二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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月光の円舞曲(イナイレ+しゅごキャラ他)リク受け付け中
日時: 2011/12/12 21:22
名前: しずく ◆UaO7kZlnMA (ID: 9kyB.qC3)
参照: リクエスト受付はしてます←完成遅し

(その手は虚空すら掴めなかった)
▼あ、やせいのしずくがあらわれた!
グーテンモルゲン!初めまして。しずくと申す駄文量産機でございます。ヒーハー。
短編のスレが液状化し始めたのでこちらに改めて立て直しました。

概要
イナズマキャラのNLや夢小説の妄想とか語りを気ままにのせる短編集です。もうちょいしたら、夢小説のリクエストも再開予定(もうしてます)。後、たまに他のアニメも書くかもです。最近、ひぐらしのなく頃にが増えました。いいえ、増えます!増やしてみせます!
要は妄想の語りだね←しずくは雑食で色々好きです。女の子とかイケメソ仲間いいかな……
コメントできないフライドチキンさんなので、コメントもらえると萌え語ってお返ししますよ。マジで嬉しいので、テンションあがりますww変だったら突っ込んでね←

▼おや、しずくがなにかをうったえるめでこちらをみている
ルールとマナーを守って楽しくでryいえ、合流しましょう!嵐・暴言・無断転載は削除の対象となります。ご注意下さい。
またこのスレッドは授業中や入浴中に読まれることを想定していないので、先生や水と言った天敵には対応していません。気をつけて読みましょう←
一時間ごとに十分は目の休憩をとりましょう
扱っているもの
main
イナズマイレブン

時々
ひぐらしのなく頃に
▼もくじ
夢やその他リク>>5(かなり完成遅いです;;)

(予定や気まぐれで増えてきます)
長編〜i will moe!〜
ボカロ「水の踊り子」パロで円秋

短編〜come on!〜

分類できない
>>鬼蓮(GOの世界。帝国戦前)
>>晴風蓮(同じくGO)

リクエスト品!

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Re: 彼方と貴方にさよならして(イナイレ+ひぐらし)リク受け付け中 ( No.73 )
日時: 2011/12/07 22:09
名前: しずく ◆UaO7kZlnMA (ID: oompVg8u)  

そろそろお昼の下ごしらえをしよう、そう考えた私は、秋さんたちよりも早く食堂に足を踏み入れた。
しかし、そこにいたのはマネージャーの誰でもなくて、イナズマジャパンの選手——蓮くんの姿。何故か爪先立ちになり、あまり使用されない、食器棚の上の棚を開けていた。
ふと中をみやれば、食器棚が開けっぱなしになっているし、机の上には、小さめの段ボールが積み重ねられていて。蓮くんはわりかし几帳面な性格だから、こんなことは滅多にしない。というか、この光景を秋さんが見たらすごく怒りそう。そんなことを考えていると、蓮くんは棚を閉じると、踵を地面につけて、
「あれ〜どこにあるのかな?」
困ったように頭を掻く。どうやら何かを探しているみたいだ。何を探しているのかな?
「……蓮、くん? どうしたんですか?」
疑問を持った私が声をかけると、蓮くんは開けていた食器棚を閉めて振り向き、苦笑した。
「あ、散らかしてごめん。大きめの段ボール探してたんだけど、見付からなくて」
「大きめの段ボール、ですか? だったら、台所の奥にありますよ」
段ボールの在処を教えると、蓮くんはお礼を言って、厨房の中に消えていった。しばらくすると、畳まれた大きめの段ボールを片手に出てきた。大きめの段ボールが手に入ったのがよほど嬉しいらしく、スキップに近い軽い足取りだった。
それにしても、こんな大きな段ボールを何に使うつもりなんだろう。蓮くんが今、手にしている段ボールは、イナズマジャパンの誰かが引っ越しのために使った段ボール。本や小物を入れるかなり大きめな物で、普通ならあまり使わない。気になるので、何に使うんですか、と聞くと蓮くんは、かなり曖昧に答えた。
「ちょっとファイアードラゴンに贈り物」
ファイアードラゴンと言えば蓮くんの幼なじみ、晴矢くんと風介くんが所属していたはず。その二人のどちらかに何かを送りたいのかな。
「晴矢くんや風介くんに贈り物ですか? 果たし状とかお塩とか」
その言葉にえ、と疑うように目を見開いた蓮くん。それから苦笑いをしながら、言葉を選ぶようにたどたどしく答えてくれる。
「いや、果たし状は封筒で送るものかな……後、塩はどっちの意味でも送ったら大変だよね、うん。えと……欲しい段ボールが大きいのは、韓国宿舎に送りつけてやりたいものがちょっとあって、それがすごく大きいんだ」
手を縦に大きく広げて、これくらい大きいの、と蓮くんは付け足した。蓮くんの頭の上から膝辺りまであるんだから、きっと大変じゃないかと思う。手伝おうかな、と考えいそいそと部屋から出ていこうとする蓮くんの背中を慌てて追いかけ、彼に声をかける。
「一人で準備するの、大変じゃないですか。お手伝いしましょうか?」
「いや、手伝うと大変なことになるから、気持ちだけ——」
「蓮、どこに行っていたんだい?」
「て、照美さん?」
と、そこに低いがどこか綺麗な声が重なった。その声を聞いた途端、蓮くんの顔から笑顔が消えた。顔がひきつり、珍しく嫌そうに眉を潜めながら振り向いた。つられて振り向くと、そこにはファイアードラゴンの選手で、蓮くんに片思いをしている照美さんの姿があった。思わず彼女の名前を呼ぶと、久しぶりと柔らかい微笑で応じてくれた。
相変わらずの美しさに、同性としては羨ましい限り。思わず照美さんの顔を眺めてしまうと、照美さんは手で前髪をすくい、さっと払って見せた。金糸のような髪がふわっと舞った。そんな優雅な照美さんはやっぱり素敵だ。そして、蓮くんも可愛らしい。うわあ、アフロディ格好つけてる〜と小馬鹿にして小突いているけれど、口元が緩んでいる。恥ずかしいのを誤魔化しているのでしょう。

