複雑・ファジー小説

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Primitives Schwarz
日時: 2018/07/06 19:47
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=article&id=966

ー此れは漆黒なる創世神の物語—


粗筋
異形な容姿をした少年は駅のホームから落ちた。その先に待っていたのは、山羊であった。その出会いをきっかけに彼は新たな創造主として君臨する。
少年は世界を旅し、仲間を見つけていき、成長する物語。



初めまして、こあくと申します。久し振りにカキコで創作活動をします。ハイファンタジー系です。宜しくお願いします。オリジナル小説です。


とんでもない量の説明(というか忘れた時用)
スキルなどの解説集>>12 人物ステータス一覧>>17

一気読み用 (章ごとに区切っております。)
序章>>1-5 壱章>>6-11>>13 弐章>>14-16>>18 参章>>19-21 肆章>>22-25

用語集
次元
最高地点。全ての源でもある。例えるなら、途轍もなく大きい袋。その中に沢山の袋が層のようになっている。次元はもともと1つしかなかったが、黒山羊の手によって新しい次元が造られた。普通は次元の主が創ることしか不可能。広さは無限。数々の世界の総称として用いられることもしばしば。

世界
この物語では次元の中にある層の事。次元と違い、広さは有限。また、次元に近ければ近いほど魔法や文明が発達しやすく、広くなる。地球みたいな惑星を世界とは言わない。作者自身も混同しちゃいますが……。

ステータス
ノワール達が向かった惑星特有の現象。ゲームでよくあるやつ。カンストしていると『?』と表示される。普通はありませんが。

スキル
魔法などを取得した時に得られるもの。誰でも得ることが可能なスキルです。進化、合成なども可能。スキルのLvの最高は15。カンストしてると表示されないです。

固有スキル
その種族、職業だけのスキル。強力なものが多いです。チート系もしばしば。

種族
種族は生まれた時からの固定。特殊な方法で他の種族に変わる事は出来ますが、Lvが1に戻ったり、死のリスクがあります。

職業
それぞれの職業に決められた基準を合格すると取得出来る。進化、合成が出来る。たまに特殊なのがありますが、世の中の大半は取得するタイプの職業です。

召喚
召喚の定義は『この世にいるもの』を呼び寄せること。夢想獣召喚の場合、想像したものを『あるもの』にすることができる。創造とはまた別です……多分。

ドロップ
ドロップの確率は10分の7ぐらい。お金は確定で出現する。レア度が高いほどより確率が低くなる。運上昇の職業だと確率はUPします。

レア度
星で表される。1から10まである。文字に書くと表せないですが……。

魔獣
モンスターと読む。骨馬ちゃんやらの総称。大体ダンジョンやらにいる。

ギルド
独立した機関。冒険者、商人、錬金術師、鍛治師などなどある。物を売ったりも出来るので、ギルド会員以外にも出入りが多い。大体酒場が併設されてます。

ランク
モンスターと冒険者に存在します。下の方からF、E、D、C、B、A、 S、SS、SSSまである。

魔法道具
マジックアイテムって読みます。魔法が付与されたものや、鍛治師によって加工された魔法石なんかを指します。大体相場がお高い。魔法道具はレアリティも高い。

魔法
スキルで獲得すると使えるようになる。火属性、水属性など沢山ある。大体のスキルは合成、進化が出来るので、強くなるために必須。固有スキルの魔法は強力です。

魔法石
魔力が込められている石。魔法道具の素材として使われる場合が多い。主に魔力溜まりというところから採取可能。

魔力
ステータスで言う、MPです。

ダンジョン
モンスターの巣窟。主に塔、館、地下廊があり、塔は上、館は部屋、地下廊は下を順に攻略していき、ボス部屋をクリアしていく。ラスボスを討伐すると、ダンジョンは壊れて新しい物が出来る。ダンジョンクリアの最後にはレアなアイテムをプレゼントしてもらえたりする。


主要人物紹介

ノワール=ディユ・ブラン
元々は別次元の人間だったが、誰かに駅のホームから突き落とされ、漆黒の次元に落ちる。日本人だった頃は白神 黒という名前だったが、黒山羊によってドイツ語に翻訳してもらい、現在ではそう名乗っている。チート級のステータスとスキルを持ってます。過去は結構グロテスク。風貌は白髪で、右側の一部だけ黒髪。右眼は黒、左眼は赤でどちらとも魔眼。結構童顔。


