複雑・ファジー小説
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- Primitives Schwarz
- 日時: 2018/07/06 19:47
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=article&id=966
ー此れは漆黒なる創世神の物語—
粗筋
異形な容姿をした少年は駅のホームから落ちた。その先に待っていたのは、山羊であった。その出会いをきっかけに彼は新たな創造主として君臨する。
少年は世界を旅し、仲間を見つけていき、成長する物語。
初めまして、こあくと申します。久し振りにカキコで創作活動をします。ハイファンタジー系です。宜しくお願いします。オリジナル小説です。
とんでもない量の説明(というか忘れた時用)
スキルなどの解説集>>12 人物ステータス一覧>>17
一気読み用 (章ごとに区切っております。)
序章>>1-5 壱章>>6-11>>13 弐章>>14-16>>18 参章>>19-21 肆章>>22-25
用語集
次元
最高地点。全ての源でもある。例えるなら、途轍もなく大きい袋。その中に沢山の袋が層のようになっている。次元はもともと1つしかなかったが、黒山羊の手によって新しい次元が造られた。普通は次元の主が創ることしか不可能。広さは無限。数々の世界の総称として用いられることもしばしば。
世界
この物語では次元の中にある層の事。次元と違い、広さは有限。また、次元に近ければ近いほど魔法や文明が発達しやすく、広くなる。地球みたいな惑星を世界とは言わない。作者自身も混同しちゃいますが……。
ステータス
ノワール達が向かった惑星特有の現象。ゲームでよくあるやつ。カンストしていると『?』と表示される。普通はありませんが。
スキル
魔法などを取得した時に得られるもの。誰でも得ることが可能なスキルです。進化、合成なども可能。スキルのLvの最高は15。カンストしてると表示されないです。
固有スキル
その種族、職業だけのスキル。強力なものが多いです。チート系もしばしば。
種族
種族は生まれた時からの固定。特殊な方法で他の種族に変わる事は出来ますが、Lvが1に戻ったり、死のリスクがあります。
職業
それぞれの職業に決められた基準を合格すると取得出来る。進化、合成が出来る。たまに特殊なのがありますが、世の中の大半は取得するタイプの職業です。
召喚
召喚の定義は『この世にいるもの』を呼び寄せること。夢想獣召喚の場合、想像したものを『あるもの』にすることができる。創造とはまた別です……多分。
ドロップ
ドロップの確率は10分の7ぐらい。お金は確定で出現する。レア度が高いほどより確率が低くなる。運上昇の職業だと確率はUPします。
レア度
星で表される。1から10まである。文字に書くと表せないですが……。
魔獣
モンスターと読む。骨馬ちゃんやらの総称。大体ダンジョンやらにいる。
ギルド
独立した機関。冒険者、商人、錬金術師、鍛治師などなどある。物を売ったりも出来るので、ギルド会員以外にも出入りが多い。大体酒場が併設されてます。
ランク
モンスターと冒険者に存在します。下の方からF、E、D、C、B、A、 S、SS、SSSまである。
魔法道具
マジックアイテムって読みます。魔法が付与されたものや、鍛治師によって加工された魔法石なんかを指します。大体相場がお高い。魔法道具はレアリティも高い。
魔法
スキルで獲得すると使えるようになる。火属性、水属性など沢山ある。大体のスキルは合成、進化が出来るので、強くなるために必須。固有スキルの魔法は強力です。
魔法石
魔力が込められている石。魔法道具の素材として使われる場合が多い。主に魔力溜まりというところから採取可能。
魔力
ステータスで言う、MPです。
ダンジョン
モンスターの巣窟。主に塔、館、地下廊があり、塔は上、館は部屋、地下廊は下を順に攻略していき、ボス部屋をクリアしていく。ラスボスを討伐すると、ダンジョンは壊れて新しい物が出来る。ダンジョンクリアの最後にはレアなアイテムをプレゼントしてもらえたりする。