それにしても、照美さんが韓国の宿舎を脱走して蓮くんの元に来るのは、覚えている限りでは、今回で二桁になった気がする。それだけ、照美さんの想いは深いんだろうと思う。敵になっても蓮くんを想う照美さんの純粋さは、同じ女の子として、応援したくなる。

相変わらず照れを隠し、じーっと照美さんを睨み続けている蓮くんに食堂で話しませんかと提案し、とりあえず三人で食堂の席に座る。私の隣に座る蓮くんは、お向かいの照美さんと無言で見つめあっていた。ものすごく不機嫌な顔でまた照美さんを睨んでいてちょっと怖いけれど、対する照美さんはにっこりと微笑んでいる。
隣の蓮くんが怖いのもあるが、脱走してきたとは言えお客様である照美さんにお茶を出そうと思い、私は一度席を立ち、台所に向かう。
「イナズマジャパンは、いいところだね」
「……なんで敵の宿舎で呑気にくつろいでいるんだ」私がお茶を準備している間にも、蓮くんは相変わらずご機嫌ナナメの様子。頬杖をつきながら、照美さんを呆れた目で見ていた。

Re: 彼方と貴方にさよならして(イナイレ+ひぐらし)リク受け付け中 ( No.74 )
日時: 2011/12/07 22:11
名前: しずく ◆UaO7kZlnMA (ID: Mg3hHTO1)  

やがて湯呑みにお茶をいれ終わったので、それらをお盆に乗せて蓮くんと照美さんの元へ運ぶ。湯飲みを蓮くんと照美さんの前に置きながら、私も会話に参加する。恥ずかしがりやな蓮くんを私がリードしなくちゃ。

