二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- KH×SAO×P4×FBクロスオーバーズ
- 日時: 2015/07/13 15:18
- 名前: レイR ◆SY6Gn7Ui8M (ID: HfS/slXT)
- 参照: http://ge-novel.com/mtsg.cgi?mode=view&no=1&id=Marc
キングダムハーツ
ファイブブレード
ソードアート・オンライン
ペルソナ4
今交わる四つの世界……
誰も見たことの無い世界で、誰も見たことの無い物語が始まる!
【キングダムハーツ Five・Blade the Ultimate in Crossovers】
—————
はい、どうもレイラです!今回はなんとクロスオーバー作品に挑戦してみます。このような本格的なクロスオーバーは初めてなので少々自信ありませんが、頑張っていきます。
各作品からキャラを選出し、総勢20人がクロスオーバーします!ちなみにファイブブレードに関しては上のURLを参照ください。
総勢20人+隠しキャラ10人でおりなすストーリー、ご覧あれ!
アンケート>>165
キャラ人気投票について>>91 >>98
登場人物>>7(第1部) >>168(第2部)
隠しキャラ>>51
レイ、ディアside
(レイ、キリト、陽介、ディア、隠しキャラ5、隠しキャラ3)
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鳴上、ライガside
(鳴上、王様、ライガ、千枝、ソラ、隠しキャラ7、隠しキャラ8)
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ダークside
(ダーク、フィオ、雪子、リク)
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>>103 >>110
クロナside
(クロナ、クライン、ロクサス、隠しキャラ10)
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>>47 >>48 >>49
>>135 >>139
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紫音side
(紫音、隠しキャラ9、隠しキャラ4)
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漆黒の影side
(シャドウレイ、キリス、エスナ、鳴冠、セラ)
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>>180
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- Re: KH×SAO×P4×FBクロスオーバーズ アンケート開始 ( No.168 )
- 日時: 2015/01/15 19:40
- 名前: レイR ◆SY6Gn7Ui8M (ID: 5VHpYoUr)
- 参照: http://ge-novel.com/mtsg.cgi?
レイ
「リーダー格。仲間達と共に漆黒の影を追っている」
キリト
「レイと共に旅するソロプレイヤー。アスナの身を案じている」
陽介
「キリト同様レイと共に旅をしている。漆黒の影の戦う理由について悩み始めた」
クロナ
「リーダー格。ひょんな事から仲間となったクラインとロクサス、アクアと共に戦う」
クライン
「クロナの仲間。戦いの中で成長したのか、3枚目として見られる事が減った」
ロクサス
「過去の存在だが漆黒の影の陰謀によって、この交わった時空に迷い混んだ」
ダーク
「一応リーダー格。しかし何処かのガッカリ王子感が否めない」
フィオ
「ダークの親友。持ち前の射撃スキルでチームをバックアップする」
雪子
「ダークのチームのサポート担当。最近、笑いのツボがますますおかしく」
リク
「チームではダーク同様の常識人で、頭脳派であるため司令塔でもある」
ライガ
「リーダー格。千枝やソラ、直斗と友情が芽生え出した」
千枝
「ライガの仲間。最近、彼の事が気になり出しているらしい」
ソラ
「キーブレードの勇者。鳴上とは大変仲が良い」
ディア
「レイと合流するまでは一時的にリーダー格だった。親友の不在で心を痛めている」
アスナ
「レイの仲間かつディアの親友でキリトのパートナー。現在は漆黒の影に囚われている」
鳴上
「リーダー格。ライガ組と合流してからと言う物の、ソラと仲が良い模様」
王様
「鳴上に初期から着いてきていたキーブレード使い。リクの身を案じている」
紫音
「テラやりせ、ヒースクリフと言った癖者揃いのメンバーと共に旅する少女」
リズ
「アスナの親友で時空の器。現在漆黒の影の城に幽閉されている」
ヒトミ
「レイの妹で時空の器。現在漆黒の影の城に幽閉されている」
???
「」
???
