二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 魔法使いのキミと黒猫のウィズ
- 日時: 2015/05/18 18:35
- 名前: 知火狐 (ID: TZ3f2J7J)
初めまして。知火狐です。
皆さんは『魔法使いと黒猫のウィズ』というゲームを知っていますか。
私はこのゲームに出てくる精霊たちの話をここへ投稿してみようと思いました。
自分のペースで更新していくので、見ていただけると幸いです。
注意です
まず、この小説に登場する精霊の口調は私の想像なので、もしあなたのイメージと違っていたらすみません。
次に、私の所持している精霊を中心に書いていく予定なので、書いて欲しい精霊がありましたらリクエストをお願いします。
最後に、この小説はあくまでも私個人の趣味で書くので、決してコロプラ社の宣伝ではありません。
では、これからよろしくお願いします。
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.11 )
- 日時: 2015/11/03 10:19
- 名前: 知火狐 (ID: AZnUimHw)
先日、ニコニコ生放送にて様々なお知らせがありました。
そのお知らせの一つのレジェンド化を祝して、一体の精霊の話をアップします。
『金猫色の弾痕ジル・メイシー』
「嬉しそうだったわね、あのちっちゃい子」
ジルは、眼下の猫たちに微笑みながら言った。
黒猫と魔法使いは、突然閃く光とともに消えてしまった。プフのかぼちゃの帽子と一緒に。
それが、プフの寂しい気持ちを少しくらいは和らげてくれたのではないだろうか。
「うん?」
猫の一匹がジルににゃあと、少し不満そうに鳴いた。
「そうね。もうちょっとくらい、お礼をして、あの一人と一匹と、ハロウィンを楽しみたかったわね」
心残りと言ったら、それくらいだろうか。
「ううん、まだあるわね。あの黒猫ちゃん、まだ名前を聞いてなかったわ」
そこだけは、本当に悔しいと思う。魔法使いに負けたことももちろん悔しいが。
ちなみに、たくさんの猫に囲まれているジルは、猫スナイパーと勘違いされやすいが、実は豹だ。
まあ、結局ネコ科なので、猫スナイパーではないと、はっきり否定はできないのだが。
黒光りする愛銃を抱えなおすと、ジルはかつての自分の記憶が鮮明に蘇ってくるのを感じた。
当時のジルは、その姿から猫スナイパーと呼ばれていた。実は自分が豹だと知ったのは最近である。
自分は猫で、これからも狙撃手として生きていくのだろうと、ジルは疑いもしていなかった。
そんな時、一匹の猫を拾った。
足と尻尾の先の白い猫だった。
仕事帰りに、ボロボロの姿でダンボールの箱の中で鳴いていた、本当に小さな子猫。
仕事がうまくいったことで、気分が良かったからかもしれない。ジルは、その子猫をねぐらに連れて帰った。
それを皮切りに、ジルはたびたび連れて帰っては、一緒に暮らすようになる。
しばらくすると、猫たちはジルの仕事についてくるようになった。
もちろん、困ったこともたくさんあったし、邪魔されて失敗したこともあった。
だが、放り出すわけにはいかなかった。
『猫に罪はないものね』
奇しくも、あの魔法使いと同じ台詞で。
「不思議ね」
たったそれだけ。猫たちに悪気はない。それをものともしないで成功させるのが、真のスナイパーだと、今も信じている。
きっと、自分はこの猫たちから離れられないだろう。
それだけ、猫たちが与えてくれる癒しが代え難いものになっているのだ。
「さ、次に撃ち抜くのは誰かしら?」
猫を撫でながら、ジルは愛銃の冷たさを感じていた。
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.12 )
- 日時: 2015/12/18 09:20
- 名前: 知火狐 (ID: 69bof7Lk)
前回からだいぶ空きましたが、今回はクリスマス限定精霊から。
『聖夜航路の女神様シール・サンテ』
季節を運ぶ航海士は、シールの他にもたくさんいる。
今日は、シールを含む他の航海士も一つの場所に集まっていた。もちろん、これは異常なことなのだが。
「こうやって、みんなで集まるのはいつぶりかしら?」
「確か、何十年か前に会ったくらいで、それからは一切会っていなかったと思うわ」