「照美さん、また蓮くんに会いに来たんですか?」
「うん。蓮に会うと、チームのことを色々相談出来るからね。頼りにしているんだ。昨日もね、蓮に愚痴を聞いてもらっていたんだよ」
湯飲みを傾けていた蓮くんが、湯飲みを机に置き、そうそうと相槌をうってくる。
「主にキャプテン、チャンスウへの不満だったね」
「そうだ、桃花さん聞いてくれよ。チャンスウはね、とても酷いんだ」
……照美さん曰く、チャンスウさんはとても厳しいらしい。早起きをしなさい、と好き嫌いをしなさい等々毎日口うるさいそうだ。まるでお母さんみたい。
「まあ確かに酷いよね。早起きできない、好き嫌いをするからグラウンド5周って……アフロディが悪いとは言えかなり変わっているよね」
「そうなんですか。ファイアードラゴンも大変ですね。頑張って下さい、あ、よければお菓子もあります」「ああ、有難う」
大変な照美さんを労う意味で残り物のクッキーを差し出すと、照美さんはお礼を言ってクッキーを食べ始めた。クッキーのつかみかた、口への運びかた。その食べ方一つにも品があって、思わず見てしまう。クッキーのカスも全く落とさないんだもの。
すごい。……と私は蓮くんに同意を求めるが、蓮くんはカッコつけてるだけじゃないかと悪態をついた。嫌悪感を面に出しながら、乱暴にクッキーをひっつかみ、口の中へと放り込む。クッキーのカケラが、お皿の上にぼろぼろと零れた。それからお茶を一気飲みし、湯飲みを叩きつけるように置いた。
「ところで、キミ、自分が敵チームに所属しているって自覚あるの?」
確かに照美さんは敵。そこで気づく。蓮くんがご機嫌斜めだったのは、イナズマジャパンの情報を盗みに来たと思っているからみたいだと。でも、今日は幸い練習はお休みの日だから何の問題もない。
蓮くんに聞かれた照美さんは口元に手を当ててクスクスと笑った。
「ボクとキミは、敵だが——今は、ひとりのサッカープレイヤーとして話しているんだ。そういうキミも、南雲や涼野とよく電話やメールをしているが、それをいけないことだと言うのかい?」
「……論点ずらさないで」「ボクとキミを隔てる壁はとても高いようだ」
「僕とキミってさあ、違いすぎるね」
「お二人とも仲がいいんですね。蓮くん、照美さんと言う恋人を大切にしてあげて下さい」
微笑ましいやりとりを見て、率直に感想を漏らすと、蓮くんと照美さんが一斉に私を見た。それからぷっと噴き出す音。照美さんだった。口を手で覆い、笑いを必死に堪えている。その横で蓮くんはひきつった笑みを浮かべ、視線を泳がせていた。私は状況が分からず、あの、何かおかしいことを言いましたか、と尋ねると照美さんは答える代わりに空いた手をひらひらと振った。それから口から手を離し、
「ボクと蓮が恋人か。ねえ、蓮。南雲、涼野、ボクの三人の中で誰が一番なのか教えて欲しいな」
「誰だと思う?」
「美しいボクに決まっているじゃないか」
「僕の一番(呆れた奴)はアフロディに決まってるじゃないか。大好きだよ、アフロディ!」
「やっぱり蓮くんは、照美さんとラブラブですね。敵チームとして別れても、こうして愛し合えるなんて素敵です。で、でも私も、負けてませんよっ。た、たとえ士郎が敵になったとしても、照美さんが蓮くんを愛したように士郎を愛します!」
私も蓮くんと照美さんのように士郎と仲良くして行こうと決意を新たにして、かなり恥ずかしいことを言ってしまったことに気付く。何故だか士郎がいるような気がして辺りを見渡すけれど、考えてみれば士郎がいるはずはない。染岡くんとスパイクを買いに行くと、朝から出掛けているのだから。思わずため息が零れ、安堵すると「桃花さん、ちょっといいかな」と蓮くんが控え目に話しかけてきた。
「あ、……えと……、非常に言いづらいんだけど、アフロディは"男"だよ」
「こんな美人さんが男の子なわけありません! 立派な女性ですよ!」
「あの、女の子はFFIに出れないんだけ、ど」
「照美さんは、特例なんですよ。嗚呼、でも恋人の蓮くんとバラバラにさせられるなんて可哀想です」
「まあ、アフロディの性別はどうでもいいけど……これ(アフロディ)を今からクーリングオフする」
突然立ち上がり、にっこりといつもの可愛らしい笑みを見せる蓮くん。だけど、その右手にはしっかりと段ボールが握られていて。
「え、もしかして贈り物ってアフロディさんですか!?」
「段ボールの中に入れて、外には鎖かけて南京錠で施錠して万端をきたして送り返してやる」
「れ、蓮。その手に握っている包丁はなんだい?」
「れ、蓮くん。人を宅配便で送ると、蓮くんのお小遣いがなくなっちゃいますよっ!」
その後、私がどうにか蓮くんを宥め、蓮くんが冷静さを取り戻してくれたところで話し合いの時間が持たれた。結局、照美さんがすぐに韓国宿舎に帰ると言うことで蓮くんは大人しくなってくれたので良かった。あのままだと、本当に照美さんを段ボールに入れてしまう勢いだったもの。
「……はあ。桃花さんの言う通りだよ。こうなったら、韓国宿舎に直接殴り込みに行って、きちんと話をするか」
ちょっとごめんね、と断りをいれると蓮くんは食堂から出ていく。こっそり後を追い掛けると、蓮くんは携帯電話を耳に当てて誰かと話していた。
「あ、もしもし。蓮だよ。よし、二人ともいるね。あのさあ、宿舎からまたアフロディいなくなってるでしょ……え、相変わらず鋭いって、照れるなあじゃなくて。もう! チームメイトの管理もしっかりしてよ。晴矢、風介」
あのねえ、ファイアードラゴンのエースのアフロディがもしいなくなったら、チームも困るでしょ。あの脱走する癖はどうにかならないの、とずっと電話に向かって怒鳴りっぱなしの蓮くんは、見ていて少し怖い。私は恐怖をまぎらわせる意味も込めて、後ろから蓮くんの様子を窺っていた照美さんに話しかける。
「照美さん」
「なんだい?」
「蓮くんのこと、大事にしてあげて下さいね。前に士郎が『蓮くんは、かなり純粋だから悪い虫がつきやすそうだね』と言っていましたから」
「確かに蓮は、守ってあげないとダメだな。ふふ、今はイナズマジャパンに預けているが、そう遠くないうちにボクが迎えに行くよ」やはり、照美さんと蓮くんは仲がいいなあと思った。私にも応援できることがあったら言ってください、と照美さんに伝えると彼女は優しく微笑んでくれた。