主要人物紹介
ノワール=ディユ・ブラン
元々は別次元の人間だったが、誰かに駅のホームから突き落とされ、漆黒の次元に落ちる。日本人だった頃は白神 黒という名前だったが、黒山羊によってドイツ語に翻訳してもらい、現在ではそう名乗っている。チート級のステータスとスキルを持ってます。過去は結構グロテスク。風貌は白髪で、右側の一部だけ黒髪。右眼は黒、左眼は赤でどちらとも魔眼。結構童顔。
黒山羊
山羊の頭骨の頭をしてるやつ。漆黒の次元を創った本人。魔法などに関しての知識は豊富。元々、ノワールの次元にいたが、次元研究を成功させた為か追われる羽目に。ノワールと逢うまで漆黒の次元に篭っていた。現在はノワール専属の執事。ノワールの事なら軽く1000万年話せる。
死蛇
しだ、って読む。シダ植物ではないです。身体の殆どが骨で、継ぎ合わせるとこが筋肉。目が100個以上ある。体長は、キロメートルぐらい。ノワールの夢想獣。屍王など異名を持つ。口の悪さはピカイチ。普段はノワールのブレスレットになっている。ブレスレットの丸い石は全部死蛇の目。
雷子
黒の熾天使女王。元々はとある神々の熾天使だったが、ノワールに仲間にならないかと言われて、仲間になった。酒癖が酷い。本能のままに生きている。名前のダサさはノワールのネーミングセンス。金髪ロングの青目。天使の輪と稲妻のような羽根は黒色で、めちゃめちゃ美人。
ドラーク
元々はノワール達が旅をしている世界の神々の一角だった。龍王のダンジョンの管理者。ラスボスではない。裏ボス的な存在だった。ノワールと戦い敗北、その後に黒龍神王として黒の原初の仲間に。身長が高く、和服が似合うイケメン。髪と右眼は黒、左眼は魔眼で金色。ドラークはオランダ語で龍、て意味だよ。
黒騎士
死蛇と同じでノワールの夢想獣。黒き騎士道を極めた、剣術の達人。また、万能で料理、裁縫、家事なども出来る。所謂スパダリと言うやつ。しかし、目立つ事が少なく、ノワール達に忘れられ気味。だから悩んでいるが、一向に解決策は出ない。
誤字、脱字は見つけ次第修正致します。
閲覧数、300ありがとうございます!
6.15 題名を変えました。意味は同じです。ドイツ語になっただけです。
コメントや質問等は大歓迎です!
上記のURLはイラスト集です。スマホで描いてます。
- 黒き原初 ( No.8 )
- 日時: 2018/06/03 13:41
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
ドロップと食事
チートスキルを手に入れた後、狼達を見ると、灰になっていき、最後に毛皮の様なものと袋が残った。
「待て、この世界ってもしかしてドロップアイテム制?」
RPGでよくあったのが、ドロップアイテム制だ。モンスターを倒した後、そのモンスターが素材やお金などを落とすタイプのアレの事だ。まさかこの世界もそうだったとは思いもしなかった。
『アイテムを落とすのですか……。確かに、獣を捌くのは抵抗があるでしょう。にしても、この世界を使った神の顔を見てみたいものです。』
黒山羊からは謎の不気味なオーラが滲み出ていた。
「お金は……銀貨と銅貨が混ざってる。そんなにあるわけでは無いな。毛皮も大した事ないな。」
この世界の通貨も分からないが、一応持っておいて損は無い。空間魔法の中にアイテムをしまう。
『さて、ご飯を頂きましょう。一仕事終えた後は食べた方が疲れが癒されますし。』
そう黒山羊が言い、テーブルと椅子を出し、ノワールを座らせる。そして料理が次々と出てきた。食べられそうにない量だった。
「いや……あのそんな食えないんですが。」
黒山羊に向かって言う。
『大丈夫ですよ。』
黒山羊が明るい雰囲気で言う。お腹は減った事だし、余ったら余ったで、次の日とかに食べればいっか、と思い食べ始める。
まずは鶏肉から。香ばしく焼き上げてあり、甘辛の味付けが美味しい。すぐに平らげてしまった。次にスープを飲み干し、白いご飯も食べる。サラダも食べ、豚肉で包んだものを食べた。
そんなこんなで全部を平らげてしまったが、お腹が一杯になった気配はしない。