黒山羊
山羊の頭骨の頭をしてるやつ。漆黒の次元を創った本人。魔法などに関しての知識は豊富。元々、ノワールの次元にいたが、次元研究を成功させた為か追われる羽目に。ノワールと逢うまで漆黒の次元に篭っていた。現在はノワール専属の執事。ノワールの事なら軽く1000万年話せる。


死蛇
しだ、って読む。シダ植物ではないです。身体の殆どが骨で、継ぎ合わせるとこが筋肉。目が100個以上ある。体長は、キロメートルぐらい。ノワールの夢想獣。屍王など異名を持つ。口の悪さはピカイチ。普段はノワールのブレスレットになっている。ブレスレットの丸い石は全部死蛇の目。


雷子
黒の熾天使女王。元々はとある神々の熾天使だったが、ノワールに仲間にならないかと言われて、仲間になった。酒癖が酷い。本能のままに生きている。名前のダサさはノワールのネーミングセンス。金髪ロングの青目。天使の輪と稲妻のような羽根は黒色で、めちゃめちゃ美人。


ドラーク
元々はノワール達が旅をしている世界の神々の一角だった。龍王のダンジョンの管理者。ラスボスではない。裏ボス的な存在だった。ノワールと戦い敗北、その後に黒龍神王として黒の原初の仲間に。身長が高く、和服が似合うイケメン。髪と右眼は黒、左眼は魔眼で金色。ドラークはオランダ語で龍、て意味だよ。

黒騎士
死蛇と同じでノワールの夢想獣。黒き騎士道を極めた、剣術の達人。また、万能で料理、裁縫、家事なども出来る。所謂スパダリと言うやつ。しかし、目立つ事が少なく、ノワール達に忘れられ気味。だから悩んでいるが、一向に解決策は出ない。


誤字、脱字は見つけ次第修正致します。
閲覧数、300ありがとうございます!
6.15 題名を変えました。意味は同じです。ドイツ語になっただけです。
コメントや質問等は大歓迎です!
上記のURLはイラスト集です。スマホで描いてます。

黒き原初 ( No.3 )
日時: 2018/06/02 16:59
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

天と地の創造

『世界は先程も申しました通り、何層にも積み重なっています。次元は全ての源ですから、近い世界ほどその力は強くなります。』
何となく、言っていることは分かる。電波が近ければ携帯は繋がりやすいし、遠いと圏外になるような事なんだろう。
『つまり、神が住んでいる天界から、生命が住む地界までを作る必要があるのです。』
自分の世界にも神様もいるんだな、迷信だと思っていた事が事実なのだと少年は確信した。
「疲れそうだよね、たくさんの世界を創るなんて。」
そう、言い放つと山羊は
『そのような事は御座いません。天界さえ創造してしまえば、後に神々が勝手に世界を創るのです。神々はそのように使いを生み出していったのです。神が新たな神を生むなど良くある事です。』
原初の神が世界を創り、自分の子がまた神になる、良くある神話のようだった。これも実は本当なのだろう。
『ですから、先ずは天界を。世界を創れば王が住んでいた世界のように神が誕生するでしょう。私達は待つだけです。』
それでは、と天界を創り始める。力を込めて、それを固めていくような感覚で。すると暗黒の世界に一つの光が出来た。とても小さいが。
『流石は王です。一発で成功させるとは。小さいと思うでしょうが、これが普通なのです。それだけ次元の力は強大だという事をお分かりいただけたかと存じます。』
そうなのか。次元の強大さを実感する。前いた世界の次元は今の自分よりも比べ物にならない。そう感じた。
『ほら、新しい神が誕生する瞬間です。』
天界を見てみる。小さ過ぎて見えない。目に何となく力を込めると拡大される。
そこでは力が集まり、一つの浮遊物体が生まれる。
「これが神様?なんだか思ってたのと違うけど。」
思わず、声に出してしまう。人型では無いのか。
『ご安心下さい。これから幾度と進化を遂げていきます。それは私達にとって1秒な出来事かも知れませんが。』
確かに、時間の流れが早い気がする。
『まだ、新しき世界が出来上がるまでお時間がありますのでお茶でも召し上がってください。』
また何処からか机と椅子が出て来る。ついでにお茶のカップとティーポットも。綺麗な細工がされている。
『これは私が調合いたしました、紅茶で御座います。お口に合うと良いのですが……。』
そう言って、山羊頭は少年に紅茶を差し出す。少年はそれを一口飲む。
「美味しい……。初めて飲んだよ、こんなの!」
目を輝かせて、紅茶をまじまじと見つめる。山羊頭は嬉しそうな雰囲気を醸し出す。
『喜ばしい限りです。
一つ質問を宜しいでしょうか。』
彼はお礼を言った後、少年に質問をする。
「別にいいよ。」
少年は笑顔で答える。
『お名前をお聴きしたいのですが……宜しいでしょうか。』
少年はYESと頷く。

