複雑・ファジー小説
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- 時の狭間にて、貴方と謳う。(コメント募集中!!)
- 日時: 2018/09/26 23:58
- 名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)
注意
駄作です。
コメントはドシドシと送っていただければ。
荒らし等は固くお断りしております。
本作は、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を参考に書かせていただきます。
では、下からプロローグです。↓↓
何故今頃、こんな物語をしたくなったのだろう。
今から、話す物語は、薄汚れている。
そして、その物語は私自身である。
総じて一つ言えるのは、私の過ごした青春の異端である。
ということだけ。
- Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。(コメント募集中!!) ( No.9 )
- 日時: 2018/09/28 00:31
- 名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)
感想ありがとう!
文が綺麗とか…嬉しすぎて…!
続きは、四明後日位に上げます。
- Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。(コメント募集中!!) ( No.10 )
- 日時: 2018/10/21 22:42
- 名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)
第七話『繰り返した今日について』
少し前の…いや、数回繰り返した今日の話をしよう。
なに、どういう意味だって?
そんなの、私に分かるわけ無いじゃないか。
〜〜〜〜〜
ー六月二十七日
ー午後四時三十八分
憂鬱というのは、こういうことを言うのだろう。
私は、勝手に納得する。
そんな気分に合わず、今日は晴天だ。日差しに嫌気がさしたのだが、もう少しで駅に着くので良かった。
日差しから逃げるため、小走りで駅に向かう。
駅内は涼しく、日差しの刺すような熱のこもった体から熱が逃げていく。
(六月なのにな……)
そう思い、あの場所から、家へ帰るため、ICカードを読み取る部分に押し当てる。
ピッッ
改札口を通り抜け、人に流されながら、進んでいく。
ふと、視線を横に向ける。笑い合う女子高生。平然と進んでいく大人。人に流されそうになる子供。その子供の手を、しっかり握る母親。
そんな光景を見る私は、一体どんな顔をしているのだろうか。
汗が染み込み湿ったシャツが、肌にあたってとても不快だ。
(暑い)
日差し暑さとは、また違う蒸し暑さが再度私を、不快にさせる。
ホームに向かうため、階段へ向かう。駅の階段は広いのに、尚も、混む事に人の多さを痛感する。
一段一段降りていく。
ドンッ
あれ、今浮いてる?
あ…違う。
落ちてっ……
ドンッ ドサッッ
「キャァァァァーーー!」
痛い。全身殴られたみたいに痛い。
「誰か! 駅員か、救急車!」
「ママ、人落ちたよ」
「えっ!?………」
あぁ、眠い。
〜〜〜〜〜
ー同じく六月二十七日
ー午後四時三十八分
そしてまた、同じく。
そんな今日を、五回繰り返した。
五回死んだんだ。
思い出した。
そして今、私の居る今日は違った。
小花衣(こはない)さん達に、万引きをしてこいと言われ、毎回同じ所だとバレやすいから、少し遠くのスーパーに行ったんだった。
そして現在に至ると。
ここで引っかかる事が、二つ。
一つ目は、何故今回は、死ななかったか?
二つ目は、何故死に戻りする必要があったのか?
- Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。(コメント募集中!!) ( No.11 )
- 日時: 2018/11/14 21:48
- 名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)
第八話『性悪兎は、横取りがお好き』
「大丈夫か?」
全て思い出した私は、状況が理解出来ず再びボーとしてしまった。紅華ちゃんは、心配してくれたのか、困り顔で見つめてくる。
「あっ……あぁ、はい」
返事も、気のない感じになってしまった。
「いやぁ、でも君、幸運ですよ。このままだったら、普通に死んでましたし。掟で時間を巻き戻すのは、五回までって、決まってるんですよ。あと一回死んでたら……ねぇ?」
「えっ……じゃあ、あと一回死んでたら本当に死んだって事?」
「そうじゃ」
全身から、血の気が引いていく。
「で……でも、時間を戻してくれたんですよね。命の恩人じゃないですか。本当にありがとっ……」
「違いますよ」
「えっ……?」
「君を生き返らせる目的で、時間を巻き戻した連中は、俺らじゃあ無い。さっきに言った、時の国の奴等ですよ」
(何でその人達は、私を?)
「あぁ……まぁ、ややこしくなるのですが。貴方は、もともと時の国を治める、白の女王にスカウトされる予定だったんですよ」
「えっ……じゃあ、私元々、白の女王になる予定だったんですか? じゃあなんで、赤の女王になれとか……」
どういうことだ、また、混乱してきた。
「単に言えば、“腹いせ”ですよ。あっちの連中には、腸が煮えくりかえるくらいの怒りがありますからね。あちらが、女王候補として狙っている貴方を、強引にも此方に連れてきて、横取りしただけです」
爽やかな笑顔で、男は言った。
(あ……コイツ絶対性格悪い)
そんな確信をもって、男に問う。
「あの、これから私、その時の国方々に追われたりするんですか?」
「えぇ、勿論」
(大事な事だから、もう一度言うけど、コイツ絶対性格悪い)
- Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。(コメント募集中!!) ( No.12 )
- 日時: 2018/11/10 22:55
- 名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)
第九話『帰路にて、ようやくの夕焼け』
顔面蒼白。
そんな四字熟語が今の私には、ピッタリと似合う顔をなっているに違いない。兎も角、今日は色々な事が起こりすぎだ。
「まぁまぁ、そんな顔しないで下さい。俺も悲しいですよ、こんな、若い子を、危険な目に遭わすなんてねぇ……。」
全く無い悲しみを口にして、三月は顔に手をやり、泣き真似をする。
(このロリコンイケメンの無駄遣い野郎めっ……!)