Re: 彼方と貴方にさよならして(イナイレ+ひぐらし)リク受け付け中 ( No.75 )
日時: 2011/12/07 22:13
名前: しずく ◆UaO7kZlnMA (ID: 5prxPZ/h)  

「さあ、さっさと帰るよアフロディ」
「桃花さん、頼むから着いてきてくれ。蓮を一人にすると、色々と怖いからな……」
初めは蓮くんが一人で送っていくことになっていたが、私は照美さんから着いてきて欲しいと必死な声音で耳打ちされた。理由を尋ねると、どうやら照美さんが蓮くんを怒らせてしまったとのことらしい。私は聞くいただけだが、怒った蓮くんは「伝説の破壊神」、「衝撃の顔」と呼ばれる程、イナズマジャパン内では恐れられているらしい。

わいわいと楽しく談笑しているうちに、韓国の宿舎にたどり着いた。
日本の宿舎から少し離れた場所に、照美さんが所属するファイアードラゴンの宿舎があった。
雷門町の駅から電車とバスを乗り継がないと行けないから、私一人だったら迷っていたと思う。でも、蓮くんの案内ですんなりと到着することが出来た。ちなみに照美さんは空を飛んで来たらしいので、電車とバスの道を全く知らなかったりしてビックリした。
宿舎の前では、予め蓮くんが連絡を取っていたらしく、宿の入り口でユニフォーム姿の晴矢くんと風介くんが待っていてくれた。その後ろでは、ファイアードラゴンの選手たちが遠巻きに私と蓮くんを眺めていた。あれが南雲たちの幼なじみ〜思ったより迫力ねえな、あいつ本当にすごいプレイヤーなのか、マネージャーが可愛すぎるだろおい、彼らはイナズマジャパンの清涼剤か、とかひそひそ話が聞こえてきた。
「ただいま、南雲。涼野」照美さんは、晴矢くんと風介くんの元に駆けていってそんな一言。顔はとても晴れ晴れとしていて、反省の色は全く見えない。蓮くんと会えたことがとても嬉しかったらしい。そんな照美さんの対応に晴矢くんと風介くんは顔をしかめた。
「ただいま、ではない。敵チームの宿舎に行って、何かあったらどうするつもりだ」
「ったく、アンタのせいで俺たちが蓮に怒鳴られる羽目になったじゃねえか」
一応、注意はしているけと、照美さんは「そうだね」とニコニコしながら軽く流して。逆にイナズマジャパンの宿舎での暮らしぶりを楽しそうに語り始め、晴矢くんと風介くんは呆然としていた。全く反省はしていないみたい。
「うん、今回も蓮と色々話せて楽しかったね」
そう結論付けると、照美さんは宿舎の中に戻っていってしまった。本当に照美さんはマイペースだ。ここにいる全員が呆気にとられていた。
「……人の話聞いてんのかよ」
晴矢くんがポツリと呟き、「……晴矢くんも大変ですね。チャンスウさんにも、宜しくお伝えください」
「あ〜大丈夫だぜ、マネージャー。アフロディの脱走はもう何回もあることだしよ」
「逆に面倒を見てくれるだけでありがたい。感謝する」
穏やかな表情を浮かべながらお礼を言う晴矢くんと風介くん。やがて、二人の視線が私から大人しくしている蓮くんへと向けられた。

