複雑・ファジー小説
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- かみさまとにんげん
- 日時： 2018/06/04 08:18
- 名前： えだまめ （ID: z.RkMVmt）
ーーー幼き頃、両親の喧嘩に父からは暴力を、母からは存在を消せと遠まわしに言われ、悲しさに涙を流しながら近くの森へ掛けた。魔物が出ると噂の広まる深い森、森から出てくる人も居なければ近くに虫や動物が出てくると聞いたこともない、外から見れば木々の陰に奥の方は暗い。
誰も近寄らない、両親に捨てられたと勘違いした俺は勢いで森に入った。町のどこにも見当たらないと分かれば森に探しに来る、心配してたんだと俺を迎えに・・・そう思ってた。
そこで“かみさま”に出会った
ーーー数年前、いや数十年前か・・・？いつも通り生き物の体調を測り、土の温度を確かめ、遠くで波の音を感じる、植物を眺めて夜になれば寄り添ってきた狼と月見。
木々が騒がしく揺れ始めた〝なにかがきた〟〝にんげんだ〟燃やされる、切られる、痛い、怖い沢山の声が聞こえる。日常が狂い始めるのは予想し得ない人間という変わった行動を起こす生き物を作り出した自分に問題があるのだろう。
腰をあげれば狼が〝行くのか？ならオレも〟と賛同してくれたが、火薬の臭いがせずとも安全とは言いきれない。それは双方に言える。すぐ戻ると伝えてそこへ一瞬で跳ぶ。
そこで〝にんげん〟に出会う
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オリジナル小説です。
- Re: かみさまとにんげん ( No.1 )
- 日時： 2018/06/04 20:20
- 名前： えだまめ （ID: z.RkMVmt）
ーーー息を切らし喉も乾いてきたころ、石に躓き俺は転んだ。ぶつけたらしい膝が痛くて見れば意外と深い擦り傷から血が出てきていた、その時気づいたけど露出部の手脚には伸びきった雑草による接触でかすり傷が出来ていてそれを見つけてしまえば小さな傷でも痛かった。その場に両膝を抱えて胸と膝の間に顔を埋めて啜り泣く。
森のざわめきが魔物を呼んでるように思えて怖い、いつ自分が魔物に食べられてしまうのかと考えると震えが止まらない。
「た、すけて・・・だれか・・・」
その瞬間、音が聞こえなくなった。木々の揺れる音が聞こえなくなり顔を上げると目の前に人が立っていた。月光に照らされて藍色の髪が揺れる。黄金色の瞳が俺を見てる、白い肌に肩から下の体を覆うように黒いマントを付けている。なんと言っても整った顔立ちに綺麗で人形かと思った。
周りを見渡せば先程まで荒々しく揺れていた木々が、時が止まったかのように静止している。
〝帰りたいのか〟
聞こえてきた声は若干低くとも落ち着いてて俺の耳に響いた、というより頭に響いた。目の前の人は俺を見てたが口を動かさずに話しかけてきた、多分目の前の人が話してきたんだと思った。それは質問なのか納得だったのか解らなかったけれど頷けばその人は片手をマントから出して俺に差し出す。
「連れてってくれるの？お父さんとお母さんの所にっ・・・」
その人の手を取ると安心した。立ち上がってその人と並ぶ。人と手を繋ぐのは久しぶりだったからか、ずっと握っていたくて強く握りしめてその人を見上げれば、その人は俺を見て薄く微笑んだ。あまりに美しくて心臓が跳ねて目を見開けば、急に強く吹いてきた風にその人の片手を強風で体が飛ばされないように両手で掴んで目を固く瞑った。
次に目が覚めた時には俺は自分の家の布団で寝ていて、枕を抱きしめていた。