「」
リーファ
「キリトの妹。助けられて以来、レイ達のチームとして戦っている」
ヒースクリフ
「今回キリトがこの時空に迷い混むきっかけとなった。その罪滅ぼしの為、管理者権限を取り戻すべく奮闘する」
クマ
「初期からディアに着いてきていた仲間。何時でも明るいムードメーカー」
完二
「シャドウレイの口から存在だけは確認されているが、詳細は不明」
直斗
「探偵王子と呼ばれるペルソナ使い。現在は鳴上の所にいる」
アクセル
「漆黒の影の刺客としてこの時空にやって来たが、裏切り鳴上に手を貸す」
テラ
「ロクサス同様過去の存在。漆黒の影を探すため、紫音と行動を共にする」
アクア
「彼女もまた過去の存在。クロナとは比較的ウマが合う」
ユイ
「チームのバックアップ担当。レイの事をお兄さんと呼び慕う」
りせ
「紫音のチームのバックアップ担当。紫音とは仲が良い」
シャドウレイ
「一見純粋な悪役だが本当は心優しい性格。アスナの事を気にかけているようだが……?」
鳴冠
「漆黒の影の中では非常に冷静で、キリスほどではないが時に非情になる」
キリス
「シャドウレイの親友で彼の理想を絶対視している。心を痛めながらも時に非情になり任務を遂行する」
エスナ
「漆黒の影の研究者兼No.2。初敗北以来、陽介の事が気になり出して……?」
セラ
「漆黒の影の中で最も非情なサディスト。その為仲間達からも毛嫌いされている」
- Re: KH×SAO×P4×FBクロスオーバーズ アンケート開始 ( No.169 )
- 日時: 2015/01/15 20:05
- 名前: レイR ◆SY6Gn7Ui8M (ID: xO27oKsf)
- 参照: http://ge-novel.com/mtsg.cgi?
漆黒の影が所有する浮遊城、その名を“漆黒と虚無の城”と言う。死後の世界にも等しい謎の空間に浮かぶこの城に、彼女は囚われていた
レイ達と離されてどれだけの時が経ったのだろう、彼女はそう思いながら窓の外を見下ろしていた。無論鉄格子が張ってあるため逃げる事は出来ない
「みんな……」
身を守る防具は奪われ、戦う為の武器も何処かに隠されたあげく装着した者の能力を全て無に還す黄泉までつけられ、完全に逃げる事が出来なくなっていた
ちなみにここはリズやヒトミが囚われていた牢屋ではなく、何処かの個室のようだ。部屋の豪華さから見て恐らく上層辺りに存在する場所なのかもしれない
何とかして黄泉を外そうと試みるがまるで外れる気配が無い。それもそのはず、黄泉の効力によって彼女の能力が一般人並みにされている為外す事は不可能である
どうにかして黄泉を取り除く方法を考えていると、後ろの方で扉がノックされる音が三回ほど聞こえた
「っ!?」
一々大袈裟に反応してしまったがノックは案外優しい物であり、特に危害を加える訳ではない事が読み取れた
「失礼、ちょっと入るね」
そう言って勝手に扉を開けて入ってきたのはこの城の城主であり、漆黒の影のリーダーでありレイと瓜二つの容姿をした少年、シャドウレイだった。彼の姿を確認するとアスナは思わず身構え、シャドウレイは武器を持っておらず危害を加えない事を示すと微笑んだ
「やぁ、ここでははじめまして。改めて自己紹介しておくよ。俺の名はシャドウレイ、漆黒の影のリーダー」
改まって自己紹介をするシャドウレイは余裕を見せており、アスナはまだ口を開かず様子を見ている。現在二人には約8メートルほどの距離があり、彼の余裕はまるで彼女が戦う事の出来ない状態である事を把握しているようだった
「どう?ここへ来て三日だけどもう慣れた?」
「……」
「あっ、そう言えばこの部屋から出てないんだよね?だったら慣れてないはずだ」
思い出したかのように語るシャドウレイは彼女が口を開かずとも怒りもせず、寧ろフレンドリーに関わっていた。この様子は初対面の相手を友達に誘うシチュエーションに似ているだろう、アスナが囚われていると言う事実さえ無ければ
「……私をどうするつもり?」
やっと出た言葉がそれだった。出来る限り視界からシャドウレイを外さず、冷静さを保ちつつもこの状況を打破出来る方法を見つける為考えを巡らせていると、シャドウレイがこう返した