Re: 彼方と貴方にさよならして(イナイレ+ひぐらし)リク受け付け中 ( No.76 )
日時: 2011/12/07 22:16
名前: しずく ◆UaO7kZlnMA (ID: YwspoyBV)  

「ところで蓮。アンタ、韓国の首都はいい加減に覚えたよな?」
「うん。竜宮城でしょ?」その答えに私も込み上げてくる笑いを抑えるのに必死だった。晴矢くんは豪快に笑いだし、風介くんは笑ってはいないものの噴き出していた。蓮くんはその答えに自信があったらしく、指を折りながら当てずっぽうに答えを言っていく。
「あれ、少女時代でしょ、カラでしょ、冬ソナ。どれだっけ」
「れ、蓮くん。韓国の首都はソウルですよ」
周りが爆笑の渦に包まれていくなか、いじられている笑われている蓮くんが可哀想に思えてきた。見かねたので、蓮くんに答えを教える。しかし、蓮くんはまるで初めて聞いたかのように、
「ソウルなんてあったんだ。へぇ」
……と何故か妙に感動していた。
「おい、こら。ソウルをなめんな。ソウルは、日本で言う新宿に当たるどでかい都市だ。つまり、」
「相変わらずバカだな! オーストラリアには勝てても、地理には勝てねえな」「う、五月蝿いな! つか、風介まで笑うな! 後、チナンまで笑うな〜!」
「イナズマジャパンは、こんなバカがいるんだ。強敵だと思う必要はないぜ」
「誰がバカだ。それくらい出来るもん」
晴矢くんが蓮くんを馬鹿にし、私は許せない気持ちになった。でも、蓮くんは何故か楽しそうで。晴矢くんと風介くんとわいわい戯れている。イナズマジャパンでは、あまり見ない彼の意外な一面は興味深かった。「僕はバカじゃないから、問題出して」
ムキになって晴矢くんにバカじゃない証明をしてやると言い、ますます晴矢くんに苛められ始めた。……と言うよりも蓮くんは、本当に地理が苦手らしい。小学生レベルの問題が全滅していた。やがて笑いすぎて問題を出せなくなっている晴矢くんに変わり、落ち着いた風介が問題を出し始める。
「蓮、木星の首都は何処だ?」
明らかに蓮くんをからかう質問。木星に首都なんてない。だが、ムキになっている(失礼だが木星に首都があるか分からないのかも)蓮くんは真面目に考えていた。
「も、木星の首都ってシマウマだっけ」
風介くんは、鼻で笑う。
「それでも中学生か。晴矢ですら知っているぞ」
「おい、風介。俺"で"すらってなんだ」
今まで笑い続けていた晴矢くんが、風介くんに食いかかるが風介くんはそれを無視して蓮くんをからかい続ける。
「だいたいキミは幼い頃から地理のレベルはマイナスだったな。自分がいる町の名前すら知らなかっ——」蓮くんが反論出来ずに悔しそうな顔をしたその時、私の中で何かが弾けた。気が付くと、口が動いていた。「風介くんまで蓮くんをいじめないであげて下さい! ……ああ、もう良いです」
大人しい私が怒ったことに晴矢くん、風介くん、蓮くんはびっくりして固まっていたが、私は蓮くんの手首を掴み、宿舎に背を向ける。
「蓮くん、帰りましょう」
ちょっと桃花さん、と戸惑う蓮くんが前のめりになった。——その時。後ろから這うような低い声が聞こえた。
「南雲、涼野。龍を司るあなたたちに油を売る時間を与えた覚えはありませんが」
「……げ、チャンスウ」

Re: 彼方と貴方にさよならして(イナイレ+ひぐらし)リク受け付け中 ( No.77 )
日時: 2011/12/07 22:18
名前: しずく ◆UaO7kZlnMA (ID: YwspoyBV)  