『そもそも私達は食べる必要性はありません。しかしお腹が減るという生理現象は起こってしまうのです。膨大な力故に、カロリーの消費が激しいのです。』
黒山羊の説明に納得がいく。しかし此処まで食べられるとは思っていなかったが。
『最後のデザートです。』
最後にはケーキと紅茶が出てきた。ペロッと食べてしまったが、とても相性が良く美味しかった。
『食事も終わった事ですし、街を目指しましょう。』
休憩が終わり、ノワール達は街を目指す。
- 黒き原初 ( No.9 )
- 日時: 2018/06/04 22:14
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
森の外
探索魔法を用いて、森の地図を作り、敵の接触を避けて出口へと向かう。日は昇り始めた。森は綺麗な赤色に染め上げられる。
「出口はもうすぐだね。街はまだ見えないけど……。」
出口まではもうすぐ。探索魔法を発動し続けているから、街も何処にあるか分かるはずだが、見当たらない。かなり遠いのだろう。探索魔法の範囲は半径100キロメートル。それ以上を超えての探索も可能だが、地図に収まらないのだ。詳細な情報を求めているから仕方がない。
『出口が見えてきましたね。』
黒山羊が指をさしながら言う。その方向を見ると光が満ち溢れている。その先には何があるのか分からない。しかし、楽しい事なのは間違いない。ノワールは確信した。
光が溢れる方に向かい、飲み込まれる。
森の中から外に出ると広大な草原が広がる。真っ青な雲1つない空と、そよ風が冒険日和だと思わせる。
「凄い……!こんな綺麗な草原、日本には無かったよ。やっぱり異世界って気がする。」
大自然、日本にいた頃には見れなかった。きっと他の国にもあったのだろうが、ノワール自身にとっては初めての光景だった。ゲームの中にあるような風景で、今にもモンスター達が飛びかかって来そうだ。
『素晴らしい自然ですね。この草原に公道、といっても整備はされていないような道ですがあるようです。商人達も通るようですし、街につながっているはずです。』
どうせなら人工衛星でも飛ばして、何処に何があるのか、Go◯gle先生に教えて貰いたい。今度、作れるのであれば、作ろうと思う。
そんなことをノワールは思いながら、黒山羊と共に公道へ向かう。魔除けの魔法をかけているので、ある程度弱い魔物は近寄ってこないだろう。
「見えてきたっ……て、なんか魔獣がいるように見えるんだけど…。」
公道が見えてきた時、公道の端に魔物がいた。いや、石像のようにも見えるが。
『ガーゴイルですね。何処かの国の私有の道路なのでしょう。バリケードでは維持費が高い為、魔物を使用することはよくあります。』
ノワールが持つ、夢想獣召喚の下位互換なのだろう。もしくはテイマーが調教したのかもしれない。どちらにせよ、面倒であること間違いない。
『ガーゴイル程度、透明化をすれば躱せる事でしょう。』
黒山羊から教わった魔法で透明化をする。変身魔法系統の1つである。
ガーゴイルとガーゴイルの間を通って行く。バリケードも無かった為、すんなりと入ることが出来た。ガーゴイルは外からの部外者しか反応しない為、道の中でで透明化を解く。人通りも少ないようだ。
「あっさりと入れるんだな。これじゃ、セキュリティとしてどうかと思うけど。」
率直な感想を述べる。セキュリティとしてガーゴイルを設置しているのに、意味を成さないのはあまり効率的では無いからだ。
『透明化の魔法を使える魔術師など中々いないでしょうし、盗賊などが主なのでそもそも使う事が無いのです。』
まぁ、盗賊除けの為に設置しているから、セキュリティ性はあるのかも知れない。これを抜けられる者がいるとするなら、きっと強者なのだろう。
『そうですね、馬車の跡があります。向こうへ向かっているようです。行きましょう。』
黒山羊が向いた方向にノワール達は進んで行く。
- 黒き原初 ( No.10 )
- 日時: 2018/06/08 19:37
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
夢想獣召喚
