複雑・ファジー小説
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- ウルトラカミキリムシ
- 日時: 2023/12/17 23:30
- 名前: 緑川蓮 ◆vcRbhehpKE (ID: flo5Q4NM)
試し書きの殴り書き。
緑川蓮と申します。新作の下書きとして、また小説カキコ様にお世話になります。
紫電の更新が滞っている中で新作に逃げるのもどうかと我ながら思いますが、書きてえなと思った以上はしょうがないという事で、ここはひとつ大目に、ご容赦を。
あと思い付いたままに書き殴る叩き台が故に、作中の時系列はメチャクチャです。
こちらも平にご容赦を。正式な一般公開版は、カクヨム様かノベルアップ+様など……いずれどこかの他サイト様で、細かい部分の修正を加えた上でアップするつもりです。
マジでごめんなさい。各方面に心から陳謝を申し上げます。
- Re: 退廃カミキリムシとクソ喰らえの生存 ( No.10 )
- 日時: 2022/12/08 19:58
- 名前: 緑川蓮 ◆vcRbhehpKE (ID: hi4BpH9d)
自分用メモ
・別に蛇丸の第4位設定は要らんか?
・国家じゃなくて大企業が権力を持つ世界観設定なら、よりソッチに沿うべき
・世界観そのものが特殊だから、正式版タイトルは「退廃的」だの取り除いて、もっとキャラクターの内面描写を自由にやれるタイトルにした方が良い
・蛇丸は、もっと表面上ドライにして感情の起伏を薄くした方が良い
・織田プロレスリング灯も改名するか……? 手毬とか、そういうキャッチーな名前の方が、おれ自身も気分がノリやすい気がする
・想像しているビジュアルも全改訂が必要 やっぱりイラストに落とし込んだ方が良い
・急を要するのは、もっと具体的なマンドラゴラのイメージ これでは「アビスの流れ星」でやってた解像度の足元にも及ばん
・そもそもシナリオ全体の大まかな筋とラストは決まっていても、細かい部分の解像度が全然ダメ とどのつまり「どんな印象に特化して、読者にお届けしたいか」が曖昧 今のところ「退廃感」と「悲痛を日々の快楽で溶かしつつ、何となく生きていく」くらいしか決まっていない もうちょっと具体的に固めた方が良い気もする
・でも「公開する」って意識の上で、取り敢えず書き殴ってみて、それから改善点を模索するっていう実験は成功 いつもよりアグレッシブに色々と考えられている気はする
・あと単純にカキコのフォーマットが十年以上慣れたものであるから、なんだか知らんけどマイクロソフトのワードとかよりも、手に馴染みが良い
色々と発見できました。
- Re: 退廃カミキリムシとクソ喰らえの生存 ( No.11 )
- 日時: 2023/12/18 11:17
- 名前: 緑川蓮 ◆vcRbhehpKE (ID: 0W9rRz2p)
自分用メモ(世界観設定編)
◆世界樹ユグドラシオン◆
・ある日、突然に太平洋のド真ん中に生え上がった巨大樹木。その全長は人類が建造した、最高峰のビルディングやタワーを優に超える。平たく言えば、高さ13km程もある林檎の木。
・その樹影から生った実は、成熟し地面へ落ちて爆ぜると共に、人類ブッ殺すという意思の集大成的な怪物を生み出し、地球上各地へと派遣する。これらの怪物は人類に『マンドラゴラ』と呼ばれている。
・言わば、増えすぎた人類を消して減らす為の『地球の生命維持機構』として生まれた災厄。
◆マンドラゴラ◆
・現存する地上植物を象りつつ、野生動物の様に動き回る巨獣。