黒き原初 ( No.4 )
日時: 2018/06/02 19:21
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

原初の御名

「名前は、白神 黒だよ。」
あっさりとした、何処にでもいそうな名前だ。だが、この名前が何故か少年の風貌を表しているように思えた。白い髪に、右側の一部分は黒色。目は左が赤、右は黒で、2つとも所謂魔眼と言われる部類だ。
『成る程、シュバルツとヴァイス……。2つの対なる物同士が融合した、最高の存在なのですね。』
山羊は喜ばしい様子だ。自分の事ではないのに、黒はそう思った。
別に自分の名前が特に気に入っている訳ではない。寧ろ嫌いである。両親が考えもせずに付けた名前だ。まるで被検体番号のような嫌悪感がある。
『……自分のお名前に御不満があるようですね。ならば、その名前を外国語に翻訳しましょう。きっと素晴らしい名になりますよ。』
まるで、黒が不機嫌な事を読み取った様に、話を変える。そもそも顔に出ていたが、本人は気づいていないようだ。原初の御名

「名前は、白神 黒だよ。」
あっさりとした、何処にでもいそうな名前だ。だが、この名前が何故か少年の風貌を表しているように思えた。白い髪に、右側の一部分は黒色。目は左が赤、右は黒で、2つとも所謂魔眼と言われる部類だ。
『成る程、シュバルツとヴァイス……。2つの対なる物同士が融合した、最高の存在なのですね。』
山羊は喜ばしい様子だ。自分の事ではないのに、黒はそう思った。
別に自分の名前が特に気に入っている訳ではない。寧ろ嫌いである。両親が考えもせずに付けた名前だ。まるで被検体番号のような嫌悪感がある。
『……自分のお名前に御不満があるようですね。ならば、その名前を外国語に翻訳しましょう。きっと素晴らしい名になりますよ。』
まるで、黒が不機嫌な事を読み取った様に、話を変える。そもそも顔に出ていたが、本人は気づいていないようだ。
『そうですね……フランス語はいかがでしょう。ドイツ語など悩みましたが、これがいいと思いましたので。』
少し、焦らす。そして、期待を膨らませる。
『ノワール=ディユ・ブランは如何でしょう。』

黒き原初 ( No.5 )
日時: 2018/06/02 22:14
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

黒山羊と新しい世界

「そういえば、君はなんて名前なの?」
黒、又の名をノワールは山羊に聞く。名前が無ければ呼びにくいだろう。
『名前はありません。このような姿ですから、山羊とでも呼んでください。』
自分の名前などどうでも良い、そのように受け取ることが出来る。ノワールはそれは駄目、と顔に出ている。名前を考えているのか、険しい表情になり、はたまた閃いたのか顔が明るくなる。
「黒山羊!苗字ぽくて響きが良くない?」
黒山羊、ストレートな名前だ。ほぼまんまだろう。しかし、名前を考えてくれたが嬉しいのか、山羊は喜んでいた。やはり雰囲気だが。
『素晴らしい名前です。ノワール様が付けてくださった名を一生を心に留めておきます。』
重く捉えているようだ。ノワールはそうは思わなかったようで少し引いている。
『時間が経ったようですから、天界の様子を見に行きましょう。』
長きに渡り話をしていたら、いつのまにか時間が経っていたらしい。此処では時間の流れなど感じないが。

