分さえ良ければいい、そんな熾天使なのだ。気高き天使では無い。自覚もしているが。
熾天使は天界の玉座の部屋から出て行く。
「雷、落とすか。」
独り言を呟く。
彼女は彼と出会う事をまだ知らない。
- 黒き原初 ( No.16 )
- 日時: 2018/06/15 21:52
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
黒雷滅の熾天使女王の誕生
『天界に私の僕を送っていましたが、雷を落とした本人は、『雷滅の熾天使』と呼ばれている様です。』
黒山羊が天界の神々を信用していないため、僕を送っていた。神々よりも強い彼らは発見されることなどあり得ない。
彼らが見た一部始終を映像化してもらったが、信仰を集める悪徳集団としか思えなかった。
「雷滅はこの政策は気に入ってない様だけど。」
心を読み取る魔法を使わなくても分かる。顔に出ていたのだから。良い奴なのだろう。
『ですから、雷滅の熾天使を此方に引き込めば良いのでは?新しい仲間として、ノワール様の役にたつでしょう。』
確かに、雷の威力を見るに、本気を出せば惑星1つは破壊出来るだろう。熾天使、という存在は一度でいいから会ってもみたい。
「うん。で、雷滅を仲間に入れれば終わりだよね。」
神々の説教は雷滅を仲間にしても起こる様であれば行う。黒山羊が担当してくれる様だ。
『雷滅を呼び寄せる魔法陣は完成しました。しかし、良いのでしょうか、この様なところで。』
黒山羊は夜空を見上げる。此処は、教会。奥に崩れた神の像があり、ノワール達はボロボロの長椅子に座っている。屋根は崩れ落ち、壁の塗装も剥がれている。
「ほら、此処はさ、神の権限が死んだ場所なんだよ。見るからにして。」
像の顔は床に落ちて、腕は無い。威厳など何処かに去っていったかの様に。
『成る程、彼女が忠誠を誓った神の権限は此処で死ぬのですね。』
黒山羊にそういう事、とノワールは言う。黒山羊はまた、ノワール様は素晴らしい、などと独り言をブツブツと呟く。
《でもよぉ、そんな簡単に熾天使が呼び寄せられるか?天使の中じゃあ1番強いみてぇだし。》
死蛇が大きな身体を露わにして言う。此処にはノワール、黒山羊、死蛇しかいないからだ。
「黒山羊がやってくれるんだから大丈夫だよ。そこは信頼してあげないと。」
ノワールがそう言うと死蛇はチッと舌打ちをした後、しゃあねぇなと返事をする。本当に黒山羊が嫌いらしい。
『さて、魔力を流し始めましょうか。召喚できる事でしょう。』
黒山羊がそう言い、魔法陣に魔力を流し込む。すると魔法陣が金色に光だし、暗い夜を照らす。それが段々と強くなり、絶頂に達した時、人影が見えた。そしてその光は終息する。
「ははーん、この超絶美少女を読んだのは誰かな!」
そこから見えたのは天使の輪をつけ、雷の様な翼が10個あり、ロングな金髪、青い目の美女が仁王立ちしていた。
《なんだ、このキモ女。》
死蛇の率直な感想が彼女の心をグサッと刺した。
「はぁ?!お前の方が目玉ありまくってキモいでしょ!鏡見てこいや!」
最初に登場した時の口調とは異なり、物凄く口が悪くなる。
死蛇は面倒臭い、と言い、会話を黒山羊にパスする。
『貴方が雷滅ですか。申し遅れました、私、ノワール様の専属執事で御座います、黒山羊と申します。』
黒山羊は自己紹介をし始める。それが終わると、ノワールの素晴らしいことを語り始めた。彼女は少し引き気味だ。ノワールは一旦やめようか、と黒山羊にツッコむ。
「えーと、雷滅の熾天使さんって呼べば良いかな?俺の名前はノワール。君を此処へ呼んだ理由なんだけど……。」