・核の炎すら意に介さないという、人類が持つ既存兵器すら歯が立たない程の生命力を誇る。
・人類を殺し、その亡骸に『根』と呼ばれる捕食器官を突き刺し、栄養分を吸い上げるという生態。
・危険度や殺戮性能を基準として1級から3級までの等級があり、またそれとは別に特級という区分が存在する。
・現存する特級として数えられるのは『竜血樹』『紅枝垂れ』『ジェネラル・シャーマン』『メトセラ』『魔王』ら、5種である。伐採は不可能に近いので、精々が剪定(※外皮や枝葉を刈り込み、弱らせる事)して一時的な休眠状態に追い込むだけが関の山である。
・『紅枝垂れ』『メトセラ』『魔王』は剪定に成功した前例すら無い。
・かつては5種に加えて『千年杉』と『ヒュペリオン』が存在していた。前者は祟羅蛇丸を含むカミキリムシ連合部隊に、後者は初代『トウエモン』によって単身で伐採された。
◆カミキリムシ◆
・かつて世界樹ユグドラシオン本体へと突貫し、辛うじてその巨樹に生る果実を回収した最精鋭部隊が居た。たった6名の部隊である。6名の内、ひとりだけが生還できた。
・その生き残りが持ち帰った果実は、通称『クソ林檎』と呼ばれている。巨大な林檎である。
・クソ林檎の欠片を喰らい、なんとか自我と命脈を保てた人間は、常人離れした生命力と身体能力を得る。代わりに生殖能力を失い、身体の一部が樹皮化する。
・クソ林檎から抽出される果汁を武器に塗り、クソ林檎によって得た超人的な戦闘力を用い、世界樹ユグドラシオンから発生する怪物・マンドラゴラを掃討する。それが通称カミキリムシと呼ばれる、人類最後の砦たる兵士達だ。
◆世界観について◆
・かつて人類が栄華を極めたのは、過去の話。今この時、地球上の9割は深緑が覆っている。人類は『人間界』と呼ばれる、地上に幾つか点在する拠点で引きこもっていた。人間界とは、長大な壁で囲まれた、幾つかの塔の通称である。
・マンドラゴラの侵略によって生存圏を縮められた人類は、居住区を地下と頭上に伸ばす事で何とか生き長らえていた。
自分用メモ(マンドラゴラ編)
◆等級について◆
・危険度が低い順に、3級~1級の等級に区分される。よく間違われるが、これはサクラやツツジなどの「種別」ではなく、個体特有の「大きさ」と「危険度」によって区別される。生えたてのマンドラゴラはもれなく3級に位置され、それから生長していく毎に等級は上がっていく。
・ついにカミキリムシらが伐採できないまま生長を極めた個体は、いつか人間にそっくりな形状の「本体」を得る。ここまで至った個体はいわゆる特級に区分され、明瞭な自我と高い知能を持つ。
◆特級について◆
・長い年月を生き延びたマンドラドラが至る、怪物の完成形。
・1級以下のマンドラゴラとは文字通り危険度が一線を画す為、一部では『マンドレイク』とも呼ばれる。
・現存する特級は長らく6種が確認されていた。いずれも図抜けた生命力を誇っているため、ほぼ伐採は不可能であると考えられていた。
・特級6種の内『千年杉』と呼ばれる怪物が伐採されたのは、つい一年半ほど前の話である。
・特級『魔王』は、世界樹ユグドラシオンが発生した最初期からその存在を確認されていた。それはひとたび出現する度に、人類に甚大な被害を齎している。そして『魔王』だけは、伐採は愚か剪定に成功した例すら一度も存在しない。
・トウエモンの一族は、かつて初代当主が初となる特級討伐を単身で成した事により『ただのカミキリムシではない、ウルトラ級のカミキリムシ、ウルトラカミキリムシの血族』として知れ渡った。
- Re: ウルトラカミキリムシ ( No.12 )
- 日時: 2023/12/17 23:57