「俺はどうもしないよ。何せ君を捕らえようって言ったのはキリスと鳴冠だしね。俺はそれを了承しただけ」
「……」
「まぁ、二人の人質計画には正直誰でも良かったみたいなんだけど……作戦実行の為には彼らにとっては君が最適だったみたい」
「作戦……?」
「知りたいの?」
状況を整理しながら静かに頷くと、シャドウレイは暫く悩み突然閃いたように言い出した
「ならこの城を案内してあげるよ!まだ慣れてないだろうし。それにキリス達の計画についても教えてあげるね」
彼女の了承も得ずに話を進めるシャドウレイは再び扉を開き、アスナに向かって手招きをした。特に抵抗出来る訳でも無く、自分が囚われた理由も知れるかもしれないので大人しく着いていく事になった
部屋を出てすぐに直面したのは先程の豪華な個室とは打って変わって黒以外の色が見受けられない異質な廊下だった。唯一の明かりであるランプの色も黒であったり、明らかに常人が作れそうに無いほど広かったりと常識外れな廊下だった
「じゃあ行こうか」
そう言うとシャドウレイはゆっくりと歩き出した。特に引っ張る事もなく、強制する事もなく着いてくるよう誘うシャドウレイからは他の敵とは異なる物を感じた
「え、えぇ……」
今は少しでも情報が欲しい、そう思ったアスナは今はシャドウレイの案内に付き合い、この城を探索する事にした。
まず二人がたどり着いたのは黒い扉の前。これまでも視界に見える物全てが黒であった為、流石に目が疲れを感じていた。このような城にもしキリトがいた場合きっと喜んでいるだろうと思っているとシャドウレイがここの解説を始めた
「これは階段への扉。俺達漆黒の影のメンバーのみ通る事が出来る」
「つまりそれ以外は開ける事すら出来ないって事?」
「そう言う事だね」
次に二人が向かったのはシャドウレイが何時も居座っている司令室だった。ここも相変わらず黒以外の色が見受けられず、唯一見える異なる色が部屋の中心に浮かぶモニターに映る景色のみ
「ここは司令室であり俺の部屋。と言っても、大体みんなここに集まるけどね」
「どうして?」
「たぶんみんな組織の夢の為に必死なんだろうね」
「……“組織の夢”?」
意味深な言葉を残したシャドウレイの案内で向かったのは珍しく真っ黒ではない広々とした部屋だった。室内には幾つもの長いテーブルが用意されており、キッチンなども備わっている事からすぐにこの部屋の正体を察する事が出来た
「ここは……食堂?」
「おっ、感が良いね?そう、みんな大体ここで食事を取るんだ。料理は担当兵がやってくれるんだけど……俺も何時かやってみたいな……」
ガックリと肩を落とすシャドウレイはそんな事を呟きつつキッチンの方を見つめている。そんな彼と同じ方向を見つめていると、不意に身体が動き出していた
「あれ、どったの?」
「料理なら、私出来るよ」
「えっ、本当!?なら教えてくれる?俺メンバー達に何時かご馳走してあげたいって思ってるんだ。ここにある食材何でも使って良いから御願い!」
「……うん、分かった」
ここで教えなければ名が廃ると自身のプライドに押し負けたとは言え、いつの間にかシャドウレイと打ち解けていた。今回シチューの作り方を教わる事になったシャドウレイは料理のレクチャー中メモをしながらも常に無邪気な会話に花を咲かせており、アスナは笑って頷いていた
最初こそ警戒していたが、いざ共に行動してみるとシャドウレイは自分達の前に現れた時とは違い、想像とはかけ離れてとても無邪気な明るい性格だった。それに囚われた自分に対しても良心的に接し、敵であるはずなのにも関わらず彼はとても優しかった
- Re: KH×SAO×P4×FBクロスオーバーズ アンケート開始 ( No.170 )
- 日時: 2015/01/15 20:22
- 名前: ショコラ・リィ・サイエンリル (ID: RWarW6Jx)
あぁ、アスナぁぁΣ(゜Д゜;≡;゜д゜)
- Re: KH×SAO×P4×FBクロスオーバーズ アンケート開始 ( No.171 )
- 日時: 2015/01/15 21:07
- 名前: レイR ◆SY6Gn7Ui8M (ID: gLxP4Fii)
- 参照: http://ge-novel.com/mtsg.cgi?