道を歩き続けて1日、疲れは無いが面倒なのは進みが遅いことだ。これでは拉致があかない。ヒッチハイクをしてみたが黒山羊の姿に驚き逃げるか武器を向けるかされる。魔眼で威圧すれば逃げるが。
「あー、馬車が欲しい。」
思わず声に出してしまう。転移魔法やら飛行魔法は目立つから使えない。透明化する方法もあるが後処理が面倒だ。
『馬車は街でなら買う事が出来ますが……私達で作るのも良いですが馬をテイムしなければいけませんし、調教も大変ですよ?』
黒山羊が正論な意見を言う。自分達で作るのは時間もかかる。今すぐ街に行きたいのだ。うーんと悩んでいるとふと、固有スキル欄にある夢想獣召喚が頭に横切る。
「待って、黒山羊。俺のスキルに『夢想獣召喚』ていうのがあるんだけど……使えるかな?」
黒山羊に相談してみる。すると、即座に行動し始め透明化魔法、馬車の材料を取り出してきた。
『準備は整いました。しかし、召喚陣の大きさが分からないので空間魔法か空中での召喚をお願いします。』
黒山羊の行動の早さにノワールは引いてしまった。いや、とても素晴らしい事なのだ。しかしながらここまでやって貰うと申し訳ないと思ってしまう。
「お、おう、分かった。」
ノワールはそう返事をした後、空間魔法で面積を確保しスキルを頭の中で念じてみる。
ノワールは想像しないと召喚が出来ない事を思い出す。しかし、何を想像すれば良いのか分からない。試行錯誤していると前世見た、悪夢が急に頭を横切る。気色悪い化け物だったと思う。目が沢山付いていて、骨が主に肉が少し付いている。細長い形で物凄く大きかった。例えるなら蛇とか、そんな感じだった。夢の中でそれは何かを問いかけて気がした。
《あぁ、主人。久し振りに会えたな。》
ノワールは夢の思い出に浸っていて、魔法陣が光り出していたことに気づいていなかった。それはドス黒く光っていた為、あまり見たいものでは無かったが。
ノワールは話しかけられたので前を見ると夢の中の化け物がいたことに驚く。
《おいおい、驚くなって。前にも会ってるだろ?》
まぁ、そうかと納得する。しかし……こいつを馬車として使うのも、周りからの目が大変だろう。
《あー、なんとなく分かったわ。じゃあ姿変えるな。》
化け物はそう答えるとノワールの腕に巻き付く。そして圧縮されたようにブレスレットとなる。綺麗な丸い石がついてるやつだ。
《それ目だから。触っても平気だけど。》
うえ、これ全部目なのかと思ってしまった。気持ち悪いだろ、普通。
しかし、肝心の馬が無い。困ったものだ。
《馬だろ?なら創ってやるよ。》
ブレスレットから声がする。ブレスレットが光り始め、骨だけの馬が作成されていく。いやこれもこれでヤバい気がするんだけど。……背に腹は変えられないか。
空間魔法から出ようとする前に、ふと頭に思い浮かんだ事を死蛇に話す。
「そう言えば名前なんて言うんだ?」
化け物と呼んでいるのも面倒だ。
《さぁ、あったかなぁ?覚えてねぇよ。》
呆気のない返事を返される。 あったかなぁって曖昧なのか。
「じゃあ、何て呼ばれてたの?」
名前では無く、あだ名みたいなのを聞いてみる。
《屍王、死神、死者の帝王、とかか?主人が夢から生み出した後、暴れてたからなぁ。こんな見た目だし。》
厨二病感が半端ではない。何故、俺の周りには厨二病要素が集まるんだと、ノワールは思った。
「じゃあ結局なんて呼べば良いのさ。」
《そうだなぁ、死蛇とでも呼んでくれや。》
なんか植物の名前だな。シダ植物って部類もあるぐらいなんだが。
そんなこんなで仲間が新しく加わったのであった。
- 黒き原初 ( No.11 )
- 日時: 2018/06/15 21:51
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
初めての街
空間魔法から出ると、黒山羊が既に馬車の本体を作り終えていた。
『ノワール様、お帰りなさいませ。』
黒山羊がお辞儀をする。するといきなり死蛇がブレスレットから身体の一部を出してきた。
《誰だこいつ。》
死蛇が黒山羊をジッと見つめる。
『これがノワール様の夢想獣……。独創的で素晴らしいですね。』