ちょっと桃花さん、と戸惑う蓮くんが前のめりになった。——その時。後ろから這うような低い声が聞こえた。
「南雲、涼野。龍を司るあなたたちに油を売る時間を与えた覚えはありませんが」
「……げ、チャンスウ」
嫌そうな声で晴矢くんが言った。蓮くんの手首から手を離し、ゆっくりと振り向くと、そこにはチャンスウさんが立っていた。彼は、穏やかに微笑んで、晴矢くんと風介くんをみやる。
「私の声が聞こえませんでしたか? 油を売る時間は与えていない——何回も繰り返させないで下さい」
表情こそ穏やかであるものの、その声は低く、恐怖を与えるには十分だった。私も怖くてすくみそうだった。肝が据わっている蓮くんは平然としていたけど、それでもキャプテン怖い、と溢していた。イナズマジャパンで、ここまで怖いと言ったら怒った蓮くんくらいかな。

叱られた二人は、ばつが悪そうな顔をし、仕方なしと言った調子で宿舎に戻っていく。他の選手たちは、それを無言で見ていたが、
「あなたたちも、ですよ」チャンスウさんにびしっと指摘され、慌てて宿舎に帰っていた。チームの皆さんが宿舎に帰ったのを確認すると、チャンスウさんはこちらを向く。すまなそうな顔をしていた。
「先程は、私のチームの者が大変な無礼を働き、そしてアフロディがあなた方に迷惑をかけたようで……申し訳ありませんでした」
深々と頭を下げられ、私と蓮くんは揃って否定する。「い、いえ。大丈夫です」「あの二人はいつもああだから、気にしてないよ。まあ、アフロディに関してはきちんと叱っておいて欲しいけど」
「勿論ですよ、白鳥」
「チャンスウは本当に頼りになるね。これなら、安心して任せられるよ」
困ったように笑う蓮くんを見て、チャンスウさんはふっと笑い。何か無言の会話があったみたいだけれど、私にはよくわからない。任せられるって誰のことだろうとうっすらと思ったが、チャンスウさんが私たちに背中を向けたのですぐに忘れてしまった。
「では、イナズマジャパンも頑張って下さいね。いずれ貴方たちに龍の恐ろしさを、身を持って体験させてあげましょう」
脅すように低い声で別れの挨拶をするチャンスウさん。でも、蓮くんは不敵に笑っていた。
「……現実に存在しない虚構を、誰が怖れると思っているんだ?」
「り、龍なんて怖くありません」
私も蓮くんに負けじと強がってみた。すると、チャンスウさんは愉快そうに微笑む。
「貴方方はとてもお強い。——戦うその日を楽しみにしていますよ」
片手を上げ、宿舎に戻るチャンスウさんを見つめながら蓮くんが口を開いた。
「ねえ桃花さん」
「はい、何でしょう?」
「このチームには、どういった薬を処方すべきかな」「お薬、ですか?」
「そ。病気の特効薬」
「カンタレラ、リポビタンD、それからエクパウォール薬なんてどうでしょう」「……カンタレラはちょっとまずいかな。ま、ここに病院を立てよう」
「チャンスウさん、何か病気ですか?」
「そうだねぇ。すごく痛々しい病気だよ。あれだ。ちゅーにびょーってヤツ。風介も酷いけどさ、最近あれでもマシになった方だよ」「……まあ風介くんまでご病気なんですか。可哀想です」
「このチームは色々と重症だからねぇ」
しみじみと呟く蓮くんだが、すぐに帰ろうかと言って韓国の宿舎から駆け出してしまった。すると目の前に、
「ただいま、蓮」
「もうくんな!」
嗚呼、照美さんと蓮くんは今日も仲が良くて羨ましい。怒る蓮くんを見ながら、私はふっと士郎のことを思い出す。もし、と思う。士郎が敵のチームだったら、彼を愛することが出来るのかと。私も照美さんと蓮くんのように、士郎と仲良くすることが出来るだろうかと。そんな不安を抱きながら、照美さんと蓮くんを見ていると、不思議と出来る気がしてきた。
敵である二人がラブラブでいられるように。きっと、私にだって出来るはず。
「蓮くん。照美さん。私、二人のように士郎を好きでいるつもりです」

な に これ小説。携帯だと大量分割になり読みづらいのは申し訳ないです::
桃花ちゃん(もち桃李様もw)好きなので、頑張りました!これからも愛していくのでよろしくお願いしますっ!吹雪くんとの掛け合いもむちゃくちゃ世界が広がりましたww
遅くなって申し訳ないです。抱き着きまでなら赦すからどんっと来いや(ドヤッ


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