天界が見える場所に着くと、前より大きくなっていることに気づく。まぁ、水素原子から炭素原子になったぐらいだが。
「成長したなぁ。」
ノワールは前回覚えた拡大魔法で天界を見る。黒山羊も同様の魔法を使っているみたいだ。
『神々が増えましたね。新しい世界も出来ているようです。ものすごく小さいですが。』
見てみると最初の神を囲むように宴会をしている。とんでもない体たらくだなとノワールは思う。
神々が創った世界も見てみる。人間が文明を築いている。どう見ても早いのではないか。
「なんでもう文明もあるの?俺ら話してただけだよね?」
ノワールが黒山羊に問いかける。いくらなんでもおかしいと。
『ノワール様が思っている以上に時間の流れは私達が感じるより早いのです。人間にとっての一生も、我々にとっては1秒にも満たない。この次元にいる限りは、ですが。』
次元にいる限りはと言われたので気になってしまう。なんで、と顔に出すと黒山羊は丁寧に答えてくれた。
『私達がおります此処は、この次元の最高地点です。それから下に降りて行きますと、その場所の時間の流れ方が適用されるのです。我々も例外では無い、とは言い難いですが、自己判断で可能です。』
流れまで変えられることが出来る、それは最強としか言えないのだろう。次元の力がどこまで強大なのか、分かった気がした。
『そうですね、折角ですからその世界に行きましょう。ノワール様の世界にあったゲームに近いはずですから。長い時を生きるのですから、気楽に行きましょう。』
黒山羊に提案された。ゲーム、一度だけノワールは友人の家で遊んだ事がある。とても楽しかったことを今でも覚えている。少し、ワクワクした。
「うん、行こう。折角だし!」
明るい声が、暗黒の世界に響く。


−序章閉幕−

黒き原初 ( No.6 )
日時: 2018/06/03 12:26
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

壱章
新しい世界

黒山羊が提案してくれた場所にノワールは行くことにした。しかし何も持っていないから準備の仕様がない。服は何着か持った方が良いのだろうが……どうにも手持ちがない。制服姿なのもどうにも出来ない。黒山羊に聞いてようと思った。
「なぁ、黒山羊。俺さ、服持ってないから何か手持ちあったら貸して欲しいんだけど……。」
向こうに行けばある程度は買うことが出来るだろうが、街まで遠いだろう。まずは森に降りて、そこから街に入る事を予定しているからだ。
『えぇ、揃えておきました。向こうでの服は歩きにくいでしょうから、10着程度御座います。』
黒山羊が空間魔法でノワールの服を出す。パーカーとTシャツ、パンツを出してくれた。寝巻きにはセーターなんかもある。黒山羊と魔法を習得した時に空間魔法のやり方も覚えたのでそこに仕舞う。謎の変身魔法も覚えているからそれで瞬間的に制服からパーカーに着替える。
『魔法もますます上達しておりますね。感激します。』
ノワールは最近、黒山羊の過保護に少し引いているようだが、それを気にしない黒山羊だった。
『私が日常品など持っておりますのでご安心下さい。必要な時はいつでもお申し付けください。』
黒山羊は黒い執事服に黒いコートを羽織る。白い手袋は外さないようだ。
「転移魔法?だっけ。使えるか分かんないよ?場所は教えてもらったけど……。」
ノワールは事前に黒山羊に場所を教えてもらい、転移魔法を発動してみることにしたのだが、まだ不安が残るようだ。
『拡大魔法でその場所を見ながら使いますと成功しますよ。』
黒山羊は簡単にコツを教える。自分よりも魔法の知識が豊富な彼の事だから間違いないと思った。
「まぁ、やってみるよ。」
そう言いノワールは魔法を発動させる。同時並行は何となく遊んでいたら出来るようになっていた。
黒山羊とノワールの足元から魔法陣が現れ、黒く光り始める。その光が最高潮に達し、二人は光に呑まれる。