感想はそこか。とノワールはツッコミを入れる。死蛇はまだ黒山羊を見つめている。
《……いけすかねぇやつ。》
そう言葉を吐き捨てるとブレスレットに戻っていった。
『口が悪いですね。』
黒山羊の言葉にとても同感する。口の悪さはピカイチだと、ノワールは思った。
骨の馬達に指示を出し、馬車を引いて貰う。馬車は高級感溢れ、飾りの少ないシンプルな感じのものだった。
『どうぞ、お乗りください。』
黒山羊はそう言い、馬車の扉を開ける。ノワールはそれに誘導され、乗る。
馬車の中は見た目よりも広く、高級ホテルのスイートルーム並みだった。家具も一通りあった。
『付与、という技術でお部屋を改造させていただきました。お気に召しましたでしょうか?』
素敵な部屋だったからか、ノワールは何度も頷いた。
『嬉しい限りです。直ぐに出発致します。お寛ぎ下さい。』
黒山羊はそういうと、馬車の中から出て行き、操縦席に移動した。
しばらくすると動き出す。ノワールはベッドにダイブする。暇なので死蛇に話しかけてみる。
「ねぇ、付与って何?」
黒山羊の話していた言葉が気になったのだろう。
《付与?そんなん魔法を埋め込む作業に決まってんだろ。例えば、この馬車は空間魔法を利用したんだろうな。》
付与について、教えてくれた。説明は雑だったが。今度、黒山羊に教えて貰うとノワールは思う。
「ありがとう。」
死蛇にお礼を言うと、死蛇はどうも、と返事した。
死蛇との会話も無くなり、暇になってしまったノワールは、折角ベッドがあるのだから寝てみようと思った。睡眠は必要無いが、眠れない訳では無い。ベッドに横たわり、意識を手放す。
どれ程の時間が経ったのだろうか。ノワールは外の風に当たろうと窓を開ける。もう、夜だった。辺りは真っ暗だが、馬車が進む道の方向に灯りが見えた。きっと、あれが街なのだろう。温かみのある灯りは中世の雰囲気を醸し出していた。
馬車がどんどん進んでいくと門が見えてきた。松明に照らされて人影も見える。門番の人だろうか。
目の前になり、馬車が止まる。
「こんな夜遅くに何の用だ……!魔物!?なぜこのようなところにいる!おい、門番を集めろ!冒険者ギルドにも連絡を!」
薄々気付いていたが、骨馬達に驚いてしまったらしい。騒動になる。まだ街の中に連絡はしていないようだが。ノワールは溜息を吐くと、馬車の外へ降りる。
まずは門番全員の目をノワール自身の魔眼に引きつける。そして、真紅の隻眼を発動させる。
ー門番達は硬直した。ー
まるで絶対王者から逃げる術の無い、獲物のように。ノワールの威圧によって硬直した門番達に話しかける。
「ねぇ、この街に入りたいんだけどいいかな?」
なんとか会話をしようとしている門番達は金魚の様に口をパクパクさせていた。
「この子達も危害を加えなければ襲わないよ。」
そう言って、馬を撫でる。表情は変わらないが喜んでいる様だ。
「大丈夫かな?」
ノワールはその言葉を合図に威圧を解く。しかしまだ怯えている様だ。最悪、門番達に呪いをかける方法もあるのだが、穏便に済ませたい。
「は、はいっ!おい、持ち場に戻れ!連絡はするな!」
門番達が危機感を感じ、元の持ち場に戻る。
「此処に入る為には、税金をお納め下さい。」
門番は丁寧な口調で話しかける。やはり先程の威圧が効果的だったのであろう。
『済まぬが、この世界の通貨に関して知りたい。異国から来たものでな。』
黒山羊が代弁して話してくれている。黒山羊に驚いていたが、直ぐに表情を引き締めて、分かりましたと返事をしていた。
「この国の通貨ですが、銅貨が1番下の価値のものになります。銀貨1枚は銅貨100枚の価値を、金貨は銀貨100枚の価値があります。1番上の価値の通貨は大王金貨です。」
本当に中世、いや近世の通貨の価値だ。沢山の通貨がある様で覚えるのにも一苦労するだろう。
『で、税金は幾らだ?』
ノワールは説明を聞いた後、税金は幾らかを質問する。銀貨と銅貨は沢山あるのだが、金貨は一枚も無い。
「一人、銀貨5枚です。」
良かった、足りると安心する。しかし、次の瞬間に
「馬車、並びにテイムした魔獣を入れる場合は、金貨3枚も加算されます。」
(金貨持ってないんですが?!)