そして二人はこの城の中でも特に薄暗い部屋に来ていた
「ここは?」
「ここは保管室。作戦に必要な物を保管してある」
そう言ってシャドウレイが指差した先には人一人入れそうなほど巨大なカプセルが二つあり、その中にはそれぞれリズとヒトミが眠った状態で監禁されていた
「リズっ!?」
「彼女達は全時空の器たる存在……俺達の計画には必要不可欠なんだ」
「器……?何を言って……」
「さて、キリス達の計画だったね」
二人が安静に眠っている事を確認するとシャドウレイはキリスと鳴冠の計画について話し始めた
「器の一人であるリズベットは、我らの計画を伝えてから協力するよう頼んだけど断った。俺もその時はまぁ当然の返答だと思った、けどその時キリスがある作戦を立てた。
それはリズベットに親しい友人を人質に取って従わせると言う物で、それには鳴冠も賛同した。けど俺は正直乗り気じゃなかった。だけど計画の為だとキリスは断言したから……」
「認めざるを得なかったのね……」
乗り気ではなかった、だが計画の為、このような言葉からシャドウレイがいかに優しい人物である事や彼らの言う“計画”がどれほど重大な物であるか確認読み取れるが、シャドウレイの表情から笑顔が消えていた事によりその考えは一旦シャットアウトされた
「当初は人質は誰でも良い事になってた。けど鳴冠がリズベットを従わせるなら親しい人物にした方が良いと言って、キリスと鳴冠はSAOの時空を中心にリズベットと親しい人物を検索し、何人か見つかった。そこで親友である君が、キリス達の目に止まったんだ」
「だから私って事なのね……」
自分が囚われたのはリーダーであるシャドウレイではなくその仲間であるキリス達の独断による物だった。その為シャドウレイ自身はあまり良い気はしておらず、彼女の身を案じているようだ
「うん、だから君の事が心配でね。こうして案内させてもらった」
「そう……」
「……1つ、ゲームをしよう」
そのシャドウレイの一言が放たれた時、すでに彼女の右腕は彼に取られていた
「この腕に着いている黄泉をよく見てみて。小さなボタンがあるでしょ?これはパスワード式で解除出来る」
「あっ!」
本当だった。確かに黄泉の一目では確認出来ないほど地味な場所に0〜9の数字のボタンが存在し、パスワードにより外れるようになっている
「これを解除する事が出来たら、二人を連れて逃げても良い」
「えっ?でもそんなことしたら……」
「君がここに囚われたのは俺の責任でもある。だから君がパスワードを入力してそれを外せたら君は自由だ。大丈夫、みんなには上手く言っておく」
シャドウレイの気遣いにより1つの大きな掛けが始まった。この黄泉1つを外すだけで自分はあの二人を連れて逃げる事が出来る。それは間接的に漆黒の影の計画を大幅に崩す事にもなる
「何かあったら俺の部屋に来てね、あの部屋の鍵は開けとくから」
そう言ってシャドウレイは彼女の手を離して何処かへ立ち去ろうとする
「そうだ……」
だが何かを閃いたシャドウレイは突然立ち止まって再び口を開いた
「そう言えば名前を聞いてなかった」
「……アスナ」
「そっか、宜しくねアスナ」
そう言ってシャドウレイは今度こそ去っていった。このままここに留まってもいずれ漆黒の影の兵士に見つかって騒ぎになってしまう、なにしろこの場合シャドウレイが勝手に連れ出したと言う事になるのだから。アスナはそうなる前に速やかに最初にいたあの部屋に戻る事にした
- Re: KH×SAO×P4×FBクロスオーバーズ アンケート開始 ( No.172 )
- 日時: 2015/03/31 18:59
- 名前: レイR ◆SY6Gn7Ui8M (ID: so77plvG)
——私達は、信じられないものを見た。シャドウレイ——セラを初めとした漆黒の影のリーダーであり、今回の事件の黒幕。そんな敵の主将が1ヶ月後、キーブレード使いにとっては縁の深いキーブレード墓場で戦争を挑むと言っていた。まさかとは思ったがやはりキーブレード墓場もまたこの時空に巻き込まれており、彼はそこを約束の地と称した。約束の日——否、運命の日は1ヶ月後。その日までに出来るだけ多くの仲間を集めなければならない。しかしシャドウレイは全勢力で攻めてくると言っていた。その上私を驚愕させたのはシャドウレイが私の最愛の人——レイ君にそっくりな容姿をしていると言う事だった。今彼は何処で何をしているのか、一応シャドウレイの演説から存在は確認出来たので少なくとも彼が暗躍している訳ではないが、この言葉にならない不安が彼のいない孤独感を拡大していく。隣を歩くクラインも流石に不安を隠しきれていないようで、ロクサスとアクアさんはより一層戦いの決意を固める等比較的プラスだった。私——クロナは正直マイナスでもないしプラスでもない、迷っているのだ。もしあのシャドウレイがレイ君と何か繋がっているとしたら、もしそうだとしたらきっと自分は壊れてしまう。