ノワールが最後に自己紹介をして、要件を話そうとする。しかし雷滅は分かった様な顔をする。
「どうせ、雷を落とすのやめて欲しいんでしょ?神様の命令だから無理なんだよね。」
それは第2の目的である。雷を落とすと騒ぎになるのが面倒だったのだ。しかし、1番大切なことはまた別だ。
『そんな事ではありませんよ。貴方、ノワール様に仕える気はありませんか?』
第1の目的、それは彼女を仲間にする事。神々の説教も良いが、彼女がいなくなれば雷が無くなり、この惑星への神々の被害が無くなる事だろう。いつかは説教をするが。
「はぁ?私はね、今の地位に満足してるの。こんな人間に仕えたって意味ないでしょ。それとも、今の地位以上の物をくれるって訳?それとも一生分のお酒でもくれないとダメよ。」
流石は映像で見た通りの人柄だ。自分の欲に忠実で、その為ならば何でもやるタイプの性格。
「良いよ。それで仲間になってくれるなら。」
ノワールは簡単にOKを出す。正直に言って、彼に出来ないことは無い。
『そうですね……ノワール様、彼女に次元専属の熾天使女王にでもなっていただきましょう。今よりも地位は格段に上ですし。』
黒山羊の提案に頷く。ノワールは席から立つと、彼女の方へ向かう。
彼女の目の前に立つと、こう言い放つ。
「今から君は、漆黒の次元王からの命令で、黒き雷滅の熾天使女王になるんだ。」
彼女の目を見て、威圧を与える。彼女は地面へと膝をつく。
「私の御名において、君を重臣にしよう。全ての天使を司る神となれ。」
彼の言葉は言霊と化し、彼女を縛っていた見えない鎖を砕く。そして、彼女に力を与えた。彼女は黒き光に包まれた。その光が徐々に消えていくと、天使の輪と雷の羽が黒くなった。
「これで完了っと。大丈夫?立てる?」
ノワールは膝をついていた彼女に手を伸ばす。彼女は顔を上げる。満面の笑みを浮かべていた。
「ありがとう!いやー、これで自由だわ!酒沢山飲めるー!禁欲とかマジ無理だし。」
凄く元気になっていた。この人もギャグ属性かとノワールは思ってしまった。
「あ、これもあげる。」
ノワールは元気に飛び跳ねる彼女に、無限保管庫から杯を取り出す。
「これは魔法道具で、飲みたい飲み物を出せるやつなんだよね。お酒対応もしてるから、いつでも使ってね。」
それを見ると目をキラキラさせ、手に取り早速使っていた。酒をゴクゴクと飲む。余程の酒好きなのだろう。
『はぁ、仲間になったのは良いですが、自由気まま過ぎるのもどうかと思いますが。』
黒山羊の意見にも賛成だ。元気なのは良いが、職務中に酒を飲むのはどうかと思う。
《主人よぉ、あいつの名前、決めたのか?》
死蛇に言われた。確かに、思い付いてはいたが、ナンセンスだと言われてしまうだろうと思い、別の名前を考えていたところだ。
《……ステータス欄に雷子ってあるぞ。》
ノワールは思わずふぇ?と声に出す。彼女もステータス欄を見ると絶句していた。ノワールは鑑定を使った。
雷子
Lv.6825
種族 黒き熾天使
職業 黒雷滅の熾天使女王
固有スキル
黒雷滅
黒雷を落とし、相手を滅殺する。黒雷滅の熾天使女王の固有のスキル。
熾天使の癒し
HP、MP共に全回復をさせる。また、一定時間、ステータスをUPさせる。黒き熾天使の固有のスキル。
黒天使の蘇生
死んだ生命を生き返らせる。黒き熾天使の固有のスキル。
黒天使統制
自らの僕を創り出すことが出来る。そして、それを統制することが可能。不老不死も付いてくる。黒雷滅の熾天使女王の固有のスキル。
漆黒なる加護
全属性魔法を使う事が出来る。また、全ステータスがUPする。漆黒の次元王の眷属限定の固有のスキル。
スキル
鑑定 眷属
「何、このスキル!チートじゃない!」