「三月、軽口が過ぎるぞ」
紅華ちゃんが、自覚の無い可愛い声で静かに注意をすると、三月は瞬時に私に向かって深々と頭を下げた。
「軽率な真似、どうかお許し下さい」
(誰だ、貴様は……?)
そう思わずにはいられない、態度の変わりよう。
ロリコン怖っ。逮捕されてしまえ!
「すまんのぉ、御白。彼方の連中には、三月も含め被害をうけているんでのぉ……。此方も、気が立っておる。どうか許してやってくれ」
眉を下げ、哀しそうにそう言われると、私も折れるしかない。というか、ここで折れなかったら、後から来る罪悪感ハンパなさそう……。
「はい、大丈夫です」
(まぁ、全く大丈夫じゃないけどね! 異世界来て、悪役になれだの、自分が実は今日何回か死んでいるとか、ロリコンにいじめられるとか、一日じゃ起こりえないようなことが起こりまくってるからねっ! この子に免じてだから、許すけどあのロリコン野郎は許さんっ!)
「まぁ、今日は疲れたじゃろう。自宅に帰ってゆっくりと休んでくれ」
「あっ……待って下さい! どうやって帰るんですか?」
(これから帰るって言うのも、色々疑問もあるし、帰られるのかすら不安なんだけどっ!)
「大丈夫じゃ、安心すると良い」
そう紅華ちゃんに、微笑みかけられると、安心してしまった。
(天使……!)
じゃなくてー
「三月」
「はい、畏まりました、紅華様」
三月は、そう言われると、くるりと背を向けて城の中に入っていった。どうやら、先程の紅華ちゃんの言葉には、名前以外にまだ続きが在り、三月はそれを読み取り何かをしに行ったのだろう。
「さて、其方にはこれから、其方の現実世界に帰ってもらう。あぁ、それと、帰ったら其方が万引きしたことは無くなっている。学校から、家に真っ直ぐ帰って現在自宅前に居る、という事を世界に上書きした」
「そんな事も出来るんですね……!」
(もはやチートかよ。凄っ!)
つまり都合の良いように、世界で起こったこと、これから起こることを上書きできると言うことか。
ーガタッ
不意に、音のした方を見ると、三月が姿見のような大きな鏡を持ってきていた。
「準備が完了いたしました」
鏡は、先程も言ったが姿見と言うわれる程大きく、私の身長より少し大きい。横幅は、至って普通。だが、大きさと同じくらいの存在感を放っているのが、鏡の縁。反射する白銀色の縁は、手入れを怠っていないことを主張していた。
と言うか、鏡キラキラしすぎて、自分を見るとき集中でき無さそう。本当に鏡の役割はたせんの? と言うレベルだ。
まぁ、鏡の美しさと、コレめっちゃメルカリに売りたいと思う私の欲望は、さておいて。
(うん、何故に鏡……?)
「何、キョトンとしてるんですか? 貴方が先程ここに来た方法を考えれば、分かるでしょう?」
(あ……そういえば、トイレの自分に手を引かれてここに来たんだ! って、トイレって汚くない!? 雰囲気もへったくれもないじゃん!)
「では、帰って頂きますよ」
「えと、どうやって入るんですか?」
「普通に入っちゃって下さい」
三月がすました顔で、鏡を指さす。
頭ぶつけたら、痛そうなので鏡へ手から入れよう。これで、コツンとかいったらマジでロリコン許すまじ。
そして、指先が鏡についたと思った瞬間ー
ふゅぅっ
緊張感の欠片もない音がしたと思ったら、指から腕まで、腕から肩まで強い吸引力にドンドン体が鏡へ吸い込まれていく。
「うぇえ……! 何コレ!?」
そして、顔以外ほぼ吸い込まれた時。
「また明日来い、御白。鏡を通ればここへ来れる」
そんな声がしたのが、最後。
私は、自宅前に居た。
「本当に、戻ってきてる……?」
「何が、本当に戻ってきてる? だよ。いつも頭おかしいのに、後頭部でも打ったの? 姉さん」
(はっ……! このツンデレボイスはまさか、我が愛しのミク君……!?)
「ミク君、愛してるよ」
「きもっちわる……」
「ガチトーンやめてぇ……!? お姉ちゃん死んじゃうよ?」
「そっか、骨は海にまくのと、土の下入れるのどっちがいい?」
「死後の事を、前向きに検討しようとしている……!?」
そんな帰り道。
あぁ、やっと夕焼けが見える。
- Re: 時の狭間にて、貴方と謳う。(コメント募集中!!) ( No.13 )
- 日時: 2018/12/06 10:16
- 名前: 夕月あいむ (ID: pQ5aes3P)
−ボフッ
「あ〜、色々とあり過ぎて疲れた〜……」
あの後、愛しき弟と共に家に帰った。ドアを開けると玄関にはお母さんが立っており、いつも通り抱きつかれた。お母さんからの熱い抱擁を引き剥がしながら、ミクくんは私とお母さんを見ながら「激しく遺伝子を感じる……」と、ため息交じりに言っていたが気にしない。その後、手洗いを済ませ自室に戻り、今に至る。
「ん? 何コレ……?」
私さっき異世界にいたよね。世界観すらもよく分からない異世界にいたよね。アリスやら赤の女王やらなんやら言われてたよね。