- 名前: 緑川蓮 ◆vcRbhehpKE (ID: flo5Q4NM)
自分用メモ(用語編)
『伐採』
・マンドラゴラに再生不可能なダメージを与えて沈黙させること。実質、討伐や抹殺と同義。
・ほぼ伐採が不可能と判断されたマンドラゴラの一部は特級に区分される。
『剪定』
・マンドラゴラに甚大なダメージを与え撤退ないしは休眠状態に追い込むこと。
・1級の一部や特級は伐採が不可能に近いため、剪定という言葉が生まれた。
・また対マンドラゴラ研究の為にサンプルとして生体のままマンドラゴラを回収する場合も、剪定を指示される事がある。
『序列』
・カミキリムシ達は貴重な戦力であり、その損耗を最低限に抑える必要がある。適切な戦略立案の為には適切な実力評価が必要であることと、またカミキリムシ同士での切磋琢磨を奨励する為、全てのカミキリムシは序列(=戦闘力の順位)が与えられる。
・あくまで戦闘力の評価であるため、個人の人格や社会的な影響力は一切考慮されない。
・その時期や運などにもよるが、基本的に序列30位辺りより下は入れ替わりが激しい。
・序列の更新は一カ月ごとに行われる。
- Re: ウルトラカミキリムシ ( No.13 )
- 日時: 2023/12/18 11:00
- 名前: 緑川蓮 ◆vcRbhehpKE (ID: 0W9rRz2p)
ごく稀だがカミキリムシの中には、常人を超えた身体能力と共に「特殊な力」を授かる者が居る。
まあそんな事を言ってもこの稼業、たとえ伝説の勇者サマめいた圧倒的パワーや、聖女や大魔法使いのように味方を癒す能力を持っていたとしても死ぬ時はサックリ死ぬ。期待の新人なんて言う言葉はボジョレーなんちゃらの「ウン年に一度!」という言葉ほどの説得力も持たない。ちなみになんちゃらヌーボーの産地は今や立ち並ぶスギの大森林になっており、人っ子ひとりも居なくなって久しい。
ただ少なくとも現在、世界樹対策局の序列7位以上から2位までは、もれなく各々が特殊な力──誰が呼んだか『ギフト』を持っている。
そして不死身の蛇丸には、文字通り他のカミキリムシと一線を画す再生力がある。
「あっちぃ、熱ァ、あつつぃ、むしろ痛っ、ってウオ馬鹿アブねェなこのド畜生っ、って言ってる暇も無くねウワっアッツっもう嫌!」
序列第4位こと蛇丸が1級『カエデ』対策としてまず始めたのは、上着を脱ぐことであり、それからシャツも脱いで半裸になる事だった。
ボトムスとパンツは脱がない。さすがにパンツまでは対燃性能が無いため、全裸で戦うハメになる事態を避けた結果だ。
それはそれとして「あの火力だと、いくら燃えにくいつっても一撃喰らえば燃えるなあ……」と見極めていたので、とにかく蛇丸は下半身への被弾を必死で避けていた。
蛇丸はサイモン軒の店主みたいに大らかな性格でもなければ、そういう『癖』でもない。
「何コレ、今すぐ帰りてェなァ!」
その代わり上半身なら幾ら焼かれてもオーケー。
「それか……さっさと死んでくれ」
抉る様に炎が深く頭を脇腹を撫ぜて通過する。
そのたびに白い頭蓋骨が肋骨が露になる。
皮膚まで再生する間も無い程の手数で次が襲い来る。
ここの一秒はだいたいサウナの三時間。
熱に当てられ頭をやられながら蛇丸はチェーンソー『棺』を振り回し突き進む。
「はっはァ!」
世界樹対策局にあるデータベースを読み上げるなら、その威容と権能は正に北欧地域で伝わる神話の「トール」という巨人だ。
黒い人型で全高ウン十メートルの太腿を腹を二の腕を駆け上がり。
彼は歪んだ笑みと裏返った狂気の吐息を吐き出す。
「なんか逆に楽しくなってきたぞォ……?」