ノワールはそこかい!とツッコんでしまった。名前のナンセンスさを感じてしまう。
《まぁ、アレだ。しょうがねぇよ。》
死蛇がフォローしてくれているようだが、全然励ましになっていない。
「ね、ねぇ、名前の方、なんかごめん……。」
ノワールは彼女に謝る。少し言い辛そうだったが。
「え?あぁ、名前ね。大丈夫よ。だって貴方が与えてくれたんでしょう?これからは、ノワール様って呼ぶから。」
思っていたよりも好印象だった。というか名前など正直どうでも良さそうだった。
「……ねぇ、ノワール様、ごめんなさい。私のスキルなんて貴方には勝てないわね。」
雷子は身の程を弁えたように言った。確かにノワールはチートだ。しかし、雷子も充分チートだろう。
『ノワール様、また強くなりましたね。嬉しい限りです。』
黒山羊も何故か骨から涙を流す。何処から出て来たのだろう。
《主人、鈍感すぎねぇか?》
死蛇にそう言われる。ノワールは自身のステータスを見る。
固有スキル
黒の眷属化
力を与える事が出来る。眷属化もする事が出来る。黒の原初の固有のスキル。
黒き超越
全属性の魔法、最高級の魔法まで使用可能。
「何故固有スキルしか増えないんですかねー?!」
ノワールの声が綺麗な夜空に響く。
次回>>18
- 黒き原初 ( No.17 )
- 日時: 2018/06/28 19:51
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
人物ステータス
こちらも忘れた時用です。物語が進むに連れ、更新していきます。
ノワール=ディユ・ブラン
Lv.???
種族 黒の原初
職業 漆黒なる次元
HP ∞
MP ∞
攻撃力 ???
防御力 ???
素早さ ???
固有スキル
死霧 漆黒創造 夢想獣召喚 次元操作 暗黒永遠 黒神蘇生 漆黒の隻眼 真紅の隻眼 黒の眷属化 黒の超越 黒剣術の超神
スキル
鑑定 無限保管庫 魔剣術
装備
黒災禍
称号
F級冒険者
次元の創造主
漆黒なる王
総てを司る原初
最強魔眼の持ち主
神聖なる黒
転生者
黒山羊
Lv.???
種族 異形なる怪物
職業 漆黒の次元王の執事
固有スキル
スキル
鑑定 眷属
称号
F級冒険者
王の執事
完璧を司る神王
黒き山羊の神
悪魔の神王
雷子
Lv.8269
種族 黒き熾天使
職業 黒雷滅の熾天使女王
H P 8626987
M P 6598514
攻撃力 95269
防御力 78523
素早さ 105922
固有スキル
黒雷滅 熾天使の癒し 黒天使の蘇生 黒天使統制 漆黒なる加護
スキル
鑑定 眷属
称号
F級冒険者
黒き雷滅
黒の熾天使の頂点
天候を司る神王
酒呑の王
死蛇
Lv.???
種族 黒の夢想獣
職業 屍の神王
固有スキル
スキル
称号
黒の原初の夢想獣
死を司る神王
ドラーク
Lv.16925
種族 黒龍神
職業 次元の黒龍神王
H P 36985214
M P 26529566
攻撃力 8569542
防御力 6589328
素早さ 8952854
固有スキル
龍神王の威厳 龍神の鎧 龍神王の息吹 龍神化 龍神王の咆哮 龍の神託
黒き龍神王の破壊黒龍神の再生
漆黒なる加護
スキル
鑑定 剣術 全属性魔法 拳術 眷属
装備
龍獄刀 龍神王の着物 黒破刀
称号
F級冒険者
地界へと堕ちた龍神
神への冒涜者
魔眼の龍神
隻眼の龍神王
迫害されし者
黒き次元の龍神王
戦を司る神王
黒騎士
Lv.???
種族 黒の夢想獣
職業 黒を護りし騎士
固有スキル
黒剣術
スキル
万能スキル
職業
F級冒険者
黒の原初の騎士
騎士道の師
護りを司る神王