どうしようと悩む。ものを売るか、それともこの街に入らないかのどちらかだ。ものは黒山羊しか無い。唯一の救いは死蛇がブレスレットになっている事だ。4枚になる羽目だった。
『買取はしているか?』
黒山羊が門番に質問する。やはり売りしかないと思ったのだろう。
「ええ、しております。しかし、冒険者ギルドよりも値段が安くなってしまいます。宜しいですか?」
黒山羊は頷く。すると、持ってくると門番に告げるとノワールの元に向かい、馬車の中に共に入る。
「持ってないよ?金貨になる物なんて……。」
率直に言う。何も金目の物は持っていないと。スキル欄を見る。何か役立つものがないかと。
ふと、『漆黒創造』というスキルが目に入る。
「黒山羊!俺のスキルで何か造るから、持って行ってくれる?」
作業に取り掛かりながら黒山羊に聞く。
『分かりました。』
黒山羊がYESと言ってくれた。多分作れば良いだろう。何を作ろうか……。あ、良いものを思いついた。ノワールは金色の石を作り始める。
『それは何ですか?』
黒山羊が聞いてきた。やはり気になるのだろうとウキウキした。
「10個ぐらいあげるよ。」
黒山羊の手に、握らせる。
「これはね、テイムする為の石だよ。まぁ、売るからにはソコソコの確率にしないといけないんだけど。黒山羊のは絶対にテイムできるから安心して。」
ノワールは所謂、従順させる石を作っているのだ。
「確率は……10分の1だよね。流石に高すぎるのも良くないし。」
約100個を作り、鑑定を使用して完成したか見てみる。
従順石 レア度・星6
モンスターからドロップする石。確率は10分の1でモンスターをテイムできる。黒の原初が作ったものが世界に飛び散り、モンスター達の体内で作られる様になった。
この世界にはレア度と言うものがあるようで、星で表され1から10まである。
「何で黒の原初って言葉が使われるの?確かに作ったの俺だけどさ。」
まぁ、どうこう言ってられないのだが。どうせ名前までは特定されてないし。この世界の常識を変えてしまった気もするが。
ノワールは黒山羊のも見てみる。
神眷属石 レア度・星10
モンスターからドロップする。神が眷属化をする如く、必ずモンスターをテイムできる。黒き原初が遠い昔に生み出したもの。
「よし、黒山羊、この従順石を売り出そう!」
黒山羊の確定の石の鑑定も終わったので、黒山羊に100個持たせ、門番のところに行く。
『これは如何ですか。』
黒山羊が門番に話しかける。門番は石を鑑定すると、
「こんなにも従順石が……全て買取しても宜しいのでしょうか?」
「はい。」
別に減るもんじゃないしな、と心の中でノワールは思った。自分で作ることが出来るのだから。
門番は中に入り、少し経ってから出てきた。
「金貨を三枚引きまして、白金貨1枚と、金貨17枚になります。」
それを受け取る。資金も集まったので良かった。
「ではお入り下さい。馬車が置けるところは巨魚亭と言う宿がよろしいでしょう。」
門番は門を開けてくれた。序でにいい宿も。
「ありがとう。」
そう言って馬車に乗り込み、馬車は街の中に入る。
次回>>13
- 黒き原初 ( No.12 )
- 日時: 2018/07/08 15:18
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
スキル、職業、種族 解説集
忘れた時用の解説です。
死霧
自分自身から死を誘う霧を出す。自分自身も霧になる事が可能であり、物理攻撃が無効化される。この霧を吸った生命は死ぬ。黒の原初の固有スキル。
漆黒創造
その名の通り創造する事が出来る。生命も創造可能。黒の原初の固有スキル。
夢想獣召喚
その名の通り夢想獣を召喚できる。夢想獣は自分で想像すると召喚できる。黒の原初の固有スキル。
次元操作
次元の全てを操作可能。全てを消し去る事さえ簡単に出来る。また、ものに力を与える事も出来る。次元王系統の職業限定の固有スキル。
暗黒永遠
不老不死の上位互換。不老不死は魂が1つなのに対し、このスキルは魂すらも無限大。黒の原初の固有スキル。
黒神蘇生
蘇生の上位互換。蘇生の速度が蘇生の五千万倍ある。つまり、攻撃を受けた瞬間に蘇生する。これは怪我をした場合にも適応される。黒の原初の固有スキル。
満月覚醒
満月の日にステータスがupする。月の力を持つ種族の固有のスキル
鑑定