「みんな久しぶりだねー」
それぞれの船を降りて、航海士たちは仲間との会話に花を咲かせていた。
「おお、シール!この間は済まなかったな」
シールに声をかけたのは、赤と白の暖かそうな服を着た老人だ。
「あ、《聖夜》さん、風邪の具合はどう?」
「おかげさまで、すっかり良くなったよ。ありがとう」
真っ白なひげを揺らしながら、老人はシールに感謝の言葉を並べる。すると、横からひやりとした冷気が寄ってきた。
「そのことだが、シール」
「うん?何?《真冬》さん」
「聖夜の時期、うちの《時化》が妙な様子だったんだが」
真冬の航海士は、シールに冷気を向けながら尋ねた。
「一体、何をしたんだ?」
確かに、シールは聖夜を運ぶ時、夏の力を使ったため、時化が抗議に来たことがあった。シールは、自分の理屈を押し付けて追い払ってしまったのだ。
「あれから《時化》のやつは、ろくに仕事をしない!これからは私が世界中を飛び回って、冬を届けなければならんというのに、だ!」
「あ〜、《時化》さんか。聖夜を運ぼうとしたのに、『夏の力を使ったせいで、季節感がめちゃくちゃだー!』って言ってたから、間違ってるのはあなただよって説得したんだよ」
「間違っているのはお前だ!」
「え?」
真冬の航海士に怒鳴られ、シールはキョトンとした顔になる。それを見て、真冬はますます冷たい風を吹かせる。
「聖夜を運ぶのに、夏の力を使うのはルール違反だろう!」
「ルールを破らなかったら、みんなに聖夜を届けられなかったよ!それこそ、ルール違反でしょ!」
「そもそも、聖夜を運ぶのがお前だったのが信じられん!《夏》が《聖夜》を届けるなど!」
シールと冬の航海士の間に、夏と冬の力がぶつかり合う。
「おやおや、二人とも、久しぶりにみんなと会ったのに、喧嘩するのはもったいないわよ」
「そうよ。まずは落ち着いて」
そこに、春と秋が入り込んだので、そこの季節が一気におかしなことになった。
葉が紅葉し、桜の花が咲く木でセミが鳴き、そのてっぺんでは雪が降り積もっている。
このままでは他の場所も季節がおかしくなってしまう、その時。
「メリークリスマス!」
四人の上に、色鮮やかな箱が降ってくる。
「まあ、まずは落ち着いて。シールに頼んだのは、この子が一番適任だと思ったからだよ」
白い袋を肩にかけた聖夜は、袋を床に置き、ひげを垂らしながら頭を下げた。
「君は一番忙しいし、春ではのんびりしすぎで間に合わないと思ったし、秋もゆっくり休ませてあげたかったから、シールに頼んだんだ」
「うん。手紙にも書いてあったよね」
「今年はすこし季節感のないクリスマスになったけど、みんなに聖夜を届けてあげられたから、良しとしようじゃないか」
青い箱を抱えた冬は、口を尖らせながらわかった、とつぶやいた後。
「ところで、この箱には何が入っているんだ?」
「ピンク色で可愛いわね」
「私は赤いわ。揺らしても、あまり音がしないのよ」
「私、いっちばん大きな箱だから、きっとすごいのが入ってるよ!」
聖夜のくれたプレゼントに心躍らせながら、四人の航海士たちは楽しい時を過ごした。
ちなみに、春の航海士には桜色の髪飾り。
秋の航海士には赤とオレンジのドレス。
冬の航海士には暖かそうなマフラーと手袋。
そして、シールがもらったプレゼントは。
「なんで、私のだけ、私宛じゃないのー?!」
モチピようの小さなナイフだった。
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.13 )
- 日時: 2016/02/07 10:54
- 名前: 知火狐 (ID: Jro3iv1q)
二ヶ月空いた投稿です。申し訳ありません。
少し早めのバレンタインネタです。
『甘味同盟アリエッタ&シャルロット』
バレンタイン。
女性が男性へ、好意を示すためにチョコレートを贈るという行事。
近年では、同性同士で送り合う場合もあるが、シャルロットはある異性に送ることを思いついた。
「よっしゃ、いっちょやったるか」
どこかで購入したチョコレートでも良いが、どうせなら手作りにしよう。
あいつに、やれば料理くらいできると言ってやろう。
ところで、チョコレートって、どうやって作るんだろう。
最初の一歩からわからないので、向こうでスイーツをパクパク食べている同志に聞いてみる。
「ねえ、リッタ。チョコってどうやって作るの?」
「えー」