こんな悩みはすぐに誰かに話せば良いと誰もが思うだろうが、私は今まで3人の誰にも悩みを打ち明けていない。頼りにならない訳ではないが、心配をかけたくはない。仮にも自分はこの人達のリーダーなのだから。そんな私の不安に刈られた心を知るのは——
『……クロナ、何を迷っている』
ペルソナ、タナトス。元の時間軸では“死の王”として君臨するペルソナであり、この世に死と言う概念をもたらしたものの化身たる存在。しかしタナトスは本来の宿主から無理矢理引き離され、漆黒の影の駒となっていたが、戦いの末に見事に洗脳を解き私達に力を貸してくれた。その為今は聖獣ファラフェニックスとはまた別に私のペルソナとして心に宿っている為、抱えている悩みなど彼には一目瞭然だった
「……タナトス」
『お前は、漆黒の影に操られた僕を受け入れてくれた。それは何故だ?』
「それは……」
途中で言葉が詰まる。しかしタナトスはそれを決して怒らず、静かに待っている。私はそんな彼の気遣いに応じ、先程された質問に答えた
「……信じているから」
『……そう、信じているから。ならば今抱えている不安など、簡単に消えるものだろう』
「……信じる?」
『そう、レイを信じるんだ。敵に操られていた僕を信じて受け入れてくれたように、レイの事を信じ続ければ……彼はきっと大丈夫』
アルカナ“死神”とは思えないほど優しい声がこの精神世界に轟いた。あのとき私はタナトスを信じたからこそ共に戦う事を提案し、そしてタナトスもまた私を認めていた
「……ありがとう、タナトス。お陰で元気が出た」
『信じてるよ、マスター』
この戦いの間だけであるにも関わらずタナトスは宿主である私をマスターと呼び、それは彼が私を信頼している事を示していた
「……クロナ?」
「……はっ!」
眠りに落ちるのとほぼ同じ感覚に襲われるのと同時にロクサスが私の名前を呼んだお陰で目が覚め、振り向くとそこには不思議そうな顔をしているロクサスの姿があった
「大丈夫か?ずっと、ボーッとしてたけど」
「えっ?あっ……そっか」
ロクサスの言葉を私はすぐに理解出来た。何故なら先程タナトスと話をしていたのは精神世界、故に私の中その物。ある意味自分との対話だ。私が悩んでいる間、仲間達には随分と心配をかけてしまったようだ
「大丈夫なのかよ、クロナよう」
「問題ないわ。私を、誰だと思ってるのよ」
「フフッ、“常識に囚われない天然探求者(シーカー)”クロナ・アクアスさんよね?」
「ちょっ、何よそのキャッチコピーは!?」
どれだけ人は不安を抱えても、まわりを見ればこんな風に他愛ない話で盛り上がれる仲間がいる。それを何時までも、忘れないようにしよう
「うし!じゃ行くか」
「えぇ」
「待て」
改めて旅路の一歩を歩み出そうとしたその時、瞬間的に目の前に現れた黒いブラックホールのような渦状のゲートからあの日、私達をこの時空へと人物こと鳴冠が現れた
「鳴冠 悠治……!」
「単当直中に言う。お前達の中にペルソナ使いがいると言うのは、本当か?」
この男、鳴冠はタナトスがこちら側についた事をすでに知っていた。私は言葉なく頷き、鳴冠はそれを鼻で笑った
「ッフハハハ!そうか、お前か。先程からお前から感じる“死神”の力、やはりタナトス……」
その瞬間に鳴冠は何処からともなく両手剣を引き抜き、その左手には私のタナトスの物とは似て非なる紫色のカードが握られていた
「約束の地へ行く前に、見せてもらおう……ペルソナ使いとしての力を。ただし!俺の進化した力に破れる事になるだろうがな!」
「進化した力……!?」
「伊邪那岐禍津神(イザナギノマガツカミ)!!」
鳴冠の背後に現れたのは、紫色と黒色に金色を主体とした立派な装備に身を包んだ鍍金の英雄だった
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