同時に。
「頭ぁクラックラするゥ……」
一歩踏み出すごとに、だいたい三つの閃光。たまに五つから六つ。
自らも灼かれながら、焼かれながら、白骨を晒し、再生して真っ赤な肉を骨の表面に這わせながら、また即座に次の紅葉を浴びて爆ぜつつ、もう消える暇も無いから、いっそ背中にオレンジ色の炎を背負い。
「ああ、よくよく考えたら俺、テメエらマンドラゴラの事が大好きだったかも」
黒い巨人の目には、ブーケの様に紅葉が百花繚乱していた。
今や駆け上がった蛇丸は、その眼前に居る。
背に炎を纏い、右腕から右肩までは焦げて黒く染まり、右上頭部は骨を晒し、なんなら尻にも火が点いたままで。
蛇丸の声で黒い巨人は真横を向いている。右肩の先に、半裸の狂人が首を鳴らしてチェーンソーを携えていたのだ。その「ただデカいだけのチェーンソー」は『棺』と呼ばれている。
「よく考えれば、俺らってオマエらのお陰で食ってるんだもんな……」
体中に籠った熱気を圧し出す様に、蛇丸は深く息を吐いた。
それから。
「ありがとう金ヅル、さよならッ!」
直線状に自由落下をしながら。
空中で何度も回り踊り狂い『棺』の駆動音を撒き散らし。
燃え上がりながら縦横無尽に刃の軌跡を複雑に描き。
予定調和の様に地上へ降り立つ。
杖の様にチェーンソーを地面へ突き立てながら。
それはそれとしてチェーンソーは未だ高速回転している。
もちろん勢いに弾かれたので、カッコよく着地をキメたハズの蛇丸はキックバックで無様に弾けてスッ転ぶ。
仰向けに倒れながら、彼は巨人『カエデ』がズタズタに両断されて崩れ落ちる様を眺めていた。
顔面に残骸の破片が直撃する。
ちょっと口の中を切った蛇丸は、恨みがましく血と一緒に言の葉を吐き捨てる。
「……お客様は神様でした」
◆
ここまでが蛇丸の視点である。
では織田・プロレスリング・灯の視点ではどうだろうか。
同期の4人が呆気なく炭か白骨か100グラム幾らの肉塊になった。
頼れる先輩達も1人また1人と焼かれるか潰れるかして削られるか、あとだいたい2人くらいは振り返ったらいつの間にか転がっていた。
別に生きる事を欲している訳でもないし、やりたい事がこれから先にあるワケでもないけれど。なんなら多少は予想すらしていたし、それを分かっていた上で1級『カエデ』と戦わされるって聞いて、別に賛成も反対もしなかったワケだけれど。
その上で皆が戦うって決めたのなら、別にボクのせいではないし。
ボクに責任のない形でボクが死ぬのなら、別にそれでも良いし。
だって生きていたって別にこういう光景とか、見ていても全然なんも思わないし。そういう形じゃない幸福があるのかも、それは是非とも、期待してみたいモンですね。
でもそういう幸福が降りかかってくるのは全員じゃないし、かつ自分に降り注ぐという確証は無い。自分が誰かの物語のモブじゃないなんて保証はどこにも無い。誰もがそれについて敢えて考えていないか思いも及ばないだけだけれど、いちおうボクは知っている。
灯はそう考えていた。
「ありがとう金ヅル、さよならッ!」
灯は「ちょっとエモい光景」を見た。
蛇丸が熱に浮かされながら叫んで幾度もチェーンソーを振り落ちる様は、まるで真昼間に真下へ落ちる流星の様に見えたのだ。
彼はどこに落ちた?
満身創痍の身体を引き摺りながら、灯は彼が落ちたであろう方向へとフラフラ頼りなく揺れながら歩む。
- Re: ウルトラカミキリムシ ( No.14 )
- 日時: 2023/12/31 23:54
- 名前: syamu (ID: rE1CEdls)
風死ことダモクレイトスさんってまだ生きてるんですか?