アリエッタは口の周りに食べかすが付いているが、両者気にせずに会話を続ける。
「カカオから作るんだよー。砕いていろんなもの入れて、最終的に固めるんだよ!」
「よくわかんないけど、カカオね!」
取ってくるー。
やる気のない声を出しながら、シャルロットは財布を持って外へ出る。
「あれ、カカオって、どこで売ってんの?」
まあいいや。
近所のコンビニでチョコ買って、溶かして作りなおそー。
カカオを取りに行くことにはならなかった。
「ねえ、シャルー。それって、板チョコだよね?」
「うん。カカオがどこにあるのかわかんなかったから、代わりに買ってきた」
「それでー、どうしてさっきから動かないの?」
シャルロットがコンビニで板チョコを購入し、戻ってきてから、すでに一時間ほど経過していた。
だが、シャルロットはまた重大なことがわからなかった。
「リッタ、ゆせん、て何?」
湯を張った鍋にボウル越しでチョコレートを溶かす作業のことだ。
「お湯の中に入れたら、どうやってチョコを回収するの?」
レシピを見ながら、ウンウンと唸るシャルロット。
「あーもうっ! 面倒臭い!」
その様子を見ていたアリエッタは、魔法で湯を沸かし、きちんとボウルを使って湯煎し始めた。
「ああ、そっか。なんかの容器に入れて溶かすんだ」
「シャルって、料理苦手?」
魔法の天才と名高いアリエッタ。
他のことには特に目覚ましい才能はないが、それでもチョコレートを溶かす作業はできる。
レシピ見てるのに、湯煎がわからないって、どういうこと?
「あー、お湯が中に入った」
「シャル、もうちょっと丁寧にかき回しなよ」
「あれ、もうこれ以上溶けないよ?」
「お湯の温度が下がってるんだよ!」
「溶けたけど、どうやって固めればいいんだろう?」
「そこも?!」
数時間ほど経ち、アリエッタが珍しく疲れ始めた頃。
「できたー!」
なんとかまともな形になったチョコレートを見て、笑顔になるシャルロット。
「途中で力が暴走しそうになったけど、なんとかなった!」
「シャル、二度と料理しなくていいからね!」
「え、なんで?」
ぽかんとした顔のシャルロットは、それ以上アリエッタが答えてくれそうにならなかったので、気を取り直して、相手に渡しに行った。
チョコレートをラッピングせずに持って行くシャルロット。
アリエッタは、ツッコミを入れる気力がないので、スイーツを食べて待つことにした。
「渡される人、気の毒だなあ」
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.14 )
- 日時: 2016/04/18 17:53
- 名前: 知火狐 (ID: r1a3B0XH)
更新が2ヶ月おきになっていますね。反省します。
最近実装された魔道士の家が気になったので書いてみました。
『魔道士の家』
空間を広げる魔法というものがあるらしい。
その魔道士は、古ぼけた魔道書から聞いたことのない魔法を見つけた。
好奇心を刺激された魔道士は、早速この魔法を使ってみることにした。
空間を広げるのなら、人が入れないような小さな空間を広げてみよう。
魔道士は小さな家の模型を取り出す。この模型はだいぶ前に作ったものだ。魔道士の実家をモデルにしたので気に入っている。
魔道書をよく読み、魔道士はその魔法を成功させた。
広げた空間に入ってみると、家具が置かれていない、つまらない家だった。
模型の中の空間を広くしただけなのだから、当たり前だ。
中にも気を使えばよかったのだろうが、これから家具を置いていけばいい。
外に出た魔道士は幾つかの良さそうな家具を見繕い、模型の中に運ぶ。
使っていない本棚ばかりだったので、本だけがない奇妙な本棚の部屋になってしまった。
何を入れればいいだろうかと頭をひねった魔道士。
ふと、今使っている机の引き出しに、あふれんばかりのある書物があることを思い出した。
あれを入れることにしよう。
書物を年代順に入れ、ついでに魔道書もいくらか入れておいた。
内装に合ったカーテン等も見つけ、居心地の良い家が出来上がる。
「なかなかの傑作だ、私の最後にふさわしい」
白紙のページを開き、魔道士は日記の続きを書き始める。
それには、魔道士のかつて体験した異界の話が記されていた。
「私はもう長くはない身だ。空間を広げる魔法を成功させることができたのも、天の采配だろう」
しかし一つだけ、心残りがあった。