もののステータスや詳細を見る事が可能。取得条件はもののステータスを見る事。鑑定で人のステータスを見る場合、スキルLv.15であり、自分よりも弱くてはならない。
漆黒の隻眼
目を合わせた時、自分が殺意を抱く相手を殺す。黒の原初の固有スキル。
真紅の隻眼
目を合わせた時、敵意を抱く相手に恐怖を与える。自身での発動も可能。黒の原初の固有スキル。
従順石 レア度・星6
モンスターからドロップする石。確率は10分の1でモンスターをテイムできる。黒の原初が作ったものが世界に飛び散り、モンスター達の体内で作られる様になった。
神眷属石 レア度・星10
モンスターからドロップする。神が眷属化をする如く、必ずモンスターをテイムできる。黒き原初が遠い昔に生み出したもの。
黒き原初
漆黒の次元の主であり、この次元の全ての原初。最高の種族。万物を創造し、破壊する。唯一無二の種族。
漆黒なる次元
次元王系統の職業。漆黒なる次元の王。次元の全てを操作できる。唯一無二の職業。現時点での取得は不可能。
異形なる怪物
異形である種族で、形を自由自在に変えることが出来る。元々の形は見れるものでは無い程、異形。創造主の失敗で生まれた。神よりも強いとされる。
漆黒の次元王の執事
そのままの意味。漆黒なる次元の眷属となる。
剣術
剣術を覚えられる。初期に覚えられるやつで合成や進化の分岐が多く、強くなるには持っておくべきスキル。
冒険
冒険者になると持つ事がスキル。ダンジョンに入れたりと冒険者には必須。合成や進化も出来るがあまり知られていない。
神王召喚石 レア度・星10
SSSランクモンスター以上を確定で召喚、テイムできる。黒の原初が創り上げた石の最高作の1つ。
賢王の光石 レア度・星10
最高の魔法道具素材。原石のままでも、持っている本人のMPを自動回復してくれる。また、ゴーレムなどの機械の心臓部分としての利用価値もある。黒の原初が創り上げた石の最高作の1つ。
言霊の秘石 レア度・星10
最高の魔法道具素材。原石のままでも、持っている本人の言葉を実現させる力がある。黒の原初が創り上げた石の最高作の1つ。
黒の眷属化
力を与える事が出来る。眷属化もする事が出来る。黒の原初の固有のスキル。
黒き超越
全属性の魔法、最高級の魔法まで使用可能。
黒雷滅
黒雷を落とし、相手を滅殺する。黒雷滅の熾天使女王の固有のスキル。
熾天使の癒し
HP、MP共に全回復をさせる。また、一定時間、ステータスをUPさせる。黒き熾天使の固有のスキル。
黒天使の蘇生
死んだ生命を生き返らせる。黒き熾天使の固有のスキル。
黒天使統制
自らの僕を創り出すことが出来る。そして、それを統制することが可能。不老不死も付いてくる。黒雷滅の熾天使女王の固有のスキル。
漆黒なる加護
全属性魔法を使う事が出来る。また、全ステータスがUPする。漆黒の次元王の眷属限定の固有のスキル。
眷属
眷属になると、主や他の眷属のステータスを見る事が出来る。また、ステータスの補正がかかる。
黒き熾天使
黒の原初が生み出した黒き熾天使。
黒雷滅の熾天使女王
黒き熾天使の頂点に君臨する女王。黒雷滅を司っている。
無限保管庫
容量が無限、時間停止の保管庫。インベトリー系のスキル。
龍神王の威厳
自分よりもレベルの低いものを威圧させる。龍神王固有のスキル。
龍神の鎧
ゴットドラゴニックメイルと読む。防御力を何倍にも引き上げる。また、全属性耐性、状態異常無効化も付いている。龍神系統種族固有のスキル。
龍神王の息吹
青い炎を吐く。その威力は世界を焼き尽くすほど。龍神王固有のスキル。
龍神化
龍の姿と人の姿に変身出来る。龍の姿の方がステータスが高い。龍神王固有のスキル。
龍神王の咆哮
龍達を呼び出し、従えることが出来る。龍神王固有のスキル。
龍の神託
左眼の魔眼は鑑定の役割があり、人のステータスを見ることが出来る。鑑定の条件は無い。隻眼の龍神王固有のスキル。
龍神王の鎧 レア度・星8
龍神王に与えられた最強装備。全ての状態異常攻撃を無効化する。
龍獄刀 レア度・星9
龍の鍛治師達が作り上げた最高の刀。龍神の爪如く切り裂く。
龍神王の着物 レア度・星10
龍神王の為に作られた、最高装備。攻撃無効化、状態異常無効化が付与されている。黒の原初が黒龍神王の為に贈ったものである。
黒き龍神王の破壊
破壊魔法が使えるようになる。黒龍神固有のスキル。
黒龍神の再生
蘇生の上位互換。怪我した部位を直ぐに再生出来る。