気付けば二人は黄昏時の森にいた。
『成功しましたね。少し時間が遅くなってしまいましたが大丈夫でしょう。私達に眠りは必要ないようですから。』
何千億年ぐらいの時を眠らずに過ごす事が出来たのも次元の力のおかげだろう。眠りが必要ないのは生きる上では素晴らしい事だ。不老不死だが。
『……ふむ、面白い世界ですね。ノワール様、頭の中でステータスと念じてみてください。』
黒山羊が何かに気づいたのか、ノワールに伝える。ゲームのようでノワールはワクワクしている。黒山羊の言った通りにステータスと念じてみる。

ノワール=ディユ・ブラン
Lv.???
種族 黒の原初
職業 漆黒なる次元

「何これ……凄い厨二感があるのは俺だけ?」
この人は厨二です、そう言わんばかりのステータスだった。レベルはカンストしているようだ。種族も職業もおかしい。誰もこんなものになろうとは思わない筈だ。
『詳細と念じるとHPやMPなどが分かるようです。また、説明も表示されますね。』
黒山羊がまた発見した事を話す。これ以上見ると自分が厨二なのかと錯覚しそうだとノワールは思う。
「やってみるよ……。」
恥ずかしいが仕方なくやってみる。

HP ∞
MP ∞
攻撃力 ???
防御力 ???
素早さ ???


固有スキル
死霧 漆黒創造 夢想獣召喚
次元操作 暗黒永遠 黒神蘇生

スキル



「スキルは無いのに固有スキルは何故ある?!普通逆だろ!多すぎだし!」
思わず声を荒げてしまった。確かに固有スキルを使えるのは楽しい事だろう。しかしだ、あまりにも厨二すぎないか、ノワールは思う。前世では厨二は痛いなどと罵倒されてきた。自分も二次元にはまったわけでは無いし、そもそも縁が無かったからこそ叩かれなかったものの、この世界でこうなるとは思っていなかったのだ。
『素晴らしいステータスですね。私はノワール様の眷属なのでステータスが共有可能になりました。』
黒山羊は何故か褒める。厨二要素しかない俺のステータスを褒めてくれた。ノワールは少し嬉しいようだ。
黒山羊は大分この世界に順応している。やはり知識が豊富だからなのだろう。
「黒山羊、ありがとう……元気でたよ。」
厨二ステータスに心がボロボロだったが慰められ元気になったノワールはご機嫌になる。
「それにしても死霧てなんだ?説明読むか。」
ノワールも少しずつ順応しているようだった。

死霧
自分自身から死を誘う霧を出す。自分自身も霧になる事が可能であり、物理攻撃が無効化される。この霧を吸った生命は死ぬ。黒の原初の固有スキル。

漆黒創造
その名の通り創造する事が出来る。生命も創造可能。黒の原初の固有スキル。

夢想獣召喚
その名の通り夢想獣を召喚できる。夢想獣は自分で想像すると召喚できる。黒の原初の固有スキル。

次元操作
次元の全てを操作可能。全てを消し去る事さえ簡単に出来る。また、ものに力を与える事も出来る。次元王系統の職業限定の固有スキル。

暗黒永遠
不老不死の上位互換。不老不死は魂が1つなのに対し、このスキルは魂すらも無限大。黒の原初の固有スキル。

黒神蘇生
蘇生の上位互換。蘇生の速度が蘇生の五千万倍ある。つまり、攻撃を受けた瞬間に蘇生する。これは怪我をした場合にも適応される。黒の原初の固有スキル。

「やっぱりチートじゃねぇか!」
ノワールの声が森に大きく響いた。

黒き原初 ( No.7 )
日時: 2018/06/03 12:25
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

暗い森の中

ノワールの声が響いた時、もう既に夕日は東に沈み始める。どうにもこの世界は西から東に太陽が移動するようだ。
『ノワール様、大丈夫ですよ。気にし過ぎもあまり良くないですし。』
黒山羊はノワールを慰めるが、相当落ち込んでいるのか、体育座りでうずくまっている。
「もうやだ……なんでこんなチートなの……。レベル上げ要素無いじゃん。」
ノワールは普通のスキルが獲得できるものだと認識していないようだ。それに気づいた黒山羊は説明しておく。
『安心して下さい。スキルは獲得出来ますから。ほら、せっかく来たのですから、探索しましょう?』
スキル、その言葉に反応したノワールは、獲得出来ることを知り、気力が戻って来たようだ。
「スキル獲得……!成る程、最強スキルを手に入れる為の努力という要素もあるんだな……。」
元気になる。黒山羊は安心したが、ノワールは早く進もうと急かしてきた。黒山羊は分かりました、と言い、森から抜けようとする。