「誰かが、私の記憶を見てくれることだけが、最後の願いだ」
それも、魔道士の記憶を大切にしてくれるような者が。
家から出た魔道士は、模型に魔法をかけ、遥か彼方の方角へ飛ばした。
「これを拾ってくれる誰かが、私と、異界の大切な仲間たちを忘れないでくれれば、思い残すことはない」
そして、黒猫の魔法使いがこの模型を拾うことになる。魔法使いは、模型を造った魔道士の最後の記憶だけは、知ることができない。
- Re: 魔法使いのキミと黒猫のウィズ ( No.15 )
- 日時: 2016/06/09 15:24
- 名前: 知火狐 (ID: r1a3B0XH)
『第3号ロッド』
「キワムー、そっちは終わった?」
「おー、片付いたぞ」
キワム・ハチスカはガーディアンのクロの頭を撫でていた。
キワムの言葉に反応したクロは、可愛らしく吠えて私を迎えた。
「ああ、やっぱりクロは可愛いなー」
私のガーディアンもこんな感じだったら良かったのに、とつぶやくと、当のガーディアンは不満そうに顔をしかめた。
キワムは私に言った。
「自分の一面を否定すんなって!」
「それなら、クロの可愛さはキワムの一面だよね」
「茶化すなよ」
二人で笑い出した。いつものように楽しい一日だった。
私たちが帰ろうとすると、キワムのフォナーに他の仲間たちからの連絡が入った。
『こっちにやたら強い分身体が来た! 悪いけど手伝ってくれ!』
フォナーの向こうからは、爆音や悲鳴が聞こえる。
「わかった、すぐ行く!」
ただならぬ気配を感じ、私たちは走って行った。
分身体を片付けた私たちは、胸をなでおろして怪我の具合を見ていた。
「うーん、かなり強かったね。みんなボロボロ」
「来てくれて助かったよ、俺たちじゃ荷が重くてさ」
「やっぱり、アウデアムスの攻撃は頼もしいな!」
仲間から褒めてもらったアウデアムスは、嬉しそうに一声あげた。
「ほら、そろそろ戻れ。怪我してるんだから」
キワムの言葉に従ったが、クロはそれでも嬉しそうに跳ね回っている。
「こら! クロ、傷の手当てしないとダメだろ!」
クロの後を追いかけて走るキワムの姿に、仲間たちはみんな笑い出す。
クロをやっと捕まえたキワムに、私は声をかけた。
「そろそろ帰ろう、キワム」
「そうだな」
一日が終わろうとしていた。西の空は夕焼けで赤く染まり、子供達が家へ帰ろうと走っていた。
その時、煙が上がった。
何かの爆発音と爆風に、私たちは吹き飛ばされそうになる。
「何?!」
「向こうだ、行くぞ!」
私たちがたどり着くと、さっきと別のカリュプスの分身体たちが、建物を破壊して回っていた。
私たちは力の差に呆然としていた。
今まで戦ったどの敵よりも強いパワー、今までのどの敵よりも硬い身体。
私たちの攻撃が、まったく通じない。
「くっ・・・」
「ちくしょう・・・」
今や、ロッドはすでに攻撃されて、機能するかどうかわからない。
町中が破壊され、私たちもここまでか、と覚悟した時。
「みんな、逃げろ! ここは俺がなんとかするから!」
キワムが叫んだ。
ボロボロの身体なのに、ふらつく足を支えて立ち上がる。
「キワム、無理だよ。そんな身体じゃ!」
私の声を聞いても、キワムはまったく聞こうとしない。
「どこへだっていい、逃げるんだ! 俺が守る!」
「私だって、まだ戦えるよ!」
できもしないくせに、私は叫んだ。キワムを一人にしてはいけない。そんな感情が溢れ出す。
「俺が・・・! みんなを守る!!」
キワムはフォナーを握りしめ、目の前の敵を睨む。
「我と共に挑め! ”アウデアムス”!!」
キワムの体から、黒い靄のようなものが流れ出した。今までに見たことがないほど、アウデアムスの目は爛々と光っている。
「逃げるぞ、急げ!」
仲間が私の手を引いた。
「でも、キワムが!」
キワムは分身体に跳ね飛ばされ、代わりにアウデアムスが分身体の体に爪を立てるが、まったく効いた様子がない。
ふらふらと立ち上がるキワムが、以前の様子とは違うことに気づいた。
「俺、ガ、守ル、んダ・・・」
声にノイズがかかり、キワムではないモノになる。
「守ル・・・みんナを・・・守ル!!」
「キワム! ダメだよ!」
私の叫びは、キワムの叫びにかき消された。
「ガァアアァアァアアアアアッ!!」
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