黒破刀 レア度・星10
全てを破壊する刀。破壊出来ないものは黒の原初シリーズ以外無いとされる。黒の原初が黒龍神王の為に作った物。
黒災禍 レア度・星10
他のレアリティが星10の物と比べても、黒災禍の能力の右に出るものは存在しない。自我を持つ剣であり、触れたもの全てを溶かすことが可能。黒の原初が創り上げた最高傑作の剣であり、黒の原初シリーズと呼ばれる。
無限杯 レア度・星10
黒雷滅の熾天使に黒の原初が贈ったもの。自分が欲しいものが無限に沸く。
黒剣術の超神
黒の原初が創り上げた剣術であり、剣術の極意でもある。黒の原初固有のスキル。
魔剣術
魔剣を使いこなす者のスキル。魔剣持ちでなければ手に入れることは出来ない。剣術の派生スキル。
雷光弓 レア度・星10
形の無い弓。自分の思い通りの形にすることができる。矢は魔力を込めると出現し、その数は魔力量に比例する。矢の速さは雷光の如く。黒の原初が創り上げ、黒雷滅の熾天使に贈った最高の弓。
全属性魔法
全属性の魔法が使える。種類は火、水、風、土、光、闇、雷、氷、無である。特殊な魔法などは含まれていない。
盗賊
盗みを働くと得られる職業。勿論犯罪なので、この職業を持つ者は即逮捕。分岐も案外多い。
盗賊のダガー レア度・星2
盗賊の多くが持つ短刀。品質は良くなく、刃こぼれしやすい。
灼熱の剣 レア度・星4
炎属性が宿る剣。この剣を装備すると火属性魔法が使えるようになる。
賢者のペンダント レア度・星6
魔力がupする。初級魔法までなら全属性使用可能となる。
万能スキル
全てをマスターした者に与えられるスキル。取得出来るスキル、職業を全て手に入れた場合、会得可能。
古代龍の知恵
古代魔法を全属性使える。古代龍限定の固有のスキル。
金色の息吹
金色の息を吐く。この息に当たると身体が金になる。ゴールデンオルター限定の固有のスキル。
黄金なる鱗鎧
攻撃を75パーセント軽減する。また、光属性を宿している。ゴールデンオルター限定の固有のスキル。
光輝の太陽
灼熱の太陽を作り出す。その威力は国1つを滅ぼす程に及ぶ。しかし、発動するのに5分必要。ゴールデンオルター限定の固有のスキル。
ドラゴン
最強種とされる。ドラゴンには竜と龍に分かれている。龍は本家、竜は分家みたいな感じ。龍神王が真祖。龍には知的でSS冒険者でやっと勝てるような種族が多い。一方竜は、冒険者達が束になれば勝てる。ドラゴンの素材は高性能な為、高級品として使用されている。
古代龍
龍の一種。古代から生きる、長寿種。知的であり、冷静沈着。また、人語も話すことが出来、中には人間などと共に過ごす事例もある。
暴走状態
ドラゴン特有の状態異常。理性のリミッターが解除され、暴走する。ステータスは倍増するが、命中率が低くなる。
黒剣術
黒の騎士達に与えられる剣術。至高の剣術とされ、剣を扱う者にとっての目指すべきスキル。
古代龍の古びた指輪 レア度・星8
かつて栄えた龍達の力が宿った指輪。現在は錆びていてその力が発揮されることは無いが、磨いたり、加工したりすると変化する可能性がある。
女神の為の黄金指輪 レア度・星10
雷滅の女神の為に作られた指輪。深い青の宝石は彼女の目を表しており、魔力を込める事により、スキルの威力が上がり、自分や仲間のステータスを上げる事ができる。万能な黒の騎士神が作り上げたもので、素材は古代龍から得た指輪と、黒の原初が作り出した、オリジナルの神石である。
神石
神が作り上げたとする石。魔石よりも強い力が宿っており、レア度は高め。
雷女神の神剣 レア度・星10
罪人の裁きに罰を下す為に作られた神剣。雷滅属性を宿しており、雷属性魔法を流し込むと強化できる。一定の確率で即死を与える。それはレベルが弱い程、起こりやすい。また、防御力を無視し、攻撃が通る。黒の原初が黒雷滅の熾天使に贈った、黒の天神達の神器の1つ。
魔法の解説集
重力無効
グラビティインヴァリディション
重力を無効にできる、無属性の上級魔法である。そもそも重力を操る事自体、魔力使用量が多い為、使える人材は少ない。
究極の癒し
アルティメットヒアリング
HP、MP共に全回復、また状態異常、ステータス変化を元に戻す。回復・治癒魔法の中で、最強の魔法。これを使えるものは極少数である。
極地獄
インフェルノ
その場所を地獄のような火山噴火地帯の場所に変化させる。
氷獄
コキュートス
吹雪が吹くような極寒地帯に変化させる。