「森の中って不思議だな。なんか出てこないかなぁ。」
現在は夜。美しい夜空が木の間から見える。夜の森とはやはり何かと出会えるような感覚がある。
そう考えていると、背後から急にザッザッ、と音がする。黒山羊も気付いたようで、魔法のライトを向ける。するとそこには狼の群れがいた。
「狼の群れ……初めて見るな。」
しかし、ノワールと黒山羊は驚きもせず、逆に興味を持っているようだ。
『このような動物にもステータスはあるようです。しかし鑑定というスキルが無いと出来ないようですが。』
スキルは基準を満たすと獲得出来る。誰もその基準を知らないが。
「黒山羊のステータスを見れば分かるかな?」
ステータスを見る事が出来れば獲得出来そうな気がした。ノワールは眷属である黒山羊のステータスを見る。
狼は襲い掛かりそうだが、黒山羊が魔法を放つと固まった。硬直の魔法だろう。簡易的なものだから、時間稼ぎ程度にしかならない。
その少しの時間を使い、ノワールは黒山羊のステータスを見る。

黒山羊
Lv.???
種族 異形なる怪物
職業 漆黒の次元王の執事

(黒山羊もレベルカンストしたんだな……。)
黒山羊の詳細まで見ていないが、強さを感じる。
その後、自分のスキル欄を見てみると、

スキル
鑑定

とあった。初めての普通のスキルはノワールにとって感動的なようだ。
『鑑定が取得出来ましたか。流石です。』
黒山羊も取得しているのだが、気付いていないようだった。
「よし、狼にも使って見るぞ!」
初めてスキルを使用するから緊張する。頭の中で鑑定と念じると、狼のステータスが表示された。

ムーンウルフ
Lv.24
種族 ムーンウルフ

HP 265
MP 110
攻撃力 655
防御力 220
素早さ 565

固有スキル
満月覚醒
満月の日にステータスがupする。

スキル



モンスターには職業と名前は適応されないらしい。ゲームの世界らしいと言えばらしいが。
「なんか、アレだな。あんまり強く無いな。」
ポツリと呟く。別に何か悪いわけでは無いが物足りない事は確かだ。
『種族により元のステータス量が違いますからね。ドラゴンなどは元のステータスが高い事で有名ですし。』
確かに、と思う。元々の才能にステータスはよるのだろう。そこに職業がプラスされていくのか。
「ねぇ、黒山羊。俺が倒して良い?固有スキル使ってみたいんだけど……いいかな?」
黒山羊に聞いてみる。多分、過保護な黒山羊の事だから反対してくるだろうと思っていたが、
『……分かりました。しかし、危ないと判断できる場合は私が入りますから。』
了承はしてくれた。渋々だったが。
何を使って倒そうかと思ったが、1番使ってみたかったのは死霧だった。ノワールはスキルの名前を念じる。すると自分の身体から霧が発生した。黒い霧だ。霧はまるで自分の一部のように感じた。手を狼に向けると霧が一瞬にして狼の所に蔓延する。狼はそれを吸ったらしく、倒れてしまった。それからドミノ倒しの如く倒れていく。最後の1匹だけを残して。1匹は怯えて逃げようとしが、ノワールの瞳と目を合わせた瞬間、倒れてしまった。ノワールは最後の1匹だけ他のスキルで倒そうと思ったが、何故か倒れてしまい、困惑している。ノワールはもしや、と思いスキルを見てみると。

固有スキル
漆黒の隻眼
目を合わせた時、自分が殺意を抱く相手を殺す。黒の原初の固有スキル。

真紅の隻眼
目を合わせた時、敵意を抱く相手に恐怖を与える。黒の原初の固有スキル。


「普通のスキルじゃないんかい!」
思わず突っ込んでしまった。固有スキルって獲得出来るのかよ、ノワールは内心厨二感が増したと思う。
『固有スキルは発動すると表示されるようになるようですね。』
「早く言ってよ!」
また、チート能力を手に入れてしまう、ノワールだった。



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